船着き場は亜空間

※注意事項※

・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・本記事は、2021年12月17日発売の「モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録」発売前に執筆されたものです。
 したがって今後公開される公式設定は、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)可能性がありますことをご了承ください。

・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。
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集会所横の坂を下った先には、里の交易や物資輸送の要である船着き場があります。最近ではマスターランクでカムラの里を出て別の拠点に行ける、ということの伏線としてもよく語られるようになりましたが、百竜夜行の影響下にある上位までのストーリーでは、人の流れも制限されているということなのか、特に他の場所に移動できるというような要素はありませんでした。

 

しかし、運輸の拠点としての船着き場は相も変わらず大忙し。この船着き場の仕事を担当しているのは、ツリキ、イカリ、ホバシラの3名です。特にツリキに関しては、たたら場横の倉庫らしき建物やオトモ広場まで荷物を運んで行ったあと、そのまま往復して帰ってくるのではなく時間経過で船着き場に突然ワープしてくるという、いわゆる亜空間移動の使い手としてよく知られています。

 

しかも、ちょうとホバシラの立っている真横あたりに瞬間移動してくるため、私がホバシラと話していると、途中でホバシラと自キャラの間にツリキが再生成されて割り込んでくることによって、なんかこう絶妙に空気が読めない奴みたいになることもしばしば。

 

そういえば、ガノトトス亜種はストーリーズ2で亜空間タックルという特技をとうとう正式に授かることになりましたが、ツリキが亜空間を利用する能力を持っていたということが、結果的にはこの亜空間タックルの伏線だった、という可能性もありえそうですね。

 

まあ、冗談はこの辺にしておくとして、船着き場は毎日のようにたくさん荷物が届き、輸送の作業で忙しそうにしているのにも関わらず、どうしてこの仕事がいつもたったの3人で回っているのか、というのも実に不思議なところ。ツリキの瞬間移動による時短を考慮したとしても、凄まじい効率で業務を回していることになります。それこそ一部の荷物をワープさせて運んでいるのではないか等、この点にこそ亜空間の干渉を疑いたくなるところ。さっそく彼ら3人の仕事内容に迫っていきましょう。

 

ーーーもくじーーー

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①ツリキの仕事

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どうした○○。狩りに行くのか?

俺は今日も荷物運びだよ。船着場には毎日毎日、たくさんの荷物が届くからな。

早くみんなのところに届けないと、船着場が荷物でいっぱいになっちまう。

(里☆1 ツリキ)

 

船着場トリオの中で、物資を里の皆に届ける役割をメインで担っているのは、天秤棒がトレードマークのツリキです。ツリキはゲーム内で確認できる限りでは、たたら場の横の倉庫らしき場所と、オトモ広場方面まで荷物を運んでいますが、それはプレイヤーがゲーム内で確認できる範囲のお話。

たたら場の大きな建物の屋根に登ったことがある方はご存知と思いますが、たたら場を挟んで反対側のエリア(景色として確認できるだけでプレイヤーは入れない)にも里は広がっています。ツリキもゲーム内の描写では確認できないものの、里の全域にわたって荷物を届けているんですよね。カムラの里はそこまで大きな規模の里ではないといえども、これはなかなかの大仕事です。

 

そんなに労力のかかる仕事であれば、もう少し船着場の人員を増やした方が良いのではないか? と思うところではあるのですが、それにはツリキなりの理由があるようで、ホバシラから彼の考えを聴くことができます。

 

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ツリキは大した奴ですよ。この船着場へ届く莫大な量の荷物を、毎日里の隅々まで運んでいるわけですから。

特に最近は、荷物の量も増えてきていますし もっと人手を増やしてもいいのでは、と何度か提案してはいるんですが…。

「今は里も百竜夜行で忙しいんだから そっちの対策に人を割くべきだろ!」と聞く耳を持たないんですよ。

たしかに一理あるんですが… しかし……うーん……。

(里☆3 ホバシラ)

 

ホバシラの気持ちも良く分かります。船着場の事務担当として、運搬担当のツリキを送り出す立場だからこそ、彼の大変さを心配しているのでしょう。それに、百竜夜行という緊急事態が迫っている今だからこそ、百竜夜行のための特別の対策と同じくらい、ふだんの生活を維持するための策も大切にしなければならないのだと、彼はツリキに言いたいのだと思います。

 

まあツリキの方も、多少は意地を張っているような所もあるのかもしれませんが、ホバシラの言うところの意図を分かっていてなお、人員の追加はしなくてもよいという判断をしているのかもしれません。決して楽ではないものの、船着場の仕事は自分がいれば大丈夫だからという、彼なりの自負と気遣いがあってのことなのでしょう。

 

ところで、ツリキは里の隅々まで荷物を届けているということですが、彼は具体的に何を運んでいるのでしょうか。物流を一手に引き受けているのであれば運ぶものの種類も様々でしょうし、船着場に届く荷物を全て調べてリストアップ…というのは大変ですが、彼の行動や会話内容から推測できるものだけでも知りたいところです。

 

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○○か。いやー、すっかり見違えたよ。

ハンターになったんだろ? 武器も持って…いいじゃないか。よく似合ってるよ! ハハ!

ウチの親父が見たらなんて言うだろうな。親父のヤツ、相変わらず里の外をほっつき歩いてるから、手紙ででも伝えておくよ。

…おっと、無駄話してる場合じゃなかった。早くこの荷物をたたら場に運ばなきゃな。じゃあな!

(里☆1 ツリキ)

 

ツリキの父親の話も気になりますが、それはまた別の記事で取り上げるとして、彼はたたら場へと荷物を運んでいることがわかります。たたら場で使われている資材と言えば、私もあまりこの辺の知識はないのですが、製鉄前の砂鉄および鉄鉱石、還元のための木炭(もしくはコークス)、燃料となる薪、そのほか炉の構築に必要な諸々の石材などが考えられそうです。たぶん。

 

たたら場の建物を見ても、それらの資材を採取地からたたら場まで直接輸送するためのトロッコ的なものはないんですよね。付近に山は非常に多いのですが、カムラの里自体は周りを川に囲まれているため、山から里まで線路を引くということは地理的に難しそうです。なので、ツリキが製鉄に使う諸々の資源を運んでいると仮定した場合の話ですが、それらの資源はむしろ水路を利用して船で船着場まで運送し、そこからたたら場まで人力で運ぶ…という形になっているのでしょう。

 

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↑たたら場エリアの周囲は大きな河川に囲まれており、鉄鉱や木材資源を運ぶためのトロッコ線路を地面に引くことはできない

カムラの里のたたら場は数名~十数名が人力で製鉄をしていますし、銑鉄を加工する職人もさほど多いわけではないので、主要産業の一つといっても現代的な工場のように毎日大量生産を行っている、という様子ではないようです(量より質!)。

 

したがって、水路と人力で運べる分で資材の供給は十分に足りている…ということなのでしょうが、鉄にせよ木炭にせよ中々の重さがあると思いますから、ものすごい力仕事ですよね。

 

まあ正直、そんなものを本当に人力(+水路)で運んでいるのか? と思うところもあり、この仮説にはあんまり自信はなかったりするのですが、ゲーム内では「荷物」ということしか言われていないので、あくまで可能性としてあり得そうなものを挙げている、ぐらいのノリで聞いてくださいまし。

 

たたら場の話はこの辺といたしまして、その他にはこちら。

 

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はー、ずっと歩き詰めだとすぐ腹が減るんだよな。

たしか今日は、茶屋に届ける荷物もあったはずだから… そのついでにうさ団子で腹ごしらえだな。

よし、そうと決まればもうひと頑張りするか!

(集会所☆3 ツリキ)

 

ツリキは茶屋にも荷物を運ぶことがあるようです。茶屋で必要な物資といえば、何よりもまずはうさ団子の材料、でしょうか。うさ団子の材料に関しては、スズカリ・センナリの営む米穀屋のお米(もち米?)やワカナの八百屋の野菜も使われているほか、里ストーリーの最初に登場した行商人からも仕入れているわけですが、それらだけであの種類豊富なうさ団子の全ての原材料をカバーできているわけではないと思いますから、その可能性は高いと思います。他にありえそうなのは、お茶の茶葉とかかな。

 

それから、ツリキの台詞内では特に言及はありませんが、オトモ広場にも彼は足を運んでいます。ツリキの普段の移動ルートを見ている方にはよく知られていることですね。

 

オトモ広場でツリキが用事がありそうな人といえば、イオリあたりでしょうか。イオリに関しては、オトモガルクの飼料関連は輸入が必要な部分もあるのかもしれません。この世界のアイルーについては、人間族と暮らしている者はだいたい人間族と同じものを食べているようですが、ガルクについてはさすがに食性が違っておりまして、ガルクには彼ら専用のエサがあるため(プレイヤーも、アクションスライダーの「待て」→「おやつ」で確認できる)、ガルクのエサの原材料の中に里内ではあまり自給できないものがあれば、他の地域から仕入れているということはありえそうですね。

 

その他、カジカやワカナたちのお店にもツリキは荷物を届けていることをカジカから聞くことができます。

果たして何を届けているのかは定かではありませんが、八百屋にしても、八百屋に並んでいる種類豊富な野菜の全てを里内で生産はできないでしょうし、カムラの里魚屋にしても、里付近で採れる川魚はともかく海でとれる魚は冷凍して運んでくる必要がありますから、おそらくそれらの商品を近隣地域から運んでいたりするのでしょうか。

 

このカジカの話に関しては、この情報とセットでちょっと面白い小話が聴けるので、また後ほどクリップを紹介しますね。

 

さて、そんな毎日の力仕事を継続していくためには、やはり食生活も重要です。ツリキも自身の食事について話してくれることも多いので、それらの会話から彼のパワーの源を探っていきましょう。…この流れはあれですね、いわゆるサラメシってやつでしょうか。NHK総合中井貴一さんがナレーションをなさっているあの番組です。いつもいつも、とても美味しそうなランチなんですよね……というお話はさておき。

 

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俺こういう仕事だからさ、腹ごしらえはさっと食べられるモンが一番なわけよ。

やっぱりうさ団子ばっかりになるだろ? そうすると、カジカがうるさいんだ。「魚をもっと食うニャ!」…ってな。

魚は好きだし食べたいけどさ、そのまままるかじりってわけにはいかないだろ…。

せめて魚は捌いて売ってくれると助かるな。今度カジカに相談してみるか。

(里☆3 ツリキ)

 

ツリキの仕事の合間のご飯その1は、カムラの里名物のうさ団子。栄養満点ですからね~やはり力仕事のお供にはこれです。そしてツリキ的には、里内を往復する間に買って、その場でお茶と共にさらりと頂いたり、歩きながらでも片手で持って食べたりできるという利点もポイントになります。

 

そして、そんなツリキにお魚を食べてほしがるカジカはさすがの商人魂といいますか、お魚に一途な子ですね。ところで、ツリキは「せめて捌いて売ってくれると…」と言っていますが、たとえ捌いた状態とはいえども、仮に仕事の合間に生魚を買ったとして、それを何かしら調理して食べるだけの時間は彼にはあるのでしょうか。一度家に戻って、刺身か焼くかしてがっつり昼食を食べるのであれば、荷物が少なく時間に余裕がある日には食べられそうですが……そういう機会はあまり多いとは思えません。

 

あとは……もしかして、あまり考えたくはありませんが、彼はマグロとかの柵をバクッといく気なのでしょうか。生魚の柵にかぶりついてそのまま食べようとするという行為は、私は漫画クレヨンしんちゃんの手巻き寿司か何かの回でしか前例を見たことがありません。……まあ、普通に持ち帰って朝食や夕食で食べるんだと思います。

 

それから、他に片手でさらりと食べられるランチといえば、もちろんアレもあります。

 

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セイハクくんのおにぎりはうまいよな。俺もよく食べてるよ。

ただなぁ…セイハクくんのところでおにぎりを買うと、もれなくワカナさんが野菜をつけてくれるんだよ。

「ほら! 好き嫌いしないでちゃんと野菜も食べなさい!」って言われるとな……。

お袋に言われてるみたいで なんか逆らえないんだよな……。 

(里☆6 ツリキ)

 

セイハクのおにぎり屋のおにぎり、丁寧に作られていてとても美味しそうですよね。人が握ったおにぎりは何だか温かみがあるといいますか、既製品にはない(といっても、モンハンの世界にはコンビニは無いと思いますが)手作りならではの魅力があります。

 

そしてセイハクの隣で八百屋を営んでいる、彼の母親であるワカナはツリキに何としても野菜を食べさせたいようです。まあ確かにうさ団子にも野菜は使われているのですが、いくら団子が栄養満点でもそれだけ食べていればいいというわけにはいきませんからね。カジカの魚同様、野菜を丸々渡されてそのまま食べるわけにはいきませんから、これは彼の夕飯の食卓に並ぶことでしょう。

 

カムラの里で偏食というとヒノエのイメージがありますが、ツリキもツリキでなかなか自分で食生活のバランスを考える習慣がないようで、彼が野菜をあまり食べないことについてはワカナもかなり気になっている様子。

 

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さっきツリキが来てねぇ。セイハクのところでおにぎりを買ったから、オマケに野菜をつけてあげたのよ。

ツリキは、いつも肉か魚しか食わないの。野菜を食べる習慣がないから、こういうときに渡してるってわけさ。

○○さんも今度会ったら、ちゃんと野菜も食べるように言ってやっておくれ!

(集会所☆6 ワカナ)

 

ワカナさん、もはやツリキの管理栄養士というか、母親的ポジションというか、そんな感じになっています。ツリキのことがよほど心配なのでしょうか、なかなか気前がよいですね。

 

ツリキは、カムラの里を出て別のところに住んでいる父親の話は幾度となくしてくれるのですが、一方で母親の話に関しては、このワカナが野菜を渡してくるくだりでしかすることがありません。彼の食生活のバランスを正す人物がワカナ以外に恐らくいないという点や、ワカナの口ぶりに自分の母親の影を重ねてしまう、という様子を見るに、ふだん母親とは一緒に暮らしているわけではないような感じがします(推測ですが)。

 

実家を出て一人暮らしをしているからという単純な理由なのか、話には出さないだけで母親の方も彼の父親と一緒に里外に住んでいるということなのか、はたまた、あまり暗い話はするつもりはないですが、複雑な理由のために会えないということなのか、詳しいところは語られていませんが、ワカナはツリキのふだんの生活ぶりや、恐らくは諸々の事情もある程度理解している上で、彼が身体を壊さないようにと気を遣っているのでしょう。

 

いっぽうで、ワカナから野菜を渡されたツリキの方はどうかというと、彼女の優しさはありがたいと思う反面、彼は野菜自体については、少なくともすすんで食べようとは思わないという食生活ですから、これまたなんとも言えない反応をしています。

 

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あ、そうだ○○。お前、野菜食うだろ?

いやな、さっきワカナさんに荷物を届けたら お礼にっていっぱい野菜をくれたんだ。

いやー、ちょっといくらなんでも気前がよすぎるというか… 食べ切れる気がしなくてな…。

ワカナさんの野菜はうまいぞ? でも…苦手な野菜のひとつやふたつ、あったっておかしくない…だろ?

○○、食うだろ? ……食うって言ってくれ。

(里☆6 ツリキ)

 

ワカナのご厚意は嬉しいけれど……やはり野菜が苦手という自分自身の味覚にはなかなか逆らい難いところがあります。ストレートに「野菜は嫌い」とは言わずに、きちんと言葉を選んでフォローを入れているあたりはツリキの優しさが垣間見えるところですね。「……食うって言ってくれ。」という迫真のお願いをしているところ申し訳ないのですが、やはりツリキにはなるべく自分で野菜を食べてほしいところです。ちょっとずつでいいと思いますから。

 

ちなみに、ワカナの店の野菜については、同じく野菜が苦手だというカジカからこんなコメントがあります。

 

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オイラ、あんまり野菜は好きじゃないけどワカナさんの野菜は好きだニャ。

噛むとシャキッて音がするニャ。味も濃くって、甘くておいしいニャ。

(集会所☆6 カジカ)

 

野菜は苦手だけどワカナの野菜は美味しい、とカジカには非常に好評。これはツリキにとってもありがたいお話ですね。ツリキはなかなかの偏食家ではありますが、種類豊富で栄養バッチリのうさ団子やおにぎり、そしてワカナからの野菜プレゼントのおかげで、彼の健康は保たれているようです。

 

ところで、荷物を運んできてくれたツリキに食べ物を渡しているのは何もワカナだけではないようで、あの辺でお店をやっている人たち(セイハク、コミツ、カジカ)は皆それぞれツリキに自分のお店の食べ物を渡している様子。

 

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ツリキさんはいつも、船着場に着いた荷物をオイラたちのところに運んでくれるニャよ。毎日毎日、ごくろうさまだニャ。
お礼に魚をあげたりするんだけど…この前はワカナさんが野菜、コミツちゃんが飴、セイハクくんもおにぎりを渡したのニャ。

配達前より大荷物にしちゃったニャ。う~ん、悪いことしたかニャ…?

(集会所☆2 カジカ)

 

これでは荷物を運んでいるのか持ち帰っているのか、果たしてどちらなのかわかりませんね。端から見るとなかなかシュールな光景ではありますが、ほほえましい一コマです。ツリキの方も、こうして皆からお礼を貰えるのを喜んでいるようですが、たまにすこ~しだけ困ることもあるようです。

 

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この里のみんなは気がよくってな。荷物を運ぶとよく、お礼だーっていろんなモンをくれるんだ。

嬉しいよ。嬉しいけどさ。いい大人が、りんご飴なめながら荷物を届けるのは、恥ずかしいモンがあるな…。

いやー、でもさ。コミツちゃんがくれる飴を断るわけにはいかないだろ?

悲しい顔でもさせてみろ! セイハクに何言われるかわかったもんじゃないしな! ハハ!

(里☆3 ツリキ)

 

確かにこれはなかなかの難問です。りんご飴は仕事中に歩きながらというよりも、どちらかというと休憩とか仕事終わりにゆっくり食べたいお菓子ですが、コミツちゃんも非常にピュアな子ですから、りんご飴を受け取らないわけにもいきません。そしてちらつくセイハクの影……。人気者はつらいですね。

 

しかしながら、こうして幾度となくお節介をかけられたり、荷物を運んだ先で色々なものをお礼に貰ったりなどしている様子を見ていると、ツリキも愛されキャラだなぁという感じがしますね。里で一、二を争うといっても過言ではないほどの力仕事を負っている彼ですから、そのぶんこうして報われているというのは心温まる話です。特に子どもたちにとっては、重い荷物を毎日バリバリ運ぶツリキはちょっとしたヒーロー的存在なのかもしれませんね。

 

イカリの仕事

さて、お次はツリキとともに荷物の運送をしている、イカリのことを取りあげていきましょう。

 

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○○さん! 今日も精がでるニャね! オイラも負けてられないニャ!

次々と届く荷物を、運んで、運んで、運びまくるのニャ!

(集会所☆2 イカリ)

 

仕事熱心で元気ハツラツとした性格のイカリは、ゲーム内ではツリキと同じく船着場から荷物を運び出し、茶屋の前で少し止まった後、たたら場横の倉庫の前に荷を下ろしてそこに立ち止まる、という動きをします。人間とアイルーの体格差を考慮して、イカリは里の奥の方までは配送を行わない代わりに、彼の方では倉庫の在庫管理なども行っている、という風にツリキと分担しているのでしょうか。

 

そんなイカリの仕事ぶりはツリキからも聞くことができます。

 

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イカリはいつも、自分の荷物を運ぶ前に全部積荷を船から下ろして仕分けしてくれてるんだ。俺の分もさ。

俺の方が、運び先が遠いからって気を遣ってくれてるんだよな。

助かるよ。ただでさえ荷物が多いんだ。ごちゃごちゃ考えながらだと、余計な時間がかかっちまうしさ。

俺の仕事はとにかく荷物を丁寧に運ぶこと。それでみんなが喜んでくれる。体力には自信があるしな! ハハハ!

(里☆2 ツリキ)

 

運び専門で里の広い範囲への運搬を担当するツリキと、積荷を最初に全て下ろしたり運び先ごとに整理したりして、運搬がしやすくなるよう事前作業を兼ねるイカリ。良い連携プレーです。ツリキも同じ宛先の荷物を一度に運ぶことができるようになりますし、積荷を運んで来た船をすぐに返すことができるのでホバシラ的にも助かるところ。

 

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荷物は、運んでいるときはもちろんだけど運ぶ前がとってもとっても大事ニャ。

ちゃんと運ぶ時のことを考えて梱包して、しっかり準備をするのニャ。

運ぶのはそしたらあっという間ニャ。準備が肝心なのニャ!

(集会所☆7 イカリ)

 

この台詞を見るに、イカリは荷物の仕分けをする際、それらの梱包作業もやっているみたいですね。壊れやすいものやこまごまとした物をきちんと梱包すれば、それだけ運びやすくなり効率が向上します。イカリは全体の業務が上手く回るように気遣いをしてくれるポジションという感じで、こういう人(アイルーですが)がいると非常に仕事がスムーズになりますよね。


そんなイカリですが、もちろんツリキと共に荷物の里内への運送も担当していますから力仕事も得意であり、荷物運びのコツを色々と教えてくれます。普通に実用的(?)なので、これぞイカリ先生の荷物運び講座といったところ。まとめて会話クリップを紹介していきましょう。

 

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重い荷物もニャンのその! ひょいと軽々エイサッサ!

軽い荷物も重い荷物も大事に扱わなきゃだめニャ。そっと持ち上げて、そっと置くニャ。

せっかく遠くから運んできてくれたのに壊しちゃったら大変ニャ。

(里☆2 昇格後)

 

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重い荷物を持ちあげるにはコツがあるニャ。
ちゃんとしゃがんでから、荷物を体に引き寄せて、おなかに力を入れて……

それでも持ちあがらないときは… ホバシラさんが手伝ってくれるニャ!

(里☆3 イカリ)

 

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いいこと教えてあげるニャ! 軽い荷物の上に重い荷物を乗せると楽に運べるニャ!

ホバシラさんが教えてくれたニャ! すごいニャ! びっくりニャ!

どうして楽なのかは…わかんないニャ!

(里☆4 イカリ)

 

イカリ先生の荷物運び講座、いかがでしたでしょうか。お引越しやお部屋の模様替えを検討されている方、ぜひ参考にしてみて下さい(?)。

 

ちなみに最後の「軽い物の上に重い物を載せると楽」というテクニック、私もどうしてだろうと思ってググってみたところ、重心が関係しているようですね。軽い物の上に重い物を載せ、かつそれを自分の身体に寄り掛からせるように持つことによって、自分のからだ全体でその荷物の重さを支えられるので楽になるんだとか。逆に重い方を下にすると、自分の腕力だけで頑張らないといけないのできつくなるらしいです(筆者調べ)。

 

モンハンのゲーム内でも、いわゆる「運搬クエスト」において、ハンターが竜の卵や火薬岩などのアイテムを「よいしょ、よいしょ」と重そうに運んでいるシーンがありますね。今作では翔蟲や回転回避によって結構楽に運べるのですが、かつてのハンター達はひたすら徒歩でキャンプに帰るほかなく、運搬用の食事スキル等を駆使して地道に運んでいました。

 

彼らも「運搬アイテムを何か軽い物の上に載せて運ぶ」という知恵があれば、もっと楽だったのかもしれません。まあ火薬岩の場合は、重さより熱さのほうが問題な気がしますが…。ギルドは台車くらい支給してくれてもよくない?

 

話を戻しましょう。カムラの里(に限らずモンハンの世界の都市や村の多くがそうですが)では、竜人族、人間、アイルー、ガルクなど様々な種族が共生していて、その全員が暮らせる環境を考えるとなると、建造物や物品のサイズなどはどうしても体格の大きい方に合わせなくてはなりませんから、物の大きさ、町の広さという点からいえば、体格の小さいアイルーは荷物運びをしようとすると、人間がするよりも少しばかり大変だと思うんですよね(もちろん、イカリは並の人間よりはずっと力持ちだと思いますが)。

 

荷物を運ぶ範囲をツリキと分担しているのもその体格差をカバーする一環だとは思いますが、それでも大変であることは変わりません。そんな中でも荷物運びの仕事を不自由なくきちんとこなせるよう、運ぶ時の技術や工夫の知識を得ることを、人一倍意識してきたのでしょう。そういう背景があって色々なテクニックを体得してきたのだと思うと、彼の努力の影がうかがえる台詞でもあります。

 

でも、重いときはホバシラに手伝ってもらうというのはちょっと可愛いですね。「代わりに自分が運ぶ」「ツリキに運んでもらって」と言いたくなってしまうところを、ホバシラは荷物を持ち上げるときだけ手伝ってあげるというのは、イカリの仕事を尊重している証左と言えるでしょう。

 

そんな頑張り屋のイカリはトレーニングに興味があるようで、ハンターさんに筋トレの仕方を訊いてきます。

 

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もっと、重い荷物も軽々運べるようになりたいニャ。

○○さん、いい訓練方法教えてくれないかニャ。

(集会所☆5 イカリ)

 

モンハンの自キャラは喋らないタイプの主人公なので、ここでイカリに何を教えたのかはわかりませんが、おそらくハンターさんから何かヒントをもらったのか、少し後になるとイカリがオトモ広場で訓練を始めたことを聞くことができます。

 

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もっと力持ちになりたいから 最近こっそりオトモ広場で訓練してるニャ。

おかげで筋肉痛がすごいニャ。体中がピリピリするニャ。

訓練って、大変だニャ…!

(集会所☆6 イカリ)

 

日中は力仕事をこなしながら、空いた時間でトレーニング……ふだんの明るく朗らかな雰囲気とは裏腹に、非常にストイックな生活を送っているようです。狩猟のための訓練をするアイルーたちが使うものでトレーニングするわけですから、さすがのイカリでもなかなかにハードな訓練。

彼がそうした訓練に打ち込むのは、荷物運びとしてもっともっと活躍したい! という気持ちがあってのことと思いますが、深読みをすれば、彼はツリキの負担を少しでも軽くしたいという意図があるのかもしれないなと思っています。

 

ツリキの分も荷物の仕分け作業を行う、というイカリの仕事は、運び先が遠くより体力を使うツリキへの彼なりの気遣いでもあり、ツリキの荷物運びの大変さを案じている様子がありました。運び専門のツリキと、運び兼準備担当のイカリという分担はそれはそれでうまく回ってはいるのですが、百竜夜行の影響もあり物資の輸送量がより増大している中で、ツリキの負っている仕事の量を、一部分だけでも自分も協力してあげることができたら、という気持ちも、ひょっとするとあるのかもしれません。

 

さて、そんな気遣い上手で努力家の一面を見ることができたところで、またまたサラメシのコーナーですが、ゲーム内での彼の動きを見ていれば一目瞭然、イカリはうさ団子がお気に入りみたいですね。

 

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いつもより荷物がいっぱいニャ! オイラ、がんばるニャ!

この荷物を運び終わったら、ごほうびにうさ団子を食べるのニャ! 楽しみニャ!

(里☆1 イカリ)

 

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○○さん! おかえりニャ! ケガはないニャ?

よかったニャ~! あとで一緒にうさ団子食べに行こうニャ!

(里☆3百竜後 イカリ)

 

イカリがうさ団子のことを話してくれる機会は何度もあり、里☆3百竜夜行が終わったあとには、ハンターさんを茶屋での食事にお誘いしてくれることも。嬉しいですね。

お昼ご飯のときに茶屋の餅つきの様子を見て、掛け声がうつってしまうというシーンもあったりします。

 

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よいしょ、こらしょ、どっこいしょ!

…さっきうさ団子食べに行ったのニャ。餅つきの掛け声がうつっちゃったニャ。

でもこの掛け声、荷物運びにもいいかもしれないニャ。

(集会所☆3 イカリ)

 

こちらの台詞はちょっとした小ネタがありまして、この会話は集会所☆3の時期のものですが、同時期のツリキの会話は先ほど(もうずいぶん前の方で)紹介した、「たしか今日は、茶屋に届ける荷物もあったはずだから… そのついでにうさ団子で腹ごしらえだな。」なんですよね。

 

NPCたちの同時期の会話のなかにさらに細かく時系列があるのかどうかは定かではありませんが、ツリキの台詞→イカリの台詞、というふうに時間が経過しているとすれば、2人の会話内では明示はされていませんが、どちらかがもう一方を誘ったか、たまたまタイミングが合ったかで、一緒にお昼ご飯を食べたのかな? と想像することもできるシーンですね。微笑ましいです。

 

それから、イカリは船着場でいつも船が来るのを見ているからなのか、カムラの里にはない「海」や、里の外の世界に非常に興味があるらしいです。

 

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しーなさん知ってるニャ? 「ウミ」は、川よりも大きいらしいニャ!

川も十分大きいと思うけど、「ウミ」はもっともっと大きいのニャ…!?

一度見てみたいニャ!

(里☆4 イカリ)

 

おそらく船で荷物を運んでくる行商の人あたりから、里の外の話を色々と聞く機会があったのでしょうね。先述の通りカムラの里は、川幅が大きくゆるやかな河川に囲まれている場所ですから、川もけっこう広いといえる地域なのですが、それよりも大きい「ウミ」の存在を聞いて、イカリもびっくりしている様子。

 

その後もイカリは、「ウミ」の話を新しく聞いてはハンターさんに教えてくれます。

 

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「ウミ」の波は、川の波とは全然違うらしいニャ。

ざっばーん! …って、たくさんの水が一気に襲ってくるらしいニャ!

一体どういうことニャ…? 「ウミ」って、もしかして新しいモンスターかなにかニャ??

(里☆5 イカリ)

 

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○○さん!!! とんでもないことを聞いたニャ!

「ウミ」の水にはいっぱい塩が入ってて とってもしょっぱいらしいニャ!!

喉が渇いても飲めないニャ!? やっぱり「ウミ」より川が一番ニャ!

(里☆6 イカリ)

 

プレイヤー的な視点で見れば、多くの人にとっては「海」は既知の存在ではありますが、土地柄で海の存在をあまり知らない人(アイルーですが)がこうして新鮮な反応を見せてくれると、こちらも何だかワクワクしてきます。

ここでは「川が一番」と言っているイカリですが、後には外の世界への興味を持ち始めます。

 

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百竜夜行が完全に収まったら、オイラ、ちょっとだけ里の外に行ってみたいニャ。

この前、ホバシラさんに「ウミ」の絵を見せてもらったニャ。なんと、終わりが見えないのニャ。ずっと続いてるのニャ。

オイラ、どうしても本物の「ウミ」を、一目だけでも見てみたくなったニャ! 楽しみだニャ!

(淵源討伐後 イカリ)

 

来たる大型アップデートのサンブレイクでは、カムラの里を出て新たなる拠点に旅立つことが公式で明示されています。その時期になれば、イブシマキヒコ・ナルハタタヒメの余波として続いている百竜夜行も収まり、地域間の移動もしやすくなっている、という感じになっているでしょうか。ハンターさんの旅と同時にイカリの旅も始まることになるでしょうし、もしかしたら彼も新拠点に一緒に来てくれることになるかもしれませんね。楽しみです。

 

③ホバシラの仕事

さて、船着場トリオの最後を飾るのは、船着場の窓口であり、輸出入や運送の管理を担当しているホバシラさんです。

 

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おや○○さん、こんにちは。こんなところに、何かご用ですか?

私は、船が来るのを待ってるんですよ。その間に、今後仕入れるべきものを洗いだしているところです。

百竜夜行も近付いてますからね。その時になって、あれがない、これがないということになっては困りますから。

(里☆1 ホバシラ)

 

まじめで丁寧な立ち振る舞いが特徴的なホバシラ。彼の仕事内容は、ツリキから詳しく聞くことができます。

 

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船着場は、船の窓口兼出納管理のホバシラ、それから、荷運び担当のイカリと俺でなんとか回してるんだ。

ホバシラの仕事はな…… 船が着いたらまず納品書と荷物を確認して、数はもちろん、破損まで全部点検してな。

出荷する荷物についても同じように確認して それから、値段やなんかの交渉もしてな。

今後なにがどれだけ必要かってのも予測しながら、荷物を仕入れては送って… もちろん里のお偉方とも話をしてな。

実は、ホバシラが別の仕事でいないときにたまに代わりをするんだけどさ…。ほんとに大変なんだよ。

そもそも、船着場でじっとしてるのが性に合わないんだよな! 俺はこの仕事が好きだし、向いてると思うよ。ハハ。

(里☆4 ツリキ)

 

荷運び担当の2人とは逆に、ツリキは荷物の出荷・入荷まわりの事務処理を一手に引き受けているいわば管理職ポジションです。なんだか聞いているだけで頭が痛くなりそうな仕事内容ですが、カムラの里全体の生活を陰で支えている立役者、という重要ポジションですね。里のお財布は彼が半分握っていると言っても、決して過言ではありません。几帳面で実直さが光るホバシラだからこそ成り立っている仕事だと思います。

 

とくに里に百竜夜行が迫る今の時期は、通常の交易に加えて来たるべき戦いに向けての物資も入荷する必要がありますから、彼の仕事は大忙しでしょう。一般に、戦いにおいては前線での戦闘と同じくらい、補給等の後方支援にも力を入れなければならないと言われていますから、百竜夜行への対応という点においても彼の存在は欠かせません。

 

百竜夜行が始まってからの交易事情についてもホバシラは詳しく、ハンターや里守達の戦いの裏にある、色々なお話を聞くことができます。

 

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大きな百竜夜行が近付いているそうですね。…やはり商人さんの耳は早いですよ。

先ほど着いた船の方たちは、大急ぎで荷物を降ろして瞬く間に帰って行かれました。

恐ろしいでしょうに、この状況でもきちんと荷を運んでくださるのは本当にありがたくて、頭が下がります。

(集会所☆4緊急前 ホバシラ)

 

集会所☆4緊急ですから、この時はヌシ・アオアシラと対峙する百竜夜行ですね。船で交易をしている商人たちからすれば、水上を移動したり飛行能力を持つモンスターなどは特に船を襲う危険性が高く、荷を運ぶにも気が気ではないでしょう。それでもなおカムラの里に交易をしに来てくれるというわけですから、ありがたい話です。

 

それでも、百竜夜行の物流への影響は避けられない所があるようで、荷物の到着が滞ってしまうトラブルの際のお話も聞くことができます。

 

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百竜夜行で、物流に乱れが生じています。…といっても、船の到着が予定より少しばかり遅れている程度ですが。

…百竜夜行が物流に支障を出さぬよう可能な限り対策は練っておいたのですが… やはり影響なし、とはいかないようです。

百竜夜行が本格化すれば、何が起こるかわかりません。

今はまだ荷物も届きますが いつ経路が断たれてもおかしくないですからね。

念入りに対策をしておかなければ…。

(里☆3百竜後 ホバシラ)

 

対策をしてもなお影響が出てしまったことを悔しがるホバシラですが、これはむしろ、ホバシラが対策を打ってくれていたおかげで、物流が完全に断たれてしまうことなく、輸送が遅れている程度の影響で済んでいる、と考えるのが正しいでしょう。カムラの里が物資面で孤立せずに済んでいるのは彼の働きが大きいです。

 

具体的にどのような対策を行っていたのかは語られませんが、入荷を最大限に効率化したり、百竜夜行の発生に関する情報提供を逐一行っていたり、物流が一時的に途絶えてもいいように、あらかじめ多めに発注しておく、といったことが考えられそうですね。

 

こういう彼の存在の頼もしさは、決戦前のときの台詞なんかにもよく表れています。

 

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こちらも、準備は万端です。必要な物資はすべて揃ったと思いますよ。

もちろん、不測の事態に備えてまだ荷は届く予定ですし 到底休めそうにはありませんが。フフ。

里のことはご心配なさらず。どうか、お気をつけて。

(雷神討伐前 ホバシラ)

 

なんというかこう、里が「ハンターが古龍を早いとこ倒せるかどうかに全てがかかっている」という状況になるのではなく、むしろ百竜夜行の影響を前提として対策を打ち、戦いが難航しても里の皆の生活を守ってくれる人がいるからこそ、ハンターとしては安心して背中を預けて狩りに出かけられるというものですよね。「里の事はご心配なさらず」という彼の言葉にも非常に安定感があります。

 

それから、ここまでは百竜夜行の物流への悪影響のお話をしてきましたが、どうもホバシラ曰く、百竜夜行は必ずしも悪いことばかりとは限らないようで……

 

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百竜夜行はおさまりませんか…。まあ、今のところ船の往来に問題はありませんから、こちらは大丈夫でしょう。

あまり大きな声では言えませんが…… なかには、百竜夜行があるが故に需要が高まるものもありますから。

こと交易に関しては、まったく悪いことばかり…というわけではないんですよね…。

(集会所☆7 ホバシラ)

 

おそらくテキストの文字数上限の関係で主語を切っているため、どこの物がどこにとって需要があるのかという事がなかなか分かりにくいことになっていますが、「悪いことばかりではない」という話の方向性から察するに、カムラの里は百竜夜行のおかげで経済的に潤っている面もある、ということなのでしょう。

 

それを踏まえて、主語を私の方で補填して再度確認しますと、カムラの里は百竜夜行があるからこそ収穫or生産できるような物があり、その物は他の地域にとって非常に需要が高く、カムラの里の収入源たり得る、という話だと解釈できます。

 

その物が具体的に何なのかということですが……必ずしも1つの物を指しているわけではないと思いますが、その中の1つにはおそらく、モンスターの素材も含まれているのではないかと私は思っています。

 

百竜夜行は襲い掛かるモンスターを撃退して追い返しているだけであり(モンスターたちを片っ端から絶命させてしまえば、それこそ生態系の崩壊につながってしまうため)、討伐の対象となり得る=素材の剥ぎ取りを行えるのは群れを率いる大物orヌシの1頭のみです。が、それとは別に撃退したモンスターの落とし物(素材)もたくさん得ることができ、ハンターが自身で回収するものはせいぜい4~5個程度ですが、砦外のプレイヤーが確認できない範囲にも数多く落ちていて、全て集めるとなかなかの量にはなるだろうと思うんですね。

 

それらの素材は、ギルドが買い取る可能性もあるかもしれませんし、それ以外でも、とくに耐水性や耐火性があったり、頑丈で耐衝性があったり、絶縁体だったり、服飾に使用できたりする素材等々については民間の需要も非常に高いでしょうから、いいお値段で買い取ってもらえるということは十分にあり得ると思います。

 

その収入でカムラの里は生活をより豊かにしたり、次の百竜夜行のために物資をたくさん輸入して準備することもできるというものですから、モンスターの素材はありがたい副産物。もちろん、生活の安全という最も重要な点で言えば、百竜夜行がそもそも来ないことに越したことはないわけですし、前線で戦っている里守も大変ですから、百竜夜行の隠れたプラス面みたいなのをあまり大っぴらに言うことはできない、というホバシラの配慮も理解できます。その点はさすがしっかりしていますね。

 

そんな里の大黒柱の一人であるホバシラですが、彼はあまり自分のプライベートについて口にすることがなく、彼に話しかけたときは大体仕事の話で盛り上がります。それはそれで真面目な彼らしくて私は好きなのですが……そうなると当然、ホバシラの好きな食べ物などの話も出ないため、船着場トリオの3人目にしてとうとうサラメシのコーナーの存亡が怪しくなってしまいました。

 

まあサラメシのコーナーについては、私がツリキ周りのクリップだけ見て「食べ物の話多いな~」という所から何の計画性もなく思いつきで始まったやつなので、別に続けなくていいんですけどね。

 

ただご飯という話で言うと、ホバシラは交易で他の商人たちとの交流がある関係で、他の地域の食べ物を試食する機会もあるようで、ホバシラの面白い反応を見られるシーンもあったりします。

 

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もぐもぐ…なるほど、これは……。もぐ!? …ぐっ、ゲホッゲホッ!

ゲホッ、○○さん! いらしてたんですね、すみません、失礼しました…。

いえ、先ほどよその街の名産だというお菓子を、味見にと1ついただきまして…。

おいしかったですよ、喉に詰めてしまいましたけど…。

一度、いくらか買い取ってみなさんにも食べてもらいましょうか。

(里☆6 ホバシラ)

 

いつもキリッとしているホバシラが、珍しく気を抜いている貴重なシーンです。ここにもギャップ萌えが…。

 

ホバシラが「よその街の名産」なるお菓子を食べてひどく咳込んでいるのを最初に見た時は、「この人もしかしてサルミアッキ(※)でも食べたんだろうか」と心配しつつ会話を進めていましたが、むせてしまっただけで味は美味しいということらしいので、多分サルミアッキではないと思われます。

 

サルミアッキ……北欧で伝統的に食べられているキャンディ。非常に独特な味が特徴で、「世界一まずい飴」などと評されることもある。

 

ホバシラが一体何を食べたのかという話ですが、モンハンの世界で「街」と呼べるほどには栄えている土地で、かつお菓子が有名となると……私はモンハンは3Gから入った身ですから、タンジアの港のタンジアチップスを想像してしまいます。そうなると、ホバシラが試食してむせてしまった理由も、チップス系のお菓子は基本パリパリで乾燥していますし、カムラの里の人がチップス系のお菓子に馴染みがなく、食べ慣れていないお菓子を食べたからということで説明できるんですよね。

 

噂では、ゲーム内で拾える手記の「脈動」はグラン・ミラオス(3Gのタンジアの港クエストのラスボス)のことを表していて、今後どこかで登場するのではないか、ということも言われているようですし、その伏線も兼ねてのタンジアチップス説、可能性ゼロではないと思うんですよね……。まあ、「そんな大事な伏線をわざわざホバシラの試食エピソードの中に仕込んでくるか?」という、あまりにもごもっともな疑問は拭えないのですが。

 

さて、最後はやや脱線してしまいましたが、こんなところで本記事の内容は以上としたいと思います。ツリキ・イカリ・ホバシラの船着場トリオは、「カムラの里はみな家族」という、モンハンライズ全体に通底するテーゼに向き合っていくにおいて、「役割分担・チームワークの重要性」を強く印象付けるキャラクターであると言えると思います。

 

業務量が多く大変な船着場の仕事も、3人がそれぞれ異なる自分の強みを生かして協力することで回していくことができている、という理想的なロールモデルが存在していてこそ、里ストーリーでフゲンがイオリやヨモギに気づかせたかった「役割」という考え方にも、よりいっそう深い説得力が出てくるというものです。カムラの里の人たちも、そしてまた現実世界の私たちも、彼らのチームワークをぜひ見習いたいところですね。

 

さて、今回は3人分の紹介ということでひときわ長い記事ではありましたが、ここまでお読みくださり本当にありがとうございました。それでは、また別の記事でお会いしましょう!