エルガドの凸凹名コンビ③

・本記事はモンスターハンターライズ:サンブレイク」全編および、一部シリーズ他作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』および2023年9月29日発売『HAUNTING OF THE SUN モンスターハンターライズ:サンブレイク 公式設定資料集』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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本記事では船乗りのフルルとタルタルの2人について取り上げていきます。「凸凹コンビ」シリーズの過去2回の記事では、噛み合っているようで噛み合っていないようでやっぱり噛み合っている不思議なコンビのやりとりの様子をお届けしてまいりましたが、本記事の2人はどちらかというと、その凸と凹の部分がパズルのように見事に噛み合っている、ベストマッチなコンビという雰囲気です。3回目にしてやっと平和回か……ということで、さっそくそんな仲良しの2人について掘り下げていきましょう。

 

ーーーー目次ーーーー

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1.船乗りだけど商売が天職? フルル

 

やあ、新しいお客は大歓迎だよ! …え? ああ、普通に考えたら、船員が店番なんてしてるのは不思議かもね。

見ての通り、ここは大穴に隣接する調査の最前線…とても安全とはいえない場所だからさ。

王国は、商人の渡航を推奨していないんだ。でも、調査隊や流れのハンターにも 物資や食事なんかが必要だろう?

だからこれも、ギルドに依頼された立派な仕事ってわけ。

でも…これがなかなか楽しくてさ。俺、こっちの方が向いてるかもって思うんだよね。

(エルガド到着直後 フルル)

 

異変の影響でモンスターが凶暴化したり、本来いないはずの地域に出没するような状況下においては、王国は必ずしも民間の商人や商船の安全を保証できませんし(特に前線地域)、最悪の場合悲しい事故に繋がってしまう危険もあります。一方で異変の収束の間だけでも、王国の調査隊ギルドが公式に王国所属の船乗りたちにエルガドへの貨物の輸送や現地での食糧品・生活必需品の販売を業務として委託するという形であれば、エルガドとの渡航状況を管理しつつ、貨物の輸送の妨げになるようなモンスターの狩猟や貨物船の護衛を王国騎士に任務として命じたりできるようになるなど、補給の安全性に関して迅速かつ確実な対応が行えるようになります。そういうわけで、エルガドでは船乗りが商売を兼ねているということみたいですね。

 

フルルにとってもこの商売は今までやったことのない新鮮な仕事ですが、自分に向いていると実感があることもあってか、かなりやりがいを見出しているようです。

 

船員の中には、もちろん「店番なんか船乗りの仕事じゃない」って嫌がるヤツも多いんだ。

でも正直、俺は船の整備ばっかりしてるよりも こうしてる方が楽しいんだ。

それに、どうせ停泊中の間だけなんだから 稼げばいいと思わないかい? 商売…楽しいけどなぁ。

(エルガド到着直後 フルル)

 

船乗りたち全体の中では、販売業務を委託されるということについては、王域生物の異変という緊急事態ゆえの仕事であるという点を差し引いても好む好まざるはあるようで、それもそのはず、彼らはそもそも航海や船の整備をしたくて船乗りをやっているのですから、それとまったく異なる内容の仕事を任されることについて、少なからず驚きがあるというのは当然のこと。その点フルルは柔軟であるように見えますが、これは彼自身が商売に適性を感じているというところもありますし、他の船乗りの仲間が頭が固い、というわけではないように思います。

 

なんだい? ああ、俺が船の仕事をしてるところ、見たことないって? うーん…、たしかにそうかもね。

最近じゃあ、他の仲間の分も片っ端から店番を引き受けてるからね。今はもう、船乗りしてる時間の方が少ないよ。

(マスター★2 フルル)

 

そんなわけで、フルルは他の仲間の店番のシフトもほとんど自分が引き受けているようで、最近はもっぱら店の仕事をしているようです。他の船乗りたちにしても、やらないといけないけどあまり気の進まない仕事を喜んで代わってくれる仲間がいるのはありがたいということで、これはむしろWin-Winの関係と言えますね。

 

一応フルルのためにフォローしておきますと、彼は決して船員に向いていなかったというわけではなく、むしろ彼は船の整備技術の確かな腕前を買われてエルガドの調査隊に参加しています。

 

ハンターさん、大ニュースだよ! ひょっとしたら俺、すごい発見をしたのかも!

俺、昔から機械いじりが大好きで、その腕を見込まれて、ここで雇われてさ。普段は帆船のバリスタを整備してるんだ。

でさ、この前バリスタの試し撃ちの最中に、燃石炭を使って推進力をハネ上げる方法を偶然発見しちゃったんだよね。

でも、もっと試してみないと実用化は難しいからさ。「悠久燃石炭」を採ってきてほしいんだ! お願いだよ、ハンターさん!

(依頼サイドクエスト受注時 フルル)

 

帆船のバリスタの整備の腕に関しては、エルガドでも右に出る者がいない程の実力の持ち主であるフルル。依頼サイドクエストの話を聞く際には、彼がバリスタの手入れのみならず、その性能の向上のための改良試験にも中心的に携わっている様子を知ることができます。

 

game.capcom.com

 

バリスタに石炭を使うの?」というのは一瞬驚くポイントですが、カプコンMHXXの公式サイトによれば、モンハン世界の狩猟兵器「バリスタ」は「設置型の巨大なボウガン」であるとのこと。モンハンのボウガンという武器はその名の通り、弦を引いて弾を射出するのような機構と、火薬により弾丸に推進力を与えるの機構とのハイブリッドでモンスターを狩猟するに足る威力を発揮させるような仕組みになっていますから、帆船のバリスタも恐らく同様の仕組みになっていると思われます。そしてフルルによる燃石炭の登用は、バリスタの火薬部分のパワーを従来よりも大幅に引き上げるような改良である、と言えるわけですね。

 

……と、そんな感じでフルルは元々船員としても優秀な実力を持っていたところに、エルガドで更にそれに比肩する、もしくは上回る天職を見つけることになったという非常に多才な人物。調査がしばらく進むうちに商人稼業もどんどんサマになっていきまして、商品の売り上げの傾向や波を掴んでいくようになります。

 

ねえハンターさん、調査に進展でもあったのかい? …なるほどね、やっぱりそうか!

エルガドがおもしろいのは、調査が順調だと売り上げもよくなるってところなんだ。

みんな、気持ちが大きくなるのかもね。つまりは、ハンターさんの活躍がこの店の繁盛にも繋がってるってこと!

そういうワケで、ここの売り上げのためにもがんばってね、ハンターさん!

(マスター★3 フルル)

 

自分たちの状況の良し悪しと消費の増減は比例する――という、エルガドのお客さんたちの顧客心理をバッチリ把握している様子は、さながらベテランのマーケターのよう。すっかりこの仕事が板についてきています。

 

「ここの売り上げのためにもがんばってね!」と正面切って言われてもどこか爽やかでイヤ味を感じないのは、やはり彼の人徳のゆえでしょうか。食べ物をきちんと食べてエルガドの仲間に元気を充電してもらえるのは嬉しいところですし、ハンターの活躍が拠点全体の雰囲気を明るくしている、ということを教えてもらえるのは、こちらとしても良い気持ちになることができます。それに、フルルは主人公たちの狩りの支援についても、非常に誠実に取り組んでくれているんですよ。

 

城塞高地に行くんだろう? 少ないけど、向こうの支給品ボックスには 必要なものが届くように手配しておくよ。

本当はもっと力になれたらいいんだけど… 調査隊ギルドとしては、これくらいしか手伝えないんだ。

でもさ、戻って来たときは任せてくれよ。ここにあるものなら、好きなだけおごってやるからさ!

(マスター★5緊急前 フルル)

 

メル・ゼナの緊急クエストの支給品で「応急薬グレート」「携帯食料」などの支給品アイテムに不足があったわけではありませんから、彼の言う「足りないけど」というのは、「本当はもっと手厚い援助をしてあげたいのだけど」という意味であることになります。

 

実際のところ、メル・ゼナに挑む主人公やフィオレーネ以外にも多くの王国騎士たちや調査隊のハンター達が王国の防衛のために狩りに出向いていて、そこに価値の軽重というものはないわけですし、前線においてハンターや騎士たちに支給する物資にも限りはあるのですから、主人公たちだけが例外的に他の場所へのリソースを割いてでもアイテムを豊富に恵んでもらうというのは、調査隊ギルドとしても決して適切であるとは言えないことだと思います。むしろ大きな脅威の迫る城塞高地に先行して不足なく通常通りにアイテムを準備してくれているというだけでも、この危機的状況においては非常にありがたいことです。

 

それでもなお、もっと力になりたいと言ってくれることや、狩りから帰ってきた暁には目一杯のサービスを約束してくれることは、仕事に対する根っからの誠実さという彼の確かな資質を示すもの。ただ物を売るというだけでなく、誰かを助けたり喜んでもらったりすることがその先の目標にあるという点で、今の仕事はやはり彼の天職なのでしょうね。

 

いずれ調査隊の任務が終わった後は、いっそこのまま商人に転身……というわけにはいかず、彼には船乗りを続けていきたい理由があるんですよね。

 

こうやって商売してるのは楽しいんだけど、さすがに整備の腕が落ちそうで心配なんだよね…。

かと言って、船仕事ばっかりしてると 今度は商売の勘が鈍くなりそうな気もして 整備に集中できないし…。

船員か商売人…いつかはどっちか決めなきゃいけないのかなぁ。

でも…船乗りは続けたいんだよ。どこかの港で偶然、父さんに会えるかもしれないからさ。

(マスター★3 フルル)

 

フルルが船乗りをしている理由の一つは、海を渡って色々な地域を巡り、自分の父親を探すこと。商売の仕事は確かに楽しいけれど、そのために船乗りの業務の方を疎かにしてしまい整備の仕事の勘を忘れてしまう、ということにもなりたくないという気持ちもあり、でも商売の方も今回の調査きりで終わらせたくはないし……と、これは彼が多彩でやりたいことが多いゆえの悩ましい問題といったところ。

 

ここで、フルルが探している彼の父親について少し触れておきましょう。

 

ハンターさんって、カムラの里の生まれなんだろ?

そこには、よそから他のハンターが来るってこともあるのかい? いや、別に大したことじゃないんだ。

俺の父さんもハンターでさ…と言っても、ずっとお袋をほったらかしにしてるような どうしようもないヤツだけどね。

(マスター★1ヨツミワドウ前 フルル)

 

フルルの父親はハンターとして各地を旅している人物で、作中には登場しませんが、話を聞く限りでは家族よりは仕事一筋を貫くような感じの人となり。母親のことを困らせたり、あまり気にかけなかったりする様子を見てきたからか、父に対しては些か辛辣な言葉をぶつけていますが、それでも彼がいま父親を探しているということは、やはり家族としてその安否を気にかけているからなんですよね。

 

改めて思うよ。やっぱり、ハンターって命がけの仕事なんだよな。

俺の父さんも、どっかで凶暴な王域生物を相手にしてるかもしれないって思うと、ちょっとだけ…心配かな。

(マスター★4 フルル)

 

エルガドに来る以前の彼は、父親のハンター稼業について「母親のことを省みずに仕事ばかり……」とあまり良く思わない部分が大きかったのだと思いますが、エルガドで主人公や他のハンターたちが狩りに赴くところを間近に見るようになったことで、強大なモンスターと渡り合う仕事の危険さや、それにも関わらず彼らには何か成し遂げたい大義があるということを彼なりに実感したことで、父親の身を案じたり、父親が何を想ってハンターを続けているのかという胸中を想像したりするようになった自分を彼も自覚しているようです。

 

フルルが父親に会って何を話したいのか……ということについては彼の心の裡に秘められたことですが、仕事を応援するにしても、家族のためにたまには戻ってきてほしいと伝えるにしても、まずは生きて再会できることが何よりも大切なことです。そのためにもフルルは船乗りを続けたいと考えているわけですが、そんな彼に親友のタルタルから、次のような画期的なアイデアがもたらされます。

 

タルタルが言ってたんだ。商売と船乗り、どっちも好きなら「甲板で店をやればいいニャ」…って。

言われてみれば、両方やったらいけないってこと…ないもんな。そんなの、考えたこともなかったよ。

甲板に小さな店のある船を作って… いろんな港を巡って、土地のものを仕入れて よそで売って…うん! それ、楽しいかも!

(マスター★4 フルル)

 

甲板に店がある船、というのは案外レアケースだったりするのでしょうか。ある程度の船の大きさこそ必要ではありますが、甲板それ自体にお店を構えることができれば、フルルが船乗りと商売人を両立することができるだけでなく、旅先で停泊した港の敷地の一角をそのつど借りて、店舗を準備して……ということをしなくてよくなりますし、甲板にお店があるという特別感や物珍しさもあって、かなり繁盛するような気がしますね。

 

ちなみに、タルタルがフルルに提案した「甲板に店のある船」というアイデアは、フルルの事情をタルタルが汲んでいるという以外に、タルタル自身のある願望が元ネタになっていたりします。

 

最近のフルルは店番ばっかりしてるから ボク、ちょっと寂しいのニャ。

ちょっと前までは 一緒に仲良く甲板整備が多かったのにニャ…。

……ニャッ! ひらめいたニャ! この甲板でお店を開いたらいいと思うニャ! 名案ニャ~。

(マスター★3 タルタル)

 

か、かわいい……! フルルが店番の仕事ばかりを引き受けるようになってから、甲板担当の自分となかなか隣で仕事できる機会がないので、エルガドのフルルの店が船の甲板の上にあったらいいのに……とタルタルは密かに考えていたようです。めっちゃ仲良しやん。

 

ここで、フルルとタルタルの仲良しっぷりについて色々と紹介しておきましょう。

 

2.エルガド屈指の以心伝心? 仲良しコンビ

 

タルタルはいつも元気に甲板掃除をしている明るい人柄ですが、フルル曰く意外と寂しがりやなところもあるようで、最近一緒に甲板の仕事をする機会が減ってしまったことをフルルは申し訳なく思っているところもあるようです。

 

最近…甲板作業に出てないからなあ。タルタル、さびしがってないかな…。

あいつ…陽気に見えるけど、あれで案外さびしがり屋なんだ。ハンターさん。たまには様子、見に行ってもらえる?

ごめんね、面倒かけちゃって。次に甲板作業が回ってきたら、ちゃんと自分で会いに行くからさ。

(マスター★3イソネミクニ亜種前 フルル)

 

エルガドの拠点マップでフルルとタルタルの直線距離がそれほど遠い位置ではないため、状況的になんか微妙に違和感があったりなかったりする台詞ではあるのですが、とはいえ甲板に高めのヘリがある関係でエルガドのマーケット前と船の甲板上とではお互いの姿は見えないこともままあるでしょうし、お互いの持ち場を離れて話し込むわけにもいきません。違う担当部署であれば始業前・終業後や休憩の時間がたまたま合った時くらいにしかじっくり話す時間もないでしょうから、確かに話せるタイミングはそのぶん減ってしまうかも。

 

タルタルが寂しがっていないかどうか、わざわざ主人公に様子を見てもらうことを頼むあたり、フルルは本当に親友想いな人物ですね。そしてこれはタルタルのそういう性格を彼が理解しているということのみならず、フルル自身もタルタルが隣にいないことを寂しがっている気持ちの裏返しでもあるような気がします。

 

店番中のフルルが、たまーにさびしそうな目をすることがあるのニャ…。その気持ち…ボクもよーっくわかるのニャ。

今日のお昼ゴハン… まだなのかニャー~って。

(マスター★1ヨツミワドウ前 タルタル)

 

タルタルの側から見ると、フルルもやはりちょっと仕事中に寂しそうにしているように見える時があるみたいです。なかなか似た者同士ですね。一方のタルタルは、一見するとただお腹が空いているように見えなくもありませんが……休憩時間中であればご飯を食べながらフルルとお喋りできるかもしれませんし、そのお昼ご飯を買いに行く先がフルルのお店であれば尚更ですから、そういう意味で「お昼ご飯が」と言っている説もありそう。直接フルルに言及しないことで、自分は寂しくないのだとちょっぴり強がっているのかもしれませんね。

 

で、先の台詞から少し後で、緊急クエストの前ということもあってか久しぶりにフルルは甲板作業を任されることになりまして、タルタルと一緒に仕事をすることができてとても満足そうな様子。

 

さっきまで、久しぶりの甲板作業だったんだ。タルタルも元気そうだし、楽しかったよ。

それにやっぱり、あのバリスタは俺がちゃーんと整備してやらないと! まあ使う機会、あんまりないんだけど…ね。

(マスター★4緊急前 フルル)

 

この時は王域三公の一角であるルナガロンの狩猟という重要任務で、サンプルの回収のために調査隊の仲間も出向くことになりますから、現地との往復路で万が一にも他のモンスターに襲われた時に対抗できるよう、使用頻度が少ないといえども船の兵器の整備はやはり重要なタスク。いちおう、このバリスタの手入れに関しては機械の扱いに長けたフルルが大の得意とするところではありますが、船員の通常業務として船乗りの基本技術の一つであり、タルタルもこの武器の整備を行うことは可能です。それにも関わらずわざわざフルルが甲板作業に招集されているのは、またもやタルタルのちょっとした狙いがあるようです。

 

ボク、本当は武器の整備もできるニャ。でも…この船のバリスタには触らないようにしてるのニャ。

だって、ボクが整備しちゃったら フルルがここに整備に来る必要がなくなっちゃうのニャ。

ハンターさん、もちろん今の話はフルルに内緒ニャ! ニャッ、ニャ~♪ ニャニャ~♪

(マスター★4 タルタル)

 

いやかわいいかよ(2回目)。フルルが甲板作業に来てくれる機会を増やすために、敢えてバリスタには手をつけていないというタルタル。先述の甲板にお店がある船のアイデアといい、彼はなかなかの策士(?)ですね。寂しがり同士の思考が絶妙に噛み合ったがゆえのかわいらしい一幕です。

 

また、タルタルはフルルとこんなところでも似た者同士だったりします。

 

いつも甲板ばっかりゴシゴシしてると、たまには違うところもキレイにしたい気分になってくるのニャ。

たとえば…騎士団の人たちがいる砦のあたりとか、食事場の前とかニャ! まだ気になる床がたくさんあるのニャ。

…でも、それはもう船乗りの仕事とは関係ないような気がするのニャ。悩ましいニャ~…。

(マスター★5 タルタル)

 

甲板掃除にいつも一生懸命励んでいるタルタルは、船以外にもエルガドの色々なところの床の汚れが職業柄どうしても気になってくるようで、出来るなら自分の手で掃除したいと思いつつも、その仕事は完全に船乗りの業務外であることを悩んでいたりします。

 

これの何が似た者同士かというと、「船乗りの仕事をする中で船乗りの本来の仕事以外にすごくこだわりを持つようになってしまった」という点。船乗りたちが王国から任じられた商売の仕事にフルルがハマッてしまったように、タルタルもまた掃除の仕事それ自体にハマりそうになっています。…まぁ、自分でも若干こじつけなのではないかと思わないでもありませんが、なんとなくこの辺も共鳴しているような気がするんですよね~。

 

ちなみに彼は船乗りの職務内でも、つい船員としての本分よりも清掃担当としてのこだわりを優先してしまう場面があったりします。

 

出航かニャ? ちょ、ちょっとだけ待ってほしいのニャ。

ここだけニャ…、気になるこの汚れだけはもう少しキレイにさせて欲しいのニャ!

(マスター★2緊急前 タルタル)

 

自分の役割や仕事に愛着を持つようになってくると、ついつい時間を忘れて高いクオリティを追求しようとしてしまう……お気持ち、わかりますよォ~。いつもタルタルにお世話になっている身としては、「無理せずにいったん帰って来てからでも全然大丈夫なのに」と思うところでもありますが、それでは彼の職人魂をないがしろにしてしまうというもの。

 

ハンターさんがクエストに出てる間、この甲板はボクが守るのニャ!

ピッカピカで快適で、ハンターさんがついつい帰りたくなる船にするのが ボクの目標なのニャ~!

(マスター★1 タルタル)

 

船員および清掃担当としてこの船を預かっていることを彼はとても誇りに思っており、彼にとってこの仕事はたんなる船の整備というのに留まらず、「大変な狩猟に向かう主人公を気持ちよく送り迎えするために重要な仕事」という風に意識してくれているようですから、やはり本人としても決して質の面での妥協はしたくないというところなのでしょう。

 

後述するように、タルタルもまたフルルと同様に、船乗りとしてのある夢を持っているようですから、エルガドの仕事で受け持った主人公の船を愛情をこめてピカピカにするというのは、未来の予行練習でもあるのですよね。ということで、次項で再びその話に戻りましょうか。

 

3.夢の大型商船をめざして

 

さて、タルタルからの的確な提案のおかげで船乗りと商人の両立の道に自信が持てるようになったフルルは、自分の営むお店にも具体的なビジョンを持つようになってきます。

 

それなりに商売の経験を積んできたつもりだったけど…さすがに薬の材料になるようなものまでは、仕入れてなかったよ。

だから今回のこと、オレにとってもいい教訓になったと思うんだ。

そんな、いざっていうときに必要なものが並んでいる店のほうが、お客は安心だよな! オレ…だんだん分かってきたよ。

(マスター★4ライゼクス後 フルル)

 

フィオレーネの一件を経て、自分が持つ店はただ自分が売りたいものを売るというだけではなく、お客さんが必要としているもの、いざというときに誰かを助けることができるものも売れるようにしたい、と考えるようになったフルル。エルガドで今受け持っているお店のみならず、彼がこれから造りたいと考えているお店付きの船にしても、旅先で困っている人を救うことができるようにもなれば、その需要は更に増していくはず。台詞を載せる順番が前後しましたが、「お店のモノで誰かを助けたり喜んでもらったりする」というフルルの考え方の起点はまさにこの時だったのかも。

 

あとは、そうした船や店の仕事をすべて1人でこなしていくのは大変ですから、旅路を共にしてくれる仲間が欲しいところ。自分の夢に共感してくれる仲間を探す、というのはなかなか難しそうですが、フルルには既に心当たりがあるようです。

 

ほら、この前に話したろ? いろんな港を巡って商売する…「屋台つきの船」。あれ、本当に実現できると思うかい?

俺は、できると思うんだよ。それなりに大きな船は必要だけど、俺なら商売と船員、どっちもできるしさ。

あとは、タルタルみたいな仲間がいてくれたら… 毎日楽しいだろうな、きっと。

(マスター★5 フルル) 

 

フルルが一緒に旅をしたいと思う仲間は、やはり彼の親友であるところのタルタル。とはいえ、タルタルにはタルタルの今後の夢や目標があるかもしれませんし、フルルもそれを分かっているからこそ「タルタルみたいな仲間が…」と、もしできたら仲間になってほしいという自分の本心はあれど、この時はやや遠慮気味に名前を挙げています。しかしながらタルタルの方も、彼の今後の目標はフルルの夢と重なるところがあるようで……?

 

ニャ~♪ ニャニャ~♪ ハンターさん、船旅は快適だったかニャ?

きっと最高だったはずニャ。だって、これはボクの自慢の船なのニャ!

ニャ…、誤解しないように言っておくと、もちろんこれは王国所有の船なのニャ。今のところはまだ…ニャ!

そうなのニャ、いつかボクも こんな立派な船を手に入れて、いざ、大海原へとニャーなのニャ!

(エルガド到着直後 タルタル)

 

なんとタルタルの方も、いつかは自分の立派な船を手に入れて大海原を旅したい、という目標があるようで、この2人はなんとも絶妙に共鳴するところがありますね。元々「甲板にお店を置けば船乗りと商人が両立できる」という発想はタルタルから出たアイデアでしたから、もしタルタル自身が「甲板にお店を並べて商売する船」というフルルのビジョンに乗ってくれるのであれば、その誘いに乗ってくれる可能性は十分にありそうです。それに、タルタルが自分の船を持つにしても、その操縦やら整備やらを手伝ってくれる仲間の船員が必要だ、という話になるでしょうから、同じ仕事を親友2人で分け合えるのであれば、タルタルにとってもこれ以上ない好条件のはずです。

 

さて、そんなタルタルの気持ちを知ってか知らずか、フルルはついに自分の計画を少しずつ、タルタルに打ち明けようと思っているようです。

 

あの新型船、よかったなぁ…。だって、あんなに広い甲板だったらいろんな店をいくらでも並べられるだろ?

…と言っても、さすがにあれを商売に使わせてくれるなんてことはないだろうし、がんばって自分で造るしかないね…。

いいさ! どれだけかかっても 実現してみせるよ、夢の大型屋台船!

それともちろん…船員候補のタルタルには、ちゃーんと手伝ってもらうつもりさ。まだ内緒だけど、ね。

(マスター★6 フルル)

 

ガイアデルムの討伐作戦に使用された王国の新型狩猟船を目の当たりにして、「甲板にたくさんの店を並べられる大きな船」という具体的な完成形が浮かんできたフルル。もちろん、身軽な小型船ではなくガッチガチの(?)大型船ともなると、一から設計をして、材料を集めて建造する……というのは並大抵の行程ではありませんが、タルタルの協力があれば、大きな夢でもいつか叶えられるハズです。

 

当のタルタルに対しては、大型船建造計画のこと自体は話していないようですが、近々大切なことを話したい、ということをまずは伝えてあるようです。

 

フルルがすごく楽しそうに、「いい計画がある」って言っていたニャ。ハンターさん、なんのことか知ってるニャ?

…そうかニャ、ハンターさんも分からないかニャ。気になるニャ~。

ボクの誕生日なら、まだもう少し先だしニャ…。なんだろうニャ~?

(マスター★6 タルタル)

 

最後の一文、「フルルは自分の誕生日にプレゼントをくれるはずだ」という絶対の信頼があってのこの台詞ですから、やはり彼らの仲の良さが感じられます。2人がいつからの付き合いなのか、ということは語られませんでしたが、互いの誕生日を知っていてプレゼントを贈り合う関係ということは、彼らがエルガドに赴任してくる前からの親友、という感じになりそうですね。タルタルはまだ計画の詳細を聞いていないようですが、きっと喜んで手伝ってくれるのではないかと思います。

 

それから、フルルのもう一つのやりたいことである父親探しについても、その目標自体は今も変わっていませんが、心境には少し変化があったようです。

 

ハンターさん、覚えてる? 深淵の悪魔とやりあったときの撃龍槍! あの迫力…すごかっただろ!

じつはさ、俺もあれを手伝ってたんだ。最近は整備からも離れてたけど… 久しぶりに、やり甲斐のある仕事だったよ。

それにやっぱり、ハンターさんやみんなの役に立てたのが嬉しかったな。

このことは、いつかどっかで父さんに会ったらさんざん自慢してやるんだ。ははっ! 今から楽しみだよ。

(マスター★6 フルル)

 

最初こそ「どうしようもないヤツ」と、母親を残してハンターとして旅をしていた父親に批判的な様子もあったフルルですが、「父親に自分の仕事を自慢するのが楽しみだ」という言葉は、今までの彼からは出てこなかった新しい考え方です。エルガドで主人公や他のハンター達と出会ったことで父親の仕事の危険さを実感し、そしてそんな前線で戦う仲間のことを大型船の整備という大きな仕事で支える経験をしたことで、今の彼は少しだけ背が伸びたといいますか、父親と同じ目線で対等に話すことができるような落ち着きを得た雰囲気があります。

 

王域生物を狩るという父親の仕事のこと、そうしたハンターを支える自分の仕事を誇りにしていること、自分たちが離れた場所にあっても家族として繋がっているということ、それでもたまには母親のところに帰って欲しいということ……フルルが久しぶりに父親に会って伝えたいことは、なかなかうまく言葉にまとまらないかもしれませんが、彼の親子関係を応援していきたいところです。ひょっとすると別の作品で、彼の父親にあたる人物が登場するかもしれませんね。

 

4.おまけコーナー

 

さて、これまで見てきたように、多彩で誠実、大きな夢を持って仕事をしているフルルさんですが、実は彼はエルガドのある人物を密かに慕っているという一面があります。

 

ねえ、さっき受付嬢の…っていうか、チッチェ姫様と話してただろ? すごいよなぁ、ハンターさんって…。

ほら…普通はお姫さまなんて近くで見ることもないし、お話しするなんてできないからさ… うらやましいっていうか…。

…え? な…何言ってんだよ、恐れ多くて俺なんかじゃ、姫様とお話しできないって! ほら、店番もしなきゃならないし! …な?

(マスター★1 フルル)

 

……ええ。当ブログをいつもご覧いただいている方ならお察しの通り、彼はカムラの里のミハバタイプなのです(エルガドではウナバラに次いで2人目)。チッチェ姫のことを推してはいれども、自分で直接話しかける勇気が出ない。一応、彼の名誉のためにチッチェ姫に対するフルルの気持ちは特にヨコシマなものという感じではなく、普段は近くに見ることもできない自分の国の王族の人物に対する、純粋な憧れや尊敬の気持ちではあるように思います。

 

しかしそれにしても、チッチェ姫のいるクエスト受付カウンターがフルルの店から一直線に見える場所にあるというのは決して幸運とは言い難い偶然というもので、視界に入る以上はどうしても気になってしまうというのは、フルルとしても複雑な心境。

 

チッチェ姫がさ…さっきからやる気じゅうぶんってな感じで、すごい真剣な様子なんだよ。どうしたのかな…?

…え? いやいや! そんなにいつも見つめてるわけじゃないから! そんなの姫様に恐れ多いから!

ほら、俺って船乗りで視力もいいからさ、遠くからこうやって静かに見守ってるだけだから!

(マスター★3緊急前 フルル)

 

たとえフルル自身に悪意がなかったとしても、あんまりチッチェ姫をガン見しすぎているとさすがに怪しまれるといいますか、正直今の時点でも不審者に片足突っ込んでしまっているのは否めませんから、なんかこう……何とかして欲しいところ。まぁ、何とかするといってもエルガドの港の位置を動かすことは出来ない以上、そこから運ばれてくる物資を扱う彼の店の位置を変えるというのもなかなか簡単にできることではありませんから、具体的にどうすればよいと言うのも難しくはあるのですが。

 

ちなみに当のチッチェ姫の方も、フルルから陰ながら送られてくる視線に気づいているんだか気づいていないんだかという台詞があったりします。

 

う~ん…なんなのでしょう…。あっ、○○さん! ひとつ、相談に乗っていただけませんか?

じつは、エルガドに来てからずっとどこからか、視線を感じるんです…。

いやな雰囲気の視線ではなく、まるで見張るような感じというか…。まったく敵意は感じないんです。

どちらかというと、温かさを感じるんです。見守られているというか…。でも、護衛はつけていませんし…。

わたくしの気のせいかもしれません。もし何か気づいたことがあったら 教えてもらえると嬉しいです!

(マスター★4 チッチェ姫)

 

素直に解釈すると、これは王国に依頼されてお忍びで姫の護衛役を務めている雑貨屋のオボロが彼女を密やかに見守っている視線と読み取ることができるのですが、ひょっとするとそれ以外に、さらに遠くのお店にいるフルルからの視線、という可能性も決して0ではありません。チッチェ姫曰く「この視線に悪意は感じない」とのことですから、たとえここにフルルの視線が含まれていたとしても何か問題に発展することはなさそうな気がしますが、せっかく今回は冒頭で平和回と謳った手前もありますから、彼には今後も露骨に怪しまれるような行為には及んでほしくないというものです……。

 

続いてタルタルのおまけコーナー。フルル同様に将来は自分の船で大海原に飛び出したいと夢見ている彼ですが、そんなビジョンに呼応するかのように、彼にはミステリーハンターとしての資質があるんですよね(そういえば「世界ふしぎ発見!」、来年4月で終わっちゃうみたいですね……)。ということで、船乗りの仕事の中で彼が発見した、素朴ながら奥深いナゾをいくつか見ていきましょう。

 

ちょうどいいニャ、ハンターさん。じつは、最近気づいた海の秘密があるから聞いて欲しいのニャ。

海がしょっぱいのは、きっとお魚をおいしくするためニャ! 海って、えらいのニャ~。

(エルガド到着直後 タルタル)

 

言われてみればなんでだろうシリーズその1「海の水はどうしてしょっぱいの?」。いちおう私たちの世界の理科で習う学説としては、地球ができる過程で塩素ガスを含んだ水と岩石に含まれる金属元素(ナトリウムなど)が反応して塩化ナトリウム等の物質ができたらしいということですが、お魚をおいしくするため、というのもなかなか夢のある話です。

 

 

ボク、航海に出るといつも不思議に思うことがあるのニャ。聞いてくれるかニャ? ハンターさん。

ご存じの通り、海には波があるのニャ。その波って…どこから来るのかニャ? 謎ニャ。これは調査隊の派遣が必要ニャ…!

(マスター★5シャガルマガラ前 タルタル)

 

言われてみればなんでだろうシリーズその2「風はどうして吹くの?」。こちらも言ってしまえば「気圧の差による空気の移動」によるものなのですが、船乗りであるタルタルがそれを知らないというあたり、モンハン世界においてはこうした自然科学分野はまだまだ研究されていない未知の部分が多そうな気がします。さすがに調査隊を風上の果大元とかに派遣するわけにはいきませんが……。

 

もう一つ、モンハン世界の自然科学分野に関することで気になる台詞がこちら。

 

ボクはいつか、あの水平線の行き止まりまで行ってみたいのニャ!

…でも、最近思うのニャ。もし、水平線に終わりがなくて、ずーっと海が続いてたらどうしようかニャ…って。

………。ニャッ、ニャッ、ニャ~♪ そんなの怖いから、考えないのが一番ニャ~♪

(マスター★3 タルタル)

 

こちらの台詞、ソボクなギモンという雰囲気をしていますが、実はモンハン世界についてのかなり核心的な描写だと思うんですよね。「水平線の果てがあるのかどうかわからない」という疑問が出るということはつまり、「この星が球体であるという知識はモンハン世界においては一般的ではない」ということになります。

 

私たちの世界においては、地球が天体であるという学説は古代ギリシアの時代から既に存在していましたが、実際にそれが証明され現在の天文学の前提が確立されたのはマゼラン、エルカーノらによって世界一周の船旅が成し遂げられた、近世の大航海時代以降です。

 

翻ってモンハン世界のこの星(以下、便宜的に地球と呼びます)でいえば、作中に登場する人類の居住地のある大陸は未だに「現大陸」と、MHWシリーズにおいて人類が踏み入ることとなった「新大陸」の2つのみ(その他、諸々の島を含む)。つまりモンハン世界は未だに「地球は丸い」ということが証明できるほど、惑星中に人類の生活圏が広がっていない、もしくはその生活圏同士が繋がりを持っておらず、船による惑星探索というものが進歩していないのだと思います。

 

さらに付言すれば、モンハン世界の人類は強大なモンスターの脅威にその命や生活を脅かされていますから、この世界のインテリ層はそれらの中で人類の生き残る道を常に考えるべく、自然科学の中でもモンスターの生態研究やモンスターに纏わる伝承の解読等の学術を大きく発達させており、逆に天文学や他の自然科学に割くことのできるリソースは私たちの世界ほど多く存在するわけではなく、私たちの世界では常識と言えるようなことでも未だに解明されていないことが多い、ということでもあるのかもしれません。

 

まぁ、ここまでの話は全て「モンハン世界の地球と私たちの世界の地球はおおむね一緒」ということを前提に話しているわけですが、もしかするとモンハン世界が「世界は平面&天動説が正しい」ことになっている可能性もあるわけですから、一概に私たちの世界の自然科学の常識を適用するわけにもいかないところ。……まぁ、平面だったら平面だったで色々矛盾は起きそうな感じはしますが。

 

ちなみに、タルタルはその有り余る探求心の果てに、彼が掃除している船を微妙に破壊しかけるような事態も。

 

ニャ~♪ ニャッ、ニャ~♪ ほらほらハンターさん、おもしろいから見てみるニャ。

同じところをずーっとゴシゴシしてたら、甲板がちょっとへこんできたニャ!

こうなったら、ここに穴があくまでゴシゴシを極めてみたいニャ!

(マスター★4ライゼクス前 タルタル)

 

穴あけないで~! といいつつ、「甲板がへこんできた」という独特の感触についてはなんとなく分からないでもありません。もちろん、実際のところ清掃用ブラシで船に穴が空くことはまずないわけですが、触覚版の錯覚というやつなのか、同じところを繰り返し擦ったりしているとそこだけ微妙にめり込んでいるのではないか、というような感覚になることってありますよね。

 

……と言いつつ、別の時期のタルタルの話では、彼のブラシが実際に船をめり込ませられるパワーを持っているのではないかと推測させるような会話があったり。

 

ニャッ!? モンスターに追いかけられてる人がいるのかニャ?

ニャ~…。考えたくない状況なのニャ。もしボクだったら、頼りになるのはこの自慢のブラシくらいしかないのニャ…。

(マスター★2アンジャナフ前 タルタル)

 

タルタル……本当にそのブラシでモンスターと渡り合う気なのか……? まぁ、王国製のブラシですから耐久性の品質は確かだと思いますし、使い慣れたブラシは手足のように扱えるという自信はあるのかもしれませんが、まさかそのブラシはただの清掃用具ではなく、緊急時に船員が武具として利用し身を守れるくらいには頑丈な、何らかの特殊な素材で作られているのでしょうか……? 

 

それから、タルタルはキュリアについて何気に鋭い考察をかましているシーンも。

 

 

キュリアが集まっているのかニャ? どうしてそんなことになっているのか、ボクにはさっぱり分かんないニャ。

何かおいしいものがあるのかニャ? それとも…さびしいのかニャ? ニャ~…。やっぱり全然、分かんないニャ!

(マスター★5キュリア調査前 タルタル)

 

自分自身が寂しがりだからキュリアの気持ちが分かるということなのか(?)、「真の宿主であるガイアデルムのところに帰ろうとしている」というところに微妙にカスっていなくもない予想をしています。キュリアは何かと王国の脅威という印象が強いですが、彼らも長らく本来の宿主の元を離れていて「さびしがっている」と言われると、ちょっとだけ愛着が湧いてくるような……モンスターについて新たな見方を提供してくれる台詞かもしれませんね。

 

いずれにしても、こうした疑問が次々と浮かんでくるというのは、探求心という彼の立派な才能の一つ。いつか彼が自分の船で大海原に飛び出したときに、世界各地に眠るさまざまなナゾに自らの足で挑んで発見を重ねていくような、そんな楽しい未来を期待したいものです。

 

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ということで、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!