解説キャラに愛を
※注意事項※
・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・本記事には、2021年12月17日発売の「モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録」の内容は含まれておりません(記事の執筆に影響が出ないよう、筆者は未購入です)。
したがって今後公開される公式設定は、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。
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⓪まえおき
解説キャラ……これはアニメや漫画、ゲームなどにおいて、製作者から特別な宿命を授けられた存在です。
こういう言葉が主に使われるのは、バトルものやスポーツもののアニメ・漫画作品でしょうか。まあ、知ったような口をきいているわりに、私はテニスの王子様くらいしかこの手の作品を存じ上げないのですが、解説ポジションのキャラは読者・視聴者側に作中のバトルや競技のルールを教えてくれたり、キャラクターたちの必殺技がどういう原理でどのような効果をもたらすのか説明してくれたり、発光や爆発などのド派手なエフェクトが飛び交い、映像・作画のみでは十分に状況を読み取れないシーンで、何が起きたのかを文字情報で補足してくれたりして、私たちがより深く作品世界に没入するための知識を授けてくれる存在です。
ゲームにおいても、このような解説ポジションのキャラがいることは多々ありますね。この役割が複数のキャラクターに分散している場合もあれば、1~2人など特定の少人数に集中している場合もありますが、彼らは主にゲームの序盤~中盤にかけて、ゲームの舞台となる世界の設定や世界観、フィールド探索の仕方やモンスターとの戦い方、いろいろな戦闘テクニックを教えてくれたり、プレイヤーの冒険の拠点となる街を案内してくれたりします。
モンハンライズにもこのポジションのキャラは何人かいまして、主人公をハンターに育ててくれたウツシ教官、ガルクについて教えてくれるイヌカイ、オトモ広場の案内とオトモの訓練をしてくれるシルベ、ハンターのアクションや狩猟テクニックを教えてくれるハネナガ、オンラインでの狩猟について教えてくれるセンリ、この辺りが該当するのですが………中には、割と不遇な感じになっているキャラクターがいるんですよね。
ウツシ教官は、チュートリアルクエストで目立つ出番があり、ムービーにも登場するなどストーリー上の見せ場もあり、濃いキャラクター性が人気でDLCボイスまで出ているため、プレイヤーの印象に残りやすいキャラです。
他の4人はというと、基本的には任意で話しかけたときに「翔蟲はこういう風に使うんだよ」「ガルクはこう育てるといいよ」みたいな各々の知識を教えてもらえるという感じなのですが、こういった「解説」の会話パターンが多くを占める関係で、本人や里の誰かの性格やエピソードを教えてくれるような、いわゆる「世間話」にあたる会話パターンが見逃されやすいキャラなんですよね。
里や集会所の進行度が上がって、新規の世間話が追加されているのに、話しかけても解説用の会話パターンが多くて埋もれてしまったりすることもありますし、時期によってはそもそも追加されないというパターンも確認しています。
私も一応、里NPCの会話クリップ収集をしていた際には、緊急クエストの前後で各キャラに何度も話しかけて確認するようにしていて、この4人には特に入念に(10~多くて20回ほど)話しかけているつもりなのですが、進行度が上がっても、世間話の方の会話パターンの新規追加が確認できないケースも多く(新しい解説は増えているような気はするのですが、解説の台詞を記事に載せる予定がなかったのであまり厳密に記録していませんでした)、彼らの世間話を全部集められているのかどうかは未だに大きく不安が残る部分だったりします。ストーリー2周目コースか……。
これはいわゆる悪魔の証明というやつで、新規の会話パターンが「ない」ことを確定することが難しいんですよ。例えばハネナガに20回話しかけて「よし、このタイミングではハネナガの世間話は追加されてないんだな」と思っても、21回目に話しかけたらそこで新規の会話が聞ける可能性も0ではありません。
しつこく何度も話しかけて「なさそうだな……」と思ったところで切り上げているので、おそらく大きな収集ミスはないだろうと信じてはいるのですが、もしかしたら2周目で見逃していた会話を大量に見つけることもあるかもしれません。ですので、冒頭の注意事項にもございますが、この記事はとくに後で大きく加筆修正の可能性があるということを重ねて申し上げておきます。なにとぞご了承を。
4人の中でも、イヌカイに関しては主要NPCのイオリやハモンとの関係が深いからか、世間話の会話パターンは他の里NPCと遜色ない量が確認できたため、ちゃんと話しかければ彼の人となりを深く知ることができたのでまだ良い方なのですが、ハネナガとセンリ、そしてシルベに関しては、私の方で確認できた限りでは、世間話の会話パターンがかなり少ないんですよ(もしかしたら私が見逃しているだけで、他にも眠っているのかもしれませんが)。
どのタイミングで話しかけても案内や解説を聞くことができる、というのはプレイヤーへのガイドとしては非常にありがたい一方、そのぶんだけ本人の人物像や人間関係の話の方が割を食ってしまうため、キャラ考察をする身としては微妙に悲しいポイントだったりします。
だからこそ、そんな不遇気味なキャラの世間話もちゃんと取りあげていきたいぜ! というのが本記事の目的です。
①ハネナガ
まずはハネナガの方からいきましょうか。
よう、俺の名はハネナガ。見ての通りのハンターさ。
アンタは、なりたてホヤホヤの新米ハンターらしいね。じゃあ、俺の後輩ってワケだ。
でも、俺はこの里のハンターじゃないんだ。遠い村からやってきて、ここの居心地がいいから、滞在させてもらってるのさ。
まあ、同じハンター同士、仲良くやっていこうな。
(里☆1 ハネナガ)
ハネナガは少し前に他の地域からカムラの里に来て滞在しているハンターで、ハンター歴でいえばプレイヤーの先輩にあたります。どこの村から来たのか? というのは気になるところですが、作中では語られることはありません。遠くの、というくらいですから、カムラの里の近くにあるらしいユクモ村とかではないような気がしますね。
ハネナガは、ストーリーが進むごとに大翔蟲を渡してくれる、という印象を持っているプレイヤーが多いでしょう。主人公の前で先輩風を吹かせたいというフシも若干あるものの、後輩の活躍を応援してあげたい! という感じで気持ちのいい性格です。
彼がいつ頃からカムラの里にいるのか? というのも彼の口からは語られないのですが、いくらか推測できるような台詞はあったりします。ゲームスタート時(ヒノエとお買い物中)のときのハネナガの会話を見てみましょう。
よう、俺の名はハネナガ。最近ここを拠点にしているハンターさ。
まあ、詳しい自己紹介はあとだ。アンタ、今あの女性とお買い物中だろう? じゃあ、そっちを優先しなきゃ。
(ゲームスタート時 ハネナガ)
注目すべきは「あの女性」という部分。これは主人公とお買い物をしているヒノエのことを言っているのですが、もし彼がヒノエの名前を知っているのであれば、ここは「ヒノエさん」とかになるはずです。
新天地で出会った人の名前をすぐに記憶する、というのもなかなか難しい話ではありますが、ある程度の期間、だいたい1~2か月もあれば、人の名前を覚えるのが極端に苦手でなければ、大体の人の名前は覚えられるでしょう。ハンターであれば受付嬢に用があることも多いと思いますから、ヒノエの名前は覚えやすい方でもあるはず。
彼がヒノエのことを知らないから「あの女性」と言っているのだとすれば、彼がカムラの里に来たのは本当につい最近ということになります(もしくは、後述する別の理由のためにヒノエの名前を知らないということもありえます)。
まあ、別の可能性も考えられるところはあって、「ヒノエの事は知っているけれどもヒノエとミノトの区別がついていないからごまかした」とか、「自分は最近里の外から来て間もない身なので、ヒノエの知り合いである主人公の前で馴れ馴れしく名前を呼ぶのはよそうと思ったから」とか、そういう線もなくはないんですけどね。いずれにしてもこの台詞は、里に来たばかりのハネナガがカムラの里とどれくらいの距離感なのか、というのがよく分かるセリフです。
ハネナガは翔蟲の色々な使い方や環境生物の知識、狩猟のテクニックなどをプレイヤーに教えてくれる存在です。とくに翔蟲については大きな関心を寄せているようで、ハネナガのアドバイスは翔蟲に関するものが一番多いです。アドバイスといっても、「こうするといいぜ」的な感じで教えてくれる時もあれば、翔蟲に関してはとくに「翔蟲って○○が出来てすごいんだな~」という感じで、ハネナガ自身が使ったり学んだりした感想を聴かせてくれるという形で教えてくれる時も多いです。
メタいことを言えば、おそらく「作中の主人公ハンターはカムラの里の狩猟技術をハンター修行でウツシから教わっている」ということと、「プレイヤー(私たち)はカムラの里の狩猟技術を知らない」ということとの間に矛盾を発生させないために、彼のポジションが必要だったんでしょうね。
仮に、翔蟲の扱い方などをウツシ教官から聞ける、という風にしてしまうと、「ハンター修行の時に既に主人公に教えているであろう知識を、主人公が正式にハンターになってから伝授してくるのは順序としては変だ」というツッコミどころになってしまいます(里クエストの最初のウツシ教官のチュートリアルクエストに関しては、ハンターになったからこそ今一度基礎のおさらいが大事だ、という理由が述べられていましたね)。
そこで、「面倒見がよく後輩に何かとアドバイスしたい性分である」「里の外から来てカムラの里の狩猟技術に驚いており、それらを使ったり学んだりした感想を伝えてくれる」というポジションのハネナガにこうしたアドバイスを言わせることで、その辺りの違和感が出るのを防いでいるのでしょう。
カムラの里の雰囲気を気にいってくれている様子のハネナガは、里に百竜夜行が迫ってきたときにも、ハンターとして喜んで協力してくれます。
百竜夜行が来たらしいな。
俺はよそから来たハンターだけど この里にはすごくよくしてもらってるし、よろこんで力を貸すよ。
砦に近い大社跡の方面じゃ、幽霊だなんだと不穏なウワサもある。お互い、油断禁物でがんばろう。
(里☆3百竜前 ハネナガ)
「力を貸す」ということが決定事項として言われているということは、ハンターズギルドにおいても、百竜夜行が発生する地域を拠点とするハンターは、本人の出身地に関わらず百竜夜行の防衛に参加してよい(するべし)という指令を各地のハンター達に出しているのでしょうね(フゲンはロンディーネが防衛戦に協力したいと申し出たのは断っていますが、これは彼女がハンターの身分を公開しておらず、里としては外国から来た交易商=「客人」という扱いになっているから、というのが大きな理由です)。
砦の中で肩を並べて狩りをすることはできないものの、百竜夜行の防衛でも一緒にモンスターたちと戦ってくれる……ということで、気になるのはハネナガのハンターとしての実力です。里ストーリーのマガイマガド討伐後にハネナガの狩猟経験を教えてもらえるのですが……プレイヤーはそこで、ちょっと衝撃の事実を知ることになります。
俺の見込んだとおりの腕前だったな。アンタは、とんでもないハンターになると思ってたよ。
もうすでに、俺の実力なんてとっくに超えてるだろうな。……あ、いや、冗談ではなく、本当に。
だって俺、ハンター歴は長いけど、ちゃんと狩りに行ったのは数回なんだよ。なまけグセがひどいもんでさ。
でも、活躍してるアンタを見てると、心が燃えるように熱くなって、狩猟への意欲がよみがえってきたよ。
久しぶりに、一狩り行っちゃおうかな…。
(里☆5 ハネナガ)
なんと彼、狩猟に行った回数はたったの数回……。イズチ装備一式という彼の格好を見るに、この一式装備を揃えるまでオサイズチを倒したというのは確かのようですが、それ+α程度しか狩りに行っていないとすると、彼のハンターランクは多く見積もっても2程度ということになります。
この台詞がなぜ驚きなのかというと、彼が非常に物知りでベテランっぽいからという印象とのギャップもあるのですが、ここに至るまでに2回もフリがあるからなんですよ。
まず1回目のフリ、里☆3百竜夜行のあと、マガイマガドが出現したことを知ったときの彼の台詞がこちら。
マガイマガドが出たらしいな。俺もウワサには聞いたことがあるよ。
百竜夜行の中にいるときは、周りのモンスターを捕食して力を得るらしいから、狩るのは至難の業だ。
真っ正面からやりあったんじゃ勝ち目は低い。何か対策が必要だな。
(里☆3百竜後 ハネナガ)
百竜夜行のあるカムラの里出身でないながらもマガイマガドの名前は知っていることや、「何か対策が必要だな」とやたらと冷静な分析の感じからして、ハネナガはマガイマガドを自分で狩ったことはない(マガドの依頼がくるランク帯ではない)にしても、リオレイアとかボルボロスとか、その辺の中堅どころを相手にした経験がある、くらいのレベルではあるのだろうとこの時は思うわけです。
そして2回目のフリ、主人公がマガイマガドに挑む直前の台詞がこちら。
マガイマガドとやるらしいな。アンタの腕前は、すでに俺と互角か、それ以上だ。かならず狩れるさ。
狩りは人を大きく成長させる。マガイマガドを狩って、さらに成長したアンタと会えるのを楽しみにしてるよ。
(里☆5 ハネナガ)
「アンタの腕前は、すでに俺と互角か、それ以上だ」という言葉を大真面目に受け取るならば、ここでようやく自分は先輩であるハネナガに実力が肉薄したのだろうとプレイヤーは思うわけですね。後輩である主人公の実力を認め、「狩りは人を大きく成長させる」と、何やら壮大なフレーズで応援してくれる先輩。
……のはずが、フタを開けてみれば狩猟経験はたったの数回というわけですから、もうフリがあまりにも丁寧すぎるとしか言いようがありません。いやまあ、「俺と互角か、それ以上」っていうのは、確かに論理的には間違ってないんですけどね。間違ってはいないんですが……うーん………。
いちおう、ハネナガのなまけグセがひどいということの伏線は、序盤の方で少し張られていたりもするんです。
いいところに来てくれた。アンタにひとつ頼みがあってな。
イシモリトカゲという環境生物のことがどうしても詳しく知りたいんだ。撮影してきて、俺に見せてくれないか?
自分で撮りに行ってもいいんだが…。まあ、ちょっと用事とか…が、な。
アンタの訓練にもなるだろうし、お礼も用意しておくから頼んだよ。
(里☆3 ハネナガ)
ハンターであれば自分で狩り場にも行けるでしょうに、ハネナガが自分でイシモリトカゲの写真を撮りにいかない理由。ここでは「用事がある」と誤魔化していますが、おそらく「自分で撮りにいくのが億劫だった」というのが本当のところなのでしょう。
この件に限らず、ハネナガは2回ほど環境生物リストの収集依頼をしては、主人公の持ち帰ったリストを見て初見の反応のように驚くという様子を見せており、こちらも伏線と言えるかもしれません。
依頼を出すときのハネナガは、いかにもこう「先輩からの試練だぞ」的な口実でサイドクエストを課してくるのですが、持ち帰ったときの反応はそれと非常に対照的。リアクションの大きさからして、1匹や2匹知らない子がいたどころの話ではなく、新しい地方のポ〇モン図鑑を開いたみたいな感じでリストの大半が知らない環境生物だったのでは? という印象を受けます。主人公にそのことを悟られないようにするためか、直後に「取り乱したな」とフォローしていますが、ここで不審に思ったプレイヤーも決して少なくないことでしょう。
彼は何というか、ゲーマーで例えると、自分でゲームをするより攻略本や攻略サイトを見ることに時間を費やすタイプという感じがしますね。狩り場の情報収集のために主人公が体よく利用されているのではないか、というのも否めないところではあるのですが、知識を増やすのが楽しいという感覚は分からないでもありません。
まあ悪く捉えれば、知識量を以て自分を実際より大きく見せようとしてしまうタイプと言えなくもないのですが……彼は根はいい人間ですから、この解釈はさすがにネガティブが過ぎるというものでしょう。
いちおう、主人公の活躍を見て彼も気合が入ったのか、環境生物を捜しに大社跡に行ったという話もあとで聞くことができます。
この間、珍しい環境生物をみたんだ。大社跡の三町の近くで、尻尾がでかい… 大きいキツネ…かな?
たま~に、珍しい環境生物が現れることが、どこの狩り場でもあるみたいだ。
意外に人懐こい子たちばかちで、あいさつをすると返してくれるらしい。見つけたら、試してみるといいぞ。
(里☆6 ハネナガ)
どうせならモンスターを狩りに行った話を聞きたかった、というのはやまやまですが、実際に大社跡に出かけて探索をしたというだけでも、今まであまり狩場に出かけていなかった彼にとっては大きな進歩でしょう。
ハネナガのハンターとしての実力は未知数ではありますが、ストーリーで初めてイブシマキヒコが出現することになるヌシ・アオアシラ百竜夜行の前には、彼の隠れた才能を思わせる鋭い考察を見せるシーンも。
大規模な百竜夜行が来たらしいな。なんでも、「ヌシ」と呼ばれるアオアシラが率いてるんだとか。
そんな百竜夜行もあるんだな。それにしても、前触れもなく大規模なのが来たことに違和感があるのは俺だけか?
徐々に大きくなったんじゃなくて、いきなりでかい百竜夜行が出現して、しかも「ヌシ」が率いてるなんて…。
……まあ、考えすぎかな。
(集会所☆4緊急前 ハネナガ)
なんと彼はこの時点で、百竜夜行の裏に潜んでいる何者かの存在を、遠からず言い当てているんですよね。さすがに「古龍の威風がモンスターを追い立てている」というのを0から推測するのは不可能ではあるにしても、一般に自然災害は徐々に規模を大きくしていく傾向にあるのにも関わらず、ここにきて百竜夜行の勢力が急に増長し、かつモンスターの群れの性質自体も変化しているというのは違和感がある(→モンスターたちに大きく干渉する何らかの外的要因がある可能性があるのではないか?)という感じで、マキヒコの存在を予見しています。
ヌシアオアシラ百竜夜行の事前段階では、ヒノエとゴコクが「何か嫌な予感がする」と言っており、2人は感覚的なレベルでイブシマキヒコの出現を予見しているのですが、論理的な推論のレベルでマキヒコの存在に辿り着いているのは私の知る限りハネナガのみであり、ハンターらしいモンスターへの深い思考、彼の底知れない才能が垣間見えるシーンです。
まあこの場合、ハンターというよりはどちらかというと安楽椅子探偵(※)の才能という気がしないでもありませんが……。いずれにせよ、「考えすぎかな」という彼自身の過小評価とは裏腹に、持ち前の知識と嗅覚がこの推論を導き出したと言えるのではないでしょうか。
※安楽椅子探偵:自分で事件現場に赴くことはなく、伝聞の情報のみで事件の真相を推理する探偵のこと。推理小説『隅の老人』がこの先駆けと言われている。そういえばハネナガも、たたら場エリアの隅の方にいるNPCであるが、これはもしかすると……。
このイブシマキヒコの出現を境に、ハネナガの台詞はカムラの里に深く感情移入してゆくような傾向が強くなります。カムラの里の温かな雰囲気に触れ、百竜夜行の防衛で共に戦い、ついには災禍の元凶たる恐ろしい古龍にも遭遇した……そういう出来事の積み重ねの中で、「里の外から来てここを拠点にしている」以上の特別な思い入れが湧いてきたのでしょう。イブシマキヒコ百竜夜行の前後の会話で、彼は次のようなことを口にします。
百竜夜行って、ものすごい昔からこの里を苦しめてる災禍なんだよな?
だけど、アンタがハンターになってから、どんどん解決に向けて自体が進んでる。もう、元凶のシッポをつかんでるわけだし。
こういうのはキザだから言いたくないけど、アンタは、百竜夜行を終わらせる宿命の元でハンターになったのかもしれないな。
(集会所☆6百竜前 ハネナガ)
百竜夜行はまだ終わらないみたいだけど、落ち込む必要はないさ。とりあえず、一歩前進には違いない。
アンタは、この災禍を終わらせる宿命があるんだ。油断することなく待っていれば、かならず突破口が見えてくるはずさ。
(集会所☆6百竜後 ハネナガ)
「宿命」と言われると、なんだか中二病胸が熱くなるような、逆に少し恥ずかしいようなという感じですが、主人公が運命的なタイミングでハンターに認められたのは確かな事実。カムラの里の存亡を背負った主人公の戦いを、彼なりに全力で応援してくれているようですね。
雷神の討伐前には、主人公にナルハタタヒメ討伐の命を伝える集会の様子を見た感想を教えてくれます。
カムラの里の一致団結ぶり… 感動したよ。あの団結があったからこそ、百竜夜行にも耐えてこられたんだろうな。
早く、この里が災禍から解放されて欲しいよ。みんなが、心から笑ってる光景が見たい。
この里で育ったアンタなら、俺よりもそう思ってるはずだ。がんばってくれよ、カムラの里のハンター。
(雷神討伐前 ハネナガ)
カムラの里の固い団結に深く感慨を覚えるハネナガ。カムラの里の平穏を一緒に願って貰えるのはこの上なく嬉しいところですが、なんかこう、言葉にアニメの台詞的なエモさを込めてきているというか、かっこいいんだけどちょっとだけクサいというか、芝居がかっているというか……そんな台詞をさらりと言えてしまうのは、彼も相当肝が据わっていると思います。
そして雷神討伐後の彼の会話がこちら。
龍の執念、恐るべしだな。イブシマキヒコもナルハタタヒメも、まだまだやる気みたいじゃないか。
「つがい」のモンスターが一緒になると本当にやっかいだ。しかも古龍となれば、何が起こるか想像もつかない。今は、龍と共鳴している受付嬢姉妹さんが頼りだな。場所を見つけ出して、2体が遭遇する前にケリをつけないと…。
(雷神討伐後 ハネナガ)
「2体が遭遇する前にケリをつけたい」「ヒノエとミノトが古龍を発見する頼りだ」そろそろ名前覚えてくれと、ハネナガも「百竜夜行を終わらせたい」という願いを自分を主語にして語るようになっており、なんだか彼もカムラの里の一員であるかのような雰囲気に。
……いいえ、一員である「かのような」ではなく、これまで砦の防衛で一緒に戦ってくれたことや、そして彼のカムラの里への感情移入の深さからしても、彼はすでに十分すぎるほど、カムラの里の家族の一員と呼べる存在になっていると思います。ロンディーネなどにも言えることですが、カムラの里は、里の外から来た人をも自ずと「家族」にしてしまう、不思議な包容力のある場所なのでしょう。
じっさい彼は、淵源ナルハタタヒメ討伐後に話しかけに行くと、「カムラの里に永住したい」ということを言い出します。
里が百竜夜行から解放されるってんで、さらに活気が増してきたな。ホントに嬉しいよ。
あー! やっぱ俺、この里のことが大好きだなー!
永住しちゃおうかなー!
(淵源討伐後 ハネナガ)
カムラの里がすっかり気に入ってしまった様子のハネナガ。なんかすごい青春してます。私としても、カムラの里の家族が1人増えるのですから、歓迎しないわけがありません。
ちなみに、ハネナガはハンターとしての狩猟の仕事はどうするのかという話ですが、百竜の淵源に挑む前、彼は主人公とこのような約束を交わしていました。
「つがい」の古龍が出会うとき、果たしてなにが起こるのか…。俺は怖いよ、正直なところさ。
それに挑むってんだから、アンタは大したもんさ。尊敬してるよ。先輩、後輩関係なしにさ。
無事で帰ってこいよ。帰ってきたら、一緒に一狩りにいこうぜ! …あ、えっと、獲物は弱めのヤツで…な?
(淵源討伐前 ハネナガ)
主人公と一緒に狩りにいきたい! と彼のほうからお誘いが。主人公はアヤメさんが現役復帰したら一緒にデート狩りに行くという約束もありますし、人気者はつらいですね。それにしても、「一狩りいこうぜ!」で全然いいところを、わざわざ「一狩りにいこうぜ!」という、ビミョ~に歯切れの悪い助詞が挟まっているのが非常に印象的です。とはいえなんだかんだで、これまで主人公の先輩ポジを貫いてきたハネナガが、先輩後輩とかなしで応援すると言ってくれているのは嬉しいポイントですね。
とりあえず、リオレイアとかその辺まで進めて、ハネナガはイズチ一式を卒業しないと……なるほど、これがキャリーってやつですか。
さて、会話を聴き逃していると「大翔蟲くれる人」で終わってしまうハネナガがどんな人物なのか、少しでも皆さんにお伝えできましたでしょうか。ハネナガのキャラ考察はこの辺といたしまして、次はセンリの会話を見ていくとしましょう。
②センリ
郵便屋のセンリはマルチプレイをすることが多いハンターにとっては、幾度となく話しかけたことがあるキャラクターだと思います。オンラインプレイには欠かすことのできないキャラですが、一方で世間話の方はというと、更新頻度や内容のパターンは他のキャラと比べてさほど多くはないものの、たたら場前エリアということもあって要所要所で新しい会話が増える感じ。さっそく見ていきましょう。
まあ、カムラの里がこういう状況だから、お手紙のやり取りもなかなかたいへんになったぞニャ。
で、郵便屋としてはヒマになるかな~と思ってたら、里長から「オンライン」と「オフライン」の仕事を託されたのニャ。
まあこれも、里長がオイラを信頼している証拠ニャ。フフッ、できる郵便屋はヒマなしぞニャ。
(里☆1 センリ)
「~ぞニャ」というシブい語尾が特徴のセンリ。ご存知の通り、オンライン・オフラインの切り替えは元々は彼の本業ではなく、百竜夜行で郵便屋としての仕事が減ってしまった彼にフゲンが新しく託した仕事です。この世界には電子通信の技術はまだ使われていないようですから、郵便物を届ける手段は人力によるか、緊急で送る場合はフクズク等に伝書をしてもらうのが主となるでしょう。そうした郵便物を運ぶ役割―—私たちの世界でいうところのいわゆる「飛脚」がセンリのお仕事。
「オンラインとオフラインの切り替え」はゲーム内の設定としては、里の外のハンターに「今カムラの里に来ても良い/ダメ」の情報を発信するということになっています。切り替えの度に他の地域に自分の足で出向くのはさすがに無理がありますから、恐らくは近隣地域の他の拠点に向けてフクズクによる伝書をしたり、船着場を通じて水路経由でお知らせをしたりという感じで発信を行っていると考えられるでしょう。
本業の郵便屋はしばしのお休み……ではあるものの、別の仕事をしているこの期間にも飛脚のためのトレーニングは継続しているらしく、彼のストイックな性格が窺えます。
そんなセンリですが、彼はモンスターの気配をヒゲで察知できるという能力があるようでして、百竜夜行の前やマガイマガド討伐前などに、「ヒゲがピリピリしているニャ」という話を聞くことができます。
おう、百竜夜行が来たそうだニャ。
なんか、砦の方角を見るとヒゲがピリピリしやがるぞニャ。里に戻るまで、油断してはならんぞニャ。(里☆3百竜前 センリ)
まぁた、ヒゲがピリピリしとるニャ。これはマガイマガドのヤツめ、めちゃくちゃ怒り狂ってるぞニャ。
きっと、ハモンさんの「からくり」にしてやられたもんで、悔しいんだニャ。はっはっはー、ザマァ見ろだニャ。
じゃあ、○○。怒り狂って恐ろしい状態のマガイマガドをがんばって狩ってくるニャ。
(里☆5緊急前 センリ)
この能力、アイルー種族ならだれでもそうなるような特徴なのかというとどうもそういう訳でもないようで、カムラの里にはたくさんのアイルーの住民がいるものの、ヒゲがピリピリするという台詞を聞けるのはこのセンリのみ。
ヒゲというのは確かにアイルーの特徴であるにしても、おそらくこの能力は、普段は飛脚として働いている彼ならではの能力なのでしょう。カムラの里と他の地域とを飛脚は徒歩で往来するわけですが、その道のりは当然ながらモンスターに襲われるリスクが伴います。
コミュニケーションや情報伝達は人間社会の文化形成には欠かせない仕事であるものの、同時に危険がつきまとう仕事でもあり、現在は百竜夜行によるハイリスク状態につき外出の頻度を減らしているようですが、平時でも小型大型問わず道中でモンスターが襲ってくる可能性がありますから、その中を往来する郵便屋はそれらの脅威を事前に察知して安全を確保する必要があります。
モンスターの接近にヒゲが反応するというセンリの能力は、モンスターの接近を感覚的に察知して危機管理をするという、ベテランの郵便屋ならではの能力、あるいは研ぎ澄まされた本能というものなのでしょう。
彼自身の口からは決して語られることのない彼の仕事の大変さを間接的に示すものであると同時に、人間に対するモンスターの力が強大で驚異的であり、人間社会が世界各地にある種分断されたような形で点在しており(現代の先進国のように、人間が自然環境を自由に加工して、他の生物を排斥しながら広大な安全圏を築くだけの力が人間にはない、もしくは自然との共存のためにそれを意図的に忌避していて)、さらにパソコンや電話といった通信技術もそれほど発達していないという事情から、離れた場所とのコミュニケーションを取るにも命懸けであるという、モンハン世界の自然の厳しさの一端を伝えるものでもあります。
マガイマガドが出たそうだニャ。オヌシら、危なかったぞニャ。翔蟲がなかったらきっと逃げ切れなかったぞニャ。
しかし、マガイマガドを狩猟できれば一流のハンターぞニャ。里長からの狩猟の任務、がんばって達成するぞニャ。
(里☆3百竜後 センリ)
じっさい、里☆3百竜夜行でマガイマガドに遭遇した後に聞ける上記のセンリの会話は、「翔蟲がなかったら危なかった」という非常に具体的なコメントを残している辺りから察するに、彼自身もかつて(おそらく郵便を運ぶ道中などに)モンスターに遭遇して、間一髪難を逃れた経験があるような雰囲気を感じさせます(この台詞以前に、飛脚という仕事からしてもそういう経験が1回もないというのは考えにくいですね)。
ついでに少し脱線しますと、カムラの里における「翔蟲」がハンターや里守にのみ利用を許可されているものではなく、非戦闘員の一般人でも、ハンターが使う鉄蟲糸技などは不可能にしても普通に疾駆けによる素早い移動のために手軽に使えるということであれば、他の地域との往来は飛躍的に安全になると言えるでしょう。
もちろん、翔蟲もつねに使いっぱなしにできるわけではありませんし、大型モンスターの足は翔蟲のスピードに食らいついてきますから、翔蟲があっても危険は危険なのですが、それにしても徒歩や、荷台を動物に引いてもらうなどの移動に比べれば遥かに低リスクです(ガルクに騎乗しての移動も翔蟲と同等以上に素早いですが、現状こちらは作中でも「猟犬」と言われるように、あくまでも狩り場におけるハンターの補佐として考えられている印象です)。
狩場でない道にも大翔蟲はいるでしょうし、荷物が多すぎなければ(といっても、ハンターも背中に大剣を背負ったり大タル爆弾Gを持ったりしながら糸に掴まっていますが)これも移動に使えるでしょうから、ただでさえ他の拠点地域からのアクセスがさほど良くなさそうなのに加え、高低差も多くモンスターに遭遇するリスクもあるカムラの里内外の交通の安全にも、翔蟲はかなり貢献していると考えられるのではないでしょうか。
翔蟲も生物なのであまり好ましい例えではありませんが、これは我々の世界でいうところのチャリであり、翔蟲がカムラの里周辺以外の環境に順応するかどうかという点はいったん置いておくとしても、割と簡単に使える上に一般人でもモンスターの追跡を振り切れるレベルのスピードで移動できる翔蟲が人類社会に浸透していけば、割りと大真面目にちょっとした革命が起こると思います。
ハンターはもちろん非戦闘員でも、モンスターから逃げやすくなるぶん人命が失われるリスクも減るでしょうし、人の往来が容易になるぶん各拠点の地域的な孤立も少なからず緩和され、交流も多くなるでしょう。行商人や交易商、センリの郵便屋のような、モンスターに出くわすリスクを伴いつつ地域間を移動する仕事も、だいぶ安全になるのではないでしょうか。
さて、話を戻しますと、そうしたハイリスクな飛脚の仕事に練達している点といい、マガイマガドに「ザマァ見ろだニャ」と言ってのけるところといい、センリはなかなか肝が据わった性格のようです。
マガイマガド討伐を控えるハンターに、「怒り狂って恐ろしい状態のマガイマガドをがんばって狩ってくるニャ」と冗談めかしつつもきちんと警告をしてくれているように、戦闘要員ではなくとも仕事柄モンスターの危険も熟知していますから、ヒノエがイブシマキヒコと共鳴して里中のムードが落ち込み気味な中でも、ひときわ冷静なコメントを残しています。
ヒノエの一件、痛恨の極みぞニャ。まあ、百竜夜行ほどの災禍で 完全な無傷で済むとは思ってないぞニャ。
青い龍をどうにかせんと、またヒノエが苦しい思いをするぞニャ。うーむ、はがゆいぞニャ。
(集会所☆4 センリ)
入念に準備を重ねてきたカムラの里ですから、50年前の時のような大惨事に至ることは今回はないにしても、予期せぬ事態の一つ二つが起こることは当然予想されうることです。何事もなく無事に災禍を乗り切りたいというのはやまやまですが、そうした願望ばかりでは非常事態のショックに対処できませんから、いずれ何らかの被害は受けるだろうという想定で身構えられるセンリの落ち着きは得がたい資質です。
ヒノエのことを「ヒノエ」と呼んでいるあたりからしても、意外とセンリはカムラの里では年長者の方という感じがしますね(年少者や同世代はヒノエに「さん」付けすることが多い)。続く☆6百竜夜行でマキヒコを仕留め損ねたときにも、年長者らしく主人公ハンターを励ましてくれます。
ヒノエはイブシマキヒコから解放されたけど 百竜夜行は解決せず…。よかった半分、ざんねん半分だニャ。
まあ、ずっと昔から続く災禍が、そう簡単に解決するわけもないぞニャ。もうちょっと、がんばるぞニャ。
(集会所☆6 センリ)
イブシマキヒコとの共鳴からヒノエは解放されたものの、マキヒコ本体の方は取り逃がしてしまい少し落ち込み気味のムードの時にもこの一言。物事を長い目で見ている感じが、なんだか兄貴分という風格があります(センリと会話するときにいつも見られるポーズ、右肩に担い棒を乗せ、左半身を前に乗り出して前傾になる感じのこのポーズも、兄貴感を加速させているような気がします)。
センリの兄貴オーラを感じさせる台詞は他にも。
おう、○○! ナルハタタヒメをやっつけて、おいしいところを全部持って行くがいいニャ!
気合は足りとるかニャ? なんだったらオイラが、肉球ビンタで気合を入れてやってもいいぞニャ。
……ん? だいじょうぶ? じゃあ、さっさと行ってくるのニャ。
(雷神討伐前 センリ)
アイルーの肉球というと、柔らかそうですし頬をはたかれるくらいならあまり痛くなさそうなイメージ……だったのですが、現実の猫の猫パンチは痛いのかどうかググってみたところ、加減のないものであれば相当痛いらしいですね。
主人公ハンターにも丁重にお断りされているあたり、主人公は過去にもセンリに闘魂注入の肉球ビンタをもらったことがあるのでしょうか。センリも少年漫画のキャラクターのように、大事なことは拳で語るタイプなのかもしれません(肉球ですが)。先述のストイックなトレーニングぶりといい、SASUKEとかにいそうな感じですよね。
そんなわけで、カムラの里の隠れた強キャラ感あふれるセンリのお話はここまで。いつもマルチプレイの用事でしか彼に話しかけることがないプレイヤーも、2ndデータなどを進める機会があれば、ぜひ世間話のほうも聞いてみてください。…さて、最後はオトモ広場のシルベの紹介です。
③シルベ
……実はシルベは、私が確認できている限りでは先のハネナガ、センリよりも更に、もう本当に世間話のパターンが少ないNPCでして。ゲーム的には「アキンドングリとオトモチケットをくれる人」として認知されていることかと思いますが、世間話をあまりしたことがないというプレイヤーも多いはず。新規の会話が追加されるタイミングが本当に限定的なキャラクターなんですよね……。そんなわけで、この記事で一挙紹介していきたいと思います。
シルベはオトモ広場の管理人であり、広場を訪ねるハンターの窓口・案内役のほか、オトモの育成の管轄も務めています。彼に「世間話」で話しかけた時の台詞はほとんどがオトモ広場にいる誰か(イオリ、コガラシ、ロンディーネ一行)の紹介であり、日常会話的な新規のセリフが追加されるタイミングは、主人公が何らかの重要な戦いに挑む前後が主となっています。
里☆1でオトモ広場の紹介をしてもらった後、次にシルベの新しい日常会話セリフが確認できたのは里☆3緊急百竜夜行でのマガイマガド出現後。
マガイマガドが出たとき、イオリくんも一緒だったって聞いたニャ。
大丈夫だったかニャ… イオリくん、帰ってきてからずっと難しい顔をしてるニャよ。
ケガしたわけじゃ、ないのニャね? ならいいんだけどニャ…?
(里☆3百竜後 シルベ)
マガイマガドの襲撃を間一髪で躱して無事に帰ってきたものの、「里を守るとは~」というフゲンの問いに思い悩むイオリを気にかけています。
そしてこの次が、そのマガイマガドを討伐した後になります。
○○さん、マガイマガドを倒したニャね~!
ボク、ゴコク様が描いたマガイマガドの絵を見せてもらったけど、……うう、思い出しただけで震えるニャ。
あんな恐ろしい見た目のモンスターを、よく狩猟できたニャね。○○さんはすごいのニャ。
(里☆5 シルベ)
里ストーリーの節目節目でやっと聞くことができるシルベのセリフ。この2回の台詞は私自身も、「やっと日常会話ができた……!」とかなり嬉しさを感じるポイントでした。シルベはテキスト総量が少ないのが寂しいところではあるのですが、逆にこういう大局のときにだけ会話が変化するという意味では、逆に特別感を得られるキャラクターでもありますね。
次にシルベのセリフが増えるのは、これまた随分間が空いてイブシマキヒコ百竜夜行の撃退後になります。
○○さーん! ついにイブシマキヒコ、倒したニャね!
すごいニャ~! さすが、○○さんだニャ!
百竜夜行はまだ続くってコガラシさんも言ってたけど それもきっともう一息なのニャ!
(集会所☆6百竜後 シルベ)
シルベはオトモ広場のまとめ役をしていることから、おそらく他のアイルーたちよりも年長者ということもあり、発言にかなり余裕が感じられるんですよね。主人公や里のみんなへの信頼が厚く、「ぜったい大丈夫だから」と極めてポジティブな発言が印象的です。それは、オトモ広場の年少のオトモたちを不安がらせないために多少意識的に言っているものなのか、本人の前向きな性格に基づくものなのか、どちらも含まれているような気がいたしますが、こちらをどこか安心させてくれるものがあります。
雷神クリア後の台詞にも、その性格が同じように表れていますね。
イブシマキヒコだけじゃなくて ナルハタタヒメまで倒してしまうなんてニャ~!
2体ともまだ生きてるって話だったけど、今、コガラシさんたちが調査してるから、だいじょうぶニャ。
見つかったら、また○○さんがズバッと倒してくれるニャね! ボクたちは安心して過ごせるニャ。
(雷神討伐後 シルベ)
瀕死のまま行方をくらませ、巡り合わんとしている古龍のつがいの事、そしてその直後にはドス古龍たちの襲来もあり、里のみんなも中々気が休まらないムードになっている中で、こうしたシルベの明るさは貴重なものです。
ただ主人公への信頼の厚さゆえ、百竜の淵源討伐前にはこんなおもしろ発言をかましています。
2体の古龍が見つかったニャ。広場にいるオトモだちも、少し緊張している様子だニャ。
でも○○さんが倒しに行ってくれるのなら、大船に乗ったつもりで待ってるニャ。
○○さんはムテキなんだニャ。相手が2体だろうが200体だろうが、楽勝で帰ってくるニャ!
(淵源討伐前 シルベ)
古龍200体……百竜の淵源100周分です。カムラの里のハンターでもさすがに200体は中々厳しいぜ…という所はありますが、シルベなりに主人公を勇気づけるための軽い冗談ということで受け取っておきましょう。それだけ主人公の狩猟の腕に信頼を置いてくれているという何よりの証左でもあります。この大局においても彼が動じない姿を見れば、周りのオトモたちの緊張も少しは和らぐでしょうし、年長者らしい悠然とした態度ですね。
そしてもちろん、最後の戦いから帰ってきた後にも、シルベは主人公に声をかけてくれます。
○○さん、おかえりニャ。やっぱり相手が古龍だろうが、楽勝だったニャ。
○○さんが討伐成功したと連絡が入ったとき、もちろんみんな喜んだけど…
○○さんが無事だと連絡が来てさらにワーッと盛り上がったニャ。みんな、○○さんが大好きなんだニャ。
(淵源討伐後 シルベ)
あったけぇ……。淵源を討伐したこと自体ではなく、無事に帰ってきた事の方をこそ喜んでくれる里のみんなの、なんと愛おしいことか。こういう時のシルベの立ち位置を見ていると、彼は主人公や里の仲間たちを後ろから応援してくれるタイプという感じがしますね。
フゲンやゴコク、ヒノエミノトやヨモギ、ウツシといった主要NPCが、主人公の近くで一緒に戦って応援してくれるタイプだとすれば、シルベのようなキャラは、少し遠くから皆を見渡すように温かく見守ってくれて、皆が不安な時には芯のある前向きな姿勢で安心させてくれる、そして重要な時にはビシッと背中を押してくれるという、とても包容力のあるキャラクターという印象です。
それだけに、もう少し会話の量が多かったら更に彼の性格を知ることができたのに、という気がしないでもないのですが………。メタい話をすれば、オトモ広場のガイドの役割を常時担ってもらう以上、シルベの会話テキストをあまり日常会話だらけにするわけにもいかなかったのでしょう。彼はむしろ、「普段はあまり会話が変わらないけれど、重要な局面で新しいセリフが追加されていたときの特別感が魅力的なキャラ」と捉えることもできそうですね。
さて、本記事では日常会話テキストの少ない説明キャラクターという括りで、ハネナガ、シルベの会話を紹介してまいりました。2人とも、サンブレイクのアップデートで里クエストに上位以上のクエストが追加されることになれば、今よりも更に会話が増えたらいいな~と個人的には願っています。
とくに、狩猟の技術があるNPCが多いライズでは、いわゆるラスタシステム(狩猟クエストでプレイヤーと共に戦ってくれるNPCハンター)の導入についてもちらほら期待の声があがっていることもあり、もし実装されることがあれば、せっかく固有グラフィックもあるのですしハネナガも一緒に戦ってくれるのでは? と思ったりもするんですよね。もしくは百竜夜行が今後も続投するなら、召喚できるキャラクターが今後増えていくとか。
ライズの段階でまだまだスポットライトの当たっていないキャラクターが今後注目されていく機会もあったらいいな、といったところで、本記事はこの辺りで〆とさせて頂きます。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!