今さら過ぎる(?)百竜夜行の考察

 

※注意事項※

・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売の『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。


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まだサンブレイクの情報がそれほど公開されていなかったころ、本ブログでも「マスターランクの百竜夜行はどうなるのか」という考察をやってまいりまして、物語的にはカムラの里の災禍は解決したから百竜夜行もなくなる可能性はあるけど、もしかしたらこういう風に登場するかも……などと色々想像してきましたが、マスターランクでは百竜夜行は廃止されることが正式に発表されました。

 

筆者個人は百竜夜行はソロで200回行くくらいには好きで、システムとしても面白い試みだとは思いましたが、全体としてはかなり賛否両論ある新要素であったことや、そもそも上位ストーリーで淵源ナルハタを倒してカムラの里の百竜夜行は解決したのに、マスターランクのお話で百竜夜行をまた登場させるのも無理があるということで、妥当なところかなあという感じではないでしょうか。

 

が、そんな割と好きだった百竜夜行がなくなるのもそれはそれで寂しいということもあり、百竜夜行にもまだまだたくさんの謎が秘められていますから、限られた情報の中でではありますが、少し考察なり妄想なりをやっていこうかという次第でございます。

 

ーーーー目次ーーーー

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1.百竜夜行と「山」

 

「百竜夜行が発生していたのはなぜ?」と聞いて多くの方が最初に思うであろうことは、おそらく「百竜夜行が起きていたのはイブシマキヒコとナルハタタヒメのせいでしょ?」というものになるでしょう。それは確かに一つの真理です。おおよそ数十年ごとに発生するこの現象は、マキヒコとナルハタのつがいの古龍(とくにマキヒコが放つ威風)が他の多くのモンスターたちを狂騒させ、そしてモンスターたちはその威風に追われるような仕方で群れをなして逃げてくる……というのがその正体でした。

 

しかしながら、ここで筆者が少し気になっているのは、モンスターたちが大型古龍に追われて逃げるというのはよいとしても、どうしてモンスターたちは都合よくまとまってカムラの里までやってくるのかということ。マキヒコから逃げるのであれば、別にカムラの里の方面に集中して来るのではなく、四方八方に散開して逃げるような形になり、百竜夜行ほどの大規模な群れが形成されないような形になっていてもおかしくはないはずです。

 

まして、カムラの里にこれだけ来ていてもなお里の周辺以外でも追われてきたモンスターで溢れかえるほど大型モンスターがうじゃうじゃいるわけでもないでしょうし、古来より「モンスターが群れをなして人里を襲う」と伝承されてきた現象ですから、やはりモンスターたちはまとまって逃げているみたいなんですよね。

 

で、そこでやはり考慮せざるを得ないのが、先ほどの項でも確認した、「山に囲まれている」というカムラの里の地理的条件になるわけです。つまり、山岳地帯ではなく平野なり砂漠なりが主である地域であれば、大型古龍に追われるモンスターたちの逃走ルートは非常に広く、四方八方のどこへでも移動することができますから、基本的にモンスターたちは段々と散らばって逃げていくことになります。したがって、モンスターが数十頭という規模で塊になって人間の居住区域に押し寄せてくる可能性は低く、「百竜夜行」という災禍として問題になることはなかったように思われます。

 

一方で、険しい山々の存在する地域の場合、モンスターたちは断崖絶壁を登って逃げるわけにもいきませんから、特に陸上を移動する大半のモンスターは山間の道を通って逃げるしかなく(飛行能力を持つモンスターはわかりませんが、いくら飛ぶことができるとはいえども、バルファルクのように高い山脈の上でも軽々と飛んでいくレベルのものは少ないのかもしれません)、すると彼らの逃走ルートは限定されることになり、モンスターたちが散らばって逃げるということもなく、最終的にその限られた狭いルートに多くのモンスターたちが集結してくることになります。

 

この「モンスターが逃げるルートが限られている」という山地の地理的な特徴こそが、「古龍から逃げるモンスターたち」が「百竜夜行」になる条件なのではないか? と筆者は思っているのです。

 

カムラの里が対百竜夜行のために設立した「翡葉の砦」の構造を見てみても、左右を断崖絶壁に囲まれた狭い道を塞ぐような形でこの砦は設計されており、これは裏を返せば「百竜夜行は山間の限られた道を通ってカムラの里に来る」ということが前提になっているからこそ、この砦には戦略的な意義があるということになります。

 

そう考えてみると、カムラの里と山というのは思っている以上に密接な関係があることになりますね。以前の記事でも書いたように、里の周辺の山々はカムラの里に自然と鉄鋼という産業基盤を与えているものですが、これは一方でカムラの里がそうした地理的条件に依存した産業を長年育んできたからこそ、百竜夜行に対して「今の里の場所を放棄して別の遠い土地に移る」という選択肢を捨て、百竜夜行を毎度防衛するという道をとらざるを得なかったという歴史的背景にも繋がります(※)。そして更に、そもそも古龍から逃げるモンスターたちをその「百竜夜行」たらしめている要因自体が、カムラの里を囲む山々であったということにもなるわけです。

 

※もちろん、「百竜夜行はモンスターたちが古龍から逃げているものであり、カムラの里はそのルート上にあるためそのモンスターの群れに襲われている」という事実が作中で判明する以前は、百竜夜行は「人里を狙って襲う」というある種の呪いのようなものとして信じられていたわけですから、里の場所を移動したところで意味がないと思われていたであろうという事情もあると思います。

 

百竜夜行はサンブレイクでは登場しないことが公式に発表されていますが、百竜夜行自体は非常に挑戦的で面白いシステムであり、かなりの時間と労力をかけて開発されたクエスト形式でもありますから、色々と改良を施したうえで次回以降のシリーズに登場してくる可能性は大いにあると思います。

 

もしそれがあり得るとしたら、イブシマキヒコ達のように周囲の多くのモンスターたちに影響を及ぼす能力と生態を備えた大型古龍などがおり、さらにカムラの里と同様に山に囲まれた地域や、それ以外にも何らかの仕方で特殊な地理的条件を持つ地域が拠点となった際に実現可能となるのではないか……と筆者は推測しています。百竜夜行の発生実例が増えれば増えるほど、この現象についての理解もより深まっていくと思いますので、今後のシリーズにも大いに期待したいところですね。

 

2.なぜ百竜夜行は「数十年おき」なのか?

 

交易商もとい王国の騎士であり、モンスターについての豊富な知識を有しているロンディーネの台詞では、百竜夜行は特定の地域において「数十年おきに」発生するものとして説明されていました。

 

(里☆2 ロンディーネ)

カムラの里の前回の百竜夜行も50年前であり、彼女の情報は確かなものであることがわかります。そしてその災禍の原因は、もはやわざわざ説明するまでもありませんが、イブシマキヒコやナルハタタヒメのエネルギーによって起こる暴風や嵐が周囲のモンスターを傷つけ、狂騒させることによるものでした。さらに、つがいを求めて移動を行っていた古龍イブシマキヒコからは、共鳴によって「対はいずこ」という、つがいを探し求めている内容の思念を汲み取ることができ、これを基にした更なる調査によって対のナルハタタヒメも発見され、この2頭は今まさに繁殖を行おうとしているところだったことがストーリー中で明らかになりました。

 

したがって、それらのライズ本編での情報をもとに考えれば、イブシマキヒコやナルハタタヒメがカムラの里周辺地域を移動していたのはつがいを見つけて繁殖行動を行うためのもので、それに伴って彼らがそれぞれの持つエネルギーを放出し暴風や大嵐を起こしていたために百竜夜行は発生していた、ということが言えそうです。

 

(↑竜巻を放ちながら上空を駆けるイブシマキヒコ。思念の内容と合わせて考えれば、移動しながら暴風を撒くのは巡り合うべきつがいへのアピールであるようにも思える。)

 

しかしながら、ここで一つの疑問が挙げられます。それは、そのことをもって「百竜夜行はイブシマキヒコとナルハタタヒメの繁殖期に伴なって発生するもので、その周期が数十年おきってことなんだな~」とまで結論付けてよいのか、ということです。

 

上記の議論は一見すると理屈としては整っているように見えるのですが、これはよくよく考えてみると、「並みの生物よりも遥かに寿命が長い」という古龍種共通の設定に反して、繁殖期の周期が短すぎるという矛盾が起きてしまうように思われます。

 

大型古龍として一般的な生態系からは隔絶された位置に君臨し、かつ1個体ごとの寿命も数百年単位で非常に長いとなれば、種の存続のために子孫をそれほどたくさん作る必要性も薄く、世代交代のペースも非常に緩やかであるため、ナルハタタヒメ達はたかだか数十年の周期で繁殖を行う必要はおそらくないでしょう。溶岩洞の骨はつがいと巡り合えなかったナルハタタヒメのものである、という設定もあるように、大型古龍だからといって必ずしも無事息災というわけでもないにせよ、古龍のすさまじい生命力を考えれば、彼らの種の繁殖期の周期は少なくとも百年単位であるべきであるように思います。

 

そしてその場合、「百竜夜行はマキヒコとナルハタの繁殖期に伴なう」という認識に則って言えば、百竜夜行の発生ペースもまた同じように、もっと緩やかな周期となっているはず……なのですが、実際にはそうはなっていません。

 

では百竜夜行を発生させる別の何かがいるのではないか、と思いたくもなるものの、百竜夜行はハモンの話によれば「激しい嵐のあとに決まって発生する」のであり、少なくともカムラの里の百竜夜行に関しては、イブシマキヒコとナルハタタヒメ以外に原因があるというのは考えられません。そこで、大型古龍の繁殖の周期とは思えないほど速いペースで百竜夜行が発生するのはなぜなのか、ということについて、いくつか仮説を考えてみたいと思います。

 

なお、カムラの里周辺以外の特定の地域でもおそらく発生している百竜夜行についてはその一切が不明であり、その原因が同じようにイブシマキヒコとナルハタタヒメかどうかである点についても断定はできないため、本考察はあくまでも「カムラの里に百竜夜行を発生させているイブシマキヒコとナルハタタヒメ」のことに限った話とさせて頂きます。

 

 

①付き合ってからゴールインまでが意外と長いタイプだった

 

古龍といえば知能が高いことで知られていますから、ナルハタタヒメとイブシマキヒコも初見で出会ってすぐに繁殖行動に入るのではなく、カップル成立前にも何度か会ってみて互いの相性を確かめてから繁殖に入っている、という説。

 

仮にそういう生態があるとしてもどうして数十年おきの周期なのか? という点はそういうものだからとしか説明ができないのが惜しいところですが、1組のつがいが何度も龍宮砦跡を訪れて、そのたびに百竜夜行を発生させているという可能性はゼロであるとは言えません。ただ、筆者は未だにライズの資料集を読んでいないためその辺の設定を把握していないという体たらくであり、あまり彼らの詳しい生態について保証はできません……申し訳ない。

 

②複数個体が順番に来ている

 

カムラの里周辺地域の内外にもナルハタ・マキヒコのつがいが複数組いて、それらが周期的に順番に龍宮砦跡で邂逅しようとするために百竜夜行も数十年間隔で起こる、という説。溶岩洞にナルハタタヒメの骨があるように、本編で登場した個体以外にもナルハタやマキヒコの個体が存在している(いた)こと自体は明らかなので、可能性としてはゼロではありません。

 

ただ、カムラの里の地域内にそんなにうじゃうじゃとナルハタやマキヒコが(その幼体も含めて)いるというのも、生息地の取り合いになって共倒れしてしまうでしょうからなかなか考えづらいですし、では他の地域から来ている個体なのかと考えてみても、ナルハタタヒメたちを含む古龍が何らかのエネルギーを得られる場所というのは世界各地に点在してはいるでしょうし、ナルハタとマキヒコに限って他の遠い地域からでも龍宮砦跡にピンポイントでやってくる、というのは少し奇妙でもあります。

 

龍宮砦跡にはかなり昔に何らかの目的で使われていた多くの狩猟兵器が埋まっており、それらは本編でイブシマキヒコ達が「新種」として発見される前から存在していたわけですから、別種の古龍もここを訪れている可能性はありますし、裏を返せば他の遠い地域のナルハタとマキヒコは、わざわざ繁殖期だけカムラの里地域に来るというよりは、自分たちの生息域内の近場の古龍スポット(仮称)を繁殖場所に選んでいると思うんですよね(※)。そもそも龍宮砦跡で繁殖をすれば、子どもたちはその周辺地域に根付く可能性が高いのですから、他の地域からナルハタやマキヒコがわざわざやってきたところで、最終的には龍宮砦跡の一帯に生息地が収束してしまうことになります。

 

※もっともマキヒコ達の「新種」認定に関しては、あくまでこれまでの記録になかったというだけのことであり、必ずしも人類史上初遭遇であることと同義ではない、すなわち龍宮砦跡の兵器は大昔に人類がナルハタタヒメ達と戦ったときのものである、という可能性は否定できないのですが。

 

したがって、龍宮砦跡に来られる範囲に複数個体のカップルがおり、それらが順に龍宮砦跡に来ていると仮定しても、彼らの体格の大きさやその力の強大さを考慮すれば、居たとしてもせいぜい2,3組くらいが限度ではないか? という辺りが推測としては妥当であり、そしてそれぞれのつがいが彼ら自身の寿命の長さに合わせて緩やかな周期で繁殖行動をとるとすれば、やはり数十年ごとという頻度は早すぎるということで、数十年ごとに百竜夜行が発生することの原理を完全に説明するものにはなり難いように思います。それらの複数カップルの繁殖期が重複せず、どうして都合よくキレイに数十年ペースで交代交代になっているのか? という点も説明できていませんからね。

 

③ガチでこの世を子々孫々で埋め尽くしにかかっている

 

百竜ノ淵源ナルハタタヒメとの決戦前、ゴコクやヒノエの方から、ナルハタタヒメたちの動向について次のような説明があります。

 

(淵源討伐前 ゴコク)

(淵源討伐前 ヒノエ)

ここでの説明は、つがいの古龍は「この世を自分たちの子々孫々で埋め尽くそうとしている」ということになっており、彼らに本当にそういう目的があるのだという仮説を立てれば、「各個体が長命かつ強大であるにも関わらず数十年のペースで子孫を作りつづける」ことの理由にはなるように思われます。

 

ただ、つがいの古龍の意図とされているものについては、私はなかなか感想に困るところがありまして。「彼ら2頭が種の存続のために子孫を残そうとしていて、そのことによって将来のナルハタタヒメやイブシマキヒコの成体の数が増えることになれば、いずれはカムラの里の人たちや、住処を追われるモンスターたちの現在の生態系にとって非常に困ったことになる」というところまでは納得がいくのですが、「この世を埋め尽くす」というところまでいくと何か引っかかるんですよね。

 

種の存続のために必要な繁殖行動という域を超えて、半ばこの世界全体を一度破壊してしまうつもりだということなのか、それは彼らにとって何の益があることなのか、あるいは破壊への盲目的な意志なのか、そもそもこの世が彼らの子々孫々で埋め尽くされては、じきに彼ら自身が自滅してしまうことになるのではないか……という疑問が残るわけです。

 

筆者としては、いくら強大な古龍でもあくまで大自然の巨大な循環の一員であってほしいと思っているので、ましてや一つの古龍種がそういう創世の神レベルの能力や意志を持っている、という設定にはならないのではないかと思うんですよね(本当にそんなことを考えているのだとすると、おそらくナルハタタヒメたちはあのミラボレアスですら腰を抜かして顎も外れてしまうくらいのヤバイ奴らということになってしまいます)。

 

「子々孫々で埋め尽くして云々」というのは、実際にはナルハタタヒメとイブシマキヒコは種の存続のために繁殖をしようとしているのだが、人類側ではヒノエやミノトが共鳴によって受け取った思念をカムラの里地域に伝わる風神雷神の民間伝承と重ね合わせて、つがいの古龍の存在を「破壊と豊穣とをもたらす神」というような形である程度神話的な脚色をしているのだ、という感じで受け取った方が、マキヒコとナルハタの生物としての地位をインフレさせることがないような解釈にはなるんですよね。

 

もちろん、種の存続の確実性を担保するためにナルハタタヒメとイブシマキヒコのつがいは1組ごとに最低でも雌雄それぞれ2個体ずつは産むことになるでしょうし、その子どもたちがみんな生き残ればイブシマキヒコとナルハタタヒメの個体数が将来的に今よりも増えること、ひいてはそれが人類やモンスターたちの生態系にとって脅威となることには変わりはないのですが、だからといってやはり「この世を子々孫々で埋め尽くそう」などという壮大で破滅的な野望が彼らにあるとは考えにくいですし、彼らの繁殖行動はあくまで種の存続という目的を踏み越えないものであるとすれば、「数十年ごとのマキヒコとナルハタの移動はそのすべてが繁殖のためのもの」という仮説もあまり現実的ではないということになりそうです。

 

 

④別の用事でも移動することがある

 

百年単位での寿命をほこる古龍であれば、これまで話してきたような繁殖行動の際のみならず、住処を別のところに移すための移動なども定期的に行うのではないかという説。相変わらず数十年おきという根拠はないのですが、一つの場所である程度成長のためのエネルギーを摂取(?)しきったら次の場所に変えて、みたいなことをやっていたら、だいたい数十年おきくらいになる可能性はありそう。

 

※以下、モンスターハンターワールドのネタバレを含みます。

 

あと、これは筆者の完全な推測ではありますが、イブシマキヒコやナルハタタヒメが発生させてきた百竜夜行の中には、彼らの古龍渡りによるものもあると思うんですよね。古龍渡りとは、「一定の周期で古龍たちが現大陸から海を越え、新大陸を目指す」という謎に満ちた現象であり、この真相を解明することがMHWのストーリーの核となっています。で、この現象の正体は、「長い生涯の果てに己の死期を悟った古龍が、その身とエネルギーを自然に還すために新大陸の瘴気の谷を目指す」というものであると分かりました(モンハン大辞典wikiのページも以下に貼っておきます)。

 

wikiwiki.jp

 

自然の脅威そのものである古龍の大移動は周囲の環境や生態系に並々ならぬ影響を与えるようで、もしイブシマキヒコやナルハタタヒメもまた古龍渡りを行うのであれば、その際の影響でも百竜夜行を発生させ得る可能性は大いにあり得るように思います(もちろん古龍の寿命は長大ですから、渡りによる百竜夜行にしてもこれまで発生した百竜夜行の原因の一部にすぎないとは思いますが)。

 

とまあこんな感じで、以上の考察を総合して、「百竜夜行が数十年おきに発生する=イブシマキヒコやナルハタタヒメが数十年周期で何らかの大きな移動や活動をする」ということの原理として、筆者は次のような推察をしております。

 

すなわち、つがいの古龍たちが住処を変えたり、生殖行為のため、あるいは相性の良い相手を見つけたり吟味したりするために雌雄が巡り逢おうとしたり、はたまた古龍渡りをしようとしたりするといった行動がおおむね数十年おきに起こるためにそれに伴って百竜夜行も数十年おきに発生する。

 

また、カムラの里一帯の地域を棲息地とするイブシマキヒコ・ナルハタタヒメのつがいは、「カムラの里の百竜夜行は根絶された」ということを額面通り受け取るのであれば、本編で主人公ハンターが討伐した個体のみであると考えられるが、溶岩洞の骨のこと等も考えると同じ地域に他にも雌雄併せて数個体程度がおり、一つの個体が大きな活動を起こす周期は百年単位で緩やかであるが、複数個体の活動が入り交じることで百竜夜行の発生周期が結果的に数十年おきとなっていた、という可能性も十分にあり得る。

 

……というあたりが、ゲーム内で分かる情報のみを元にして筆者が考えてみた百竜夜行の詳しい原理です。本当はどういう仕組みなのかということは、果たしてどこかで知ることができるのでしょうか……。

 

ちなみに、カムラの里の一帯の地域の内外にイブシマキヒコやナルハタタヒメの別個体がいるのであれば、カムラの里の百竜夜行は解決したと言えるのか? という話ですが、筆者は基本的には「解決した」と言ってよいと考えています。

 

少なくとも、本編で討伐したナルハタタヒメ、イブシマキヒコの命脈を絶たしめたことは、今回の百竜夜行と、本来なら彼らの子孫が起こすはずであった次回以降の百竜夜行を全て食い止めたと言って良いですし、まだ活動をし始めていない別個体のイブシマキヒコやナルハタタヒメがいても、百竜夜行の原理が分かっていて討伐の事例も出ているる以上は、それらの情報をベースとしてさらにこれらの古龍への研究を進め、龍宮砦跡や彼らが潜んでいると思われる候補地に先回りしてその力を抑えるなり討伐なりをするなど、百竜夜行が発生する前の時点での対策が可能となっていくはずです。

 

まあ、「百竜夜行は見事解決した」という物語の〆である以上、カムラの里の周辺地域に生息して百竜夜行を起こしていたのは本編で討伐した個体のマキヒコとナルハタで、そいつらがいなくなったので里は平和になりました、という話でよいと思うのですが、もし仮に他の個体がカムラの里の周辺にいたとしても、これからは先んじた対策も可能になっていくと考えられるので、実質的に解決したとみてよいと言えるのではないか、という細かい補足でした。

 

そんなわけで、百竜夜行のお話はこんなところで〆としたいと思います。百竜夜行はマスターランクでこそ廃止されるものの、現在ある「百竜武器」は今後おそらく盟友クエストで貰える何かしらのアイテムなどを使って更に強化していくことになるであろう以上、そのベースとしての上位百竜武器を作るために、なんだかんだで今後も百竜夜行にちょいちょい用事があるという感じにはなりそうなんですよね。そうなると個人的にはけっこう嬉しいかな。

 

その際は、今よりも更にスキルやステータスの高いマスター装備で上位百竜に挑むことができるようになりますから、「百竜夜行は苦手~」という方でも挑戦しやすい環境になるかもしれませんね。物好きの熱い布教にお付き合い頂きありがとうございます。

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いいたしましょう!