カムラの里から世界へ繋がる、船着き場の仲間たち

・本記事はモンスターハンターライズ:サンブレイク」全編および、一部シリーズ他作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』および2023年9月29日発売『HAUNTING OF THE SUN モンスターハンターライズ:サンブレイク 公式設定資料集』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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本記事では船着き場のツリキイカホバシラの3名について、サンブレイク編の会話を取り上げていきたいと思います。前回の記事まででエルガド組のお話を一通り終えることができ、今回からついにカムラの里組のMRのお話に突入。船着き場トリオのライズ編の記事も以下に貼っておきますので、お好みで併せてご覧下さいませ。

 

mhrisecharacter.hatenadiary.jp

 

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ーーーー目次ーーーー

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1.続・ツリキ父のステキな(?)贈り物

 

まずは運び屋兼ワープ能力担当のツリキから。ツリキは相変わらず、各地を旅している彼のお父さんとの連絡は続いているようで、サンブレイクでもさまざまな物が父親から送られてくるようです。さっそくその珍品の数々を見て参りましょう。

 

おっ、○○! 聞いたぜ、王国の拠点へ行くんだって? 里の外、しかも王国ってのがスゴイよな!

そうだ、おまもり分けてやるよ! またオヤジがいくつも送ってきたんだ。ちょっとデコボコしてるのが気になるけど。

中身? そんなの知らないって。おまもりなんて開けるものじゃないし 中身なんて見ないだろ、普通。

っていうか見たくないだろ。ウチの親父が送ってきたモンだぞ。むしろ見るべきじゃないと思うぞ。

……いや、やっぱりやるのやめとくわ。もしアレ渡してお前になんかあったら 俺、すげぇ後悔しそうだし。

(エルガド出発前 ツリキ)

 

やはりツリキ父のプレゼント(?)は初手からインパクトがあります。主人公の門出と前後して、お守りなのにデコボコしているという謎の物体が送られてきたツリキ。主人公もツリキ父から送られてくるモノに関してはその安全性にあまり信用がないのか、基本的に中身を見るものではないお守りについて「何が入ってるの?」と尋ねている始末。

 

ツリキ父が旅先から送ってくるものって、いつもいつも絶妙に不気味なのがすごいんですよね。パッと見であまりにも気色が悪い・グロテスクだとか臭すぎて近寄れないとかではなく、見た目は普通に美味しそうな食べ物なのに成分に不安があるとか、物の種類は分かるけど今までに見たことのない未知の物であるとか。

 

それが何なのかもわからないほど未知の物に対しては、人間の中の「未知の物に対する根源的な恐怖」というようなものが湧いてくるのですが、デコボコしたお守りのような「知っている物のはずなのに自分の知識の中にあるその物とは何かが決定的にズレていたり歪んでいたりする」ことに対しては、観念をバグらされるようなしみじみとした怖さが湧いてくるのです。

 

とはいえ、サンブレイクではツリキ父も少し成長(?)しているのか、以前の笑気ガスを含んだキノコだとかプヨプヨした得体の知れない肉だとかよりも、はるかにまともな物も送ってくるようになりました。

 

○○が今、王国の拠点でハンターやってるって 親父に教えてやったんだよ。

そしたらもう大喜び。親父のヤツ ほんとお前のこと気に入ってるよな。そのうち、向こうに会いに行ったりして。

なんて、冗談だよ! 今は北の方にいるみたいだぜ。やたら分厚くて硬くて重ーい毛皮が送られてきたからな。

ハモンさんに渡したら、まず専用の針を作らないと加工できない、って言われたよ。

仮に加工できても、装備にするのは無理だろ。よくて、じゅうたん? 手触りゴワッゴワだし、それも厳しいな…。

(マスター★3 ツリキ)

 

北国から送られてくるずっしりとした毛皮。なんの生物の毛皮なのかは明言されていませんが、ひょっとするとサンブレイクには狩猟対象としては登場していない、ガムートの毛皮だったりするのでしょうか。毛皮と言ってもさまざまですが、カムラの里の近所である大社跡にも棲息しているファンゴや、カゲロウの行商のパートナーであるポポの毛皮であればツリキは見たことがあるでしょうから、もしそれらの毛皮であれば名前が出ているでしょうし、よほど規格外の大物でなければ、「分厚くて硬くて重ーい」と形容されるかどうかは微妙なところ。

 

ガムートの成体の毛皮であれば(あのモフモフが硬いのかどうかは定かではないものの)その条件に概ね合致するでしょうし、本作登場のタマミツネライゼクス、前作MHWに登場のディノバルドと並んで四天王全員登場を一応達成するためにも、ガムートの存在がここで仄めかされている、という可能性は十分にありそうです。バフバロ? 知らない子ですね……。

 

この間、親父から魚が届いてさ。見たことない魚だったから、カジカになんの魚か聞こうと思って持って行ったんだ。

結局カジカも知らない魚だったんだけど、アイツ「食べてみればわかるニャ!」って あっさり食べちまったんだよ。

まあ、おいしそうに食ってたし、さすがの親父も毒のある魚は送ってこないだろうし 大丈夫だろうけどさ。

でもあれ以来、カジカが、なんとなく幼く…? 若返った…? 気がして……。………気のせいだよな?

(マスター★4 ツリキ)

 

続いての贈り物は、またまた見たことがないお魚。ダイビング漁の名手であるカジカですら知らない魚ということは、こちらも同じくカムラとは遠い地域から送られてきたものでしょうか。先ほどと同じ北国からのものなのかなぁ、とも思いますが、カジカは寒冷群島に遊びに行くこともあり寒い地域の魚は(釣ったことがあるかどうかはともかく)恐らくある程度知識としては知ってはいるでしょうから、そんなカジカでも初見ということは、ツリキ父はあれからまた別の地域にいるのでしょうか。相変わらずのフットワークの軽さです。

 

笑気ガス成分を含むキノコを食べてしまったけど結局なんとかなったツリキの経験値からすれば、彼の父親は「変なモノは送ってくるけど危険なモノは送ってこない」とのことで、その魚はカジカに譲ることになったようです。見たことがない魚に遠慮なくがっつくカジカもカジカで尋常ならざる度胸の持ち主ですが、ひとまず体調に異常はなかったとのこと。毒性のみならず寄生虫なども心配ですが、さすがにちゃんと焼いたよね?

 

ちなみに、当のカジカからは次のようなコメント。

 

あの魚を食べてから、なんとなーく体の調子もいいような気がするニャ。

きっと、とってもとっても栄養たっぷりな魚に違いないのニャ! あーあの魚……また食べたいニャ…!!

(マスター★4 カジカ)

 

カジカは例の魚を食べてから、むしろ体の調子はすこぶる良くなったようですから、恐らくツリキの言う若返り効果なるものはポリフェノールか何かだったのでしょう。もしくはあまりの美味に気分がウキウキして、それで外見も若々しくなったように見えるとか。というかそうであってくれ……。カジカは「またあの魚を食べたい」と思っているようですが、これは味が美味しかったからだよね? 依存性のある成分とか入ってたわけじゃないよね……?

 

お、○○、いいところに! ついさっき、親父からいい肉が届いたんだ。ミハバも誘ったから、一緒に食おうぜ。

あっ、全然心配しなくても大丈夫だぞ! 普通の肉だから! 親父にしては珍しく まともなイイ物を送ってくれたみたいだ。

まあ、一緒に送られてきた「タレ」は… 実に不思議な香りをまとって、鈍く、青く、光ってたけど。なんか…ぬらぬらと。

……ま、そんなのかけなきゃいいんだよ!! オテマエさんに頼んで、ほかの味付け教えてもらおうぜ!

(マスター★5 ツリキ)

 

ラストは待望の †お肉† 。ツリキも心配され慣れているのか、主人公が何かを訊く前に前もって「今回は大丈夫なやつだから」と言ってくるのが面白いです。送られてきたお肉本体は非常に良質なもののようでしたが、問題はタレの方。お肉を焼くタレが鈍く青く光ってることなんてあるか……?

 

口に入れられる青い液体といえば、私たちの世界ではブルーハワイが挙げられます。その手の食べ物や飲み物の着色料として利用されているような人工着色料みたいなのはさすがにモンハン世界にはないとしても(と言いつつ、茶屋の短期催眠術のお団子は水色でしたから何かあるのかもしれませんが)、バタフライピーやスピルリナのような青色/藍色系の植物から抽出した色素など、とにかく天然由来で毒性のない成分であれば、多くの人にとって食欲をそそるような色ではないという致命的な弱点はともかくとしても、ひとまず食べ物としての問題はなさそうには思えます。ツリキ父の旅先の現地の人たちにとっては、それが普通なのかもしれないしね?

 

しかしながら、もし青色アイコンでお馴染みのモンスターの体液のようなモノが入っていたのだとしたら……プルプル、あまり考えたくはありません(現地では一般的かもしれないけれども)。というかたまたま梱包の都合上お肉と同封されていただけで、その謎の液体は肉とは関係ないみたいなオチもワンチャンあったりしない……ない……? まあ、とにかくお肉本体の方は問題なく美味しく食べられたようですから、同時に誘われていたミハバもこれにはニッコリという感じでツリキ父プレゼント編は終幕。

 

ところで、ツリキと食べ物といえば、彼は野菜が苦手であることから八百屋のワカナに「ちゃんと野菜も食べなさい」と常々言われていることでよく知られて(?)いますが、サンブレイク編で少しは野菜も食べるようになったのでしょうか。

 

お、○○じゃないか。帰ってたんだな。調子はどうだ?

向こうでもちゃんとやってるか? ワカナさんが心配してたぞ。ちゃんと野菜も食べてるかなーって。

そうそう、ちょうどさっきワカナさんから 野菜を山ほどもらったところなんだ。おまえも少し持って行けよ。

まあまあ。いいからいいから。遠慮しなくていいって。ほらほら。持って行けって。な、持って行ってくれよ。

(マスター★2 ツリキ)

 

どうしても野菜を食べさせたいワカナ vs どうしても野菜が苦手なツリキの駆け引きは未だに健在のようで、ツリキはこの時も彼女からを受け取っていたようです。「たくさん貰っちゃったからお裾分けするよ」的なノリで主人公にも野菜をあげようとしてきますが、最後の「持って行ってくれよ」に若干悲痛な本音が漏れ出てしまっています。まぁ苦手なモノを無理して食べろとは言えませんけど、野菜も食べないとやっぱり栄養の偏りがね……。

 

先ほど、ツリキ父から送られてきたお肉に付随していたタレが鈍く青く光っているという話をしましたが、モンハン世界において天然由来のもので青色があるとすれば基本的には植物性の藍色成分でしょうし、野菜が苦手な息子のために、少しでもビタミンの足しになれば……ということで送ってきてくれていた、という話もなくはなさそうですよね。まぁ、彼の場合は純粋に旅先で見つけた珍しい物を送ってきているだけということもありそうですが、いずれにしてもツリキに逐一こうして連絡をくれる以上、やはり彼も息子のことを大切にしているのだなぁ、と思います。

 

ちなみに、ツリキがワカナから野菜をどっさり手渡される光景については、ワカナの息子のセイハクがバッチリそれを目撃しています。

 

ツリキさんは、ウチでよく おにぎり買ってくれるんだけどさ。

母ちゃんが、すげぇ量の野菜、渡すんだよ。ツリキさん、おにぎり買いに来てんのに野菜山ほど抱えて帰んの。なんでだよ。

そんで、いっつも「ちゃんと野菜も食べろ」って言われてて。大人でも、そんなこと言われるんだな…。

そういや母ちゃん ○○のことも心配してたっけ。……ハハ。いっぱい食えよ!

(エルガド出発前 セイハク)

 

この事についてはライズ時代のツリキの台詞にも、「セイハクのところでおにぎりを買うともれなくワカナが野菜をおまけしてくる」という旨の話がありましたね。「大人でも」ということは、セイハクも小さい頃は野菜が苦手で、同じようなことを言われたことがあったりしたのでしょうか(現在の彼はあまり野菜が苦手という話は聞きませんから、セイハクが野菜を好きになってくれるようにワカナも色々頑張ったのかも)。

 

お節介が過ぎる母親にやりすぎなのではないかという気持ちは若干抱きつつも、それだけ里の皆の健康のことを心配しているのだという所に思いが至ったのか、思わず笑みがこぼれるセイハク。彼はなんだかんだ言っても、母の愛情にふと気がつける母親想いの息子だと思います。

 

 

2.エルガドの海に興味津々なイカ

 

続いてはそんなツリキの相棒とも言えるイカリ。ライズ時代から、カムラの里の外の世界――「ウミ」に興味がありまして、主人公が行く港町エルガドにもとても関心を持っています。

 

王国の拠点、エルガドっていうのニャ? エルガドには、「ウミ」があるって聞いたニャ!

「ウミ」は、川とは違う魚が獲れる、ってカジカが言ってたニャ。カジカは「ウミ」にも詳しいニャ。すごいニャ。

「ウミ」…ちょっとこわいけど オイラも見てみたいニャ! エルガドに行けば、見られるニャ?

○○さん、エルガドまで運ぶ荷物はないかニャ? オイラ、がんばって届けるニャよ!

(マスター★2 イカリ)

 

山々とその間を流れる川に囲まれたカムラの里でずっと育ってきたイカリにとっては、どこまでも青い海が広がっていく光景があるというのは、わくわくするものでもあり、ちょっぴり怖いものでもあるのかもしれません。船着き場やロンディーネ達のいるオトモ広場も海に直接面しているわけではなく、海から川を上ってきているのでしょうから、カムラの里は海が近い割に馴染みがない、という土地柄なのでしょうね。それでもやはり未知の海が気になるイカリは、「エルガドに荷物を届けに行く!」と張り切っています。

 

一方でカムラの里にも、王国からの交易品が徐々に届くようになってきています。

 

さっきホバシラさんに 珍しいお菓子をもらったニャ! 王国のものなのかニャ?

おいしかったら仕入れも考えるから 感想を聞かせて、って言われたニャ! これは、とっても大事な任務だニャ…!

荷運びがおちついたらゆっくり食べるニャ! えーっと、この荷物を、あと1回…? ンニャ? 2回…3回ニャ?

わかんないけど、全部運べば終わるニャ! 終わったら、おやつの時間ニャ! よーし、がんばるニャ!

(マスター★5 イカリ)

 

食べ物はその土地の文化を象徴するものでもありますから、エルガドにカムラの里のうさ団子が渡ったように、王国からも色々な食べ物が入って来るのは喜ばしいところ。以前もホバシラが外国の珍しいお菓子を食べてむせていましたが(味は美味しかったらしい)、船着き場の彼らは商品を仕入れるかどうかを考えるという大切な役目を担っています。そしてカムラの里にも、他の地域から今までにも増してたくさんの荷物や交易品が届いているようで、がんばり屋さんのイカリは今日も大忙しです。

 

イカリは主人公が里の外で活躍していることを、とても応援してくれています。

 

王国の拠点にも、こわいモンスターが出るニャ?

どんなモンスターかニャ? やっぱり、おっきくて、強いのニャ…?

○○さんは、向こうでもそんなモンスターに立ち向かってるニャね~。すごいニャ!

(マスター★4 イカリ)

 

里の英雄とはいえど、強大なモンスターを無事に狩ることができるのは決して当たり前のことではなく、モンスターや大自然はどこまで行っても恐ろしい存在である――大型モンスターの迫りくる百竜夜行という災禍を共に乗り越えた仲間だからこそ、イカリは自身がハンターではなくてもそういうことを深く理解していて、その上で今も別の場所でモンスターの狩猟に挑む主人公のことをこうして褒めてくれるのでしょうね。ハンターの仕事に付きまとう「怖さ」という根本をわかってくれている仲間がいる、というのはやっぱり安心感があるのよ…。そしてそれと同時に、イカリは主人公が里に帰ってくることを、とても心待ちにしてくれているのですよ。

 

○○さんだニャ! おかえりニャ! 今日はこっちニャ?

○○さんが里にいると なんだかうれしいニャ。

ちょっと前までは 里にいるのが普通だったのに、不思議ニャ。いつでも帰ってきてほしいのニャ。

なんなら毎日帰ってくるニャ? あ、ちゃんと毎日ご飯までに帰ってくれば 毎日一緒にご飯が食べられるニャね!

(マスター★6 イカリ)

 

かわいい。やっぱりキミはカムラの里でも有数の癒しキャラクターだ…。「毎日晩ご飯までに帰ってくる」っていうのが、家族としての絆がいつまでも変わらずに続いている感じがして良いですね。ツリキがお肉の時にミハバを誘っていた時もそうですが、カムラの里は仕事が終わったらそのまま各々の家に帰ってご飯を食べる、という感じではなく、茶屋に集まって皆でご飯を食べたり、ご飯を誘ったり誘われたりして誰かの家で皆でご飯を食べたり……という感じで、生活の色々な部分を共にしているんですよね。

 

イカリの方も仕事が落ち着いてきたら、ぜひ彼を伴ってエルガドに行き、あこがれの「ウミ」を思う存分見せてあげたいところ。美しい海や外の地域の珍しい品々にイカリがどんな反応をしてくれるか、考えるだけでとてもワクワクしますね。

 

 

3.カムラの船着き場からエルガドを支えるホバシラ

 

おや、○○さん。お戻りでしたか。おかえりなさい。

ああ、そうそう あちらで何か入用のものなどはありませんか?

里にあるものでしたら、極力運べるように手配しますよ。

あちらには、私たちが見たことのないものが たくさんあるでしょうが、里にあってあちらにないものも、あるでしょうから。

(マスター★2 ホバシラ)

 

最後は船着き場の輸出入を統括しているホバシラ。相変わらず落ち着きがあって淡々としていますが、このいつもと変わらない感じが却って頼もしくもあります。百竜夜行の収束もあり、より遠くの地域との交易もしやすくなったということで、王国との物資のやりとりも盛んに行われているようです。エルガドの茶屋のお団子の材料なども、里の八百屋や米穀屋から直接送られたものが使用されていますから、王国でもカムラの味のお団子が食べられるのは、ホバシラがそのように輸出を手配してくれているお陰でもあります。

 

調査が本格化して以降は、これまでの交易関係を継続するのみならず、王国から正式に物資の手配についての協力依頼がなされたようで、ホバシラも大忙しになります。

 

先日、王国から正式にエルガドへ物資を届けてほしい、との依頼がありまして。

拠点で必要な物資をすべて本国から送る…というのは やはり大変でしょうからね。

といっても、こちらからお送りできる物資にも限りがあるのですが…。少しでもお力になれればいいと思います。

(マスター★4 ホバシラ)

 

エルガドは王都からも海を隔てた場所にある拠点ですから、同じ王国領内だからといって本国からの輸送の方が近い、とは限らないんですよね。エルガドの物資のすべてを王国内のもので賄おうとしても、輸送できる物資にも限りがあれば、これを運ぶための船舶や人員、燃料などのリソースにもやはり限界がありますし、供給先を一カ所に頼るというのでは、いざその海路の波が荒れて船が出航できない、となってしまったときにどうしようもありません。

 

その代わりにと言ってはなんですが、エルガドは沿岸の港町であるという地理的要因から、王国外の他の地域からの物資支援を比較的求めやすい距離にあります(特にカムラの里はエルガドとの行き来がかなり頻繁に行われています)。むろんホバシラの言うように、カムラにしても食糧や資源を無限に輸出できるわけではありませんが、お互いにカツカツの中でなんとかリソースを捻出し合って自分たちの住む地域の異変を解決していこう、というような超国家的な協力体制は、こちらをワクワクさせてくれるものがあります。

 

最初はカムラの加工技術の提供と「猛き炎」の召喚から始まった王国とカムラの絆は、最終的には王国の新造狩猟船に百竜夜行で使用した砦の兵器のノウハウが利用される、という大きなところまで発展していくわけですが、そこまでの過程には裏でこうした段階が踏まれていたということになります。

 

王国の船は、規模といい、機能といい… 他の地域のものとは一線を画していますね。じつに見事だなと思います。

交易船ですらそう思うのですから、それ以外の…例えば軍用の船などは さらに高度なものなのでしょう。

ぜひ一度、乗ってみたいものですね。フフフ。

(マスター★5 ホバシラ)

 

実はこんなところにも、物語終盤で登場する大型狩猟船の伏線が。さまざまな地域の商船について知っているホバシラからしても、王国の船の性能は群を抜いているとのこと。モンハン世界における王国の技術レベルの高さが窺い知れます。そしてカムラの里の人たちは後に彼の言う軍用船の設計に携わることになりますから、ひょっとするとホバシラの願いもそこで叶えられたかもしれません。せっかく狩猟船が登場するのだから、MH3シリーズのジエン・モーランやMH4でのゴア・マガラのように船上戦もあってもよかったと思うのですが、残念ながら本作では登場せず。カムラの里の仲間が羨ましい限りです。

 

さて、ホバシラはカムラの里の船着き場窓口として、他の多くの地域から来る商人たちとの交流があるわけですが、主人公の王国での活躍を期に、カムラの里の名前が王国全土に広がっていることを実感するようです。

 

この間、王国の商人さんが船から降りるなり「ここが "あの" カムラの里かー!」とおっしゃいましてね。

「"あの"カムラの里、とは一体…?」と、お聞きしたところ……

「○○さんっていう 強いハンターが育った場所だと聞いた」とのことで。

まさか王国までも○○さんの名声が轟いていようとは…。これは、本当にすごいことですよ。

マイドさんあたりが、あなたの名前を使った新しい商売を考え出しそうですね。その際は 私も一枚噛ませてもらいましょうか。フフ。

(マスター★6 ホバシラ)

 

マイドさんはライズ時代にも、主人公の絡んだ商売を構想していたことがありました。その時は企画時点で周りの皆からも止められており、本人もさすがにそのように猛き炎の名声を商売にするべきではないことはすぐに理解して取りやめていましたが、やはりビジネスチャンスを模索する商売人の目というものについてはホバシラも共感するところがあるのか、冗談半分ながらも話に乗っかろうとしている素振りを見せます。

 

そして気のせいかもしれませんが、なんとなくホバシラさんの笑顔が増えているような気がしますね。一応誤解のないように申し上げますと、彼は落ち着いた性格ではあるものの決して無感情な人物というわけではないのですが、「フフフ」と会話中に笑うようになったのが、後半の台詞で明らかに増えているような印象。王国の造船技術を目の当たりにしたことやカムラの里の王国での知名度が上がっていることなど、これまでになかった体験の楽しみや、百竜夜行という大きな壁を乗り越えたことへの開放感などを、彼もまた味わっているのかもしれませんね。

 

主人公の活躍による王国との交流の広がりについては、ツリキからも話を聞くことができます。

 

お前が王国の拠点に行ってから 王国との船の行き来が増えたんだ。

お前が王国との橋渡し役になってるのかな。仲人っていうか。縁結びっていうか。…なんか違うか? ハハ!

里では珍しいモノも入ってくるようになったみたいでな。みんな結構喜んでるぞ。これも、お前のおかげだな!

(マスター★6 ツリキ)

 

「エルガド」ではなく「王国」となっているあたり、船の往来が増えたのはエルガドやその周辺地域のみならず、王国本土の方からも、はるばるカムラの里に来てくれる人が増えた、ということなのでしょうね。カムラ地域と王国領とは地理的にはそれほど遠くない位置にありながらも、実際にそれらが友好関係を結ぶきっかけとなったのは、猛き炎を筆頭とした「人」の存在があってこそのもの。

 

そしてホバシラが王国から取り寄せていた珍しい食べ物などは、カムラの里側でも人気を博しているようですね。風土や「文化の違いもあり、ツリキの父親のプレゼントほどではなくとも最初は困惑するものも多少あるかもしれませんが、これまで里を出たことがない人たちにとっては特に新風を吹き込む体験になることと思います。カムラの里の発明家である茶屋や加工屋の皆が、いずれ新たな着想を得たりするかもしれませんね。

 

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ということで、本記事はこの辺りで〆とさせていただきたいと思います。カムラ編の記事ですが、本記事を投稿時点でまだ記事にしていない残りのキャラの分も本文の下書きはすべて完了している状態のため、本日からまたハイペースで投稿していけるかなと思います(筆者恒例の、本文を書き終わった後に色々体裁を整える作業が億劫で先延ばしにしてたやつです…)。そしてここの後書きは引き続き、省エネ仕様でいきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!