まだ見ぬお宝を求めて旅する、流浪のさすらいアイルー

・本記事はモンスターハンターライズ:サンブレイク」全編および、一部シリーズ他作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』および2023年9月29日発売『HAUNTING OF THE SUN モンスターハンターライズ:サンブレイク 公式設定資料集』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

ーーーーーーーーーー

 

本記事ではさすらいのアイルー・スピ―について取り上げていきます。世界各地を渡り歩きながらさまざまな珍品やレア体験を探すスピ―は、まさにこれから大きな冒険の舞台となるエルガドを旅の途中でたまたま訪れたという鋭いカンと豪運の持ち主。そしてエルガドの拠点マップでもさまざまなキャラクターとの交流のある、お散歩大好きなアイルーでもあります。今回はそんなスピ―の人となりを紹介していきましょう。

 

ーーーー目次ーーーー

ーーーーーーーーーー

 

1.スピ―のエルガド珍道中

 

ニャんと! おいらに声をかけるなんて、見込みのあるハンターさんニャ!

そうニャ! モンスターとハンターがいるところ、このさすらいアイルー…「スピー」の姿あり! ニャ!

今までいろんなハンターを助けてきたおいらなら分かるニャ。ハンターさん、なかなかの"ツワモノ"に違いないニャ。

これは興味深い相手に出会えたニャ…。これからの活躍に注目してるのニャ、ハンターさん。

(エルガド到着直後 スピー)

 

初対面からお調子者の雰囲気全開のユカイな挨拶が楽しいキャラクターである、風来坊の旅人スピー。謎に自信満々な彼ですが、今まで訪れた土地で色々なハンターと出会ってきた経験からか、カムラの里での主人公の功績を既に知っている王国関係者ではないにも関わらず、初対面で主人公が只者ではないことをズバリ見抜いてくるあたり、その審美眼は侮れないものがあります。

 

スピーはまだ見ぬ珍しいモノを求めて各地を気ままに放浪しており、観測拠点エルガドにもその旅の途上において立ち寄ったとのこと。素敵な事件[コト]を探してるのさ……ってやつですね(郷ひろみ)。

 

おいらは珍しいモノや体験が大好物なのニャ。

だからひとつの拠点にこだわらず、コロコロと場所を変えながら日々の暮らしを謳歌しているニャ。

そんなおいらが注目してるのは、ここエルガドなのニャ。それにここは、案外居心地がいいのニャ…。

おいらがエルガドに居座っているのは、いつかおもしろいことが起こると思っているからニャ。

もしかして、ハンターさんもそう思ってここに来たのかニャ? さすがお目が高いニャ!

(エルガド到着直後 スピー)

 

「おもしろいことが起こると思っている」と言っているところや、後述するようにスピーはエルガドの文化や王域生物という言葉を今まで知らなかったところを見るに、おそらく彼は王国の出身ではなく、エルガドが王域生物の異変を調査する最前線として活動し始めているということを事前に知っていたわけではないにも関わらず、予感だけでここから大きな物語が動き出すことを半ば的中させてエルガドを訪れているんですよね。豪運なのかそれとも天性の勘なのか、いずれにしてもワクワクするような未知の体験の在処に対する彼の嗅覚は堂に行っています。

 

各地の拠点を巡り、色々な地域の文化や風土に造詣の深いスピーから見ても、エルガドの文化は目を引くものがあるようです。

 

各地を渡り歩いてきたこのおいらでも、エルガドはちょっと変わった場所だと思うのニャ。

モンスターが開けた大穴の周りにあって さらに王国と他の文化が混ざり合ってる場所なんて、めったにないのニャ。

それに、おいらの好奇心を刺激する出来事も、これからたくさん起こる予感がするのニャ…!

(マスター★2 スピー)

 

元々は沿岸の砦だった場所を港町の観測拠点として再興したという経緯から、モンスターの襲撃の痕跡が近くにあったり、多様な文化や人々の交差点となっていたりするのがエルガドという拠点の特色。モンスターの脅威の近い異変調査の最前線であることもあり、新しいモノや体験を求めるスピーにとっては、たくさんの人の力が織り合わさって大きな物事が為される母体として、これ以上の場所は中々ないと言えるかもしれません。

 

そんなわけで、表情豊かなこのエルガドを探検し冒険の緒を見つけようとするのが日々のスピーの日課となっているようです。

 

ただ冒険を待ってるだけじゃあ なんにも始まらないのニャ。おいらの信条は、足を使った探索ニャ!

…言い方によっては、ただのお散歩とも表現できるニャ。

(マスター★1 スピー)

 

彼の日々のお散歩……じゃなかったエルガド探索の様子はゲーム内でも垣間見ることができ、彼の定位置である加工屋横を出発して砦の方面までぐるっと一周歩いて(途中でラパーチェの歌を聴いて)みたり、物知りなオボロに本を見せてもらったり、受付のチッチェ姫に花束を差し出して愛のプロポーズ(?)をしていたり……これやっぱりお散歩なのでは?

 

見方によってはプレイヤーの進入不可エリアを含む拠点内を往復するウナバラより行動範囲狭い説もあり、どうもアバンチュールの気配はあまり感じられないのですが……とはいえ、お散歩という行為自体は単なるヒマつぶしに見えて大きな生産性を持っているというのもまた事実でして、その点でスピーもエルガドの散歩をとても好んでいるようです。

 

ハンターさんとは、なんだかよく会う気がするのニャ。ひょっとして お散歩するのが好きなのかニャ?

それなら、おいらと同じニャ。歩き回ったり、誰かと遊んだりしてると いい考えがひらめくこともあるのニャ!

例えば…、例えばニャ。………えっと、ちょっと思いつかないニャ。

(マスター★3 スピー)

 

あれ……お散歩の収穫は……? こんな感じで何かと行動面に謎なところがあるスピーですが、珍しいモノや体験を探すという志は常に忘れてはいないようで、お散歩の過程でエルガド内で人間関係を広げたり、皆から色々な情報を収集したりといったネットワーク作りは精力的に行っています。自分の足で冒険してみるのも勿論いいけれど、自分が出会った人たちが自分を未知のナニカに巡り合わせてくれることも往々にしてあるものですから、人脈ってとても大事なんだよね。……ということで以下、エルガドでのスピーの新しいモノ探しの珍道中様子を見ていきましょう。

 

ちょっと聞いてニャ、ハンターさん。おいら、最近ちょっとだけ毛並みがゴワゴワしてる気がするニャ。

たぶん、その理由は…あれニャ。最近ここいらで話題を独占中の… 王域生物ってヤツの影響かもしれないニャ!

許すまじ、王域生物ニャ! …ところで、その王域生物ってなんなのニャ?

(マスター★2 スピー)

 

スピーの毛がゴワゴワしてるのはどう考えても海風の影響のような気がしますが、果たして王域生物と彼の毛並みとの間には知られざる何らかの因果関係があるのでしょうか。……というか、彼はそもそも王域生物が何なのかもちょっとあやふやなご様子。王国騎士やハンターの皆の話を小耳にはさんだのか、トレンドの情報収集が早いのは流石ではありますが、その情報がなんかこう絶妙に浅くて裏が取れてない感じなのもお調子者の彼らしいところです。ひとまず今後の課題は正確性かな……。

 

どっかに行ってきたのかニャ? それなら、何か珍しいモノを見つけてきたはずニャ!

さあさあ、もったいぶらずに このおいらに教えるのニャ!

なるほどニャ、モンスターの痕跡かニャ? それはいいニャ! やっぱりハンターさんは、かなりのやり手ニャ。

(マスター★2アンジャナフ後 スピー)

 

王国騎士団から様々な任務を受けるハンターである主人公の知己を得たのをこれ幸いと、直接狩り場を歩きまわることができるハンターの立場でしか知り得ないような貴重情報を色々と主人公から聞き出そうとしています。任務ですから流石に珍品の類を持って帰ってくるというようなことはありませんでしたが、王域生物の痕跡ともなればエルガドの次なるトレンドを飾る可能性大。

 

いち早くそうした旬の情報の発信源となり皆との話題を作ることは、人間関係を広げるにおいて有力なテクニックではありますから、どんな情報にも積極的に食いついて行くこの姿勢には見習うべきところがあるやもしれません。

 

そしてそんなスピーのもとへ、ついに「珍しいモノ」についての耳よりな話が。

 

フィオレーネさんが見たっていう謎の生物って、本当に空を飛んでたのかニャ?

なんてこったニャ…。そんなのカッコイイに決まってるニャ! おいらも欲しいニャ…。もらうには、どうしたらいいのかニャ?

(マスター★3イソネミクニ亜種後 スピー)

 

存在自体は既知の存在であった王域三公とは違い、キュリアは今回の調査で初めて確認された新種の生物であり、エルガドにおける非常に大きな具体的な収穫といえるサンプルです。で、それを生物であると分かっていて尚欲しがるというのは、スピーはキュリアをペットか何かにして飼う気なのでしょうか……? まあ、ここにきての新発見ですからキュリアが珍しい存在であることは確かなので、収集欲が疼いてしまう気持ちは分からないでもありませんが……。

 

そんなわけで、研究所に赴いてキュリアを分けてもらうことにしたスピー。果たして研究員の皆さんからの返答は……?

 

バハリさんが捕まえたキュリア、おいらも欲しかったのに…くれなかったのニャ。せちがらい世の中ってやつニャ…。

ニャ~、もうこうなったら 自分で捕まえに行くしかないニャ! …ニャ? やめといたほうがいいかニャ?

(マスター★4緊急前 スピー)

 

知ってた。今回の異変に大きく関係があるであろうキュリアは当然ながら研究用のサンプルとして非常に重要であり、研究所外の人にペット(?)として譲ってあげられるほどの余裕はありません。仮にキュリアの捕獲頭数がじゅうぶんであったとしても、まだ何も正体の分かっていない未知の生物ですから、そもそもどうやったら飼育できるのかもわからなければ、飼い主自身や、逃げ出してしまった場合にはエルガドの皆、あるいは周辺地域の生物等にも悪影響を及ぼしかねませんから、捕獲してきた生物についての責任という観点でもバハリ達の対応は正しいもの(実際にキュリアは極めて危険な生物であることが後に判明します)。

 

これで世知辛い呼ばわりされる研究所の皆さんが若干不憫な気がしてなりませんが、いずれにしても残念ながら、キュリアを手に入れることはできなかったスピー。キュリアがヤバそうな生物であるという主人公の話も聞いて、キュリアに関してはいったん手を引いたようです。スピーに唯一救いがあるとすれば、彼が期待していたほどキュリアはカッコいい生物ではなかった、ということでしょうか……。

 

ところで、ここまでの話ですとスピーはエルガド内をひたすら探し回っているように見えますが、作中での描写こそないものの、スピーはエルガド周辺の王域の町村にも足を運んでいるようです。

 

知ってるかニャ? エルガドの外へ出るとハンターさんの噂をよく聞くニャ。

暴れる王域生物をハンターさんが狩猟してくれたおかげニャ。助かった人たちは、みーんな感謝してるのニャ。

その調子でがんばってニャ。そしたらハンターさんと顔見知りのおいらも、もーっと自慢できるのニャ!

(マスター★3 スピー)

 

なんか主人公の名声がいいように使われている気が……!? とはいえ、彼の場合は虎の威を借る何とやらというほど特段悪気があるわけではなく、単純に自分がそのハンターと知り合いであることを羨ましがられるのが快い、主人公が王国の人々から称賛されていて自分も鼻高々、という感じなのだと思いますが。

 

スピー的にも、やはりエルガドで最もトレンディなのは主人公の活躍であると確信しているようで、エルガドの皆に話して回るために、主人公の武勇伝をたくさん聞き出そうとしています。

 

やったニャ、ハンターさん!

あとでハンターさんの武勇伝を たーっぷり聞かせて欲しいのニャ。構わないかニャ?

だって、絶対みんな聞きたがってるはずなのニャ。代わりにおいらが、エルガド中に話して回ろうと思うのニャ!

(マスター★5 スピー)

 

主人公も別に自分の活躍を自分で話したいとも思っていないでしょうから、「代わりに」というのもどうなのかとは思いますが、エルガドの皆としては話を聞きたい人もそれなりに多いでしょうから、やはりスピーの行動は需要のあるところに供給をするという市場原理(?)によく適ったものとなっています。自分でメル・ゼナを狩ったわけでもないのに調子がいいヤツ、と言ってしまえばそれまでですが、みんなが知りたいことをリサーチしてズバリ教えてくれるというのは、まさに人気者の鉄則というべき立ち回りなのです。

 

それにしてもまぁ、スピーの特筆すべきはこの、メル・ゼナ討伐という重要な局面を迎えたエルガドにおいてもブレずに我が道を征くこの肝の据わりよう。彼はあのガイアデルム討伐前の会話においても、その絶妙な緊張感のなさを大いに発揮してくれます。

 

あのカッコイイ大型船、おいらも絶対乗ってみたいのニャ! ハンターさんからお願いしてもらえないかニャ?

忙しいなら、しょうがないニャ…。クエストが終わるまで我慢するニャ。

じゃあ、行ってらっしゃいニャ。カッコイイ大型船の活躍と、あとついでにハンターさんの無事も祈ってるニャ!

(マスター★6緊急前 スピー)

 

いやついでにって何やねんついでにって。目下の脅威である深淵の悪魔などもはやどこ吹く風、決戦兵器となるカッコいい特製大型船に目を輝かせ、しかも乗せて欲しいというお願いを自らするのではなく、あろうことかこれから決戦に向かう主人公の立場を笠に着ようとしています。なんという図太さ……しかも、主人公や大型船の船員たちの状況は忙しいとかいう次元の話じゃないのもオモシロポイント。まぁ裏を返せば、主人公がガイアデルムを討伐できることに絶対の信頼を置いているからこそのお気楽ムードとも取れるわけですし、無理だとわかるとすぐに手を引くことができる潔さもある人ですから、周りの人は不思議と憎めないんですよね~。

 

それから一応、スピーはどこかしらを探索した成果(?)として、お宝の可能性のあるオトモ防具(??)を作中で発見しており、それが良くも悪くもエルガドのアイルー達の間で話題になっていました。調査隊員のスーからその詳しい事情を聴くことができます。

 

ハンター殿。…少々困ったことがおきてるのニャ。話を聞いてくれないかニャ。

スピー殿が「珍しい逸品を見つけた!」って喜んでたんだけどニャ…これがじつは呪われたオトモ武具らしいのニャ。

心配になってみんなに相談したら「お祓いをしよう」って結論になったニャ。ハンター殿、協力してくれないかニャ?

お払いの道具を作るための素材を持ってきてほしいニャ。ああ、もう早くお祓いをしたいニャ~…!

(依頼サイドクエスト受注時 スー)

 

スピーが見つけた「呪いの武具」とは依頼サイドクエストの文面によれば、オトモ武器の中でも高い睡眠属性値を持つ「妖鈴」シリーズのマスター装備。装備説明画面のテキストによれば、周囲の者を昏睡させてしまう程の妖気のあまり封印されていたというこちらの武器は、下位・上位の装備はカムラの里のオトモ広場の謎の祠の中にその製法の記された書物が秘せられており、祠を調べることでこの武器の情報を入手することができました。

 

後述するように、スピーはカムラの里のコガラシと交流のある人物ですから、ひょっとすると彼がカムラの里に足を運んだ際に、その書物に基づいて作製された妖鈴武器を発見したのかもしれません。……一応、この武器は状態異常用の装備としては非常に優秀な部類ですから、スピーがこの製法をエルガドの加工屋に伝えてくれたことはファインプレーではあるのですが、それはそれとして周囲の者からすれば、呪物のお祓いを頑なに拒もうとするスピーの行動は不穏そのものでしかありません。

 

ハンター殿のおかげで お祓いの道具ができたんだけどニャ… 結局お祓いはしないことになったニャ。

スピー殿が「こんな逸品をお祓いなんてもったいないニャ!」って言うのニャ。もう勝手にしてほしいニャ。

それどころか、この武具の生産方法まで編み出して、オトモ加工屋に伝えて…。…興味があるならのぞいてみるニャ?

(依頼サイドクエスト達成時 スピー)

 

……で、スーも呪いの装備の恐ろしさに対しては警戒しつつも、珍品に目がなく周囲の制止を振り切ってでも己の興味を貫かんとするスピーの我が道を征く性格については若干諦めているのか、物腰柔らかなスーにしては珍しく「もう勝手にしてほしいニャ」と面倒を見るのを放棄してしまっています。まぁ、スーは元々他人に対してビシバシと強く忠告をするのは苦手なタイプですし、現時点でも同じ技術部のチーム内にガトリンルアンといった自由人を抱えている気苦労の多い年長者ですから、いくら持ち前の忍耐強さがあるとはいえども、その上で職務とは無関係のスピーの酔狂にまで構っている余裕もない、というのが正直なところなのでしょう。

 

結果としてはスピーの発見によりオトモ加工屋のラインナップに優秀な装備がひとつ加わることにはなったものの、そういう曰く付きの逸品コレクションはロマンがある反面、周囲の人々の安心安全に不安をもたらしかねないものでもありますから、スーの胃痛を深刻化させないためにも、スピーさんにはぜひほどほどを心掛けてもらいたいところ……。

 

2.そういえばスピーって何者?

 

さて、ここまでの話でやはりどうしても気になってくるのが、そもそもスピーって何してる人なの? ということ。一応、現在はさすらいのアイルーとして世界各地を巡っているということですから、珍しいモノを探して歩く流浪の旅人ということで納得しても良いのかもしれませんが、いかんせん彼がのんびり屋な性格の為か単にヒマを持て余しているように見えてしまうのもあり、さすらいのアイルーというほどさすらってる感がないというのも事実。

 

まぁ、自由な旅人ですからその辺は本人のペースで構わないのだと思いますが、エルガドでの彼の行動なり、旅に出る以前の経歴なりといった部分が、いまいち掴みづらいところもあるんですよね。

 

ハンターさん、薬ができるまでヒマだったら、おいらと一緒にエルガド散歩でもするかニャ?

…そうかニャ、用事があるのかニャ。あいかわらずちゃんと働くハンターさんだニャ~。

おいらなんか、しばらくまともに仕事らしい仕事なんかしてない気がするニャ…。

(マスター★4エスピナス後 スピー)

 

スピーの経歴という話でいうと、現在は彼は何かしら定職に就いているわけではないようですから、前職を辞めた後でその時に持っていた貯蓄を軍資金として、今の放浪の旅を続けている、という感じのようです。私たちの世界でいうところのバックパッカーみたいなものでしょうか。

 

彼がいつもオトモアイルーの防具であるアロイネコシリーズの装備を着用していることや、次の発言から、スピーは以前オトモアイルーとして仕事をしていた時期があったのかな? と推測することができます。

 

とっても経験豊富で目利きのおいらが、ハンターさんのクエストについて行くのはどうかニャ?

きっと、なにか珍しいモノを見つけられる自信があるのニャ!

…ただ、モンスターからにらまれて動けなくなっちゃう自信もあるのニャ…。

(マスター★1 スピー)

 

たとえ冗談話でも「ハンターさんのクエストに自分がついて行くのはどうか」とさらっと言えるというのは、何となくですがオトモアイルー経験者の構え方のような気がするんですよね。冒頭で紹介した台詞でも、「たくさんのハンターを助けてきた」と言っていましたし。とはいえ、彼の才能はコレクトアイルーのコレクト方面に寄り過ぎているようで、大型モンスターと対峙することについてはあまり得意ではない様子。

 

オトモアイルーを経験したことはあったとしてもおそらくあまり長続きしたわけではなさそうですが、その一方で貴重な品物を発掘する能力については非凡なものがあるようで、珍品を扱う商人として仕事をしている(いた)ような描写もあります。

 

(「癒しのヨツバ鳥の技」依頼サイドクエスト達成時 スピー)

「珍しいモノを扱う」と現在形で言っていますから、この商売の仕事は今も継続しているようです。とうぜん、この仕事はまず売り物が無ければ成り立たないものですから、自分の店で売りたい各地の珍しい品々をぜひ自分の足で探して見つけたい、という意欲のもと、現在は世界を渡り歩く旅に身を置いて各地を放浪しているのかもしれませんね。

 

彼がそうした珍品を扱う商売に興味を持つようになった背景と思われるものとして、さらに次のようなエピソードを聞くことができます。

 

ハンターさん! カムラの里にいるコガラシさんを知ってるかニャ? おいらはあの方に恩があるんだニャ!

昔おいら、交易で旅をしていたときに モンスターに襲われちゃったのニャ…。そこをコガラシさんが助けてくれたのニャ!

その恩返しに、コガラシさんの防具をさらに改造したいんだニャ! もうオトモ加工屋のビスとも相談済ニャ!

(オトモ防具依頼サイドクエスト受注時 スピー)

 

スピーはかつては交易商として、仕事で各地を旅していた経験があるようです。行く先々のさまざまな文化や風習に触れたり、交易で扱うその土地ならではの品々を見聞きしたりする中で、世界各地の珍品に興味が湧くようになったのかも。

 

そしてその旅の中でモンスターに襲われた際、カムラの里のコガラシの知己を得たスピー。先述の会話で彼がナギの出張オトモ広場窓口のキャンペーンの広報を手伝っていたのも、コガラシの話からカムラの里出身のナギと交流を深めていたからなのかもしれませんね。かつてコガラシに命を救ってもらったお礼がしたい……と、自分が出会った人との縁を大切にするのはスピーのピカイチの長所。

 

(オトモ防具依頼サイドクエスト達成時 スピー)

自分が困った時には誰かに助けてもらい、そのお返しとして自分もその相手の助けになる。「おたがいさま」の精神で出会った人との繋がりを深め、連鎖的に友好の輪をどんどん広げていけるというのは、彼の中にある立派な才能であると思います。スピーのように人懐っこくてちょっとお調子者な人物は、往々にして人間関係に甘えてお気楽に生きているように思われてしまうのですが、むしろ彼は「人は(スピーはアイルーだけど)ひとりでは生きていけない」というテーゼに最も忠実に生きている人物である、とも言えるんですよね。

 

スピーの場合ちょっとばかり図々しいところはあっても、受けた恩は必ず返すという固いポリシーがあり礼節をきちんと弁えている人ですから、そこが周囲の人を惹きつけるのだと思います。彼は仕事をテキパキ積み上げていく勤勉家タイプではないけれど、多くの人との縁を大切にして、力を貸してくれる人に恵まれながら最終的にビッグになるタイプのような気がするなぁ。

 

サンブレイクの物語の特徴として、「フィオレーネが何に気づくことができたら騎士として成長することができるか」ということをプレイヤーが考えるヒントがエルガドやカムラの里のNPCたちの台詞の中に散りばめられている、という構造があり、その意味ではスピーの性格は、職務に忠実で責任感が強すぎるあまり何事もひとりで抱え込んでしまう性格のフィオレーネとは、ちょうど真逆の位置にあるんですよね。マイペースで人たらしなスピーの会話にも、フィオレーネの精神的課題を紐解くヒントが豊富に含まれているのです。

 

ちなみに、自分があまり勤勉な性格でないことについては、彼自身も密かにコンプレックス(?)を抱いていたりいなかったりするようで、エルガドでの調査が本格化していくにつれて自分の周りがどんどん忙しくなっていく時期には、次のような会話があります。

 

なんだニャ? ハンターさん、調査隊のみんなが忙しそうにしてるのに、おいらと遊んでるヒマなんかあるのかニャ?

それでいいのかニャ? ハンターさんには、もっと大事な使命があるはずじゃあないのかニャ!?

…でも、おいらは大歓迎だニャ! み~んなメル・ゼナが気になってて 最近はあんまり遊んでくれないのニャ。

(マスター★4 スピー)

 

メル・ゼナの調査も佳境に入り、調査隊の皆が精力的に働くなかで、自分だけなんだか周りから浮いているような気がする……ということを彼はそうそう悩むようなタマではありませんが、それにしても皆がなかなか構ってくれなくなり自分がちょっと置き去りにされていることについてスピーは若干拗ねている(?)ようで、主人公にも敢えて一度追い返すような態度を取ってきます。でもあくまでマイペース。周りの雰囲気には流されません。

 

なお、その調査隊の中には、スピーからあらぬ誤解を受けている人物がひとり。

 

おかしいニャ~、バハリさんがどこにもいないのニャ。

…ニャ!? あの人、今度はモンスターを追いかけているのかニャ!?

でも、この前はたしかモンスターに追いかけられてて大変だって聞いたのニャ…。

…もしかして、遊んでるだけなのかニャ?

(マスター★3緊急前 スピー)

 

いや違うから。まぁ、バハリも無鉄砲にモンスターの棲み処に突っ込んではピンチに遭遇してしまうお騒がせキャラみたいなところがありますし、いざ研究に本腰を入れれば他のあらゆる物事が二の次になってしまうほどに熱中し、心の底から研究を楽しむ人ですから、そこだけ見れば「マジメな職業人」というイメージとは遠い人物ですが、変わり者ではあっても非常に熱心で優秀な研究者で、決してスピーのように遊んでいるわけではないのです。……とはいえ、新たな発見を求めて自分の足で色々な場所を探索するフィールドワーク志向なところは、スピーと似ていなくはないかも?

 

3.エルガドの仲間との出会い

 

おいら、本当はエルガドにここまで長いこといるつもりはなかったのニャ。

いつも未知の体験を求めるのが、このおいらなのニャ。でも、いま大切なのはここで友達になったみんなのほうニャ…。

だからおいら、もうちょっとだけエルガドにいようと思うのニャ。ハンターさんも、そうすればいいニャ!

(マスター★5 スピー)

 

さて、人懐っこいスピーは新天地で友達を作ったり人脈を広げたりすることは非常に得意であるわけですが、一方で彼は常に未知のモノを追究し、一か所にあまり滞在せず各地を転々とする性分ですから、同じ場所に留まってそこにいる人々と長く深く人間関係を築くということに関しては、それ自体が彼にとっては意外にも新鮮な、得難い体験だったのだと思います。

 

更に付言すると、スピーはエルガドを訪れた当初の台詞で、この場所を「案外居心地がいい」と言っていましたが、彼が思いがけずエルガドに長期滞在することになったきっかけの一つには、やはりその第一印象もあったのではないかな。放浪の旅人であるスピーの存在は、彼が新しく訪れた土地においてはつねに所謂「よそ者」の立場で、そうした存在がフレンドリーに接してくることを必ずしも歓迎できないような人や場所というものにも、スピーは少なからず出会って来たと思うんですよね(もちろん、そうした態度には常に何らかの複雑な背景が伴なうものですから、それを悪と断じることもできませんが)。

 

……エルガドに集った人々は、王国に属する者ばかりではない。

それぞれが、自分のために選んだ場所が たまたまエルガドだっただけにすぎぬ。

……しかし集ったからにはこれも縁。提督として、皆を大切に思っている。

(エルガド到着直後 ガレアス)

 

 

そんな中でこのエルガドは、王国領にありながら多様な文化が共存する港町で、ここにいる人たちのルーツも十人十色。王国内外のさまざまな場所から偶然このエルガドに集ったのも一つの縁であるからして、ここにいる皆のことを大切にしたい……とは提督のガレアスの談で、彼やフィオレーネを筆頭とした拠点の中心人物の好い人柄が中核となり、それぞれ相異なるバックボーンを持つ一人ひとりを仲間として認め合うような、温かな雰囲気の作られている場所です(とりわけフィオレーネが病床に伏した一件においては、その結束が一層強まったような気がします)。色々な土地を旅してきた彼だからこそ、そうしたエルガドの独特の空気に居心地の良さを感じたのかもしれません。

 

いずれにしても、スピーは王国の異変調査の最前線として日々の変化のめざましいエルガドに惹きつけられ、気づけばいつの間にか長い時間をここで過ごし、皆と苦楽を共にする中で、エルガドの仲間への強い愛着が湧いてくるようになった……。彼自身、そうした自分の新たな一面に内心少し驚きつつも、それを肯定的に受けとめているように見えますね。エルガドに平穏が戻った後の会話では、その想いを改めて素直に語ってくれます。

 

ハンターさん、エルガドを助けてくれてありがとうニャ。

おいら、友達がいっぱいできた この拠点がすっかり大好きなのニャ。

言うまでもなく、ハンターさんも大事な"エル友"ニャ。

(マスター★6 スピー)

 

……この「エル友」というワードチョイスには、なんかこうメル友非常に時代を感じる響きが感じられますが……。最後の最後までツッコミどころが絶えないスピーです。

 

で、エルガド近辺でのスピーのさすらい生活もまだまだ続いていくようで、彼はこのエルガドで、珍品集めにおける師匠(?)であり好敵手、といえる存在を見出すことになります。

 

おいらとしては、オボロさんの店に並んでるモノ 全部が気になるのニャ…。

今まで数々の土地を渡り歩いてきたこのおいらでも、全然見たことない 珍しい売り物ばっかりニャ。

…どうやら、おいらの"さすらい"はまだまだ甘かったみたいだニャ。これは負けてられないニャ…!

これからは、もっとお出かけしてみるニャ。そして何かオボロさんが驚くモノを見つけて、自慢してやりたいのニャ!

(マスター★6 スピー)

 

雑貨屋のオボロといえば、私物の分厚い書籍をスピーに読み聞かせてあげているシーンを時々拠点でお目にかかる、スピーと所縁のある人物。オボロは師匠のタドリを目標として薬師を志す勉強家であり、エルガドにはチッチェ姫の護衛としてスカウトされ招待された人物ですから、彼の雑貨屋には異国の品や稀少な薬など、スピーが今まで見たことがないものがたくさん並んでいます。

 

そんなオボロが驚くような珍しいモノを見つけたい! と、今後の「さすらい」における一つの目標ができたというのは喜ばしいこと。スピーのお宝探しの旅をこれからも応援したいところです。

 

ーーーーーーーーーー

 

ということで、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!