身もココロも、ホッと安らぐルームサービス

 

・本記事はモンスターハンターライズ:サンブレイク」全編および、一部シリーズ他作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』および2023年9月29日発売『HAUNTING OF THE SUN モンスターハンターライズ:サンブレイク 公式設定資料集』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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本記事ではエルガドとカムラの里のルームサービスについて取り上げていきます。前回の郵便屋さんに引き続き、NPCのほとんどに個人名が付いているモンハンライズシリーズにおいて、彼らは数少ない役職名でキャラが立っているキャラクター。サンブレイク以降、エルガドとカムラの里とを行き来しながら調査を行う主人公にとって、生活面での彼らの支えはなくてはならないものです。今回はそんな2人のことをご紹介していきましょう。

 

ーーーー目次ーーーー

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1.多忙な猛き炎を心身共に優しく支える、エルガドのルームサービス

 

おかえりなさいませ、旦ニャ様。本日より、ワタクシがルームサービスを務めさせていただきますニャ。

慣れない場所での生活、何かありましたら いつでもワタクシを頼ってくださいニャ。

旦ニャ様の手助けができるよう 誠心誠意、勤める所存ですニャ。それでは旦ニャ様、お気をつけて。

(マスター★1 ルームサービス)

 

エルガドのルームサービスは物腰柔らかで落ち着いた口調が特徴的で、まさに「執事」という肩書が似合うような人物。盛り上げ上手で元気な性格の、カムラの里のルームサービスとはちょうど対照的なキャラクターです。エルガドのルームサービスは主人公の生活面のお世話というだけではなく、精神面においても大きく支えてくれるパートナーとなる人物です。

 

おかえりなさいませ、旦ニャ様。密林という場所は、うっそうと茂った場所だとお伺いしましたニャ。

ワタクシ、旦ニャ様なら大丈夫だと信じておりますニャ。忘れものなどなきよう、お気をつけて。

緊張しすぎて疲れたときはワタクシの所へ。もてる限りをつくして、おもてなしをさせていただきますニャ。

(マスター★1ヨツミワドウ前 ルームサービス)

 

主人公は慣れない土地で、しかも里の外でハンターの仕事をするのは初めてという状況で、王国の危機、王国とカムラの里の安寧という大きな目標のために責任を負って活動するわけですから、仕事は充実していても、知らず知らずのうちに精神的な疲れを溜めこんでしまうもの。そんな主人公の世話役として彼が選ばれたのは、主人公にリラックスしてもらうための雰囲気づくりや、メンタル面のケアに非常に秀でているからというのが大きな要因であるように思います。

 

重要なクエストを任されたと提督からお伺いしましたニャ。

旦ニャ様なら大丈夫だと信頼されている証ですニャ。ささ、深呼吸ですニャ。それでは旦ニャ様、お気をつけて。

(マスター★3緊急前 ルームサービス)

 

ガレアス提督とも直接連絡を取り、主人公の仕事内容についてマネージャーばりに完璧に把握しているルームサービス。先述のガレアスから初めて任務を言い渡された際の台詞では、新天地できちんと成果を出して期待に応えられるか不安な気持ちで張り詰めていないかどうか、またこちらの台詞では、王域三公という重要なターゲットの狩猟任務にプレッシャーを感じていないかどうかと、主人公のその時々の状況に応じて心境を汲み取り、安心させるような言葉をかけてくれます。次の台詞もまた然り。

 

おかえりなさいませ、旦ニャ様。少し緊張したお顔をされておりますニャ。

何があったかは詮索いたしませんが ワタクシでよければいつでもお話をお聞きしますニャ。

悩みや不安は、言葉にすると少しだけ楽になることがありますニャ。よかったら、お手伝いさせてくださいニャ。

(マスター★4 ルームサービス)

 

フィオレーネが調査隊の仲間を庇ってメル・ゼナの攻撃に被弾する現場を目撃した主人公が、その後の彼女の心身を心配して険しい表情を浮かべているのを察するルームサービス。おそらく彼はその場に居合わせていた調査隊の誰かから、おおまかな事の経緯について聞いている可能性はありそうですが、ここで彼の方から事情を聞くことはせず「何があったかは詮索いたしませんが…」と入ってくれるのが良いんですよね。

 

親切心から無理に悩みを聞き出そうとすると、聞かれた側はそれを話さなければいけないというプレッシャーに苛まれてしまったり、心配をさせているのが申し訳ないという気持ちからむしろその悩みを話しづらくなってしまったり、あるいは他人に打ち明けたくない領域に土足で踏み入ることになってプライドを傷つけてしまう場合もある。それを理解しているからこそ、主人公やフィオレーネのことが気になってはいても敢えて不干渉の態度を保ちつつも、自分の意志で何か話したい、吐き出したいことがあれば喜んでその相手を務めたい、と彼は受けとめてくれるわけなのです。

 

しかも細かいところですが、「少しだけ楽になりますニャ」ではなく「楽になることがありますニャ」なのが良い。力になりたい気持ちはありつつも敢えて断定を避けた表現をすることによって、主人公が相談するかどうか考えているところに「絶対に相談した方が良い」というようなプレッシャーや強制感を与えないようにしていることに加え、込み入った悩みであればあるほど必ずしも人に話してすぐに気持ちが楽になるとも限らないわけですから、主人公の悩みの大きさや重さを外から勝手に決めつけて矮小化しないような言い方にもなっている。総じて主人公の意志や心境を最大限尊重してくれており、相談役としてこれほど信用のおける存在はそういない、というような振る舞いになっているんですよね。包容力の塊やん……。

 

この台詞も含めて、ストーリー後半の会話になればなるほど、主人公との信頼関係を感じさせる気の利いた会話が多くなっていきます。ゲーム内でこそあまり描写されないものの、ルームサービスはエルガドとカムラを頻繁に行き来しながら王域生物の調査を行う主人公の実質的な生活拠点とも言える船室で旅を共にするですから、主人公にとっては自然と一緒に過ごす時間が長く、日々の色々なことを話すような相手のひとりであり、ルームサービスはそんな主人公が狩猟に勤しむ姿を、間近で見守っている存在なんですよね。

 

おかえりなさいませ、旦ニャ様。フィオレーネ様の薬ができそうで ワタクシもほっとしておりますニャ。

旦ニャ様も、どうか無理だけはせずに。旦ニャ様はいまやエルガドにとってなくてはならない存在ですニャ。

大切な人が傷ついている姿は 心が痛みますニャ。旦ニャ様も、どうかお気をつけて。

(マスター★4エスピナス亜種後 ルームサービス)

 

彼の中でも主人公の存在が、単にルームサービスとして仕える相手というのを越えて、「大切な人」と呼びうる対象になっているのが良いですよね。しかも、フィオレーネの話の流れから、さらっと私情を含んだ言葉を出してくるのがさり気ない。

 

おかえりなさいませ、旦ニャ様。旦ニャ様の元気そうなお顔が見られて心の底から安心しましたニャ。

ニャニャ、大丈夫ですニャ。旦ニャ様の心配をするのも ルームサービスの務めですニャ。

たくさん心配しますので たくさん元気なお顔を見せてくださいニャ。それでは旦ニャ様、お気をつけて。

(マスター★5 ルームサービス)

 

メル・ゼナの狩猟で心配をかけてしまったことを詫びる主人公に対して、「それもルームサービスの本分」と返すこちらの会話。これも先の★4の台詞と同様、ハンターを支える立場としての彼のバランス感覚の繊細さが伝わる台詞です。ハンターとしては自分の無事をいつまでも心配させているのでは申し訳ない気持ちになったり、或いは自分の実力を信用してくれていないのではないかという不満に繋がったりしてしまうこともある一方、自分の身を案じてくれる人がいないというのもそれはそれで寂しいというもので、ハンターという仕事の一つのジレンマと言える部分。

 

主人公には何も気にすることなく自信を持って狩りを続けてほしいけれど、自分はそんな主人公をいつも心配する立場でいさせてほしい、という絶妙な関係性を直接言葉にするのではなく、主人公の無事を祈る彼自身の素直な私情を「ルームサービスの務め」と敢えて置き換えて表現することによって伝えるという非常に含蓄のある台詞で、彼が主人公を大切に想う気持ちと、エルガドで出会って以来築かれてきた両者のツーカーな関係がこの短い数文から感じられます。

 

ちなみに、そんな仕事のできる彼ですから、主人公が狩りに赴いていて拠点を空けている間には、エルガドの他の仲間の世話を焼くこともある様子。

 

おかえりなさいませ、旦ニャ様。先ほどバハリ様をお見かけしたのですが 何かいいことでもありましたかニャ…?

いえ、その…バハリ様がスキップして颯爽と去っていく姿を目撃してしまいましたのニャ…。

…新種の生物の捕獲? なるほどニャ。バハリ様ならきっと、三日三晩は徹夜ニャ。あとで差し入れをさせていただくニャ。

(マスター★3イソネミクニ亜種後 ルームサービス)

 

居心地のよい最高のルームサービスを提供する、ということを常に考える仕事柄、自然とエルガドの雰囲気や拠点の仲間のことにも何かと目が行き届くようで、ルームサービスのおそらく職務範囲外と思われることでも、色々と気を回してエルガドの皆を支えているようです。部署が違うにも関わらず、バハリが徹夜するであろう日数もほぼ正確に把握しているようで、これは視野の広い彼だからこそのホスピタリティですね。

 

おかえりなさいませ、旦ニャ様。メル・ゼナ討伐後も、エルガドはどうやら落ち着かない様子。

ルームサービスとして気を配っていると エルガドの雰囲気に敏感になりますニャ。

不穏なときこそ体力を蓄えておくことが 大事ですニャ。備えあれば憂いなし、ニャ。それでは旦ニャ様、お気をつけて。

(マスター★5シャガルマガラ前 ルームサービス)

 

作中では紹介されないものの、ルームサービスも調査隊の制服を着ているからには王国の調査隊ギルドに所属しているものと思われますが、ルームサービスは彼以外にも、マーケット裏の階段の先にある調査隊の仲間の宿舎において身の回りの世話をする人たちもおそらくいるはずですから、ルームサービス業は存外大きな部署なのかもしれませんね。最前線のエルガドを任されるということは、彼らはいずれも選りすぐりの精鋭に違いありませんが、その中でも王国の重要な賓客である主人公に仕えるこのルームサービスは、王国でも随一と言えるようなバトラーなのかもしれません。

 

 

さて、このような感じで完璧紳士というほかないルームサービスさんですが、実は1つだけ、致命的に苦手なことがあるんですよね。

 

旦ニャ様、何かお困りですかニャ? 何かありましたらいつでもお申し付けくださいニャ。

旦ニャ様がエルガドで過ごす日々を 快適にすることがワタクシの務めですニャ。…料理以外は、お任せを、ニャ。

…料理だけは…ちょっと…ニャ。お食事だけは、アズキ様のところでお願いしますニャ…。

(マスター★1 ルームサービス)

 

なんとルームサービスさん、まさかの料理が苦手という弱点があるのです。……まぁ、食事に関しては茶屋がありますから、彼が作れなくても特に問題はないのですが、ルームサービスの仕事をする人はいわゆる家事全般を満遍なく行えるものと筆者は思っていましたから、料理ができなくてもなることができるというのは、考えてみれば実際特に問題はないとはいえ、それにしても少し意外な部分でもありました。

 

ルームサービスの人柄を考えれば、こういうちょっとした弱点も最早彼の人格的魅力の一部と言えるのですが、本人としては完璧なルームサービスを提供するためにも料理の腕を磨きたいと考えているようで、日々研鑽を重ねています。

 

完璧なルームサービスを提供できるよう お料理も、練習中でございますニャ。

ただ…なぜか、切って盛り付けるだけのサラダでもワタクシが作るとマズくなってしまうニャ…。

でも、諦めませんニャ。旦ニャ様の粘り強いハンター姿を見習って お料理もふるまえる様にがんばりますニャ。

(マスター★3 ルームサービス)

 

生野菜を切るだけのサラダがまずくなるというのはだいぶ中々のことではありますが、かといって特段おかしい話というわけでもなく、こと彼の性格を考えると、具材を切るときに丁寧にやりすぎるあまり時間がかかって味が落ちてしまっている、という可能性はありそう。料理の一通りの所作と、調理における一種の思い切りの良さを身につければ、上達はそれほど遠くないようにも思います。

 

彼は料理の練習にあたって、エルガドの中でも特に料理上手な茶屋のアズキさんに、主人公には内緒でこっそりと稽古をつけてもらっているようなのですが、彼女と接する中で、ルームサービスは仄かな想いが彼女に対して芽生えてきたようで……?

 

カムラの里よりお越しくださっている 茶屋のアズキ様はご存じですかニャ?

彼女は、所作も言葉遣いもとてもキレイで 丁寧で…すばらしいですニャ。…旦ニャ様、何か言いたそうですニャ…?

べ、べつに特別な感情はないですニャ! お仕事をがんばる姿とか、尊敬しているだけですニャ! ほ、本当ですニャー!

(マスター★4 ルームサービス)

 

アズキに好意を抱いていることを感付かれて珍しく焦っているルームサービス。品のある立ち振る舞いでサービス精神にあふれるアズキと、紳士的で気遣い上手の彼とは確かにかなり波長が合いそうな感じもいたしますし、業種は違えど共に誰かを支えることを天職とする立場ですから、そういう面から尊敬できる部分というのも多く見つかるハズ。彼がアズキを慕う気持ちはかなり分かるような気がいたします。

 

とにもかくにも、アズキのおかげでかなり料理の腕が磨かれたルームサービスは、満を持して主人公に手料理を振る舞ってくれます。

 

旦ニャ様…お疲れではありませんかニャ? ここ最近、クエストに励まれているとチッチェ様よりお伺いしましたニャ。

旦ニャ様のがんばりが、エルガドにとって助けになっていることは確かですニャ。でも、たまには休息もとってくださいニャ。

そこで、ワタクシの手料理はいかがですかニャ? 上達したのニャ!

(マスター★5 ルームサービス)

 

この台詞、普段の彼のように「上達しましたのニャ!」という丁寧な言葉遣いではなく、「上達したのニャ!」と少しくだけた言い方になってるのが良いんですよね。料理に自信が持てるようになって意気揚々としているのが伝わりますし、いつもはルームサービスとして自分が仕える相手として主人公に接してくれているのに対して、ここではいつもと少し違う、親しい友人のような雰囲気になっている。もちろん彼が料理を練習しているのは、ルームサービスとしてより完璧なサービスを提供するためではあるのですが、自分の鍛錬の成果をぜひ確かめてほしいというお願いもしてくれるというのは、気の置けない仲になっていることがわかるとても微笑ましい光景です。

 

で、すっかり料理が上達したルームサービスは、アズキへの感謝の想いと共にその憧れの気持ちも益々膨らんできているようで、彼女から料理のことを手取り足取り教わっていた日々を回顧しながら次のように語っています。

 

旦ニャ様、聞いて欲しいことがありますニャ。ワタクシ…料理が上達しましたニャ…!

じつはアズキ様に料理を教わっておりまして そのおかげで、お団子に添える汁物も作れるようになりましたニャ。

アズキ様は、まったく料理ができない ポンコツのワタクシにも優しくしてくれて 本当に…ステキな方ですニャ…。

…ハッ! ち、ちがうのニャ。ステキな方だなというわけで、深い意味は! 旦ニャ様! お顔がニヤけているニャー!

(マスター★6 ルームサービス)

 

画面の手前にいる主人公もなんかこうだいぶ意地が悪いような気がしないでもありませんが、一流の料理の腕前を持ちながらも、料理がまったくできない自分を否定することなく懇切丁寧に教えてくれたアズキに、人として(アイルーですが)ほれ込んでいるようです。アズキのこととなるといつもの紳士的な彼の姿はどこへやら、彼女の包み込むような優しさについて熱く語るルームサービス。果たして彼のアズキへの想いが実を結ぶのかどうかは……ぜひ以下のアズキの記事をどうぞ!(続きはWEBで的な唐突の宣伝)

 

mhrisecharacter.hatenadiary.jp

 

 

2.里帰りを元気にお出迎え! カムラの里のルームサービス

 

ついに、○○殿が外の世界でハンターとして狩猟生活を成されるときがきましたニャ…!

○○殿はたぐいまれなる素質を持ったお方…。里の外でも、縦横無尽のご活躍をお見せくださることでしょうニャ!

本来でしたら、それがしもお側にお仕えして その勇姿を逃さず目に焼き付けたいところニャのですが…。

それがしには、ここで○○殿の留守をお預かりするという、非常に大事なお役目がありますニャ。

○○殿、どうかお気をつけて。お帰り、いつでもお待ち申し上げておりますニャ。

(エルガド出発前 ルームサービス)

 

続いてはカムラの里のルームサービス。狩猟の拠点をエルガドに移した主人公ですが、王域生物の調査内容によっては大社跡をはじめカムラの里近隣で仕事をすることも多く、カムラのルームサービスを担当する彼もまだまだ現役。主人公のバックアップとして狩猟を応援してくれます。ルームサービスはハンター1人につき1名なのかと思いきや、拠点ごとに1名ルームサービスがついてくれるというのが当たり前のように行われていますが、これは王国の危機のために超地域的に活動をする主人公のための特例なのでしょうか。元々所属していたギルドが違うため重複して派遣されるのはOKとか、王国として主人公をカムラから賓客として召喚したからこそのサービスという感じなのか。ゲーム上の便宜といえばそれまでですが、ギルドの人事体系の謎は深まるばかりです。

 

さて、実は彼もサンブレイクでの台詞が特徴的なキャラクターでして、ライズ時代の彼は何かと主人公を褒め称えるような台詞が多かったのですが(もちろんサンブレイクでも上記のようにこの系統の台詞はあるのですが)、MRではもう少し肩の力が抜けたといいますか、良い意味で打ち解けたといいますか、さらにバリエーション豊かな台詞を聴くことができるようになっています。

 

○○殿がご不在の間も それがしきちんとここをお守りしておりますニャ。

先日などは、一度大きな虫が現れまして… それがしも、思わず悲鳴を上げてしまいましたが…。

ヒノエ様、ミノト様にもご助力いただき なんとか無事、外へ追い払いましたニャ。

…。もしや…お伝えしないほうがよかったですかニャ…?

(マスター★3 ルームサービス)

 

家に入って来る大きな虫……。それってもしかして、ゴ、ゴキ……。いえ、これ以上の詮索はやめておきましょう。後味が良くないかもしれない。とにかくこの水車小屋に大きな虫が入ってきたために、虫が苦手らしい彼はあわや絶体絶命(?)という窮地に陥りかけたとのこと。主人公の住まいのピンチに駆けつけてくれるのがヒノエとミノトという辺り、やっぱりこの2人はヒロインだなぁって思いますね。

 

……というか、ヒノエはいつも近くの広場にいるからともかく、ミノトはどうやって主人公宅の窮状に瞬時に気が付いたのでしょうか。まぁ、ヒノエ姉さまの一挙手一投足をつつがなく知り尽くしている彼女なら、ヒノエがルームサービスの悲鳴を聞いて駆け付けた時にすぐに後を追ったという感じなのかもしれませんが、集会所のミノトの受付からヒノエの受付が直接見えるわけではありませんし……もしかしてこれも共鳴の力……?

 

いずれにしても、こういう時に里の仲間が助けてくれて一件落着というのは、ルームサービスがカムラの里にすっかり馴染んできたという証左でもありますし、何よりこういう大きい虫でちょっとした騒ぎになるくらい、里が平和になって日常が戻ってきた、ということでもあるんですよね。

 

それがし、○○殿がご不在の間も、掃除や整理を欠かしたことは1日たりともございません。

○○殿がいつお戻りになっても万全の状態で、快適にお過ごしいただくのがそれがしの役目ですからニャ!

それはもう、チリひとつとして……………………あっ。

なんでもないですニャ。それがし、なにも見てませんニャ。まさかホコリを見つけたなんて、絶対そんなことはありませんニャ。

(マスター★5 ルームサービス)

 

部屋の掃除を完璧に仕上げたと思っていたのに、ふと仕留め損ねた発見してしまったホコリ。まぁ実際のところ、掃除にしても何にしても、家事は毎回100%でやらなくてもよいものだと思いますから、一生懸命取り組むのは勿論素晴らしいことではありますが、ルームサービスの業務だからとはいえ多少のミスはぜひあまり気にしないでほしいところ。

 

それに、主人公はエルガド近辺で仕事をしている間はカムラ宅を空けることになるわけですが、あまり使っていないところを綺麗に保つっていうのもそれはそれで結構骨が折れるんですよね。むしろ普段から使う頻度が多い場所のほうが、それを掃除する側も毎回本腰を入れられるぶん結果としてキレイな状態を維持することができたり。「待つ」という仕事もなかなか大変なものです。

 

主人公がガイアデルムの狩猟を終えた後に里帰りをした際には、彼にしては特に珍しい台詞を聴くことができます。

 

おかえりなさいませ、○○殿! なにかご不便などはございませんかニャ?

いえ、それよりも、なによりも… お元気そうで、よかったですニャ。それがし、安心しましたニャ。

もちろん○○殿の力を疑ったことは一切ありませんニャ! ただ、お顔が見られて、この上なく嬉しいのですニャ。

(マスター★6 ルームサービス)

 

ライズ時代のカムラのルームサービスは、大一番の狩猟に挑む主人公にいつも「○○殿なら余裕ですニャ! どんなモンスターも恐れるに足りませんニャ!」的な感じで、その実力への絶対的な信頼のもと励ましの言葉をかけてくれていたのですが、ここでは「主人公が健在で良かった」と、主人公の無事を心配していたような様子があるんですよね。もちろん彼自身も言う通り、主人公の実力を疑っていたわけではないようですが、主人公が元気に帰ってきたことに安堵したというのもまた本心。

 

ライズ時代の主人公との会話で度々見られたような、主人公の長所を見つけてそれを褒める、という彼の会話の特徴は、ハンターを支える立場としての彼の得意分野であると同時に、主人公に対してはかなり意識的にそれをやっていた部分もあるんだろうな。

 

カムラの里で正式なハンターとなったその日から、百竜夜行という大きな災禍に立ち向かう運命を引き受けることになったライズ期の主人公には、新米ハンターの自己肯定感を高めて成長を促し、不安をとりのぞいてくれるような褒め上手なルームサービスが、そしてその功績を以て王国から直々に招待され、慣れないことだらけの初めての異国の地エルガドで、王国と里の安寧という一層大きなものを双肩に背負って武器をとるサンブレイク期の主人公には、物腰柔らかで傾聴に秀で、ハンターの心身をリラックスさせてくれるプロであるルームサービスが、それぞれついてくれている。

 

これは偶然なのか、はたまたギルドが意図しているものなのか、それぞれの時期の主人公の立場にとって最も必要な、完璧に相性が良い性格のルームサービスのサポートが得られているといっても過言ではなく、主人公の日々の狩猟が、こういうゲーム内では目立たないところで、ハンターのバックアップのプロフェッショナルである彼らルームサービスに大いに支えられているということがよく分かります。もしこれすらもギルドの深謀遠慮のうちにあるのだとすれば、ギルドはハンター達の ――特に、モンスターによる災禍の解決など大きな責任を負う状況にあるハンター達の、身体面のみならず精神面のケアという部分をも、非常に重要視していることになると言えるかもしれません。

 

ハンターは完全無欠の英雄ではなく心を持ったひとりの人間であり、その狩りはハンターを近くで支える人々の存在あってこそ成立するものだ……というのは、ある意味では非常に現代的なテーゼと言えるように思います。彼らの会話の中にさらっと組み込まれている気遣いもかなり今風なものですから、こういう所にもモンハンというゲームの、時代の流れの中での一つの進化を感じられますね。

 

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ということで、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!