加工屋の愉快な弟子たち

※注意事項※

・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・本記事には、2021年12月17日発売の「モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録」の内容は含まれておりません(記事の執筆に影響が出ないよう、筆者は未購入です)。
 したがって今後公開される公式設定は、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。
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カムラの里の加工屋で働いているハモンの弟子は、話しかけられる住民だけでもナカゴ、コジリ、フクラ、ミハバと4人もおります。ライズに登場する会話可能なNPCは約30名ほど、そのうち加工屋関連の人がハモン含めて5人というのは非常に大きな存在感があります。

 

mhrisecharacter.hatenadiary.jp

 

以前の記事では、集会所の加工屋を務めるナカゴコジリを紹介いたしまして、親友であり何かと息ぴったりな2人の生活、まるで漫才のような彼らのかけ合いの魅力を知って頂きました。今回はたたら場前エリアで仕事をしているハモンの弟子、ミハバフクラの2人を紹介していきたいと思います。

 

ーーーもくじーーー

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①ミハバ

たたら場前エリアの加工屋にて、ハモンの隣で加工屋見習いとして修業をしているミハバ。彼はまだ修行中ということで店を持っているわけではなく、プレイヤーもゲーム的にはあまり話しかける用事がないので、いつもお世話になっている加工屋のメンツの中では唯一ほとんど話しかけたことがない……という方もいるかもしれません。

 

しかし、何を隠そう彼はヒノエに熱狂的な片想いを寄せている青年であり、話しかければ大抵ヒノエの話をしてきます。しかし、どうもヒノエ本人に声をかける勇気がないらしく、ヒノエに話しかけるの何らかの口実を作ってお近づきになりないけれども、いつも怖気づいてしまう自分へのもどかしさが彼の大きな悩み……。そんな彼の恋の行方に追っていきたいと思います。

 

ミハバは加工屋の見習いであるという話でしたが、百竜夜行が来るということで師匠のハモンの方は大忙し。弟子の修行をする時間を作ることができず、ミハバの方は時間を持て余している様子。彼も武具の手入れなど加工屋の仕事はありますから、まったくヒマというわけではないのですが、それにしても本来はハモンの修行を受けている時間の分、すっかり空き時間が出来てしまった彼が何をしているかというと…。

 

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○○! 無事、ハンターになったらしいな! おめでとさん!

こっちは百竜夜行が来ちゃったから、ハモン師匠が忙しくなっちゃって…。

弟子である俺の修行はしばし中断ってわけよ。まあ、しょうがないよな…。

だけど、落ち込んでなんかいないぜ! なぜなら、ヒマな時間はずっとあこがれのヒノエさんを見ていられるからな!

ああ、ヒノエさん…。カムラの里に眩しく輝く、俺の太陽…。おかげで今日も、俺の心はホカホカです…。

(里☆1 ミハバ)

 

ミハバさん……。修行がないにしても、何か他に有意義な使い方はないものかという感じがしないでもないですが、彼は空き時間ができたときはヒノエを眺めることに時間を費やしている様子。ミハバのいる位置がちょうどヒノエから良い感じに遠い位置ということもあり、ヒノエの方からは視線に気がつかれにくいでしょうから、奇しくもヒノエを眺めるベストスポットになってしまってるんですよね。

 

この空き時間をどうするかというのはミハバ的にも少し思うところがあるようで、彼はこの時間を活かしてどうにかヒノエにお近づきになる口実を作れないかと、あれこれ画策しているようです。

 

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よう、○○! 狩猟生活、満喫してるか?

俺は毎日ヒマでしょうがないよ。ハモン師匠が忙しくて、加工屋としての修行をしてもらう時間がないからさ…。

ああ、師匠が忙しい間、俺も○○みたいにハンターやってみようかなぁ…。

そうしたら、あこがれのヒノエさんに、「ハンターと受付嬢の関係」ということで堂々と話しかけられる…!

……いや、ダメだ! ヒノエさんの笑顔を直視してクエストを受注できる自信が、俺にはない! 俺の…いくじなし!

(里☆1 ミハバ)

 

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ヒノエさんが慌ててると思ったら、うさ団子が販売停止の危機だったらしいな。

くっ! いつも笑顔のヒノエさんをあそこまで同様させるうさ団子の魅力に、やきもち焼いちゃうぜ!

師匠が忙しくて修行が休みの間、俺、ヨモギちゃんにも弟子入りしてうさ団子を作ろうかなぁ…。

そうしたら、あこがれのヒノエさんに「うさ団子を売る」という名目で堂々と話しかけられる…!

……いや、ダメだ! ヒノエさんが食べるのにふさわしいうさ団子を作る自信が、俺にはない! 俺の…いくじなし!

(里☆2 ミハバ)

 

ハンターにせよ茶屋にせよ、よこしまな気持ちで始めるようなものではありませんから、彼もあくまで冗談で言っているとは思うのですが……主人公ハンターがヒノエに話しかけているのを目撃したり、うさ団子のことを聞いたりしたせいですっかり妄想が爆発してしまっています。好きな人とどうにか接点を持てないかと、色々なシチュエーションを想い耽ってしまう。片想いあるあるですね…。

 

よう、○○! ヒノエさんとお買い物中みたいだな…!

くっ…! うらやましいぜ! 俺も、いつかヒノエさんとふたりでお買い物したいぜ!

(ゲームスタート時 ミハバ)

 

ストーリーの冒頭、ヒノエと主人公ハンターが里のお店を巡っているときにミハバに話しかけると、ヒノエと2人でイチャイチャお買い物している主人公ハンターのことを彼は遠目で見ていたらしく、主人公に「羨ましい」と言ってきます。

 

冒頭時点では里の住民たちに話しかけても「ヒノエとのお買い物を優先して」的な、プレイヤーへの誘導という感じの会話が多い(ゲームスタート~ハンター登録前というごく短い期間のため見るプレイヤーがほとんどいないので、作り込んでもあまり意味がないということで全体的に事務的な短い台詞になっている)中で、ヒノエが好きなミハバの台詞にはきちんとこういう会話を仕込んでくるあたりは流石ライズといったところ。

 

師匠のハモンの方は百竜夜行が来てからというもの大忙しであり、「ミハバにヒマを持て余させるくらいなら彼にももっと仕事を振ってもいいのでは?」と思わなくもないのですが、そこはハモンのこだわりなのでしょう。いくら手が足りないとはいえ、加工屋はハンターや里守の生命を守る武具を扱っているのだから、まだ一人前ではないミハバに修行で教えた以上のことをさせるわけにもいかない。これは、加工屋として妥当な理屈だと思います。

 

……にしても、もう少し何かやることはないのかという感じですが……。まあ、百竜夜行のおかげであまり外出もできないでしょうし、仕事に繋がるような何かを自主的に見つける、というのも難しい状況ではあるんですけどね。

 

それにしても、「○○しようかなぁ…。」→「そうしたら、あこがれのヒノエさんに…。」→「……いや、ダメだ! 俺の…意気地なし!」という同じ構文の台詞が複数あるという点や、好きな人になかなかちゃんと話しかけられないという点でいうと、ミハバはあのセイハクとだいたい同じということになります。

 

さらに言うと、セイハクの方はコミツに一応話しかけることは出来ており(コミュニケーションとして成立しているかどうかは別として)、加えてコミツからは恋愛的にはともかく、幼馴染の友達としては結構心を許してもらえている仲ではありますから、そもそも話しかけることすらままならないミハバの恋の進捗度は、ともするとセイハク未満ということに……。まあ、それを「劣っている」などと呼ぶのはそれはそれで失礼ですが、彼の恋路はまだ「ヒノエを遠くから見る」という段階から先には進んでいないみたいです。

 

ちなみに、ハンターになりたいという話に関して付け加えておきますと、さすがに諸々の試験やら登録やらがあるので今すぐハンターになるというのも現実的ではないですし、ミハバ自身も単なる仮定の話ということでジョークで言っているものだと思いますが、そう口にするからにはまったく武器が使えないというわけでもなく、彼は里守として防衛に参加する実力を備えているとのこと。里☆3での初めての百竜夜行を前に意気込んでいるミハバの様子が以下の通りです。

 

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本当は俺、里でお留守番の予定だったんだけど、やっぱり砦に行って里守をやることにしたぜ。

なぜって、あこがれのヒノエさんが里守として砦に行くって聞いたからさ。じゃあ、行くしかないじゃん。

まあ、俺も百竜夜行に備えた訓練はバッチリやってたから 心配はいらないぜ。

迫り来るモンスターを蹴散らしつつ、里を守るために奮闘するヒノエさんをまぶたに焼き付けるぜ!

(里☆3百竜前 ミハバ)

 

この男、やはり動機が不純です。まあ、一応ちゃんとモンスターを撃退する方を主としているあたり根は真面目なんだと思いますが、一人だけモチベーションの方向が違うといいますか……。

 

里守としての実力については、武器を作る加工屋の見習いとして本人も武器の扱いにはひととおり精通しているでしょうし、戦闘力は確かなものだと思うのですが、ここでさらに注目すべきは、自分も戦いながら更にヒノエを見る余裕があるという点です。一つのことをやりながら更に並行で別のことをやる、というのはかなり慣れと技量が必要なことですし、実はミハバはかなりの実力者なのではないか? という説がここで浮上してきます。「ハンターになりたい」などと言っていたのも、あながち単なる空想ではないのかもしれません。たぶん……。

 

そして、ミハバはモンスターと戦うヒノエにただ見とれているだけという訳ではなく、彼女の卓越した弓さばきを、加工屋らしくきちんと武器のことにも言及したコメントを聞かせてくれます。

 

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○○は、ヒノエさんが弓を使うところ、見たことあるか?

いやぁ、あれは達人級だ。ハンターになれば、あっという間に上位になるかも…。

弓と言えば、足の動きを一切止める必要なく立ち回れるのが特徴だが、ヒノエさんのあの美しい動きは、まさに舞うが如く…。

「ヒノエさんに似合う弓が造りたい…」 これも、俺の熱意の源の一つさ。

(里☆4 ミハバ)

 

百竜夜行では麻痺ビン付きの矢の雨を降らせるなど、ヒノエの弓使いとしての実力は事実として極めて優れたものですが、好きな人のことは無条件で褒める、というのではなく、きちんとヒノエの凄さを理屈で説明できるというのは、彼女のことを本当に好きであるということの一つの証左と言えるでしょう。

 

いつかヒノエに自分の造った弓を使ってもらえたら……という彼の一つの目標も聞かせてくれますが、それをするにしてもまずは加工屋としての相応の実力を磨いてからだ、というモチベーションで勉強を怠らない姿勢には、彼の謙虚さをうかがわせるものがあります。この後も色々紹介していきますが、彼はヒノエへの熱狂ぶりから変わった人という印象を抱かれがちで、実際変わった人であることは否定はできないのですが、そのいっぽうで非常に誠実な人柄を持ち合わせている人物でもあるんですよね。

 

マガイマガドを群れから引き離すためのからくりをハモンが造った時にも、次のようなコメントをしています。

 

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ハモン師匠、ビシュテンゴの素材を使って、あっという間に「からくり」を完成させちゃったよ。

いやぁ、あの手際…まさに神ワザだな。ヒノエさんも、感動してたもん。

俺も、必死で訓練して、いつか師匠みたいな、超一流の鍛冶職人になってみせるぜ。

そうしたら…ヒノエさんに堂々と話しかけられそうな気がする…! がんばるぜ、俺!

(里☆4 ミハバ)

 

ミハバは根がまっすぐでマジメであるためか、憧れの人に話しかけるにも自分は相手に釣り合っていないのではないか……と、なかなか自信が持てないところがあるようです。それは、中身がないのに虚勢を張るよりも遥かに立派な姿勢ではありますが、憧れの人と一向に関係が進展せず悩みのタネになってしまうのも事実。いつかミハバが腕を上げて、ヒノエに胸を張って話しかけられるようになる日が来るといいですね。

 

ところで、ミハバの方はそんなに熱をあげているにしても、当のヒノエの方からの脈はありそうなのか、という話ですが、それについては同じくハモンの隣でオトモ武具加工をやっているフクラから聞くことができます。

 

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ミハバさんは、ずーっとヒノエさんの話をしているニャ。

そういえば、ヒノエさんからミハバさんの話を聞いたことは……

ニャいね。……残念ニャ。

(集会所☆3 フクラ)

 

残念ッ! ……と、うっかり心の中のギター侍が出てきてしまいました。ミハバもまだまだ修行が足りないようです。

 

そもそもヒノエの方にしても、主人公ハンターを特別気にかけているフシはあるものの、これは恋愛的な意味というよりは敬愛の念という感じですし、ほんわかした性格で恋愛にはあまり興味がなさそうという印象があります。そして何より、彼女には姉ガチ勢のシスコン妹ことミノトが鉄壁(?)として立ちはだかっていますから、ミハバの恋路もなかなか修羅の道………。どうか心が折れないように居て欲しいものです。

 

ところで、ヒノエLOVEな一面ばかりが目立ってしまうミハバですが、それはそれとして彼は加工屋の見習いとしての意欲と熱意に溢れた人間でもあり、その点については周囲からも高く評価されています。じっさい彼は、百竜夜行の関係でハモンが修行の時間を取れなくなったことについて、「ずっとヒノエさんを見てられるぜ!」と喜んでいるばかりでもない様子。

 

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百竜夜行で忙しくて、ハモン師匠から「加工屋としての修行はしばらく中止だ」…て言われてさ。

ヒマな時間、ヒノエさんを見ていられるからいいけど、湧き上がる俺の学習意欲のやり場がないのも事実…。

○○! 狩りでの体験とか、ためになりそうな話があったら聞かせてくれよな。

(里☆1 ミハバ)

 

ミハバも本当なら加工屋の修行に精励したいところでしょうし、ヒノエの事にしてもまずは自分が加工屋として腕を上げることから! と意気込んでいる彼ですから、自主的な勉強のためにもハンターの狩猟の話を聞きたいとお願いをしてきます。彼の向上心の高さは、師匠のハモンからもお墨付きを得ているほど。

 

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隣にいるミハバは、ワシの弟子として修行中だ。

ただ、百竜夜行でワシも忙しくなったゆえ、少し修行を中断して武具の手入れを任せている。

加工について非常に勉強熱心な男ゆえ、おぬしの狩りの話など、後学のために喜んで聞くであろう。

気が向いたら、話をしてやってくれ。あと…ミハバがヒノエについて話し始めたら…それは無視して構わない。

(里☆2 ハモン)

 

こちらの台詞、ハモンがミハバの姿勢を非常に高く評価しているのはよく伝わってくるのですが、それ以上に面白いのは、ミハバがヒノエに片想いしていることについてあのハモンすらも言及してくるということですね。

 

ハモンは仕事に関しては非常に厳格なだけに、弟子のプライベートに踏み込むタイプではなさそうな印象だったので、冗談めかして言っているにしても少し意外な台詞です。ひょっとすると、そういう弟子の性格面も含めて、ハモンは弟子の扱いがけっこう上手なのかもしれません。あるいは、ハモンをしてこう言わせてしまうほど、普段ミハバが加工屋の人たちにヒノエの話をしまくっているということなのか……真相はいかに。

 

まあ、ハモン的には仕事に支障を出したり他人に迷惑をかけたりしなければいい、という感じだと思うのですが、どうもミハバのヒノエ愛に関してはイブシマキヒコ出現の時にひと悶着あったらしく、その様子をフクラから聞くことができます。

 

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ヒノエさん、大変だったって聞いたニャ…。大丈夫だったニャ…?

こっちは、ミハバさんが大騒ぎしてハモン師匠が怒っちゃって… 大丈夫じゃなかったニャ。

(集会所☆4 フクラ)

 

当時ライズのストーリーをプレイしていた私は、ヒノエがマキヒコと共鳴して倒れた件について、ミハバが聞いたらさぞ発狂するのではないかと思いつつ加工屋の面々に話しかけに行ったのですが、案の定だったようです。ヒノエが心配なのはミハバに限った話ではないにしても、特に彼の場合はますますショックのはずですから。

 

それにしても、当のヒノエやハモンには大変申し訳ないのですが、ヒノエが倒れてしまって発狂するミハバを「落ち着けぇい!」と制止するハモンの様子を思い浮かべると、なかなかにシュールな光景だと思います。気持ちはわかりますが、ミハバもいい大人なのですからもうちょっと落ち着きを……。

 

ミハバが仕事熱心だという話をするはずがまたヒノエの話になってしまったので、話を戻しましょう。彼の加工屋としての意欲がうかがえる別のちゃんとした台詞を紹介します。

 

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スラッシュアックスとかチャージアックスとかの複雑な構造の武器もいいけど…

俺は、ハンマーみたいなわかりやすい武器の加工が楽しいんだよ。つまりハンターの力をそのままぶつけるような武器だな。

わかりやすい造りなだけに、どこをどういう風に加工して威力を高めるか…。

こういうことを考え始めると、ワクワクして夜も眠れなくなっちゃうんだよな。

(里☆3 ミハバ)

 

先ほどまでのミハバのイメージとは一転、随分ちゃんとした発言です……というのはさすがに失礼極まりないですが、加工屋の道を志す者としての彼は本来はとても研究熱心な性格のようですね。ここではミハバはハンマーなどの特殊な機構を持たない武器種について、「シンプルだからこその加工の難しさ」というのを熱く語ってくれます。

 

ヒノエ好きについてもそうなのですが、ミハバは好きな物事に対して徹底的にのめり込み、それについて思考することを楽しめる……という、非常に良い意味でオタク気質なところがあるような気がするんですよね。


百竜夜行のときもヒノエばかり見ているのかと思いきや、その隣でランスを振るっているミノトの腕前についてもコメントしてくれます。

 

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ヒノエさんの弓の扱いも達人級だが、ミノトさんのランス… あれはもう天才の領域だぜ。

ミノトさんの動きも、繰り出すランスも見えないほど速い。

隙がなくて、誰も打ち込めないんだよ。ランスの特徴を最大限に生かした立ち回りだぜ。

ホント、すごい姉妹だな…。

(里☆5 ミハバ)

 

ミノトは砦ではおそらくヒノエとペアを組んで戦っていると思いますから、ヒノエを見ようとすれば必然的にミノトの動きも目に入るのだとは思いますが、それにしてもヒノエを見たいという誘惑(?)に駆られるだけではなく、相方のミノトの武器の実力の方もきちんと観察しているあたり、さすが加工屋見習いの性といったところでしょうか。

 

ところでミノトのランスといえば、彼女は「百竜夜行でヒノエ姉さまを守るため」という理由でランスの屈指の実力を身に付けた(別記事参照)ということで、これまた彼女のヒノエへの愛の賜物というわけですから、それがミハバの目に留まるというのはいささか奇妙な縁と言えるのかもしれません。

 

その他にもミハバは、かつて里を出て他の加工屋を見に行く為に旅に出たこともあるようです。

 

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俺、少しだけカムラの里を出ていろいろな加工屋を巡ったことがあるんだけどな。

いや、やっぱりハモン師匠の腕前は飛び抜けてるぜ。鉄を始め、あそこまで素材を活かしきる人は見たことがない。

里を出れば、引く手あまただろうけど、本人にその気はまったくないみたいだ。…まあ、そこが師匠らしいよな。

(里☆6 ミハバ)

 

他の加工屋を見に行ったことで、改めて自らの師匠ハモンへの尊敬を深めるミハバ。良質のたたら製鉄があるカムラの里だからこそ素材を大切にするハモンの加工技術が最大限に生かせる、ということもあるでしょうし、何より彼は里を守るために自らの腕を振るうという揺るぎない信念がありますから、何にしてもカムラの里を離れるつもりはないということでしょう。

 

ハモンに師事するにしても、他の加工屋も見て回ったことでハモンの技術の高さを客観的に分析できるようになったことは今後の修行に大いに活きてくるはず。こうして里の外から持ち帰って来た見識を彼は同僚にも話しているようで、フクラからもミハバの旅の話を聞くことができます。

 

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ミハバさんはああ見えて とっても勉強熱心な人なのニャ。

里の外の、いろんな加工屋を見て回った話も聞かせてもらったニャ。

そのミハバさんが、今まで会った人の中で一番すごいのはハモン師匠だって言ってたニャ!

エヘヘ、やっぱり師匠が一番なのニャ。そんな人と仕事ができるなんてオイラ幸せ者ニャ!

(里☆6 フクラ)

 

日頃の行いのせいかああ見えてと言われてしまってはいますが、ミハバの加工屋見習いとしての意欲の高さはフクラも認めるところである様子。

里の外の加工屋の技術も知るために旅に出たことがある……そういうミハバの行動力を見込んで更に考えてみると、サンブレイクで新拠点に向かう時、もしかしたらミハバも一緒に付いて来てくれるのではないか? ということを勝手ながら想像しております。

 

この予想は作中の他の台詞に何らかの根拠があっての予想というわけではなく、どちらかというと私個人の願望という側面が強いものではありますが、それにしてもまったく無根拠というわけでもありません。

 

拠点をカムラの里から他の街に移すにおいて私が一つ気になっているのは、「カムラノ~」系統の武器の作製と「百竜強化」をどうするのかという点。カムラノ武器は他系統への派生もありますから、元になるこの武器をカムラの里の加工屋でしか作れないというのは色々と不便ですし、百竜強化にしてもサンブレイクでも百竜夜行のコンテンツを続投するのであれば、新しい拠点の加工屋でも百竜強化が出来たほうがよいはず。

 

 

 

しかしながら、ハモンやその弟子であるナカゴの技術があってこそ作れるはずのカムラノ武器を、新しい拠点でカムラの里出身でもない加工屋がパッと同じように作れてしまうのもそれはそれで違和感がありますし、百竜強化についても百竜夜行が起きるカムラの里ならではの技術、ましてや百竜武器はカムラノ武器を原型にしていますから、やはり他の地域の加工屋にはすぐに真似できるものではない、カムラの里特有の製法であると言えるでしょう。

 

その辺りの整合性を取るには、加工屋としての勉強兼主人公ハンターをサポートするという名目で、ミハバが新しい拠点に一緒に来てくれるという形が一番納得できるような気がするんですよね。彼は現時点では加工屋の見習いですが、カムラの里の百竜夜行が収束していくにあたってハモンの修行も徐々に再開するでしょうし、百竜の淵源からサンブレイクまではリアル時間で1年の間がありますから、作中でもそれなりに時間が経過し、ミハバも店の加工の仕事に携わっても十分活躍できるほどに成長している頃になっていてもおかしくはありません(※)。

 

※一応、サンブレイクのストーリーは百竜の淵源ではなく雷神の討伐後から解禁されるようですが、雷神クリア後につがいの古龍の行方もわからぬまま他の国に旅立つというのは、ゲーム的には可能ですが物語の順序としては不自然であり、本作で想定されている正史としてはやはり里マガイマガド→雷神→百竜の淵源→→→サンブレイク、という順番であると思われます。

 

ハモンはもちろん、既に店を持っているナカゴなどが動くわけにもいきませんし、新しい地域への旅となればミハバにとってもまたとない絶好の勉強の機会になるでしょうから、船の中に施設を置くなり、新拠点の加工屋で他の職人と一緒に働くなりといった形で、ミハバが一緒に来てくれて加工をやってくれたらいいなぁ……というのが個人的な願望だったりします。「作りますか? 鍛えますか?」「お気持ち、わかりますよォ~」に次ぐ新たな迷言が生まれるかもしれません。

 

まあ、あくまでも私の願望というだけの話なので、実際にそうなる可能性は極めて低いと思いますが……。いずれにせよ、加工屋メンバーの中でミハバは一人だけあまり話しかける用事がないキャラなので、何らかの形で彼のキャラがもう少し立ったらいいなぁ……という所に私は密かに期待しています。

 

さて、加工屋の話はこれくらいにしてまたヒノエの話に戻りますと、先ほどまで述べてきた通り、ミハバはヒノエに熱烈な片想いを寄せながらも、話しかける勇気が出ずに未だまともにコミュニケーションが取れていない状態。ゲームスタート時、ヒノエとふたりでお買い物をする主人公ハンターにも、感嘆交じりに「うらやましいぜ!」と言ってきます。

 

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よう、○○! ヒノエさんとお買い物中みたいだな…!

くっ…! うらやましいぜ! 俺も、いつかヒノエさんとふたりでお買い物したいぜ!

(ゲームスタート時 ミハバ)

 

純粋な憧れという感じで決して嫌味らしくないのがミハバの良いところですが、彼にとってはやはり、受付嬢とハンターという関係でお話しできる主人公ハンターはうらやましいようです。

 

しかしながら当の本人は中々ヒノエに話しかけるには至らず、集会所☆4百竜夜行の前にも、不吉な予兆を感じて不安がっているヒノエを見て「元気づけてあげたい」と思っていたものの、結局話しかけられず落ち込んでいるミハバの話を聞くことができます。

 

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集会所で、百竜夜行のクエストが来たみたいだな。しかも、今回は「ヌシ」が現れたって聞いたぜ。
まあ○○がいるからだいじょうぶだとは思うけどさ、心配なのはヒノエさんだよ。

なんか不安そうにしてるんだよな。いつも元気なヒノエさんだから、珍しいぜ。

元気づけたいけど…俺は、あこがれのヒノエさんに話しかけるだけの勇気を持っていない! 俺の…いくじなし!

(集会所☆4緊急前 ミハバ)

 

不安がるヒノエに励ましの声をかけてあげることができず、勇気のない自分を情けなく思うミハバ。彼の台詞の端々には単なるヒノエへの愛だけではなく、「憧れのヒノエのために何かをするだけの力がない自分」、あるいはそんな自分と比較したときの、「ヒノエにとっての主人公ハンターの存在感の大きさ」というものを感じている様子が見え隠れすることがあります。マキヒコ出現後のミハバの台詞も見てみましょう。

 

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ヒノエさん、だいじょうぶなのか!? なんか、龍と共鳴して倒れたとか聞いたぞ!
ヒノエさんを苦しめるとは… 俺は、今までにない怒りに震えてるぜ。

だが、龍は…龍は俺にはどうにもならん! ○○! 俺の怒りを原動力に、早めにその龍を退治してくれ!

(集会所☆4 ミハバ)

 

ミハバはこれの少し前には発狂してハモンに怒られていたということですが、その時に比べるとだいぶ落ち着いて……いるのでしょうか。共鳴によりヒノエを苦しめたイブシマキヒコに、憤りを我慢できない様子です。

 

ここで特筆すべきは、「龍は俺にはどうにもならん!」と割り切るべきところは潔く割り切り、マキヒコの討伐を主人公ハンターに託してくるところです。古龍と戦って倒すのは、ハンターではなく加工屋である自分の領分ではないし、彼はモンスターを狩猟する専門の修行を積んでいる訳ではありませんから、強大な古龍であるマキヒコを狩猟するだけの戦闘能力も当然持ち合わせていません。

 

大好きな人を直接助けられるだけの力が自分にはなく、他の人が―—ここでは主人公ハンターがその力を持っている。しかも主人公ハンターという存在は、ヒノエとはハンターと受付嬢という関係であり、ミハバが夢見てやまない「ヒノエに話しかける」という行為を、彼の眼の前で平然とやっている(仕事なので当たり前ですが)存在です。おまけに、その主人公ハンターはヒノエと幼馴染のような存在でもあり、かつ彼女に非常に気に入られています。

 

ヒノエと主人公ハンターは恋愛という関係性ではないものの非常に親しい間柄であり、ヒノエに憧れるミハバの目線からすれば、主人公ハンターはいわゆる恋敵であり、嫉妬の対象にすらなり得る存在のはず。その主人公がヒノエを共鳴から救うカギを握っているとなれば、常人ならば力の無い自分に対して変に卑屈になってしまったり、どうしようもない妬み嫉みや情けなさに苛まれたり、いっそ無謀な行動に出てしまったりしても決しておかしくはない状況です。

 

しかし、そんな中で「自分には龍は倒せない。狩猟はオマエに任せた!」と気持ちよく主人公ハンターを応援してくれるところに、ミハバのかっこよさが光りますね。古龍との決戦に挑む主人公ハンターを送り出すときも、彼は次のようなことを言っています。

 

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よう、○○! ついに、イブシマキヒコとナルハタタヒメを討伐に行くそうじゃないか!

…オマエになにかあったらヒノエさんが悲しむからな。ケガなんかしたら、ただじゃおかないぞ!

(淵源討伐前 ミハバ)

 

こちらも同じく、主人公ハンターがヒノエに慕われていることを分かった上での発言です。ミハバにとっては、憧れの人が自分ではない別の誰かに深く肩入れしているというのは、憧れの相手にとっての存在感という点で自分が負けているという気持ちになるのであり、「もしあのポジションが自分だったらどんなに幸せなことか……」という悔しさや羨望を抱かざるを得ない状況のはず。

 

しかし、それでもなお彼は「ヒノエが一番幸せになれることは何なのか」ということをあくまでも最重要なものとして考えているのであり、そのためには自分がヒノエを好きだという気持ちとは矛盾するようなものだったとしても、「ヒノエが気にかけている主人公ハンターが無事に帰ってくること」を一心に祈ってくれるのです。

 

もちろん、ミハバのヒノエへの想いは少しも挫折していないのですが、それは主人公ハンターを羨ましがったり恨んだりすることによってではなく、今後加工屋の修行を重ねて自信を付けていくことで叶えていくものであり、つがいの古龍の脅威が目前に控える今の時点では、自分の気持ちはあってもそれはそれとして、ヒノエにとって大切な存在である主人公ハンターを応援してくれる、ということなんですね。

 

少し話が変わりますが、恋愛漫画とかで、二人のキャラが一人を取り合うといういわゆる三角関係が発生して且つストーリー中で明確に勝ち負けが決まる(一人が二人のうちどちらかとくっつく)時、負け側のキャラが悔しい気持ちはあるけど、憧れの相手が自分のライバルを選んだのならそれがその人にとって幸せなのだからと潔く応援してくれる、みたいな展開になったときって、めちゃくちゃ感動するけど切ないですよね……。私はカップルになった方(勝ち側)より負け側のキャラの方に愛着を持ってしまうタイプです。

 

まあそんな話はさておき、先ほどの台詞の後、つまり百竜の淵源討伐後のミハバの様子はこんな感じ。

 

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百竜夜行が収まろうとしてる今… 戻りつつある里の活気も相まって! ヒノエさんの美しさが! 倍増し!

ああ、ヒノエさん…。カムラの里に眩しく輝く、俺の太陽…。おかげで今日も、俺の心はホカホカです…。

(淵源討伐後 ミハバ)

 

大好きな人が元気で笑顔でいてくれることが至上の喜びであり、そのためなら私心を捨てて恋敵の無事をも応援できる。……少なくとも現時点では自分からヒノエへの一方的な憧れであることを自覚しつつも、ヒノエを遠くから眺めるだけでこんなに幸福感を得られているこの感じといい、ミハバのヒノエへの想いは単純な恋愛感情というよりは、アイドルや芸能人などにしばしば向けられるような、永遠の推しという感覚に近いような気がします。

 

そして先に述べたようなミハバの実直さは、自らのエゴよりも推しの幸せを最優先できるという、極めて理想的な推し活の姿勢という印象を私は持っているんですよね。「勇気が出なくてヒノエに話しかけられない」というのも、意中の相手に話しかけるのに緊張してしまうという恋愛感情の表れと見てもいいのですが、どうも「推しが尊すぎるあまり逆に握手会に並べないタイプのオタク」という感じに見えなくもないというか……。

 

何にせよ、彼は彼なりに憧れのヒノエを本当に大切に想っているのが伝わってきますし、加工屋の仕事にしても熱心に(ヒノエ愛を力に変えて)取り組んでいますから、自然とこちらも応援したくなるようなキャラクターです。ライズの上位ストーリー時点ではまだ彼は見習いですが、いつか彼もヒノエに話しかけられる自信がつくほどに実力を上げて、加工の腕を振るってもらいたいものです。サンブレイクの楽しみがまた一つ増えますね。

 

②フクラ

続いては、同じくハモンの隣でオトモ加工屋をやっているフクラです。色々とクセが強すぎるミハバとは対照的に、フクラは素直な良い子という感じで、加工屋の癒し枠的なポジション。

 

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オトモ武具のことなら、まるっとオイラにおまかせニャ!

オイラ、まだまだ未熟者だけどこれからどんどん新しい武具を研究していくニャ! 期待してほしいニャ!

(里☆1 フクラ)

 

店を任されてからどれくらい経っているのか、というのは定かではありませんが、ハモンに認められて店を任されるくらいですからその実力は大したもの。本人は「まだまだ未熟者」と謙遜しているようですが、彼の熱心さをうかがえる台詞でもあり、フクラに話しかけにいくと、何やらひとりでに加工の研究をしていることがあります。

 

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ここをこうすると…… ニャニャニャ、やっぱりぐらつくニャ…。

じゃあ、これをこうして…… ​​ムムム、今度は重すぎるニャ! ニャ~……奥が深すぎるニャ!

もっとハモン師匠みたいに、パパっと判断できるようになりたいニャ…。修練あるのみニャ!

(里☆4 フクラ)

 

時期的に見ても、ハモンがマガイマガドを誘導するからくりの作製に取り掛かっているのを見て、フクラも触発されて研究をしているという感じでしょうか。店の位置からしてもつねに師匠の傍らにあって仕事をしているだけに、彼も一人前とはいえ、偉大な師匠の背中から学ぶことはたくさんあるようです。完成したからくりを見たフクラは、その機構についてハモンにたくさん質問をしたとのこと。

 

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この間のハモン師匠の「からくり」、しっかり見たかニャ!? オイラ、とっても、びっくりしたのニャ!

なんだかすごすぎて、わからないことだらけだったニャ。つい、師匠にいっぱい質問しちゃったニャ。

師匠、こわ~い顔で教えてくれたニャ! エへへ! オイラの研究もうまくいきそうだニャ!

(里☆5 フクラ)

 

ハモンがコワい顔だったことについて特に不安がっておらず、色々と教えてもらえたことを喜んでいるあたり、ハモンは表情が硬いだけで別に怒っているわけではないというのは弟子たちの間でも共通認識のようです(もしくは、からくりを作り終えて疲れていただけかも?)。

 

この台詞ひとつとっても、ハモンの加工屋の職場の雰囲気の良さがよく伝わってきますね。ハモンが修行や仕事の質について厳格であるのは確かなものの、一方で若い弟子たちからの質問には丁寧に答えてくれるため、フクラのような研究熱心で主体的な弟子が実力を伸ばしてゆける環境であることが分かります。ナカゴの記事でも書いたように、ナカゴが重ね着装備をハモンに提案した時にも、「自分にはない視点だった」と彼の意見を柔軟に取り入れているんです。後述する内容にもありますが、ハモンは本当は非常に弟子想いな人物なんですよね。

 

ハモンからからくりの事を教えて貰ってさらに気合が入ったのか色々と研究したいことができたようで、それらをリストアップしたところ、彼は「やりたいことが多すぎて時間が足りない」状態になっている様子。

 

ニャ~、あんな素材やこんな素材を使って あーんな研究やこーんな研究をしてみたいニャ…。

あと、あの武具のあの部分とかこの部分を組み合わせて もっとカッコイイ武具を作ってみたいし……

まったく新しい武具づくりにも挑戦してみたいニャ…!

ニャニャ!? なんだかとっても忙しいニャ! どうしてニャ!?

(里☆5 フクラ)

 

サイドクエストでも、イヌカイの猟犬具のクエストではオトモ加工屋(フクラやコジリ)から「たくさんオトモ防具を注文してくれたお陰で勉強になった」という旨の話を聞くことができますし、ハモンやナカゴも、里の住民たちのアイデアを基に変わり種の武器(うさ団子双剣など)を色々と作ったりもしているようですから、加工屋の面々の勤勉さには頭が上がりません。頼まれたことをやるだけでなく自分で色々作ってみる、という弟子たちのチャレンジ精神も、師匠のハモン譲りなのかもしれませんね。

 

フクラも師匠であるハモンのことは非常に尊敬しているようで、会話の端々からも、ハモンに対するある種の忠誠心めいたものを感じさせるところがあります。

 

○○さんはほんっとーに、すごいニャ! ハモン師匠もほめてたニャ!

ハモン師匠はすごい人だから、師匠にほめられる○○さんもとってもすごい人だニャ!

(集会所☆6 フクラ)

 

主人公ハンターのことを、自身が尊敬してやまないハモン師匠が褒めていたということが彼にとってはビッグニュースだったようで、目を輝かせながら(たぶん)「すごいニャ!」と主人公ハンターを褒めてくれます。それほどハモンの価値基準を信奉しているらしいということが窺えますが、同時に自分自身も、ハモンに褒められるような何かを成し遂げたい! という気持ちの表れでもあるのかもしれません。そして、それが現実となるのにはそう時間はかかりませんでした。

 

ニャニャ! ○○さん! 聞いてニャ、聞いてニャ!

さっき、ハモン師匠がオイラの武具を見て「腕を上げたな」って言ってくれたニャ…!

エヘヘ、エヘヘヘヘ! ほめられたニャ、師匠にほめられたニャ! オイラ、もっともっとがんばるニャ!

(集会所☆7 フクラ)

 

「エヘヘヘヘ」と、えも言われぬ笑いがこみ上げてしまっているあたり、ハモンに褒められたことがもう心底嬉しかったのでしょう。私個人はハモンはいわゆるツンデレの類いだと思っているのですが、ふだん厳しい人がこうして褒めてくれる時というのは、自分の頑張りをきちんと見てくれているんだという気持ちで心が躍ります。ツンデレの強みをよく理解したムーブだ……。

 

フクラはその後はかなり自信が付いてきたようで、ストーリー開始時期の謙虚な彼も素敵でしたが、つがいの古龍との戦いを控えている時期では、主人公ハンターに頼もしい言葉をかけてくれます。

 

え? まだ龍は2体とも生きてるニャ? た、たいへんだニャ…

じゃあきっと、もっともっとすごいオトモ防具も必要になるニャね!

よーし! オイラの腕が上がったところ、しかと見せてやるニャ!

(ドス古龍討伐時 フクラ)

 

こうしたフクラの加工への熱心さや勤勉さは、彼自身の素直でまっすぐな性格と、師匠であるハモンへの尊敬に基づくものでもありますが、もう一つ、彼の高いモチベーションを語るうえで外せない人物がいます。

 

集会所でオトモ加工屋をやっているコジリです。

 

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集会所にもオトモ加工屋がいるニャ。コジリっていうのニャ。

コジリとは、ずーっと一緒に武具の勉強をしていた仲間なのニャ。

オイラがここを任されたのと同じ日に、コジリも集会所の加工屋を任されたのニャ。こういうのを、好敵手っていうのかニャ?

コジリの造った武具を見るとなんだかワクワクするニャ。おいらもやらなきゃー! って思うのニャ!

(集会所☆1 フクラ)

 

フクラとコジリはいわゆる同期であり、弟子たちの中でも一番付き合いが長く、ハモンの下で共に加工の修行をした良き仲間であり、そして良きライバルでもあります。コジリの方からも、フクラについての話を聞くことができます。

 

オトモ加工屋のフクラ、知ってるかニャ? フクラと僕は、ハモンさんのところでずーっと一緒に武具の勉強をしてたのニャ。

ナカゴやミハバもハモンさんの弟子だけど フクラとの付き合いが一番長いニャ。

どっちが先に独り立ちできるようになるか勝負してたけど、なんと、お互い同じ日に店を任されたのニャ。

ニャニャ、これはもう、「永遠の好敵手」と言っても差し支えないカンケイなのニャ!

(集会所☆1 コジリ)

 

コジリの方からも、フクラは「永遠のライバル」として認識されている様子。2人が同時に店を任されたのは、もちろんお互いに相手を意識しながら高め合って互角の能力を持っていたからではありますが、ハモンの采配の妙とも言えるところかもしれません。

 

2人に順位をつけないように接し方に気をつけつつ、2人が一人前になったら全く同じタイミングで店を任せることで、今後も互いに刺激し合い、尊敬し合い、学び合う関係として共に成長して行ってくれるだろう………ハモンが実際どこまで考えているかは本人の口からは語られませんが、ああ見えて弟子のことをよく観察している彼ならば、そのような見込みを持っていてもおかしくはありませんね。

 

ところで、フクラはもう一つ、どうも非常に食いしん坊な性格という一面があり、今日の自分のお昼ご飯のことを幾度となく主人公ハンターに話してくれます。

 

今日のオイラのお弁当はうさ団子ニャ!

でもさっき、どうしても食べたくなって… 一口だけ、食べようと思ったのニャ。

……気がついたら1本も残ってなかったニャ。不思議ニャ。

(里☆2 フクラ)

 

もうすぐお弁当の時間ニャ! 今日のお弁当はセイハクくんのおにぎりニャ!

あと、ワカナさんのところでお野菜も買ったニャ! みずみずしくっておいしそうニャ…!

……お弁当の話をしてたら 余計におなかが空いてきたニャ。もう食べちゃおっかニャ…?

(集会所☆5 フクラ)

 

もうすぐお弁当の時間ニャ~。もうちょっとがんばるニャ…!

キュルルルルル……

……おなかは待ってくれそうにないニャ。お弁当、食べちゃっていいニャ?

(里☆3 フクラ)

 

本人の代謝が良いからなのか、午前中から仕事を頑張っていて沢山エネルギーを消費しているからなのか分かりませんが、フクラはお腹が空いてしまうのが常人よりも早いようで、昼間はお弁当を早く食べたいという欲求と戦っているようです。私たちの世界の高校とかでも、早弁している子がクラスに1人2人くらい居ることもありますよね。若いっていいなぁ……。

 

カムラの里で大食いといえばフゲンとヒノエがよく知られており、砦への遠征では持って行った食糧を2人で食べ尽くしてしまう勢いと言われていますが、フクラもそういう目立ったエピソードが今の所ないだけで、本気を出せば(?)彼らに次ぐカムラの里の大食い代表になれるかもしれません。これが戦闘(フードファイト)民族か……。

 

そんなある日、フクラはその大事な大事なお弁当を忘れて仕事場に来てしまうというちょっとしたピンチに見舞われます。

 

この間、オイラお弁当を忘れちゃったニャ。そしたら、ハモン師匠が自分のお弁当を渡してくれたのニャ。

師匠のお弁当がなくなっちゃうからオイラ、ダメだって言ったニャ。でも、余計な気を使うなって怒られたニャ。

怒られたけど、うれしかったニャ。お弁当も、すっごくおいしかったニャ!

(里☆4 フクラ)

 

なんとほっこりするエピソード……。まあ、弟子を気遣うにしても素直に優しい態度を取れないところはハモンらしいところではありますが、「弟子の中でもフクラは特に、きちんとお腹を満たした方が頑張れる子」だと分かっているからこそ、ハモンは自分のお弁当を彼に差し出したのでしょう。厳しい人物ならば、ここでのフクラには「自己管理の甘さなのだから今日は我慢せい」的な感じで接してもおかしくないところを、ハモンはあくまでも、弟子が加工に専念できることを第一に考えての行動なのです。

 

ミハバの扱い方について主人公に話してくれたり、お弁当を忘れたフクラを気にかけたり、本当に弟子をよく見ている人だなぁ……。それにしても、ハモンは料理の腕も一流と言われている人ですから、そのお弁当はさぞかし美味しいことでしょう。偶然のなりゆきとはいえ……なかなか羨ましい限りです。

 

さてそんなわけで、ナカゴ&コジリの集会所加工屋組に引き続き、たたら場前エリアで仕事をするハモンの弟子たち2人を今回は紹介してまいりました。ナカゴとコジリの漫才のようなやり取りといい、ミハバのヒノエ推しといい、フクラの秘めたる大食いキャラといい、何か一癖ないとハモンの弟子にはなれないという決まりでもあるのかというくらい、個性的な加工屋メンバーたち…。そして彼らを取りまとめるハモンの、師としての器の大きさも感じられたことかと思います。筆者がハモンさん好きなので、ハモンさんの話をどうしても入れたくなっちゃうんだよね~。

 

それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!