エルガドの船乗りアイルー
・本記事は「モンスターハンターライズ:サンブレイク」全編および、一部シリーズ他作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』および2023年9月29日発売『HAUNTING OF THE SUN モンスターハンターライズ:サンブレイク 公式設定資料集』を未読の状態で執筆しております。
現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。
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本記事では船乗りのルアンとジレッタについて取り上げていきます。共にエルガドの調査隊に所属する船員アイルーの2人ですが、元ギルド交易担当でエルガドでの物資の仕入れと販売をバリバリこなすジレッタに対し、勤務時間中にも関わらず桟橋で海釣りに励むルアンとそのワークスタイル(?)はさまざま。今回はそんな2人の仕事や人となりについて掘り下げていきましょう。
ーーーー目次ーーーー
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1.海釣りも調査のうち? 釣り好き調査隊船員ルアン
はじめましてニャ、ハンターさん。
ニャ? もしかして、ここで何が釣れるのか知りたいのかニャ?
…。
……。
………。
えっと…それは、まだ釣れてないから わからないのニャ…。
(エルガド到着直後 ルアン)
ルアンはエルガドの船乗りの一員であり、いちおう調査隊のメンバー……ではあるのですが、いつも仕事をほっぽり出して桟橋で釣りに勤しんでいる船員アイルーです。桟橋でルアンが腰かけている位置、なんかこう魚が来るんだか来ないんだかという何とも言えない微妙なポジションでして、本人曰く釣果は今のところ出ていないようなのですが、見たところ彼はどうやら釣り竿を海に下ろしてじっと待つという行為そのものに対して楽しみを感じるタイプのようで、釣りについて次のように語っています。
ハンターさん、海釣りは好きかニャ? まだやったことがないなら、オススメするのニャ。
どこまでも続く、この大海原に釣り糸をたらす感覚ときたら…、他では味わえないスケール感なのニャ。
(エルガド到着直後 ルアン)
言われてみれば確かに、この広い海の中で、自分が釣り糸を垂らしているその狭い狭いわずか一点に魚が来てくれるかどうかを天に委ねること――自由に泳ぎ回る魚にとっては無限の選択肢があるともいえるこの大海原で、確率の壁を超えて自分の釣り針にご縁があることを祈りながら、魚が食いつくその一瞬をじっと待つ――ということには、大きなロマンがあるかもしれません。
なんかイイ話を聞けた気がする……いやそうじゃなくって。せっかくの港町ですし釣りの趣味を楽しむこと自体は悪いことではありませんが、仕事をサボってまで釣りに熱中するのはどうなのかという話ですよルアンさん。いちおう、ルアンもそのツッコミどころに対して全く無自覚というわけではないようで、彼としてはこの釣りも一見ただ趣味に興じているだけに見えて、エルガドの「調査」の一環なのだそう。
ハンターさん、もしどこかで いい釣り場を見つけたら、こっそり教えて欲しいのニャ。
それも立派な調査だとは思わないかニャ? …ボクは思うニャ。
(マスター★1 ルアン)
そうかなぁ……? 「調査」という名目に託けてただ穴場の釣りスポットを訊かれているだけのようにしか見えませんが……。一応、さすがにそんな説明では理屈としてガバガバではないかとルアンは気づいた(?)ようで、少し後の時期に話しかけた際には、もうちょっとだけもっともらしい弁明調査内容を聞かせてくれます。
みんなが王域生物を調査しているのと同じように、ボクもこうやってがんばっているのニャ。
見ての通り、王域生物の影響がボクの釣果にどう関係するのか… 今まさに調査の真っ最中ニャ!
(マスター★3緊急前 ルアン)
うーん……まぁ、エルガドの海の魚も王国領内の生物といえば生物ですから、「生物の生態調査です!」という主張は必ずしも的外れというわけではないのがまたなんとも。それっぽい雰囲気だけどんどん増していくな……。念のためフォローしておくと、彼もエルガドの調査隊の一員であるからには王域生物の異変についてまったく危機感や使命感を抱いていないというわけではないようで、王域生物の動向については彼なりに心配をしているようです。
こう見えて、ボクも王域生物のことは けっこう真剣に心配してるのニャ。
もし、そのせいでお魚がいなくなったら ボクはどうしたらいいのニャ…。
…ハンターさん、頼りにしてるニャ!
(マスター★2 ルアン)
やっぱり釣りの心配しかしていないよね……? ルアンとしては仕事を放置して釣りに没頭していることに内心では若干引け目を感じつつも、この青い海を目の前にして釣りをしたい欲求にはどうしても歯止めをかけられないため、もうこれは半ば無理矢理にでも釣り自体を調査と言い張ってしまおうという魂胆のようです。なんという肝っ玉…。
さっき聞こえた大きな声のせいで、お魚に逃げられたのニャ。いい手応えがあったのにニャ…。
とんだとばっちりニャ。きっと、仕事もせずに遊んでる誰かが怒られたに違いないニャ。
(マスター★2緊急前 ルアン)
砦の方からガレアスの大きな声が聞こえてきたときにも、仕事中に釣りをしている自分のことは棚に上げてこのコメントをするという役者ぶり。ここでガレアスに叱られていたのはフィオレーネですが、彼女は仕事をせずに遊んでいたどころかむしろ仕事を度を超えて頑張りすぎる姿勢について注意を受けていたワケですから、ルアンの華麗なるすっとぼけコメントのちょうど真逆の状況が発生していたという、絶妙に噛み合っていない落語のようなオチなのがまた面白いところ。
ちなみに、そのフィオレーネが物語中盤で病床に伏してしまった際には、ルアンも彼なりの方法で彼女の力になろうとするのですが……?
ボクだって、役に立って見せるのニャ。治療薬に必要なものを集めるなら、できるだけお手伝いするニャ!
…と言っても、ここで釣れるものに限るのニャ。
………薬に使えなかったら、ハンターさんの晩ご飯にでもしてくれたらいいのニャ。
(マスター★4エスピナス前 ルアン)
ルアンがエルガドの仲間のことを心配してくれていること自体はとても嬉しいのですが、病人に海で獲れた魚を食べさせるなんてFF6ぶりに見ました……。フィオレーネが魚を食べられるようになるのは、まずは薬で体調が快復してからになりそうかな……? 普通に食事ができるくらい彼女が元気になったら、特製のお魚料理をぜひ振る舞ってあげてね。
また、ストーリー後半の会話では「ルアンは実は真面目に仕事をしているが主人公が来るタイミングだけいつもたまたま釣りをしている」という新説も登場してきます。
ニャ? ボクが真面目に仕事をしてるところ、見たことがないのかニャ?
それは単純に、ハンターさんがやってくるタイミング次第だと思うニャ。
さっきだって、ちゃーんと仕事してたニャ。…あったり前ニャ。
(マスター★5 ルアン)
まぁ正直なところ、こちらから見ていて仕事をしていないと断じるのに十分なほどの統計量があるのですからさすがに無理があるのではないかとも思いますが、それでも主人公が致命的にタイミングが悪いのだと言われれば何も言い返せませんから、彼もなかなか口が達者です。しかしながら、ルアンが持ち場を放棄しているという決定的な証言を、調査隊の同僚から聞くことができます。
最近は改修と補修作業ばかりで手一杯なのニャ。こうしている間にも 書類仕事がたまっていく一方なのニャ。
資材の管理に、追加資材の発注書類…。作業予定と、勤務記録に施設のチェック…。ニャニャニャ―…ッ! 忙しいニャー!
まったく、ルアンはどこに行ったのニャ? ハンター殿、どこかで釣りばっかりしてる船員がいたら、捕まえてきて欲しいのニャ。
(マスター★3 スー)
スーはただでさえ同じ整備班の直系の後輩にガトリンという一流のサボり魔を抱えているのにも関わらず、さらに同僚にもルアンという自由人がいるのですから、それらの負担がまとめて自分に集中してくるというのは苦労人にもほどがあります。先輩としてガトリンに調査隊の真剣な仕事への姿勢を見せて後進の育成に繋げるためにも、ルアンにはぜひきちんと自分の持ち場に戻ってほしいところ。というか、ガトリンが仕事中にサボり始める原因は、彼女自身の集中力の問題のみならず、調査隊の先輩サボり魔であるルアンの存在にもその一端があるのではないかと正直思わないでもありませんが……。
……さて、ここでせっかくですから、ルアンによる海中生物の調査――もとい、自由気ままなエルガド釣りライフの光景を色々と見ていきましょう。
待ってたニャ、ハンターさん! なんとこの前…釣りに出かけた先で、ジュラトドスを見事に釣り上げたのニャ!
………? ……何か言いたげな、その目は何だニャ?
ウソなんかじゃないニャ、本当だニャ! あの手応えは夢じゃないニャ! …たぶん、そのはずニャ。
(マスター★3 ルアン)
ジュラトドスといえば湿地や沼地に生息する魚竜種ですから、ルアンは水没林で釣りをしていたのでしょうか。この時期といえばバハリが水没林でガランゴルムの痕跡を発見して調査結果を持ち帰った頃ですから、その後で正式に現地に調査隊が派遣され……ルアンは例によってそこでも釣りに励んでいた、という感じかな。
とはいえ、ジュラトドスは飛竜並みの体格を持つ大型モンスターですから、この巨躯をルアンが本当に釣り上げることができたのかどうかは極めて疑問の残るところ。まぁ、それを言い出したら釣りカエルでガノトトスを一本釣りしたりしているハンターも何者なのかという話ではあるのですが、ハンターの常人離れした身体能力に関しては前々からそういうものとして認識されていますからまた別のような話も気がしますし……もしくは、狩猟の訓練を積んであるとはいえひとりの人間であるはずのハンターがそれくらいのパワーを出せるのだから、ジュラトドスの中でも最小金冠くらいのサイズの個体、あるいは成体になる前の小さめな個体であれば、船乗りで体力のあるルアンのようなアイルーであればギリ釣りあげられるという話もあるかもしれません。いやほんとか……?
いずれにしてもモンスターとの遭遇は危険ですから、ジュラトドスではなかったのならそれはそれで安堵すべきことではあるのですが、ルアンは釣りの求道者として大型モンスターを釣ることに挑戦してみたい気持ちはあるようで、他の水棲モンスターにも興味があるようです。
釣り名人のさすがのボクも、イソネミクニ亜種は釣ったことないニャ。
でも、いつかは挑戦してみたいものニャ。絶対楽しいはずニャ。そのときは手伝って欲しいニャ、ハンターさん。
(マスター★3イソネミクニ亜種前 ルアン)
海で釣りをしていたら人魚に出会う、というのは船乗りとしては夢のある話ですが、イソネミクニ亜種は危ないんじゃないかなぁルアンくん。氷人魚竜という異名で知られるイソネミクニ亜種はその歌声で周囲のものすべてを氷の霧で凍り付かせる恐ろしいモンスターであり、傀異化コンテンツ初期の頃には最強モンスターの一角として名を馳せた本作有数の実力者(懐かしいですね)。まぁ、主人公に手伝ってほしいと依頼するのも「もしものときは守って欲しい」ということなのでしょうね。イソネミクニ亜種を釣り上げる方に関しては、もし彼がジュラトドスを釣り上げられる腕力と体幹を持っているなら心配はないでしょうし……。
と思ったら、後のある日に彼はエルガドで仕事中……いえ、休憩中に釣りをしているときに人魚らしきものを釣ったらしく、もういちど人魚に会いたい! と主人公にイソネミクニ亜種の捕獲を依頼してきます。
じつはこの前いつものように…。いや、たまたま休憩中に釣りをしていたら、大きな獲物を釣り上げてしまったのニャ!
あの長い髪、妖しい瞳、しなやかな尾、白く美しい姿…、あれは間違いなく伝説に残る人魚だったニャ!
でも誰も信じてくれないニャ! 本当に釣ってリリースまでしたんだニャ。だからハンターさんにお願いだニャ!
その人魚を捕まえてきてほしいのニャ! ボク? ボクも人魚と再開するために、ここで釣りを続けるつもりだニャ!
(依頼サイドクエスト受注時 ルアン)
ルアンの上げる身体的特徴は完全に人魚、もといイソネミクニ亜種のそれに合致していますが、そもそもイソネミクニ亜種ってエルガドで釣りをしていてひょっこり釣れるようなモンスターなのでしょうか……?
イソネミクニ亜種の主たる生息地は寒冷群島のような気温の低い海域で、城塞高地の雪山地帯にもこのモンスターは登場しますから、同じくらいの気候であろうエルガド近海も行動圏になることはなると思うのですが、イソネミクニ亜種がわざわざ人の居住地の間近まで好んで近寄ってくるのかどうかはかなり怪しいところですし、そもそもエルガドの岸辺に来ていたのであれば、ルアンに釣られる以前にエルガドに出入りする船舶がイソネミクニ亜種の襲撃を受けているであろうことは想像に難くありません。まぁ、特別穏やかな性格の個体だった、という可能性も否定はできませんが……。
しかし万が一にもイソネミクニ亜種を釣ったのが事実となると、イソネミクニ亜種は調査隊が情報を集めているところの王域生物の1体ですから、彼が仕事中に釣りに没頭するときの言い訳として使われていた「調査」という名目も、いよいよもって強ち否定できないものとなってきます。もしかしてルアンはこれを狙っていたのか…!?(そんなことはない)
で、ルアンはイソネミクニ亜種の調査で発見された新種の生物・キュリアにも興味が湧いたようで、彼はキュリアを利用した衝撃のアイデアを披露してくれます。
ハンターさんたちが捕まえてきたあのキュリアってやつ、一回釣りでも使ってみたいのニャ。
あれをエサにしたら、何か大物が釣れると思わないかニャ? ダメかニャ? ニャ―…。こっそり試してみたいニャ。
(マスター★3イソネミクニ亜種後 ルアン)
なんとルアンはあろうことか、キュリアを釣りの餌に使ったら面白いことが起こるのではないかと言い始めます。海老で鯛を釣るという発想にしたがえば、普通のルアーよりも遥かにサイズの大きいであろう不思議生物キュリアくんをエサに使えば、さらにオオモノの生物や未知のレア生物に巡り合えるのではないかというロマンを感じるのは分からないでもありませんが……。
キュリアを釣りエサとして使うとなると、やはり生きたまま釣り糸の先につけて海の中を泳がせ、周囲の魚の視界内にチラつかせるという所謂ノマセ釣り的な方法をルアンは想定しているのでしょうか。ルアーのように赤くてヒラヒラしているという点では囮としての適性を備えてはいるものの、キュリアが水の中で溺れずに動けるのかどうかはかなり怪しいところですし、あれをエサと認識して食べようと思う度胸のある魚(?)が果たしているのかどうかも不明なところ。それに、そもそも折角苦労して捕獲したキュリアのサンプルをエサとして使ってしまうのは、いくらこれがキュリアの生態調査だとこじつけたとしても研究所としては余りに勿体ない行為です。
で、後にキュリアが危険な生物であることが判明した際には、さすがに釣りエサとして使うのは控えた方がよいという良識が働いたようで、ルアンはこのアイデアを潔く取り下げています。
キュリアがモンスターに噛みつくって聞いたニャ…。いくらなんでも恐すぎニャ。
…釣りエサに使おうとしなくてよかったニャ。あんなの、逆にボクが食べられちゃうかもしれないニャ。
(マスター★4 ルアン)
他の生物に噛みつく上に毒性も持つことが判明したキュリア。これを生きたまま釣りエサになど使おうとすればルアンが大けがをしてしまいますし、何か色々頑張って万が一にも釣り糸の先に取りつけて海の中に入れることができたところで、今度は近くに来た魚に噛みついて精気を吸おうとしてしまいますから(キュリアが水中を泳げる前提ですが)、いずれにしてもあわや大惨事という結果にならなくてよかったというものです。
ちなみに、この「キュリアをエサにすれば凄いヤツ釣れるんじゃね?」の件といい、釣りに無限の可能性を感じているルアンは「モンスターは何でもかんでも釣ることができる」と思っているフシがあるようで、どう考えても水の中にはいないであろうモンスターを釣ってしまうことを何故か恐れている場面もあります。
ニャー。今日もハンターさんはヒマそうでうらやましいニャ。
ニャ…? 「大穴で釣りはしないのか」ニャって?
す…、するわけないニャ! もし、大穴からメル・ゼナが釣れちゃったら、どうするのニャ…!?
(マスター★4 ルアン)
エルガドのすぐ近くの大自然の釣り堀とも言える例の大穴、ギリギリまで近づきすぎるのは危険ではあれど、水質が綺麗で水深も深く、文字通り穴場の釣りスポットにも思えるのですが、ルアンは「メル・ゼナが釣れてしまったらどうしよう」という懸念があり、大穴での釣りはしていないようなのです。
メル・ゼナがどのような生物なのかということについては明らかになっていないことも大いにせよ、少なくとも翼を持ち空を飛ぶ古龍であることくらいはエルガドの皆に情報共有されているでしょうから、いくらメル・ゼナがかつてぶち空け、そこにしばらくの間ねぐらを構えたとして伝わる大穴(尚、実際にはガイアデルムが開けた穴を見張るためにメル・ゼナがやってきていた)であっても、時間を経て完全に水没してしまった穴の中に今もメル・ゼナが棲んでいることまでは心配しなくても良いような……という感じはしないでもありません。
まぁ、いちおうルアンの肩を持っておくならば、空も飛べて水の中にも入れる古龍としてはネロミェールなどが(ルアンが知っているかは定かではないものの)既にシリーズに登場しているわけですし、他の古龍についても「強大な力と生命力を有する古龍なら人間の理解と想像の及ばぬことを何でもやってくるのではないか」という素朴な畏怖の念を抱く気持ちは分からないでもありませんから、メル・ゼナが潜水するという話をこれまで聞いたことがないからといって、メル・ゼナを釣ってしまう心配はないとルアンの視点で断定できる根拠はなかったといえばなかったのですけれどね。しかしながら、ルアンのエルガドでの釣果に貢献するためにも、ここはハンターとして「メル・ゼナが釣れる心配まではさすがにしなくても大丈夫」と安心させてあげたいところ。
しかしながら、「海の中からヤバイ奴が現れちゃったらどうしよう」というルアンの懸念は完全に外れているわけでもなく、後の機会に別のかたちで現実のものとなります。
せっかくメル・ゼナを討伐したなら、その素材を使って、すごい釣り竿を作ってみればいいと思うニャ!
……ごめんニャ。…やっぱり、やめといたほうがいいニャ。
何かとんでもないモノが釣れちゃいそうな気がして、恐くなってきたのニャ…。
(マスター★5シャガルマガラ前 ルアン)
メル・ゼナの素材で武器ではなく釣り竿を作るという発想はどうかと思いますが、このあと実際にメル・ゼナと敵対関係にあるところのガイアデルムが海の底から出てくるわけですから、今後のストーリー展開的にこのルアンの想像もあながち間違っている訳ではないんですよね。ガイアデルムはサイズ的にこそ到底釣り竿にかかるモンスターではないとしても、いざメル・ゼナの釣り竿で獲物を誘ったらなんか反応して出てきそうな雰囲気ありますし……。
これも長年の釣り経験のカンというやつなのでしょうか。ルアンは以前から最近の海の様子について、気になる変化を感じ取っていたりもしました。
最近は不思議なくらい ぜーんぜん、釣れないのニャ。こんなことは初めてなのニャ。
きっと、ボクの運がハンターさんにまるごと移ってしまったと思うのニャ…。でも、今はそれで構わないのニャ!
頼むニャ! ボクの運を使って ボクの分も…大物、釣ってくれニャ!
(マスター★5緊急前 ルアン)
城塞高地にてメル・ゼナを再度捕捉した時期あたりから、まったく魚が釣れなくなったと語るルアン。そもそも元からそんなに釣れてたっけという細かいツッコミはさておき、それでも海の状況の変化を体感できるほどに釣果が渋くなったということは、自然は嘘をつきませんから、エルガド近海に何かが起きているという証左であると言えます。
そして当然ながら、いかにメル・ゼナと言えども海にいる魚たちにまで影響を及ぼすことはさすがにできませんから、原因が考えられるとすれば海の中。ガイアデルムが王域内の地中深くを掘り進み、今にも城塞高地の海辺に顔を出そうとしているのであれば、その際の活動による大きな振動を魚たちも身体に受け、危険を察知して泳ぎ回るのをやめ、それぞれの棲み処に息を潜めようとすることは想像に難くありません。
エルガドで釣りを続けていたことで、メル・ゼナが城塞高地に降り立つのと同時に密かに出現の予兆を示していたガイアデルムの接近を、元々その存在を知っていたガレアス等を除けば実はエルガドの中では(それが何者かまで当てることはできなくとも)ほぼ最速のタイミングで当てていたルアン。もちろん本人にその自覚はなく、本当に海の中から大物が出てくるとは彼自身も想像がつかなかったにせよ、これまで仕事のサボりをごまかすための名目として使っていた「調査」が、ここにきてその実質を伴う結果になったのです。後に顧みればこの台詞はガイアデルム登場の一つの伏線だったことが分かるわけで、カムラの里のハネナガといい、けっこう意外なところに名探偵がいるんですよね~。
ちなみに、そのガイアデルムについては、ルアンは次のようにコメントしています。
こんにちはニャ! ハンターさん。ボクも珍しく釣りの手を止めて、さっきまで出航準備をがんばってたのニャ。
ところで、例のモンスター…「深淵の悪魔」だったかニャ? それってなんだか、グロテスクな深海魚みたいな呼び名だニャ。
(マスター★6緊急前 ルアン)
アースドラゴンの超大型古龍として満を持して参上したにも関わらず、ルアンからまるでアンコウみたいな扱いを受けるガイアデルム。いやまぁ確かにそういう奇抜な見た目の深海生物のことを、「海の悪魔」みたいに譬えたりすることもありますし、アンコウも何気にファンの多い、見る人が見れば魅力あふれるカワイイ生物でもありますから、「アンコウ扱い=悪く扱われている」と断じるのも考えものではあるのですが……。
初登場時の演出やらフィオレーネ達からの辛辣な言われようやら、はたまたラスボス古龍なのにイベクエが追加されないやらで何かと不憫属性の多いガイアデルムさんですが、ここにきてエルガドの仲間から深海魚扱いされるという、またしてもその威厳に傷がつくような結果になってしまいました。ガイアデルムが何をしたっていうんだ……まぁ、王国史上で色々暗躍してはいるんですけれども。
それにしても驚くべきは、今まではずっと仕事をほっぽらかして釣り三昧であったルアンが、真面目に出港準備に取り組んでいてくれたこと。「珍しく釣りの手を止めて」と今までのことをしれっと白状してしまっている感じなのは良いのかというツッコミはありますが、この時はそういう建前を忘れてしまうほど、なんだかんだで調査隊の一員としてエルガドの皆のことを考えてくれていたんですよね。
さて、ガイアデルムを見事に下し、ひとまずの平穏を取り戻したエルガド。深淵のアンコウの影響で一時は周辺海域から去ってしまった魚たちも、徐々にその数が戻りつつあるようで、ルアンは再び日課の釣りに勤しんでいます。恐ろしいモンスターに遭遇する懸念も少なくなったということで、彼は新たに挑戦してみたいことがあるようです。
もう怖いモンスターが出てこないなら、沖まで出て一本釣りに挑戦したいのニャ。間違いなく、手応えある大物ばかりニャ!
だからハンターさん、もしものときはボクが海の中に引っ張られないように、しっかりつかんでおいて欲しいのニャ。
(マスター★6 ルアン)
いいですねぇ一本釣り。一本釣りといえばマグロやカツオなどの大型サイズの魚が狙い目ですが、モンハンにもカジキマグロやドスチャッカツオなどの錚々たる面々が揃っていますから、それらの魚と釣り竿でのガチンコ勝負はじつにロマンがあります。とはいえ、アイルーの体格や体重を考えると単独で一本釣りするのはなかなか厳しいものがありますから、ルアンは沖釣りを手伝ってくれる欲しい様子……なぜか主人公が連れて行かれることになってるけど。誰か連れて行くなら、潮目を読むのが得意な同僚の船乗りの仲間に協力をお願いした方がよさそうにも思えますが、もしかして仕事中にこっそりボート漕いで沖まで行こうとしてる……?
それから、ルアンは新たな釣りスポットとして、主人公の故郷であるカムラの里にも注目しているようです。山紫水明のカムラ地域にはエルガドの海とは種類の違う色々な活きのよい魚もいると思いますし、水質のよい山の水で育った川魚に関しても、ダイビング漁の名手であるカジカが詳しいと思いますから、ぜひカムラの里にも足を運んでみてほしいものです。
ハンターさん、今度ボクをカムラの里に案内して欲しいのニャ。当然、未知の釣り場がお目当てニャ!
安心して欲しいニャ。これでも、仕事とプライベートはちゃんと分けて考えているのニャ。
カムラの里に行くのは、もちろんお休みの日ニャ。そして仕事中の釣りはいつも通り、この桟橋ニャ。
(マスター★6 ルアン)
ここにきて「仕事中の釣り」とかいう謎のパワーワードも登場していますが……。「仕事中の釣りは王域生物の調査である」という設定というか建前というか、まだ有効だったんですね。「公私混同はしていない」とここまで胸を張れるこのメンタリティは一周回ってもはや誇りにしてほしいと思います。どうしても空気の張り詰めてしまいやすい最前線のエルガドであればこそ、必要なのは適度な心の余裕。ルアンのように自分の好きなことを貫き通していくことで、調査隊の仕事とは別の角度からさまざまな核心に迫る発見が得られるということを彼はその行動で実証済みですから。でも……ルアンはもう少しサボりを減らそうね?
最後におまけエピソードを一つ。
ハンターさん、分かってると思うけど ボクのこと…絶対押しちゃだめなのニャ。もちろん、ここから落ちたくないからニャ。
それに、後ろからこっそり近づいてびっくりさせるのも勘弁ニャ。分かったかニャ? 絶対ニャ!
(マスター★5キュリア調査前 ルアン)
「押すなよ……絶対押すなよ!」という、どこかで聞いたことがあるような往年の前フリ芸を披露してくれるルアン。間違っても押しませんから安心してください。こういう感じのバラエティ的なノリ、最近は時代の流れということなのかあまり目にしなくなったので、なんだか懐かしい気持ちになりました。絶妙な演出ができれば今でも面白いとは思うんですが、この手の前フリ芸でやたらと痛々しいオチになってしまうのを気にする人も増えましたからね。ま、平成の面影というやつです。
2.元ギルド交易担当、補給のスペシャリスト・ジレッタ
待ちに待った本格的な調査開始ニャ…、今こそボクの腕の見せ所ニャ!
物資の手配はお任せニャ。調査隊やハンターさんに必要な道具は、絶対に品切れさせないのニャ!
(マスター★1 ジレッタ)
続いては船乗りのジレッタのご紹介。いつもマーケットの鮮魚売り場の前で仕事をしているジレッタは、エルガドに必要な物資の手配を担当している船乗りでして、食糧から生活必需品、調査隊の業務で使う資材まで、さまざまな品物の発注と在庫管理を任されているベテランです。
ジレッタは元々ギルドにおける交易の担当者を務めており、その仕入れのノウハウを認められて今回の調査においては補給担当者を任されているとのこと(詳しくは後述しますが、その物資補給の仕事と並行で、エルガドにおける交易の仕事も彼は行っています)。
ボクはもともとギルドの交易品係だから、品揃えにも自信があるニャ。
特別ルートで入荷するアレコレで、違いの分かるお客さんには大好評なのニャ!
(マスター★2 ジレッタ)
交易をする人物というと、筆者などはMH3シリーズから登場の「ゼヨ船長」のような人を想像するのですが、彼のようにプロフィールが謎めいている人物とは異なり、所属がはっきりしている交易商というのはちょっと新鮮だったりします。この「ギルド」というのは、彼らの船乗り制服の帽子にあるカモメのようなマークがチッチェ姫の受付嬢制服のワンピースやスカーフにも同じものが見られるところから、騎士たちや調査隊と同じく王国のギルドと考えられますから、王国の交易はかなり国営に近い形で行われている様子。
王国がどのような国家なのかは不明な点も多いため推測ではありますが、交易は各地域の生産品を取引するという産業的側面のみならず、ハンターの狩猟に欠かせないアイテムを供給するものでもありますから、王国ではハンターが「騎士」という名称で国家所属であり大規模な組織である以上、それを支える仕事である(そして大きいお金が動く)交易事業も国営で行われる方が良い、的な理屈なのかな。
民営には民営の大きなメリットがあれど、交易品の質の管理(騎士たちの任務や生命にもかかわる)、悪徳業者の取り締まり、王国の技術の不用意な流出の防止等々の面においては国営の方がやりやすいと言える点も多く、ことモンハン世界においては1番目の点は特に大事ですから、確かに理に適っているとはいえるかも(※)。ロンディーネらが本来王国騎士の身分でありながら、交易商に扮して仕事をすることができたのもそういう背景があったのかもしれませんね。
※国営貿易といえば私たちの世界でいえば主に社会主義国家ですが、王国の王政が具体的にどういう内容であるかは明示されていない点も多く、政治体制との関連は不明。ただ先述のとおり王国には国家所属の騎士団がある事情も鑑みるに、政治体制がどうのというよりは国家運営上そのほうが便宜が良いからという理由であると筆者は考えています。
さて、そんな感じでエルガドの生活必需品の供給を支えるジレッタは、その仕事柄、エルガドの仲間の買い物事情、ごはん事情にも通じています。
騎士団さんや他のハンターさんには、お腹がいっぱいになって 力がつくような食べ物が人気ニャ。
それに、研究者さんには 小腹を満たすような おやつ系がよく売れるのニャ。
ボクら船乗りは…もちろん どっちも大好きニャ!
(マスター★3イソネミクニ亜種前 ジレッタ)
エルガドでの仕事は狩りをする人もしない人もまずは身体が資本。人やアイルーの健康と活動を支えるのは食事ですから、食品の仕入れの際にも職種ごとの食べ物の需要に気を配っているようです。おやつ系というと、ベーカリーに並んでいる(というか輪投げの要領で積まれている)プレッツェルなどはひと際目を引きますね。モンハン世界にも私たちの世界と同じような洋風のお菓子が存在している、というのは親近感が湧くかも。
大一番に出かける騎士団やハンターのみなさんには、お腹いっぱい食べて力をつけて欲しいのニャ!
だから今日は、応援価格の大安売りニャ! ちょっとくらい赤字になっても 関係ないのニャ。がんばるのニャー!
(マスター★5緊急前 ジレッタ)
大事な勝負の前には、狩猟に向かう騎士やハンターの皆のために出血大サービスを提供してくれることもあります。王国ギルドの部署とはいえ新造拠点での物販はかなりやりくりに苦心しそうな感じはしますが、それでも赤字覚悟の安売りを成立させられるのは彼の手腕があってこそ。
また、仕入れや交易と同時に販売担当者としての経験も多いであろうジレッタは、単にエルガドのお客さんの生活需要を満たすだけではなく、精神的にも満足してもらえることを信条としています。
生活に必要なものだけを並べても、お客さんってなかなか喜んでくれないものニャ。
だから、エルガドで過ごすいつもの毎日がちょっとだけ楽しくなるような… そんな何かを売りたいと思ってるのニャ。
教えてほしいニャ、ハンターさん。カムラの里で、何か心当たりはないかニャ~?
(マスター★2アンジャナフ前 ジレッタ)
王国の最前線のエルガドは、王国の防衛や王域生物の調査研究を志す人々が集う非常に機能的な要衝ですが、業務の能率や生活面の便宜を図るのみでは無味乾燥というもので、遊び心や癒しから得られる精神的な潤いもまた、この場所の人たちやアイルーたちにとっては必要不可欠なもの。
「生活に必要なものではないから」と無駄を省こうとするのではなく、日々の生活に彩を添える品々を取り揃えて買ってもらうことこそ真にエルガドのお客さんを喜ばせることであり、そうした細部の創意工夫から生まれる安心感や心のゆとりは、むしろ緊張感に包まれがちな前線においてこそ必要なオアシスです。そんなわけで、ジレッタは自身の経験から確立したそのポリシーを元に、自ら新商品を開発してみたり、各地からさまざまな名物を取り寄せたりするなど日々模索を続けている様子。
先述したように、ジレッタはエルガドの物資補給担当のみならず、元々の交易担当としての業務も兼任しておりまして、特に最近はエルガドの仲間たちの故郷である王国の食べ物のお取り寄せが人気を博しているようです。
交易係もやっているボクには、ここで暮らす調査隊のみんなからいろんな要望が届くのニャ。
一番人気は、王国からのお取り寄せニャ! みんな大変な調査任務が続いてて、なつかしの王国の味に飢えているのニャ。
気持ちは分かるニャ~。ボクも故郷の味…思い出すニャ~。
(マスター★4 ジレッタ)
エルガドは王国領内の港町であるとはいえ、異変調査のために王都や他の地域からここを志願して訪れた調査隊の皆にとっては、ここはやはり慣れない新天地で、その点でいえば王国外から訪れた主人公等とも状況的にはそう大きく変わるものではないんですよね。そんな環境の中で日々多忙な調査任務をこなすエルガドの皆にとっては、なつかしの王国の味は心の支えになるというもの。王国からの食べ物の取り寄せは他の地域に輸出するために仕入れているのみならず、同じく王国出身の仲間の為にも必要なものなのです。エルガドは王都をはじめ王国領内の他の地域とは離れた距離にありますから、気軽に里帰りというのも地理的になかなか難しいですからね。
交易の話でいうと、エルガドのマーケットに並んでいる食材なども、他の地域から仕入れた王国では珍しい品も一緒に取り扱われています。とりわけ魚介類はジレッタ自身の好物であることもあってなのか品揃えにはかなりのこだわりがあるようで、自分で食べたい気持ちをどうにか押さえて(?)販売の仕事をしているようです。
知ってるかニャ? ハンターさん。ここは大穴の観測地点だけど、交易の中継地点でもあるのニャ。
だからこの辺では なかなか獲れない珍しいお魚も、こうやってお店に並ぶのニャ。
……じゅるり。魅力的な品揃えに、我ながらついつい見とれちゃうのニャ。
(エルガド到着直後 ジレッタ)
エルガドが交易の中継地点として利用されているのは、この場所が王都からは少し距離があり他の地域に近く、王国領内において地理的に交易に向いている港町だからという都合もあるでしょうが、交易の中心地となることによるエルガドの経済的発展、というのも長期的に見込まれているように思います。
エルガドは元々砦であったところをメル・ゼナの襲撃によって半壊させられ、その後観測拠点の港町として近年再興された場所ですが、その再建の際に利用され今のエルガドの土台となっている各種の資材やら資金やらというのは、ほとんどが王都からこちらに運んできたものであると考えられます。
スタートアップの段階ではそれでもよいですが、エルガドを王国の防衛や調査研究の中心地として今後も長く活躍させていくとなれば、財政面を全て王都におんぶにだっこで運営するというのは考え物。交易によってエルガドが経済的に潤い、王国領内の一つの都市として自ら発展性を持つようになれば、研究機関として、拠点としての機能もより豊かに改良していくことができるはず(話は少し逸れますが、クエストのフレーバーテキスト内の話ではあるものの、城塞高地等エルガド近辺の遺跡を文化財として観光地化する案なども企図されているようですね)。そのような意味においても、交易を中継する港町としてのエルガドの役割はかなり重要なものと言えそうです。
ところで、ジレッタは交易の仕事において、実はカムラの里ともかなり縁の深い人物だったりします。
もしかして、カムラの里のハンターさんかニャ? 会えてうれしいニャ!
カムラの里との交易は、いつもいろいろおいしいものとか珍しいものが手に入っておもしろいニャ。
これからも、よいお付き合いができれば何よりなのニャ。よろしくニャ、ハンターさん!
(エルガド到着直後 ジレッタ)
カムラの里に出向して現地で交易窓口をしているのはロンディーネ達ですから、ジレッタは逆にカムラの里から輸入した品を王国に卸したり、カムラの里に輸出する品を調達したり、といった形で王国側で交易に携わっていた人物ということになります。後述するように、ジレッタはカムラの里に直接足を運んだことはないようですから、ライズ時代には登場していないものの、百竜夜行の際のロンディーネ達からの物資提供においては、間接的にジレッタにも大いにお世話になっていたことになりますね。
ハンターさん、ロンディーネさんによろしくニャ!
それとついでに、カナリーニョとチーニョにも…ニャ!
(里帰り前 ジレッタ)
カムラの里に滞在しているロンディーネ達とも、ジレッタはよく一緒に仕事をする知り合いです。ここの台詞の2行目、キャラクターの名前は正確な表記では「カナリーノ」のはずなのですが、アイルー同士では「ニョ」呼びになるんでしょうかね。単純な誤植という説もありますが(※上記スクショは去年7月撮影なのでどこかのアプデで修正されている可能性アリ)、アイルー語はナ行をニャ行に読み替える場合もありますから、その法則に準えれば正しい呼び方なのかも。
ジレッタほどのベテランとなると、各地からエルガドにやってくる船の積み荷を見て、その土地の状況をいくらか推測することができるようで、カムラの里地域に王域生物が出没した際には、それによる交易への影響も彼から教えてもらうことができます。
ハンターさんと一緒にカムラの里から戻った船には、珍しく交易品が何も積まれていなかったのニャ。
きっと、それだけ向こうも大変だったってことなのニャ。おつかれさまニャ、ハンターさん。
(マスター★2 ジレッタ)
「珍しく」ということは稀だが初めてではないというくらいの感じですから、カムラの里に百竜夜行の接近警報があり防衛に専念しなければならなかった際などにも、同じようなことが何度かあったのかな。カムラの里に起きたことが外の地域に与えている影響、というのを実際にこうして聞けるというのは、ライズ時代にはなかった会話ですよね。
ちなみに、ロンディーネ達は密偵で里を訪れていたライズ時代とは違い、カムラ周辺のモンスターの警戒にあたるため王国から正式に任をうけて里に滞在していますが、向こうも仕事が忙しくなかなか連絡が取れていないことを、ジレッタは少し寂しくも思っているようです。
最近、カムラの里にいるみんなからの連絡が少ないのニャ。でも、便りがないのはよい便り…かもしれないニャ。
でも、もしかして…! 向こうが楽しすぎてボクのことを忘れちゃった、なんてこともあるのかニャ…?
…気になるニャ! カムラの里がそんなに楽しいところなら、ボクも行ってみたいニャ!
(マスター★3 ジレッタ)
向こうでの仕事が充実しているのならそれでいいか……と思う反面、やはり定期的に連絡が来る来ないというのは気になってしまいますよね。先のロンディーネ達に言及した台詞で、チーニョとカナリーノについてわざわざ「それとついでに…」と、親交のある仕事仲間の割りに妙によそよそしい言い方をしていたのも、ロンディーネに付いてカムラの里に赴任しているカナリーノとチーニョのことがちょっと羨ましい、という気持ちもあってのことだったのでしょうか。調査が落ち着いたら、ジレッタもカムラの里に足を運んでロンディーネ達と一緒に里を満喫できるといいですね。
さて、そんな感じで交易の仕事にも精を出しているジレッタですが、ある時エルガドの交易について、正鵠を射た発見をすることになります。
この前、いつも仕事帰りに買ううさ団子を食べながら、ニャ~ッ! …とひらめいたのニャ。
こんな風に、ほかの土地で人気が出る魅力的なもの…「エルガド名物」をつくってみたらどうかニャ…って!
…でも、エルガドの名物ってなんなのニャ? …これは、一筋縄ではいかない難問に手を出してしまったかもしれないニャ…!
(マスター★3 ジレッタ)
カムラの里の名物であるうさ団子を食べながら、「エルガドの名物って意外となくね?」ということにビビビッと気づいたジレッタ。仕事が終わった後でもそういうアイデアが降ってくるとは、先ほどのルアンにも見習ってほしいくらいの熱心さです(もちろんスイッチオン過ぎるのも美徳とは言えませんが)。
エルガドは騎士団やハンター、調査隊の拠点としての機能は備わっているものの、観光地としては現在のところあまり成長しているとはいえませんし、またエルガドは王都やカムラの里のように地域特有の根強い文化があるというよりは、「さまざまな地域の文化が入り交じっていること」それ自体がこの場所の個性や特徴と言えるものですから、逆に言えば「エルガド独自の名物」というものはそれほど意識されていなかったことになります。
もちろん、エルガドの街並みやそばの大穴を始めとする珍しい絶景、周辺地域の史跡などは大いに観光的価値のあるものですが、それと並行してこれからエルガドに新たな名物をいろいろと創り出し、独自の価値の発信源となることができれば、エルガドの交易もいっそう盛んになることは違いありません。
ということで、ジレッタの新・エルガド名物アイデアをいくつか拝聴していきたいところなのですが……ジレッタさん、のっけからヤバイものを作ろうとしています。
ふと思ったニャ。キュリアって… 上手に料理したら、おいしく食べられるようなものなのかニャ…?
ニャ…! い、今のは…ただの冗談ニャ。聞かなかったことにして欲しいのニャ!
いつも新商品のアイディア考案で 頭がいっぱいニャ…、それでついつい 気の迷いが口から出ただけなのニャ!
(マスター★4緊急前 ジレッタ)
ジレッタさん……? まさかあのグロテスクな見た目のキュリアを料理して食品にしようと考える者が現れるとは……と言いつつ、実は茶屋のアズキさんも、キュリアのルックスやら味やらを何かしらうさ団子に使えないものかと一瞬だけ思案していたこともありましたから、エルガドでキュリアを食べようとしていた人はこれで累計2人目ということになります。むろんアズキさんも「なんでもかんでも団子にすればいいわけではない」とすぐに断念していましたし、ジレッタも当然ながらこのアイデアは却下したためエルガドは難を逃れることができたものの、いやなんでキュリア食べようとする人が2人もいるの……モンハン世界の住人恐ろしいよ……。
で、ジレッタはキュリアを食べることは諦めたようですが、キュリア絡みの商品は相変わらず考えていたようで、新たなグッズを開発しています。
ハンターさん、ハンターさん! ボク、ついにエルガド名物になる目玉商品を思いついたのニャ。
それは、ボクが丁寧に色を塗った木彫りの… キュリアそっくり「キュリア人形」ニャ! おみやげにピッタリだと思わないかニャ?
……ニャ~、やっぱりハンターさんもイマイチだと思うかニャ? たしかにこれ、ぜーんぜん売れてないのニャ…。
(マスター★4 ジレッタ)
うーん……なんかまたクセ強いのが来たな……。生態云々に関わらず、キュリアのルックスについては「キモーイ!」と言っていたラパーチェを筆頭にエルガド内では相当ウケが悪かった(バハリ以外に好意的だったのはフランとセルバジーナくらい)のですが、もしかしてジレッタもキュリアは意外と可愛いと感じる側の人なのでしょうか。とはいえ、キュリア人形の需要は一般にはニッチもいいところで、売れ行きはすこぶる不調に終わった様子。
ちなみに、キュリアを何か商売に活かしたいというアイデアは、ジレッタの同僚で共に店番担当であるところのフルルも考えていたりします。
キュリアの数、なかなか減らないんだって? それ、いっぱい捕まえるとかして うまいこと何か商売にできないかな?
…うーん、ダメだ。俺には思いつかないな。ハンターさん、何かいいキュリア商売のアイディアがあったら教えてよね!
(マスター★5シャガルマガラ前 フルル)
何かしら商売を生業にしている人は、やはり自然とこういう思考になるものなのでしょうか。しかしながらフルルの場合は、キュリアを食べようとしなかっただけ良心(?)があるというもの。ジレッタにしてもフルルにしても、キュリアはさておきこうした仕事への意欲はやはりすばらしいものがありますね。
さて、こうしたキュリアからの脱却(?)を経て、ジレッタはとうとう将来有望な商品アイデアに辿り着きます。
ハンターさん、ついにエルガド名物を思いついたのニャ。うさ団子に対抗して、王国仕込みのパンを使った食べ物なのニャ。
その名も…「大穴シチューパン」ニャ! まん丸の大きなパンの真ん中をくり抜いて、そこに熱々のシチューを流し込むのニャ!
でも、試作品はどうしてもパンの底からシチューが流れ出ちゃうのニャ~。完成は…まだまだ先のことになりそうニャ。
(マスター★5 ジレッタ)
おお! これはかなり美味しそう! 丸いパンの中をくり抜くということですから、私たちの世界でいうところのカンパーニュやイングリッシュマフィンあたりを用いたポットパンという感じでしょうか。中にシチュー系の料理でいうと、シチューを入れたマグカップ等の上にパイ生地を乗せて焼くポットパイとは異なり、こちらは外側もパンで丸ごと食べられるようになっているぶん、会話にあるような「シチューが漏れてきてしまう」などの問題を解決しなければならない、調理工程や素材に工夫の必要なむずかしい料理。
しかしながらもし大穴シチューパンのレシピが完成すれば、調理用の食器を使わないぶん食べる側はお手軽で、パンもシチューも美味しく頂くことのできる、エルガドの次なる名物に名を馳せること間違いありません。ジレッタの今後の研究にぜひ期待したいところです。
さて、そんなエルガド名物の開発と前後するように、ガイアデルムを討伐して海に平和が戻った後のエルガドはより一層交易事業に力を入れるようになっていき、ジレッタの仕事は日々大忙し。船乗りのフィーノからも、王国から届く貨物の内容の変化について話を聞くことができます。
よう、最近じゃあ王国からの荷も ちょっとずつ中身が変わってきたぜ。
調査用の物資はまだまだ多いが、交易品が目に見えて増えてきた感じだな。この辺りの海が落ち着いてきた証拠だよ。
結果的に、エルガドが交易の中継点としても重要になってきてる。これも、ハンターさんの仕事の成果さ。
(マスター★6 フィーノ)
ハンターさんががんばってくれたから、陸路も海路も、前よりずっと安全になってきたのニャ。
おかげで船を使った調査も交易も盛り上がってきて、ボクはもう毎日大忙しなのニャ!
だからハンターさん、ヒマなときはこの店を手伝ってくれないかニャ? お礼に、好きなお魚を選び放題ニャ。
(マスター★6 ジレッタ)
海が安全になったことで船の運航本数も安定的に増え、船乗りの皆にとってはむしろこれからが本番という感じで仕事もタイヘンになることと思われますが、ぜひ身体を大事にしながら頑張って欲しいところです。いつの日かモンハンシリーズの別の作品で、「タンジアの港」のように交易の盛んな港町として、再びエルガドの名前を聞くことができる日も来るかもしれませんね。
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それから最後に、世間話コマンドこそないものの、いつも主人公の船のそばにいる船乗りのコロンは、カムラの里-エルガド間の船での移動を手配してくれたり、主人公が滞在していない方の拠点からの伝言を預かって連絡をしてくれたりして、主人公の狩りを大きく助けてくれた頼もしい仲間のひとりです。彼の名前もぜひ、皆さまの胸の内に刻んでくださいませ。
ということで、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!