傀異克服古龍の「共生」の謎と、第6弾アップデート予想考察記事

※注意事項※

・本記事はモンスターハンターライズ:サンブレイク」全編および、一部シリーズ他作品のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売の『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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サンブレイク最終アップデートのスペシャルプログラムも、いよいよ明日公開となりました。楽しみな気持ちが今から抑えられないということで、最終アップデートの予想考察記事を書いていきたいと思います。あくまでも予想ということで、作中で確定していない情報も多く、いつも以上にフワッフワな考察が多くありますことをご了承ください。

 

 

 

で、さっそく本題へ。一番の目玉となる、ボーナスアップデートで追加されるモンスターの予想としては、既に各所で話題にされているように、サンブレイクの看板モンスターである「メル・ゼナ」の特殊個体が最も濃厚となっています。

 

メル・ゼナの特殊個体がどのような能力を持つのかという点については、大きく「キュリアと共生をしていない素のメル・ゼナ」か、「キュリアとより深い共生関係となり、強大な力を手にしたメル・ゼナ」かという2択が考えられていましたが、開発インタビュー記事によると、キュリアと共生関係を築く以前のメル・ゼナは攻撃的な性格ではなく、人間とも互いの領域を侵さずに共存を選ぶような存在であり(「モンスターハンターライズ 開発現場リポート」第20回より)、ガイアデルムによって送られたキュリアの影響によって、メル・ゼナの一部の個体がその凶暴性を目覚めさせられてしまったという話のようですから、「素のメル・ゼナ」説の可能性はおそらく低そう。

 

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そうなると、これまでに出現した傀異克服古龍のように、キュリアの影響で強大な力を手に入れたメル・ゼナ――という話になってくるわけですが、そもそもメル・ゼナは他の古龍たちよりもずっと以前(50年前)からキュリアとの共生関係にあり、彼の本気モードである「血気活性状態」は、かすれた鳴き声赤黒く変色した外殻、通常よりも苛烈になる攻撃モーションという点において、すでに傀異克服古龍と同様の特徴を持っているんですよね。

 

したがって、作中で既に交戦した所謂「通常個体」とされているところのメル・ゼナが、実質的には既に「傀異克服メル・ゼナ(仮称)」のような存在であるのだとすれば、特殊個体メル・ゼナは、キュリアとの共生により力を得た他の傀異克服古龍よりも、さらにキュリアとの結びつきが強く、より豊富な力を蓄えた個体……という感じになるような気がするのですが、そもそもメル・ゼナの話をする前に、ここまでの話で、未だ疑問の残る点があります。

 

それは、「傀異克服古龍」の「キュリアとの共生」とは何なのかという話です。傀異克服古龍の発見第一号であるオオナズチが発表された際に、傀異克服古龍とは「本来の宿主であるガイアデルムを失った後、さまざまな生物に無差別に寄生するようになったキュリアの一方的な寄生に屈せず、逆にキュリアと共生関係を得て強大な力を手にした古龍」であるという旨の説明がなされました。

 

しかしながら、現在発見されている5種類の傀異克服古龍はいずれも、メル・ゼナのように自身の周りにキュリアを従えているような様子はなく、キュリアと「共生」しているようには思われません。

 

彼らが「傀気脈動状態」に変化する際に発生させる爆発と体色の変化は、ガイアデルムの形態変化のそれに酷似しています。ガイアデルムの爆発について言えば、彼はキュリアを捕食することでエネルギーを吸収し、自らの力を高めるということを行いますから、その類比で考えると、傀異克服古龍たちは自分に寄生しようと集ってきたキュリアたちを捕食(あるいは直接経口摂取でなくとも、何らかの仕方で身体ごと吸収)することによって、キュリアたちが他の生物から奪ってきた生命エネルギーをキュリアごと自らの体内に取り込み、自分の能力を強化した……ということが考えられます。

 

(キュリアを大量に吸い込んで……)

(爆発と共に形態変化!)

(傀異克服テオ・テスカトルの傀気脈動。爆発の雰囲気が似ています)

しかしながらそれでは、古龍たちが逆にキュリアを一方的に捕食しているということになりますから、それはそれで古龍とキュリアの間に互恵関係が発生しておらず、「共生」と呼びうるものではありません。傀異克服古龍たちがキュリアを捕食しているという命題をひとまず真とした場合、どうしてそれが「共生」と呼ばれうるのか。そこが問題になります。

 

ここで鑑みるべきは、50年前に王国にもたらされた「疫病」の話です。

 

(マスター★4 ライゼクス後)

薬師のタドリによれば、この疫病は「人間の目には見えないほどの小さな体躯である、キュリアの幼体の持つ毒(正確にはウイルス)」によるものであるということでした。ガイアデルムは50年前、自らの王域への侵攻を阻む宿敵メル・ゼナを暗殺するべく自身の手駒であるキュリアを送り込みましたが、その際にキュリアの成体ではなく、幼体を送り込んでおり、その中でメル・ゼナとの共生からあぶれてしまった個体が、人間に噛みついてウイルスを蔓延させた、というのが疫病の真相。

 

小動物ほどの体躯を持つ成体ではすぐにメル・ゼナに気づかれて始末されるのがオチですから、メル・ゼナの身体に取りついたことを悟られにくい幼体を送り込み、じわじわと蝕んでいくというのがガイアデルムの狙いだったということになります。

 

で、このキュリアの幼体の話が何なのかというと、オオナズチを筆頭とした傀異克服古龍たちの身体にも、実は目に見えないキュリアの幼体が棲みついているのではないか、という説が考えられるんですよね。彼らの身体の周りにキュリアが見当たらないから「共生してないやん!」というのではなくて、そこでは密かにキュリアの幼体が古龍の生命エネルギーを吸って育っている――つまり、力尽きたガイアデルムを離れて他の古龍たちのもとへ辿り着いた成体キュリアたちは、自らは古龍に捕食される代わりに、古龍の身体に自らの子孫である幼体を遺すことで種の存続を繋ごうとしたのではないか、という可能性があるのではないかと思っています。

 

キュリアが種として生き延びるためには、自分たちの生命を維持することと同等以上に、自分たちの子孫を残すことが重要ですから、古龍の庇護の元で幼体を育ててもらうというのは、あり得る選択肢であるはずです(そしてその幼体を棲まわせるには、結局のところ古龍の側にキュリアへの抗体が生成されなければなりませんから、生体が子孫を残すと同時に積極的に古龍に自らを捕食・吸収させようとするというのもありそう)。

 

そうであれば、古龍にとってはキュリアから力を得ることができ、キュリアにとっては古龍の庇護のもとで自分たちの種の存続ができるわけですから、メル・ゼナとは形が違えども、「共生」と呼びうるだけの互恵関係が発生していると言えます。またキュリア側にとっては、自らが捕食されてでも宿主となる古龍の力を引き出して自然界での生存性を高めることで、宿主が倒れる可能性をより低くする=そこから生命エネルギーを貰って生きる自分たちの子孫の生存率を高める、という狙いもあるやもしれません。

 

ガイアデルムとの共生の時点で既にそうであったように、キュリアは自分たちが他の生物に依存しなければ生きていけないということを本能レベルで理解しており、自分たちが種として存続するためならば、そのうちの一部の個体の生命が犠牲になる(この場合はガイアデルムにエネルギー源として捕食される)ことを厭わないという特徴を見せています。

 

共生云々とは関係がありませんが、現実の生物においても、身近な例でいえばニホンミツバチなどはそうですね。彼らは自分たちの巣に侵入してくる外敵のスズメバチを倒す際に、その身体を自分たちの大群で覆い尽くし、一斉に身体を震わせることで発生した高熱によって絶命させるという方法を取ります(これを熱殺蜂球という)。むろん、この攻撃は命がけのものであり、蜂球に参加したミツバチも自分たちの発生させた熱でかなりのダメージを負いますし、蜂球の中心部にいるミツバチなどは、標的のスズメバチの目の前にいるわけですから、かみ殺されて命を落としてしまいます。でも、そうしなければ巣を丸ごとスズメバチに侵略されてしまうのですから、いざとなれば自分が犠牲になってでも種の存続を守る、というのが彼らの本能に刻まれた理屈。この話は、いわゆる自己犠牲精神への賛美という文脈でも何でもなく、厳しい自然界を生き抜くための彼らの知恵なのです。

 

話をキュリアに戻しまして、キュリアもそのようにして、自分たち自身を犠牲にしつつも種を存続させようとしている――つまり現在の傀異克服古龍たちは、キュリアの成体と直接共生しているわけではなくとも、キュリアの「種」と共生関係にあると言える、という意味で、「キュリアと共生している」と言われているのではないか、というのが筆者の仮説となります。

 

むろん、当の古龍たちがそれを了解しているか否かというのは不明であり、自分の身体にキュリアが棲みついていることを意識していないだけで、彼らにとってはキュリアという存在は依然として「外敵」であり、お互いが共生だと思って共生しているわけではないという、ある種歪な形での共生になっているという可能性も否定できませんが……。

 

ところで、そのキュリアの生殖についてですが、彼らがどのようにして生殖をおこなっているのかという点については、次の話が参考になります(以下、マガラ種に関する設定のネタバレを含みます)

 

(マスター★4 ライゼクス後)

タドリによれば、キュリアの有する毒——もといウイルスは、「狂竜化ウイルス」と構造的に似ているという話でした。話の本筋ではないため以下簡潔に説明していきますが、狂竜化ウイルスといえば、シャガルマガラおよびその幼体であるゴア・マガラが散布する鱗粉のような物質で、感染したモンスターを暴走させてしまうというキュリアに類似した性質を持っています。成体のシャガルマガラが散布するものが特に重要で、シャガルマガラの撒く狂竜ウイルスには自身の生殖細胞が含まれており、これに感染した生物の死骸を苗床として(狂竜ウイルスが感染したモンスターを暴走させるのも、力尽きて絶命するまでの時間を早めるためと考えられる)自身の子孫を繁殖させるという、とにかくヤバい感じのやつとなっています。

 

それと同時に、このシャガルマガラの狂竜ウイルスには他のゴア・マガラの成長を抑制する効果もあるようで、先に成体となったシャガルマガラが、同種のライバルを先手を打って潰すことで自身の縄張りを確保するという、これまたエグい感じの生態をお持ちだったりします。そして、この成長抑制作用のせいで生体のシャガルマガラになることができず、ウイルスの作用と自身の成長作用とが衝突することで誕生するのが渾沌に呻くゴア・マガラです。設定的にも生々しく残酷で、周囲の自然環境や、ひいては人類社会にも大きな被害をもたらすこともあるわけですが、シャガルマガラにとってはこれは「ただ自然界で生きているだけ」なのですから、決してこれは「悪」でもなければ、人類が駆逐すべき「敵」でもないのです。

 

……という話はこの辺にしておきまして、この設定から分かるのは、シャガルマガラは雌雄で交尾を行って子孫を残しているわけではなく、生体となった一個体が自身の生殖細胞をばらまくという形で、いわゆる単為生殖を行っているということです。そして、狂竜ウイルスがそうなのであれば、それと似た構造を持つキュリアもまた、単為生殖であると考えられるのではないか、ということ。完全に見た目判断ですが、キュリアには雌雄で交尾を行うような生殖器も見当たらないような気がしますから、自らの宿主なり、精気を奪った他の生物なりに噛みついた際に送り込まれるウイルスに生殖細胞が含まれており、これを植え付けることで、子孫を繁殖させているという可能性は少なくないように思います。

 

ちなみに、これまた脱線となりますが、シャガルマガラの単為生殖について少し補足しておきますと、シャガルマガラの素材を使って作成できる防具は、女性用(正確にはタイプ02用)のものは「フィリア(ギリシャ語で「愛」)」という名前のシリーズで、この防具シリーズ一式の外見は、まるで聖母マリア像のような感じになっています。男性用(タイプ01用)のものは「アーク(「契約の箱」「箱舟」等)」ですから、シャガルシリーズは我々の世界でいう聖書やキリスト教にちなんだものとなっていますね。

 

(フィリア頭防具)

で、シャガル防具の女性用がどうして聖母マリアのような見た目になっているのかということなのですが、筆者はこれが「シャガルの単為生殖」と、「聖母マリア処女懐胎」のイメージを重ねたものなのではないかと思っています。処女懐胎というのは一般には――といっても、おそらく宗派や学説等によって微妙に解釈が違う点もあるでしょうから、ひとまずこれは一般的なカトリックの解釈ということになるのかもしれませんが(筆者はキリスト教に関しては並程度の知識しかありません……スマヌ)——聖母マリア聖霊によってキリストを妊娠するという、聖書の物語の上での重要な出来事です。大天使ガブリエルが聖母マリアにそれを告げに来る「受胎告知」の場面も絵画などで有名ですね。

 

聖母マリアは、彼女の夫となるヨセフと交わることなく、つまり純潔のままキリストを懐妊した。この「男女(生物学的な雌雄)の交わりなく」自らの子どもを産むという点を、雌雄がなく単為生殖を行うシャガルマガラの生態に重ねて、女性用防具のデザインを聖母マリアにしたのではないか、と筆者は思っています。まぁ、男女の交わりと言っても、現代の我々の社会でいえば、生殖補助医療の発達もあり、個々人の事情もありで子どもを持つにも様々な形があるわけですから一概には言えませんが、ひとまず生物学上における「雌雄の交尾」という点で言えば、という話ですね。

 

さて、マガラ系統の話はこの辺にしておくとして、傀異克服古龍がもし共生において成体のキュリアを直接吸収する形で力を獲得しているのだとすると、同じくキュリアと共生する古龍でも、キュリア自体を捕食したりすることなく、キュリアの献上する精気を受け取る代わりに生命エネルギーを与えるという形で使役し共生関係を築いているメル・ゼナは、かなりイレギュラーな存在であるということにもなります。

 

あるいは、いま現在傀異克服古龍たちの元にある幼体のキュリアが徐々に成体になれば、つまり他の古龍も、今でこそごく短期間でキュリアとの結びつきを得たために不完全な共生に留まっているだけで、メル・ゼナと同様に幼体のキュリアと徐々に共生関係を築くというような経験をすれば、キュリアとの共生に適応した相応の体機能を獲得し、キュリア自体の捕食を行わないような関係に変化するのではないか……とも思わなくもありません。が、元の宿主のガイアデルムなどはずっとキュリアを捕食していましたし、他の古龍もそうなったらそうなったで結局、新たに成長した成体をまた捕食してしまう可能性も同じくらいあるわけですから、そこはなんとも言えないところ。

 

いずれにしても、作中でのキュリアとの共生関係の深さや扱いの上手さという点でメル・ゼナが他の古龍たちよりも圧倒的に秀でているのは間違いなく、特殊個体はその方面をさらに強化したものということになりそうです。

 

もちろん、元々メル・ゼナとキュリアとの安定的な共生関係の成立は、ガイアデルムが時間をかけてメル・ゼナを葬るためには有益なものであり、メル・ゼナに取りついたキュリアは宿主であるメル・ゼナに従いつつも、いわば最終的な目標のために敢えてメル・ゼナにとって都合のよい存在に振る舞っておくという感じで、自分たちの本来の主はガイアデルムであることを忘れていたわけではありません。

 

が、一方のメル・ゼナも、キュリアを利用して自身の力を蓄えるようになったのはいずれ再び侵略に訪れるガイアデルムに対抗するためという意味もあるでしょうから、完全にガイアデルムの掌中にあったわけではなく、またガイアデルムが亡んだ後も、キュリアとの共生関係を続けているメル・ゼナの個体は発見されているようですから(MR★6「高難度:優美たる爵銀」の個体など)、メル・ゼナとキュリアの共生が続いていくにつれて、メル・ゼナはガイアデルムからもはやキュリアを完全に奪い取って我が物にした、という方向に進化していてもおかしくはなさそうなんですよね。

 

その中でも、キュリアによる身体的な変質が一層深く、より強い結びつきを有するようになったイレギュラーな個体が、次に登場する特殊個体メル・ゼナなのではないか……というあたりが、筆者の予想という感じです。

 

そして、ここから更に考えておきたいこととしては、「キュリアの影響の拡大に収束の見込みはあるのか?」ということ。ガイアデルム討伐以降の「キュリアと傀異化」をめぐるサンブレイクの物語を締めるには、少なくともキュリア野放しENDというわけにはいかず、何らかの形でキュリアの被害が今後おさまっていくという見通しが立って欲しいところ。

 

で、筆者の見立てとしては、特に作中に根拠があるわけではないのですが、キュリアの勢いは既に息切れが始まっているのではないか、と推察しています。当初こそ、ガイアデルムと共生した大量の生体キュリアが一斉にぐわぁっと地上に拡散していったために、傀異化モンスター等の被害も大規模なものとなってしまいましたが、先にも述べたように、キュリアは最終的には誰かしら共生相手を見つけて自分たちの子孫を残さなければ種としての存続ができず、そしてその条件に適うのはその身に厖大な生命エネルギーを蓄える古龍(世界観上の個体数は一般的な生物よりもずっと少ない)をおいて他にないわけですから、ガイアデルムに代わる安定的な宿主を見つけることができなかった多数のキュリアは、いずれ子孫を残せないまま死滅してしまうと思うんですよね。

 

すると、キュリアの個体数はぐっと数を減らし、キュリアの存在も「王域周辺にいる古龍たちの一部の個体が使役する生物で、共生相手の古龍のために他の生物の精気を吸う」という、これまでに比べればぐっと影響の小規模な立ち位置に落ち着きそう。そしてこれまでの討究の成果から、そうしたキュリアの影響を受けた生物の脅威が迫った際の対抗策が王国騎士団において確立され、キュリアのウイルスを受けてしまった人間への特効薬なども開発がどんどん進んでいけば、「キュリアの被害を食い止めた」ということは十分に言えるようになるはずです。

 

いちおう、キュリアもああ見えて自然界の一部ですから、自然を尊重しその調和を保つという意味では、人類社会や周囲の自然環境に影響があるからといってキュリアを絶滅させるというのは世界観的には違いますし、ハンターズギルドの意向もそういうものにはならないはず。「王域の一部の古龍と共生する比較的稀少な小型生物」として、王域の地上の自然環境の一部に組み込まれる、というあたりが、今回の一件の落としどころかなぁと思います。王域内の個体数的には、メル・ゼナと行動を共にするものが多くなるという感じになるのかな。

 

そして、キュリアが最終的にメル・ゼナとの共生関係にすっかり落ち着いてくれるのであれば、今後のモンハン作品においても、メル・ゼナが古龍枠に参戦できる可能性が見えてくるんですよね。今のところ、本作におけるキュリアの立ち位置は相当ヤバい奴という感じで、もし他の作品に登場させればその作品の主題を食いかねないほど危険度が高く、金輪際サンブレイクに隔離しておかなければならないのではないか……という雰囲気を醸し出しています。

 

キュリアのいないメル・ゼナは非好戦的で人間とも共存する生物ですから、メル・ゼナが狩猟対象となるのはキュリアありき(もしくは、キュリアと同じような生物がいればワンチャンありますが)であると考えると、メル・ゼナもまたサンブレイク限りの登場になってしまうのではないか……。個人的にメル・ゼナは稀代の良モンスだと思っているので、このモンスターが本作限りの登場というのは惜しいとも思うのです。

 

実際、サンブレイクのシャガルマガラについても、この生物が撒く狂竜ウイルスの影響は本来ならキュリアとタメを張れるレベルだと思うのですが、本筋ではないからという都合上「城塞高地になんか来たから狩ってきて」で話が終わっており、世界観的には「狂竜ウイルスの被害はどうなのか」とツッコミを免れ得ない部分でもあります(もちろん、後で設定資料集等で相応の解説がなされる可能性はありますが)。キュリアの危険度が現時点での扱いのまま、メル・ゼナを次回作以降に続投させるとなれば、本作のシャガルマガラと同じツッコミを受けることになりかねません。

 

が、そのキュリアをもし、「メル・ゼナの共生相手でありメル・ゼナのために得物の精気を奪う生物で、個体数がそれほど多くないため周辺地域の生物に甚大な被害を出すほどではない」というくらいの立ち位置に収められるのであれば、キュリアとの共生関係も続投のままメル・ゼナを他の作品に登場させることは世界観上問題ない、という判断が可能になるかもしれません。

 

これは1ファンの余計な心配であることを承知で言いますと、モンハンの古龍枠については、「その作品の世界観や設定、舞台となる地域に密接に関係しているため、他作品への出張がしづらい」という傾向が少なからずあると思うんですよね。もちろん、その方が作品としてのクオリティは高くなるのですが、その分それぞれの古龍を他の作品に出すには相応の整合性が必要になるか、それが不可能な場合はその作品内限りの登場になってしまう……ということは避けられません。各作品で1~2体しかいない、ラスボス格を務めるような超大型古龍はそれでもよいとしても、傀異討究のようなエンドコンテンツで主たる討伐対象となる普通の(?)大型古龍については、それでは少しもったいないとも思うのです。

 

新規古龍が多く登場したMHWシリーズについても、本作参戦のイヴェルカーナは色々な地域に出張してくれそうとしても、ヴァルハザクやネロミェールはとてもフッ軽には見えませんし、ネルギガンテにしても、登場させる場合は相応の理由付けが必要に思われます。結果として、なんだかんだでオオナズチ、クシャルダオラテオ・テスカトルといったフッ軽ドス古龍組(?)、次いでゴア系統組が色々なところに出張して頑張っている、みたいな形にどうしても見えてしまうところがあり、彼らと毎作品戦えること自体はそれはそれでユーザーとしては嬉しいのですが、もう少しフッ軽系古龍の種類が増えてくれると、古龍枠もバリエーション豊かになると思うんですよね。

 

メル・ゼナは王域を統べる者ということで、王域内に複数の個体がいる(キュリアと共生している者、していない者の両方がいる)古龍ということになりますが、王国のある大陸は結構広そうですし、この大陸の他の場所にある拠点が今後の作品の舞台になることは十分にありえそうですから、その際にはぜひメル・ゼナの参戦を期待したいところ。今作でのキュリアの話がどういう風に終わりを迎えるのか、異変収束後のキュリアの生物としての立ち位置や扱いがどうなるのかが、ある意味ではメル・ゼナの今後の続投可否にも大きく関わってくると思いますから、その意味でも最終アプデには期待したいところです。

 

また、モンスターの話とは別ですが、最終アップデートのエルガドのストーリーでは、チッチェ姫が主役になりそうな感じがしますね。

 

(マスター★6 チッチェ姫)

メル・ゼナ、ガイアデルム、キュリアをめぐるエルガドでの調査が近いうちに一つの終わりを迎える、ということは、受付嬢としてのチッチェ姫の役割も、いずれ終わりを迎えることになります。彼女はこれまで一生懸命に仕事に取組み、エルガドの皆を支えてきましたが、それと同時に、お城の外に出たからこそのさまざまな発見や出会いのある受付嬢としての日々に充実を感じていて、いつか自分がお城での生活に戻るであろうことについて、一抹の寂しさも抱いているようです。彼女の一番の願いは「王国に平和を取り戻したい」であるからこそ、ある意味ではそれと相反することになるその気持ちは、やり場のないものとして彼女の心の中にあることでしょう。

 

それに、お城での姫としての生活に戻れば、彼女はまた「自分だけが安全な場所にいること」の苦悩に直面するやもしれません。特に現在のチッチェ姫はまだしも、いずれ彼女が次の女王となり、統治者として王国全体を担う重責の立場となれば、今回のように自分自身が前線に赴く、というようなことは、今度こそ出来なくなってしまいます。今回の件で受付嬢として果敢に異変に立ち向かい、エルガドの皆と共に最前線での苦楽を共にした彼女だからこそ、その反動はむしろ大きなものとなってしまうかもしれません。

 

それでも、いつかは終わりの時がやってきますし、チッチェ姫もその覚悟で、最後まで自分の使命を全うすることを心に決めているハズ。エルガドでの生活で、出会いと別れの中で、彼女が受付嬢として、姫として、何を感じ、何を手に入れたのか……その答えを聴くことが楽しみでもあり、ちょっぴりさみしくもある、そんな最終アプデのお話を期待したいところですね。

 

……と言いつつ、本人は王国に再び危機が訪れることがあれば、また受付嬢として前線に赴く気満々のご様子。もしこの先、王国内のどこか別の拠点が狩猟の舞台になることがあれば、受付嬢のチッチェ姫にまた会える日が来るかも? 実際にあり得るのかどうかはわかりませんが、楽しみですね。

 

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ということで、ここまでお読みいただきありがとうございました。考察部分に関しては、私も自分の理解している限りの情報を詰めてみましたが、作中の情報を全て拾いきれているかどうかはまったく自信がないため、まあ話半分で聞いてください……。何はともあれ、最終アップデート情報、楽しみですね。筆者はアプデ後はまたしばらくTAの民になってしまうと思いますが、ブログもまったり進めていく予定ですので、引き続きお付き合い頂けると幸いです。