ひろがるオトモ広場の輪
※注意事項※
・本記事は「モンスターハンターライズ:サンブレイク」全編および、一部シリーズ他作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売の『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』を未読の状態で執筆しております。
現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。
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本記事ではエルガドの出張オトモ広場窓口のナギと、その護衛であるハヤテとライデン、またカムラの里のイヌカイやイオリ、ハモンの話から、イオリの両親のことについても取り上げていきます。エルガドでオトモ窓口の仕事を務めるナギは元々はカムラの里の出身で、ハンターの頼もしいパートナーであるオトモ関連についても、カムラとエルガドは連携体制にあります。また、カムラ発祥の文化であるオトモガルクを王国に広めたのは、各地を旅してオトモガルクの普及につとめているイオリの両親で、里の仲間たちから2人の話を色々と聞くことができます。今回はそのような感じで各地で活躍する、オトモを愛する仲間たちの人となりについて紹介していきましょう。
ーーーー目次ーーーー
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1.狩りの苦手だったナギが、新たに見つけた天職
ナギはカムラの里のオトモ広場の出張所担当として、エルガドでの主人公やオトモたちの狩りをいつも大いに支えてくれている人物。オトモ雇用窓口からオトモ偵察隊、オトモ訓練場、さらには交易船の手続きまでも一手に受け持つナギの処理能力は尋常なものではなく、カムラの各施設の出張所窓口としての仕事にはナギ自身も確かな自信があり、とても誇りに思っているようです。
ここで○○殿からお受けしたオトモについてのご依頼は、この私がすぐさまカムラの里へと伝えますニャ。
ですので、少しもお待たせすることなく オトモ雇用や隠密隊などなど いつも通りご利用いただけるのですニャ。
ニャニャ…。これだけのことをたったひとりでこなせるなんて…。自分の手際のよさに、ほれぼれしますニャ。
(エルガド到着直後 ナギ)
ナギが船の停泊所のすぐ真横に窓口を構えているのは、カムラの里との諸連絡をいち早く行うためということなのかもしれません。船乗りのフィーノによれば、王国本土や他の地域とエルガドとの連絡は海路で手紙を運ぶという仕方で大半が行われているようですから、カムラの里に対して手紙を送るときに移動が少なく便利なのはもちろん、カムラの里からの手紙を受け取るときに、ナギ宛の手紙を船が到着したその場ですぐに仕分けて受け取るにもここは絶好の場所(おそらく同じ理由で、郵便屋さんも港に近い位置でいつも仕事をしています)。業務を効率よく行う敏腕ぶりが、拠点内の窓口の配置という所にも表れていますね。
○○殿、もうすっかり王国のみなさまから頼りにされているご様子ですニャ。
同じ里の出身として、私もすごく誇らしいですニャ!
…そして、そんな腕利きハンターの○○殿をお支えする私もまた、腕利きの窓口役と言えますニャ。
(マスター★2 ナギ)
さて、そもそもナギがこのオトモ雇用窓口の仕事に縁があったきっかけについてですが、ナギは最初から今の仕事をしていたわけではなく、元々はカムラの里でオトモアイルーとして活動していたとのこと。しかしながらナギ自身は、自分は狩猟をするのには向いていないということを自覚していたようで、あまり自分に自信がない性格であったようです。そんな中である時、自分に合っていない仕事をする日々にモヤモヤしていたところに、イヌカイやイオリが新たな道を紹介してくれました。
そうそう。向こうのオトモ広場窓口を担当している子にはもう会ったかい?
あの子は、狩りこそ苦手だったけど とても頭のいい子でね。
オトモ関連の仕事をする子をエルガドに派遣する話が出たとき、全会一致であの子に、って話がまとまったんだ。
向こうでなにかあったら、なんでもあの子に伝えるといい。そうしたら、全部こっちに連絡がくるからね。安心だろう?
(マスター★2 イヌカイ)
詳しくはまた後述しますが、元々オトモガルクという文化のなかった王国にガルクの狩猟法を伝えたのはカムラの里出身のイオリの両親ということもありますから、観測拠点としてのエルガドの再興に伴って、オトモ窓口の既存の役割を兼ねる形で、現地に出張してそのお世話やトレーニング、オトモを雇用したいハンターとのマッチング等々の手続きや仲介、王国騎士たちからのオトモ関連の相談役を行う人が、エルガドには地理的にもさほど遠くはないということで、オトモガルクの本家本元のカムラの里から欲しい、というような話になったのでしょうね(おそらく、茶屋のアズキがエルガドに店舗を構えるのと同じタイミングであると思われます)。そこで、処理能力に富んだ人材としてナギが見い出され、皆の温かな後押しを受けて派遣員としてエルガドで窓口の仕事をすることになります。
狩猟がとってもニガテな私ですが、今はこうして自分にぴったりの役目が見つかって、充実の日々ですニャ…。
それを任せてくれた里の皆さまのために、もちろん○○殿のためにも、しっかりと務めていく所存ですニャ!
(マスター★2 ナギ)
この仕事はナギにとっては天職とも言うべきもので、自分に合う仕事を見つけることができた今のナギの毎日は充実そのもの。たとえ自分で狩りが出来なくても、それを様々な形で後方から支援する役目を担うのも一つの立派な道である……というのは、ここにも「里を護るとは狩るのみにあらず」の精神が流れていますね。
とりわけイヌカイは、彼の大切な家族であるところのガルクのゴウカもまた狩りが苦手で、オトモガルクにはなれなかったという経歴がありますから、オトモとしてハンターと共にモンスターを狩るという仕事が自分に合わないという気持ちや、たとえそうだったとしても他に選びうる道はいくらでもあるということを、特によく分かってくれた人物でもあると思います。
オトモアイルー時代のナギのことをよく知るイオリからも、その窓口の仕事ぶりは絶大な信頼を置かれています。
○○さん、おかえりなさい。元気そうだね、よかった。
オトモたちもみんな元気? もし、なにか困ったことがあったら教えてね。
ナギがいるなら大丈夫だろうけど。ほら、エルガドの出張オトモ広場窓口をやってる子だよ。
狩りはニガテな子だったから、ちょっと自信なさげにしてたこともあったんだけど、窓口の仕事をあれだけできる子はいないよ。
あ、でも… ひとりで里を離れて、さびしい思いをしてるかもしれないね…。
○○さん、たまに様子を見てあげてくれるかな?
(マスター★3 イオリ)
ナギの色々な気持ちを汲んであげるイオリくん、やっぱり優しいな……。信頼できる仕事仲間としての目線と、かつては彼自身がオトモ雇用窓口で面倒を見ていたことに由来する、ある種の保護者目線のようなものが半々にあるという感じで、一人ひとりのことをよく見てあげているんだなぁという感じがします。イオリもイヌカイもそうですが、ナギはカムラから遠く離れた地で仕事をしていても、決して孤独なのではなく常に自分たちが味方だ、というスタンスなのがとても温かいですね。
ナギ自身も、以前までは出張窓口の全権限をひとりで引き受けるプレッシャーと、故郷を離れる寂しさとに悩む時期があったようです。
少し前までは、オトモ広場の窓口役を一手に引き受ける重圧と、里を離れた寂しさがありましたニャ…。
そんな私を元気づけてくれたのは、故郷の味…うさ団子なのですニャ。○○殿も、いかがですかニャ?
たまにはクエストのことを忘れて、ただお団子を味わうだけの穏やかな時間をすごすのも、よいものですニャ。
(マスター★4 ナギ)
ナギの心の支えとなったカムラのうさ団子は、エルガドで茶屋を営むアズキたちが丹精込めて作り上げているもの。茶屋が里外の各地にも展開されるようになったことによって、ナギのように里を離れて他の地域で活躍するカムラ出身者にとって、うさ団子が故郷の味として心の支えになっているっていう構図が良いよね。
今ではエルガドでの実績が認められるようになったこともあってか、そうした不安はなくなってきたようで、胸を張って堂々と窓口の仕事を勤めることができるようになっています。それはひとえに、ナギ自身の才覚と努力の賜物に他なりません。ナギはエルガドに自分を送り出してくれた里の仲間に、何かお礼をしたいと思っているようです。
狩猟のニガテな私でも、こうして誰かのお役に立てるのはしみじみと幸せを感じておりますニャ。
…エルガドへ送り出してくれた里の皆さまには、感謝の気持ちでいっぱいですニャ。
だから、いつかきっと恩返しをしたいと思いますニャ。でも、何をすればいいですかニャ…?
そうですニャ、○○殿。時間ができたときにでも私の相談に乗っていただけるとうれしいですニャ!
(マスター★6 ナギ)
また、ナギはモンスターを狩るのが得意ではないということからか、自身はハンターではないにも関わらずフィールドワークにおいて大自然の中に果敢に飛び込んでいく研究員のバハリのことを、尊敬しているフシもあるようです。
せっかく助けたバハリ殿が、またどこかに行ってしまったと聞きましたニャ。
そのお方が周りからいくら変わり者と言われていても、私から見ればとてつもない勇気の持ち主ですニャ。
そうした、どこか飛び抜けた人物こそ、何かをなしとげるものでしょうかニャ…?
(マスター★2アンジャナフ後 ナギ)
王国調査隊の組織としては「必ず結果は出すけれども少し無鉄砲すぎ」という評価をされがちなバハリの行動ですが、そもそもモンスターに近づいて何かをするということ自体、必ずしもこの世の全ての人に出来るようなことではないわけで、ナギのような人からは、バハリはそういう風にも捉えられるのだなぁ、と感心する一幕。でも、バハリのような素晴らしい才能が今回の調査を大きく主導していくのは確かに事実ではありますが、一方でナギのように、丁寧な仕事で皆を支えていくような人も、エルガド全体で大きな成果を上げるためには必要不可欠な存在ですから、そこはぜひ自信を持ってほしいところ。
それから、そんな仕事熱心なナギの護衛役を務めている、ガルクのハヤテとライデンについてもご紹介しておきましょう。
………とまぁ、例によってガルクたちは人語を喋るわけではないので、本人たちの口から自己紹介が聴けたりするわけではありませんが、手練れのオトモガルクらしい凛々しい顔立ちと佇まいが特徴的なおふたり。名前を漢字表記すると「疾風」と「雷電」ということでなんとなくウツシ教官の「疾風迅雷!」みがありますから、彼らも元はウツシ教官の仕事を共に行っていたガルクだったのでしょうか。
いつも私の横で控えてくれているのは、護衛役のハヤテ殿と、ライデン殿ですニャ。
…とは言え、エルガドには騎士団の皆さまもいらっしゃいますので、危険なことはないですニャ。
だからハヤテ殿とライデン殿には お暇な時間を過ごさせてしまい、ちょっと申し訳ないですニャ…。
(マスター★3 ナギ)
エルガドは少し前にはメル・ゼナの襲撃に遭っている場所でもありますから、他の拠点と同様、モンスターの被害とは無縁とは言えない場所です。平時には拠点防衛の王国騎士団もいるので比較的安全ではありますが、ストーリーの終盤、ガイアデルムの出現やキュリアの活性化が発生している際には、他の大型モンスターの急襲にも対応するべくナギの護衛として彼らも活躍しています。
それに、エルガドの皆にとって身近なところにオトモガルクがいて皆に溶け込んでいるというのは、イオリの両親が目指しているところの、オトモガルク狩猟の各地への普及という目標にとっても大きな意味があることですからね。エルガドでも、特に王国騎士のフィオレーネなどは、カムラの里のオトモ広場の文化について、何度も興味深く尋ねてくれるようです。
私も、フィオレーネ殿のことは気にかかりますニャ…。
オトモ広場のことを興味深げにたずねてきてくれるフィオレーネ殿との会話は、私にも楽しい時間なのですニャ。
また以前のように、そんなお話ができるようになって欲しいですニャ…。
(マスター★4ライゼクス前 ナギ)
フィオレーネに関しては、彼女の妹であるロンディーネが交易商としてカムラの里に接触し、里の文化や風土の素晴らしさにとても感銘を受けていましたし、ロンディーネは交易窓口を小型船の発着所のあるオトモ広場に設けて仕事をしている関係でオトモ広場の皆との交流が特に深く、その中で見聞きした話の数々を王国に戻った際に姉のフィオレーネに熱く語っていたため、フィオレーネもオトモ広場に興味を持つようになった……というような感じで話が繋がっているのでしょう。ロンディーネさん、コミツのりんご飴とかも姉に持って行ってたりするからな……。
盟勇同行クエストでも見られる通り、王国騎士たちも(少なくともエルガドに駐留している部隊については)1名につき1匹、パートナーのオトモガルクがついています。これはイオリの両親が王国にオトモガルクを伝えた際に、その指導のもと王国騎士団内で標準化が行われたものであると思われますが、それが後に巡り巡ってカムラのハンターと王国騎士とが共にガルクに騎乗してモンスターを狩りに行くまでになるというのは、何か運命的なものを感じますね。
ちなみに、ハヤテもライデンもいつも顔色一つ変えずクールでキリッとした表情をしていますが、彼らといつも一緒にいるナギは、ふたりの機微が手に取るように分かるみたいです。
○○殿、あとは治療薬が出来るのを待つだけでしょうかニャ…?
…そうですかニャ。ひとまずは安心しましたニャ。
ハヤテ殿とライデン殿も ご覧の通り、ホッとしている様子ですニャ。
(マスター★4エスピナス後 ナギ)
ご覧の通り……ご覧の通りなのか……? さすがはその道のプロ、頭が上がりません…。ガルクの感情を以心伝心で理解できるというのは、普段オトモに関わる仕事をしているカムラの仲間にも共通アビリティ(?)のようで、カムラの里のイヌカイも、自分の家族であるガルクのゴウカの気持ちを代弁できるほどにガルクと通じ合っています。
キミが帰ってくると 私のガルクも嬉しそうだ。
ちょっと妬ける気もするけど、こればっかりは仕方がないな。
私のガルクも、私と同じでキミのことを英雄だと思っているからね。
英雄が目の前にいるんだ。浮足立ってしまう気持ちもわかる。おかえり、英雄さん。
(マスター★6 イヌカイ)
さすがはイヌカイさん、読み取る感情の解像度が高いな……。続けての引用になってしまいますが、イヌカイはカムラの里を離れて生活する主人公のオトモの様子についても、とても気にかけてくれているんですよ。
今までとは違う場所での狩り… 慣れないから大変じゃないかい?
キミはもちろんだけど、キミのオトモたちも 環境が変わってどうしているか 少し心配だったんだ。
でも、杞憂だったかな。元気そうで安心したよ。これからも、あまり無理せずがんばれよ。
(マスター★3 イヌカイ)
本作で初登場したガルクや、あるいはフクズクもそうですが、彼らは人類社会において人間と共に生活している存在でありながら(もちろん野生のガルクやフクズクもいますが)、人語でコミュニケーションを取ることができない種族でもあるんですよね。従来の作品では、人間(ヒト)、アイルー、竜人族等々の多種族で構成される人類社会のコミュニティでは人語(いわゆるモンハン語)が共通言語であったので、ガルクやフクズクはそこに新風を吹かす存在となったわけです。
そんな中で、イヌカイやナギのそうした台詞は、彼らの存在を人間と変わらない意志や感情を有する仲間として定立しており、人類を中心とするコミュニティの中の(少し言葉が強いかもしれないけど)いわゆる「種族格差」みたいなものを可能な限り感じさせないものとなっていて、世界観の重要な一端を担うものとなっているように思います。そもそもオトモアイルーやガルクの雇用窓口、およびその護衛を同じアイルーやガルクのキャラクターが受け持っているという点や、茶屋など他の重要施設においてもその全権を管理しているのがアイルーのキャラである場合も多い点なども、それを特徴づける描写ですね。
その話でいうと、ゴコクが愛してやまないテツカブラのテッカちゃんについても、イオリから次のようなエピソードを聞くことができます。
テッカちゃんって、ほんとにゴコク様以外には懐かないんだ。
ボクも、アイルーやガルクとなら仲良くなれる自信あるんだけど テッカちゃんは全然…。
一度だけ背中に乗せてもらったんだけど、ゴコク様と一緒に乗って、やっとだったよ。ほんとはもっと仲良くなりたいんだけど…
ムリに近づいたりして、テッカちゃんがボクにケガをさせたら、どっちも不幸になってしまうってゴコク様が。
…それは、絶対にダメだよね。今は、たまにうさ団子をあげさせてもらうだけにしてるよ。
(マスター★4 イオリ)
仲良くなりたいからといって、必ずしもお互いの距離を縮めさえすればよいというわけではなく、それぞれの個性に応じてほどよい距離感というものがある……これは、私たちの世界での人間関係についても同様のことが言えることですね。イオリがケガをしたら危ないからというのみならず、お互いにとっての(精神面も含めた)幸せのことをゴコクが心配しているのが、同じカムラの家族としてのふたりを気遣っているのが素敵ですし、それを聞いてすぐに理解できるイオリも、「種族を超えて色々な子と仲良くなりたい」という元来の彼の心優しい性格が、ここで更に一歩成長を遂げたような感じがしますね。
さて、エルガド組に話を戻しまして、ここでちょっとしたおまけエピソードのコーナー。ナギはエルガドの出張所の窓口担当として非常に高いプロ意識を持っているということをここまでご紹介してきましたが、港町として活気にあふれるエルガドには、そんなナギを以てしても抗いきれぬ誘惑というものがあるようで……。
私、自分の職務にはプロとしての自制心と誇りをもって向き合っていますニャ。
しかしですニャ…。この場所は誘惑が多すぎますニャ。
目の前の屋台に並んでいるおいしそうな食べ物が、私の集中力をジワジワと奪うのですニャ…!
(マスター★5 ナギ)
ナギが窓口を構えている場所は、船の停泊所近くのマーケットの真正面。焼きたてのパンや瑞々しいフルーツ、そして銀の鱗の輝きが眩しい鮮魚たちがずらりとならんでいます。さすがのナギを以てしても、美味しそうなお魚の誘惑を断ち切ることは至難の業のようです。茶屋のうさ団子の香りに精神を揺さぶられるアルロー教官などもそうですが、なまじ拠点の広場の敷地面積がそれほど大きくないがために、「自分の仕事場の目の前に美味しそうな食べ物が……!」的な現象がしばしば起きてしまうようですね。
また、このマーケットに心を奪われているのは、ナギだけではないようです。
お昼が近くなると、たまに出張オトモ広場のハヤテとライデンが じーっと、こっちを見てることがあるニャ。
ボク…あのまなざしに弱いのニャ。ついつい売り物を分けてあげたくなっちゃうのニャ。
(マスター★6 ジレッタ)
同じくプロの護衛役であるハヤテとライデンも、お腹が空く頃になるとマーケット担当のジレッタを何かもの言いたげに見つめることがあるようです。ジレッタがいつも立っている売り場は鮮魚売り場ですが、ガルクって魚食べるの……? まぁ、肉食ということであれば一応魚の肉も大丈夫ということなのかもしれませんが、魚というとやはり猫(アイルー)のイメージが強いですから、ガルクがお魚を食べている様子というのはあまり想像できません。真相やいかに。
それから小ネタをもう一つ。エルガドにもカムラの里と同様、オトモの装備やスキルを準備したりするためのオトモボードがあるわけですが、このボード、どうもナギがエルガドに来る以前からあるようで、誰が造ったのかいまいち判明していないらしいんですよね。
ここエルガドにあるいろんな設備には、バハリ殿が手掛けたものも多いそうですニャ。
もしかすると、そこにある勇ましくも美しいオトモボードも、バハリ殿の作品なのでしょうかニャ?
気になりますニャ…。○○殿、もし機会があれば、ご本人に聞いてみて欲しいですニャ。
(マスター★3 ナギ)
アイルーとガルクの像が金ピカというセンスは賛否があるかもしれませんが(もしくは木製の上に金の塗装?)、オトモ達のポーズにも躍動感があり、土台を工夫して船を傾けたりなどなかなか凝った作品となっています。
カムラの里で作ったものをエルガドに輸送したのであれば、オトモ広場などにあるものとおおむね共通のデザインになると思いますし、使われている木の材質的にも王国側で作られたものという印象。首元のスカーフだけは完成した後に巻かれたもののようですが、王国のイメージのある赤にアイルーの肉球というデザインですから、やはりその可能性が高そうです(カムラのデザインであれば、青地に手裏剣のマーク等になるでしょう)。
エルガドの拠点としての再利用において、ハンターや騎士の拠点に必要な各施設や窓口を揃えるにあたって、担当をまだ募集できていない部署でもとりあえず設備だけは整えておこう的な感じで作られたものと思われますから、バハリ本人か、あるいはガトリンたちのような技術者の誰かが製作したのだと考えられますが、全体的に実用性重視で物々しい印象の拠点の中にも、こうしてデザイン性やユーモアに富む設備も作られているというのは、生活感や人間味があるといいますか、拠点のオアシスになるようなオブジェクトになっていて、とても和みますよね。ゴリゴリの金ピカだけど。
2.イオリの両親の旅とその功績
さて、記事の最初の方でもお話ししたように、王国でもオトモガルクがこれだけ普及しているのは、ガルクを広めるために里の外を旅している、イオリの両親の地道な努力が実を結んだもの。
王国の拠点へ行くそうだね。聞いたところ、あちらにもオトモガルクの文化はおおむね好意的に受け入れられているとか。
これも、イオリの両親の働きのおかげかな。嬉しいね。
ガルクたちは向こうで王国の人たちとどんな風に過ごしているんだろうな。次に帰ったときにでも、ぜひ話を聞かせてくれ。
(エルガド出発前 イヌカイ)
単に「好意的に」というのではなく「おおむね」という副詞付きなのが、なんだか妙にリアルさがありますね。オトモガルクという文化が狩猟において大きな助けとなることや、ガルクという存在は人間にとって良き友人となり得るということは、その発祥地であるカムラの里においてはごくごく自然に実感されていることであり、イオリの両親の功績により王国にガルクが受け入れられている要因も、そうした多くの利点が理解されたゆえであることは間違いありません。
が、そういう理屈の話とはまた別に、「今まで自分たちの文化になかった新しいものをすぐに受け入れるのは必ずしも容易ではない」という、「新しいもの、未知のものへの抵抗感」は人間の宿命というべきもので、そうした心理的側面から王国においても多少の賛否はあるという示唆を含んだイヌカイの話は、単にカムラ万歳ではなくそうした繊細な部分がきちんと描かれているという点でとてもリアリティがあると思います。イオリの両親の旅が100%順風満帆なものではないという彼らの苦労、新しいものを広め伝えていくことの難しさがよく伝わる部分になっていますね。
イオリの両親が王国にガルクを伝えたのはいつ頃の話なのか、というのは作中では明確にはされていませんが、少なくともごく最近というわけではないようです。
ミネーレさん、今エルガドにいるんだね。少しの間だけど、おじいちゃんのところに加工技術を勉強しに来てたんだよ。
からくり蛙も見に来て… 訓練してるオトモたちのこともほめてくれたんだ。
そのとき、オトモガルクは里発祥ってことと ボクのお父さんとお母さんが王国に広めたみたいって話したら、驚いてたよ。
それだけ、王国でもオトモガルクの存在が当たり前になってきてるってことなのかな? それって、すごく誇らしいね。嬉しいな。
(マスター★3 イオリ)
ミネーレが王国のお抱え加工屋になったのは比較的新しい出来事のようですから、そのミネーレが王国でオトモガルクが普及されたタイミングについて知らなかったということは、少なくともそのもっと前の段階からイオリの両親は王国を訪れていて、そこから今に至るまでにガルクの存在が王国に馴染んできている、という感じなのだと思われます(王国騎士団内でも、騎士とガルクがパートナーとして狩りをすることが現時点で既に広く一般化しているのもその根拠のひとつ)。
そして、王国で育ったガルクでも、狩りの得意な子、苦手な子はそれぞれいるでしょうから、狩りのパートナーとしてだけでなく、生活のパートナーとしてのガルクという存在も、王都など一般市民の生活区域において少しずつ定着しつつある頃かもしれません。今月末発売の資料集に、そうした王都の生活風景なども載っていることを期待したいですね。
オトモガルクを各地に広めるイオリの両親の旅は、今もなおこの世界のどこかで続いています。オトモガルクが普及された地である王国で、主人公がガルクと共に狩猟で功績を立てることは、オトモガルクという文化の実績にもなるということであり、イオリの両親の旅を間接的に支えることになるだろう、とイヌカイは言います。
イオリの両親は、オトモガルクを広める旅を続けているよ。王国にオトモガルクの文化が伝わっているのは、彼らの功績だろうね。
彼らの旅は、本当に地道な活動だけれど こうして、たしかに実を結んでいる。
加えて、キミのような腕利きのハンターが ガルクと狩りをしている姿を見れば さらにガルクの良さも伝わるだろうしね。
王国の拠点でもガルクが活躍してる、って イオリの両親に伝えておかないと。もちろん、キミの大活躍のこともね。
(マスター★5 イヌカイ)
カムラの里以外の地でもガルクが活躍しているという話を聴けるのは、イオリの両親にとっても大きな心の支えになることです。ふたりは百竜夜行が終われば里に帰ってこられるのではないか(サンブレイクで新たに里NPCが増えるのではないか)という予想もしていましたが、王域生物の異変でカムラ地域のモンスターの変化もあるということで、里に帰ってくるのはいま少し先のことになりそうです。両親になかなか会えずじまいのイオリにとっては寂しさもあるかもしれませんが、引き続き二人の旅を応援したいところ。
それから、イオリの両親のことについては、ガルクが苦手でおなじみの(?)あのハモンさんからも次のような言及があります。
……エルガドでもガルクは狩りへ出ているのか。
…そうか。アレは、息子夫婦が王国へ広めたものだと聞いている。
里の文化が他の土地でも受け入れられているのなら、それは喜ばしいことだ。
ワシはただ、ガルクがニガテだというだけで… …別に、認めておらんわけではない。
(マスター★2 ハモン)
ライズ時代には里ストーリーの終盤で、「自分は昔の出来事でガルクにトラウマがあり、これまでイオリのことを認めてあげられなかった」という旨の告白を主人公にしてくれたハモン。
自分自身はガルクのことが苦手であるのに対して、彼の子孫は親子二代に渡ってオトモ関係の仕事を志すというのは、彼にとっては複雑な心境であったかもしれませんが(というのは、ハモンが息子夫婦や孫のことを本当はすごく大切にしていて、やりたい事が出来たのならそれを応援したいという想いでいたからこそ、いざ彼らが自身の大の苦手なオトモガルクに関わる仕事を天職とするに至った際に、ハモンは自分の内の解決しがたい矛盾に悩まなければならなかった)、百竜夜行を乗り越える中でのイオリの成長を期に、ハモンも少しずつながらイオリと、そしてガルクとの距離を縮めつつあります。王国にガルクを広めた息子夫婦の活躍について、ハモンのリアクションは一見すると淡泊にも思えますが、そこには彼なりの想いがあるようで。
王国でも、ガルクたちはすごく活躍してるんだって。エルガドにも、いるんだよね?
王国にオトモガルクを伝えたのは お父さんとお母さんだって 里長とイヌカイさんが教えてくれたよ。
おじいちゃんも一緒に聞いてたんだけど、難しい顔で「……そうか」って言ってただけだったんだ。
怒ったのかなって思ったら、里長が「あれは、いまさらほめたりするのが 気恥ずかしいだけだ」って。
わかりにくいよ…おじいちゃんらしいけど。少しはオトモガルクのことも認めてくれたのかな…? だとしたら、嬉しいな。
(マスター★2 イオリ)
ハモンの息子夫婦、つまりイオリの両親がかつてオトモガルクのトレーナーを志した時にも、ハモンは同様にそれを受け入れることができないことに悩んだでしょうし、当時は少なからず否定的な感情を抱いていた自分が――もちろん、今やこうしてイオリとの絆を深め、少しずつガルクへのトラウマを払拭しつつあるわけですが――そうして自分の気持ちに変化があったからとはいえ、そこですぐに手のひらを返して息子夫婦の功績を称えるというのでは、どこか自分自身を許せない気持ちもあるでしょうし、「ガルクに対する見方が変わった自分」に己自身もまだ慣れないところがあるために、ガルクのことを褒めるのが気恥ずかしい気持ちもある……という感じなのでしょうね。
自分の気持ちをあまり表に出さず、内に秘めておくような振る舞いはそれはそれでハモンらしさがあるとも言えますが、イオリや彼の両親は、今のハモンの口から素直な言葉が聴けるのを、彼自身が思う以上に喜んでくれるような気がするんですよね。いつかそんな日が来たらいいな……といったところで、この項のお話も幕引きといたしましょう。
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ということで、本記事の考察はこの辺りで〆とさせていただきます。そろそろ次回作の発表も期待される時期になってまいりましたが、オトモ関連でやはり気になるのは、次回作以降もオトモガルクが続投するのか? という点。マップ内の素早い移動やハンターのモーションとの連携攻撃など、もはやガルクのいない狩りは考えられないというほどまでにモンハンの狩りの可能性を広げてくれましたから、ぜひ続投を期待したいところ。そしてその暁には、オトモガルクの発祥地であるカムラの里の名前も受け継がれていってほしいですね。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!