続・カムラ加工屋のゆかいな弟子たち

※注意事項※

・本記事はモンスターハンターライズ:サンブレイク」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事での考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売の『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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前回のエルガド加工屋の記事に引き続き、本記事ではカムラ加工屋のメンバーのサンブレイクでの様子をお届けしたいと思います。カムラの里の仲間たちも、サンブレイクでも引き続き会話内容の更新がありまして、エルガドの仲間たちほど更新は多くはありませんが(MR昇格のたびに基本1パターン、たまに2パターンほど)、相変わらず面白い話を聞くことができます。

 

ハモンさんのお話は内容的にイオリくんの記事の方でする予定となっておりまして、本記事では彼の弟子たちの会話を見ていきましょう。

 

ーーーー目次ーーーー

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1.ナカゴ&コジリ

 

まずはカムラの里の名コンビ、ナカゴとコジリです。ハモンも一目置く加工の腕前の代償なのか(?)生活力が驚くほど欠けているナカゴの日常生活を助けてあげるために、世話好きで家事も得意なコジリが一緒に住んであげている…という、公私ともに相棒と言えるこの2人。家事がまったくできないが故の独自な発想をナカゴが披露してはコジリがそれに驚かされる……という掛け合いはサンブレイクでも健在でして、彼らの不思議な日常を紹介していきたいと思います。

 

まずは、おにぎりを作ろうとしてなかなか上手くいかなかったらしいナカゴのエピソード。

 

いやー、おにぎりって難しいんですね。ご飯粒が全部手にくっついちゃって おにぎりの形にならなかったり…
そうならないようにって力を込めて握ったら カッチカチのベッタベタになっちゃったり…。

コジリやセイハクくんの握ったおにぎりは 手で持っても崩れないのに口に入れるとホロッとほぐれて、すごくおいしいのに…。

なのでコジリに相談したら「お椀を2つ合わせて中にご飯を入れて振るといいニャ」って言われたんですよ。

その通りにしたら、うまくできました! いやー、あんな方法もあるんですね。コジリはなんでも知ってるなぁ。

(マスター★2 ナカゴ)

 

この台詞はMR★2のものなのですが、里帰りをした主人公に里の皆が「おかえりなさい!」「向こうでは元気にやってるか~?」みたいな言葉をかけてくれるなか、この男は開口一番「いやぁおにぎりがね~」だったので、なんかこう絶妙に気が抜けるといいますか、ナカゴのマイペースさに思わず笑ってしまいました。でも、これぞカムラの里の平和な日常風景という感じで、ちょっと嬉しかったところもあるな。

 

で、ナカゴは家事に関してはどうも「ちょうどいい加減」の調節が苦手のようで、おにぎりを作るという工程ひとつとってもなかなかコツが掴めずにいた様子。そこでコジリが機転を利かせて、茶碗を2つ使って作る裏ワザを彼に教えてあげたようです。確かにお茶碗を2つ合わせて振るというやり方であれば、「強すぎず弱すぎずの力加減で優しく握る」というのができなくても、とにかくお茶碗を一生懸命振ればおにぎりが完成しますから、ナカゴにとっては良いアドバイスですね。

 

それにしても、ナカゴはなぜ突然おにぎりを作ろうと思い立ったのでしょうか…? まあ、ナカゴはライズの時の台詞でも、コジリの料理が少しでも楽になるようにと、お魚を三枚おろし~にするからくり(?)を開発しようと試みたりなど、コジリに家事を全部任せきりにするのではなく自分も何かしたい、と思っている節がありましたから、作り方のそれほど難しくないおにぎりからでも料理を始めてみようか、と考えたのかもしれません。

 

ライズ時代のコジリには「寝坊して時間がなかったので、昼食のおにぎりの具を用意するヒマがなく塩むすびになった」というエピソードもありますから、これも伏線の一つということになるのかな。

 

同時期のコジリに話しかけると、美味しいおにぎりの握り方を伝授してくれます。

 

おにぎりをおいしく作るコツニャ? ボクよりセイハクくんに聞いた方がいいと思うニャけど…そうニャね…。
握りが甘いとボロボロになっちゃうけど 握りすぎるとお米が潰れてしまうニャ。やさしくやさしく、形を作るニャ。

あ、ごはんは少し硬めに炊いたほうがおにぎり向きだと思うニャ。長めに水に浸しておくのも重要ニャ。

でも、一番大事なのは、やっぱり「お米のおいしさ」ニャ!

センナリさんたちのところのお米がすごくおいしいからニャ。それをおにぎりにしたら、おいしいに決まってるニャ。

(マスター★2 コジリ)

 

ライズの時からそうですが、コジリの料理の話はものすごくリアリティがあるといいますか、生活感があってこちらも共感できるもの、ためになるものばかりですね。筆者はライズ時代のお弁当の盛り付けの話とかも好きです。

 

ところでこの台詞、どうも主人公の方からコジリに聞いて教えてもらっているみたいですが、エルガドではうさ団子以外はいわゆる「和食」を口にすることがあまりないでしょうから、主人公ハンターも和食が恋しくなっているのでしょうか。一応、ガイアデルムを討伐した後でカムラの里に帰ったときは、コジリとの会話で主人公ハンターのエルガドでの日常生活のことが少しだけわかるんですよね。

 

○○。帰ってたニャ。おかえりニャ。元気だったかニャ?
ちゃんとごはん食べてるかニャ? …まあ、○○はちゃんと自分でできる人ニャね。

でも、せっかくだから 今日は一緒にご飯食べるニャ?

大丈夫ニャ。2人分作るのも3人分作るのもそんなに変わらないニャ。

(マスター★6 コジリ)

 

ギルドの取り決めとして、ハンターには身の回りの世話をしてくれるルームサービスが必ずつくことになっていますが、「ちゃんと自分でできる人」というコジリの台詞を見るに、主人公ハンターは一応家事もするのでしょうか。まあ、作中では描写はないもののオフの日はあるでしょうから、ルームサービスにも休暇を与えて家事を自分ですることもあるのかな。エルガドのルームサービスは料理が苦手という話もありますから、ご飯は自分で作るということもあるのかもしれません。茶屋のうさ団子がガチの完全栄養食品なので、そちらで済ませていることも多いような気がしますが。

 

それにしても、相当の料理上手であろうコジリも認めるセイハクのおにぎり屋の味。コジリはライズ時代でもセイハクのおにぎり屋について言及する内容の台詞がありましたね。里一番のハードワーカーであろう船着場のツリキもセイハクのおにぎり屋の常連ということですし、彼の握るおにぎりは今や里の立派なソウルフードの一つです。

 

で、ナカゴはコジリに教わった「茶碗式おにぎり」にどうも味を占めたらしく、このアイデアを元にして、魚捌き機に続いて今度は自動でおにぎりを作るからくりを開発したようです。

 

コジリに以前、お椀を合わせておにぎりを作る方法を教えてもらったんですけど、あれだと中に具が入れられないんですよね。
というわけで、作ってみたんですよ。その名も「自動おにぎり機」!

左右のお椀にごはんをよそって、真ん中に具材を乗せて、ポチッ!

すると、からくりがお椀を合わせて… あとは、具材が中央にくるように 均等にフリフリしてくれるんです。

でも、コジリはこんなからくりがなくても もっともっとおいしいおにぎりをすぐに作っちゃうんですよね。不思議だなあ。

(マスター★3 ナカゴ)

 

自分で茶碗を振るとどうしても振り方がまばらになってしまいますし、左右の手で均等に力をかけるのも難しいですから、具がおにぎりの真ん中にうまく入らずに偏ってしまう……そこで、望ましい茶碗の振り方を機械的に正確に再現してくれるからくりに任せることで、具が入れられない問題を解決するに至ったようです。さすが加工の腕はピカイチのナカゴ……じゃなくてですね、そもそもどうしてこの男は色々なものをやたらとオートメーション化しようとするのでしょうか。

 

まあ、練習して自分の料理の腕を磨こうというのではなく、原理を理解した上で料理をしてくれるからくりを設計しようという発想になるあたりが彼が生粋の加工屋である所以といいますか、苦手なものはとことん苦手で好きなものはとことん追求できるという彼の性格を端的に表しているところですね。あと、ナカゴが「フリフリ」って言ってるのが地味にじわじわくる。ナカゴが言うだけで何でも面白いのずるくない?

 

で、このナカゴの自動おにぎり握り機を見たコジリは、当然ながら非常に驚いた様子でした。

 

ここ数日、ナカゴが夜遅くまでゴソゴソ何かを作っててニャ。できあがったのは まさかの「自動おにぎり機」だったニャ。
おにぎりを、自動でニャ…? いや、そもそもあのからくりはおにぎりを握ってはいないし、あれはおにぎりなのニャ…?

でも、合わせたお椀を振って作るおにぎりも 握ってないけどおにぎりって言うし…だから あれも自動おにぎり機で合ってるニャ?

ニャ…よくわからなくなってきたニャ…。ただ、自動おにぎり機がすごいからくりであることは、間違いないのニャ…。

(マスター★3 コジリ)

 

ナカゴのおかげで何故かおにぎりの定義について考えることになってしまったコジリ。あれでしょうか、これもおにぎらずの一種みたいなものなんでしょうかね。もちろんコジリは茶碗やからくりを使わなくても自分で美味しいおにぎりを握れますから、おにぎりの定義など考える必要もないのですが……「あんなのおにぎりじゃない!」とは言わず、親友がからくり製作に注ぎ込んだ熱意を受け止めて(?)くれるのはさすがのコジリですね。

 

コジリは以前ナカゴが開発した自動で魚を捌くからくりに関しては、「切るのが丁寧すぎて魚がしなびてしまうため実用的ではないが、自分のためにナカゴが頑張ってくれたことは嬉しい」とコメントしていましたが、今回のおにぎり機については「すごいからくりだ」と評しています。ある程度スピーディに捌かないと悪くなってしまう生魚と違い、おにぎりは多少握るのに時間がかかってもまあそれほど問題はありませんから、今回のからくりは一応実用的であるということなのでしょうか? これでナカゴも、コジリの家事を少しずつ分担できるように……なるといいですね。

 

余談ですが、この「米を中に入れて振ることでおにぎりが作れる家庭用の器具」というのは私たちの世界にもありまして(もちろん自動式ではありませんが)。

 

ふりふりごはんボールjp.daisonet.com

 

ダイソーで売られているふりふりごはんボール。私は真っ先にこれが思い浮かびました。もちろん、これは茶碗で作るような大きさのおにぎりではなく、小さなお子様のお弁当に入れるようなプチおにぎりを作る用のアイテムではありますが、原理としては基本的に同じものであると言ってよいでしょう。ナカゴは百均の商品開発部門だった……?

 

さて、おにぎりの話はここまでと致しまして、続いてナカゴが床掃除をしようとしたときのエピソード。

 

いやー、掃除も奥が深いですねぇ。床拭きひとつとっても、適した方法があるんですから。
武具と同じで、素材によって適した扱いがあるんですよね。うちの床は木なので、武具用の素材と思って扱えばいいわけです。

それでつい嬉しくなって 調子に乗って床を磨きすぎてしまって。ツルツル滑る床になってしまいました。

コジリが転んでしまうと危ないので 今日はじゅうたんを買って帰りますね。どうせだから、フカフカのにしよう。

(マスター★5 ナカゴ)

 

ナカゴではもはやお馴染みとなった、そうはならんやろ系シリーズのエピソードですね。木造の家の床を磨きすぎてツルツル滑るようになるって……武具用の木材のように扱えばいいとか言ってますから、もはや紙やすりで床を研磨したとしか思えないのですが、コジリに教わったやり方ということですから、あくまでも普通の清掃用具を使ってるみたいなんですよね。うーん、ナカゴが凝り性であることは分かりますが、ここまでくるともう凝り性とかいう問題なのでしょうか……。おそらく彼は「磨く」という概念を「綺麗に汚れを取る」こととして捉えておらず、あくまでも「研磨する」こととして捉えているためにこうなってしまったのでしょう。

 

それでいて、最後の一言が「どうせだから、フカフカのにしよう」なのが最高にナカゴなんですよね。木造の床を足を滑らすほどツルツルにしてしまうという割とヤバめのことをやっておきながらこのマイペースさ、「コジリが転んでしまうと…」と、本人はごくごく真面目にコジリのためを思っていそうなところ、今回のことを至って前向きに「床掃除って奥が深いんだな~」と新たな学びとして噛みしめている感じのテンションであること………。

 

「じゅうたんを買って帰りますね」で終わったらナカゴじゃないんです。「どうせだから、フカフカのにしよう」だからこそナカゴなんです。このニュアンス伝わってほしい。

 

コジリによれば一応、今はのほほんとしているナカゴも家ではそれなりに落ち込んでいたようです。

 

ナカゴは凝り性ニャ。床掃除はこうやるといいニャ、って教えたら、昨日は朝から晩まで床を磨き続けてたニャ。
部屋の隅から隅までピッカピカにしたニャ。それはもう、すごい集中力だったニャ。

ただ、ピッカピカになりすぎて ツルッツル滑る床になっちゃって…。ナカゴ、ちょっとしょんぼりしてたニャ。

でもさっき、武具用の薬剤の中に 滑らなくなる薬剤があるのを見つけたニャ。帰ったら、床に塗っておくニャ。

(マスター★5 コジリ)

 

これまで家事をしなかった人が家事を覚えようとするって、なかなか大変なことなんですね(まあ、ナカゴはそういう次元の話ではないような気もしますが)。とはいえ、掃除にしても料理にしても、ナカゴは基本的には家事熟練者のコジリの言うことを聞いて実践して、上手くいかなければきちんと反省点を分析して次に生かそうとできる人ですから、その意味では家事初心者としては非常に模範的な人物だと思います。ちなみにコジリによれば、家の床は滑り止めの薬剤を塗れば大丈夫とのこと。よかったね、ナカゴ。

 

と、こんな感じでいつもの不思議な日常を送っているナカゴですが、もちろん加工屋としての本分を忘れているわけではなく(失礼)、ちゃんと加工屋らしい台詞も聞くことができます。

 

最近、王域生物から採れる素材を扱う機会が増えてきたんですけど、いや~、おもしろいですね。
今までの素材にはない特徴ばかりで… これなら、あんな加工やこんな加工もできそうだなって、ワクワクします。

○○さんのおかげで 僕たちの仕事の幅も広がりますよ。ありがとうございます。

(マスター★4 ナカゴ)

 

彼の師匠のハモンでも「ミネーレから話を聞いていなければもっと加工に苦労した」と言っていた王域生物の素材を、「色々な加工方法が考えられて面白い」とわくわくしながら語るナカゴ。もちろんその加工方法を考えるのはさすがの彼でもなかなか骨が折れることでしょうか、その過程を純粋な気持ちで楽しめるというのは、ナカゴもまたハモンとは違うタイプの天才肌の加工屋なのだなぁということを改めて再確認させてくれます。

 

ところでこの台詞、ナカゴとコジリは重要な緊急クエストの前後などを除けば基本的にお互いの話をしていますが、この記事のナカゴとコジリは珍しく別々の話題なんですよね。コジリの台詞の方は傘屋のヒナミについて話しておりまして、そちらはまたヒナミが登場する記事で紹介することといたしましょう。

 

ちなみにこの2人、主人公のエルガド出発前に話を聞いてみると、とても重要な話をしているんですよね。

 

 

 

「カムラの里のたたら製鉄を王国に明け渡してしまってよいのか?」という疑問は、実は筆者もサンブレイク発売前に書いた記事(下記参照)で挙げていた話題のひとつでして。非常に気になっていたその辺の話を実際にサンブレイクでナカゴとコジリがバッチリしてくれていたのは、とても嬉しかったんですよね。

 

少し前に、王国の加工屋の人がやってきて、ハモン師匠に弟子入りしたのニャ。

それが、すごい人で… ハモン師匠とも違う技術を使いながら、でも確実に師匠の技を自分のものにしてたニャ。

でも、それを見ててボクは、師匠の技術が里の外に出ちゃうと、この里の収入とかにも影響するだろうしいいのかニャ…と思って。

そしたらナカゴが「師匠の技術が広まれば、もっとすごい技術を考えられる人も増えるもんねぇ」って、言ったにゃ。

…もっともだニャ。里だけのことを考えるんじゃなくて、加工屋全体の未来を見れば、その通りだニャ。

ちょっと視野が狭かったニャ。反省ニャ。ボクももっとがんばって、王国の人たちより先にすっごい加工を考えてみせるニャ!

(旅立ち前 コジリ)

 

この前、ハモンさんのところに 新しいお弟子さんが来たんですよ。
里の製鉄技術を学ぶため はるばる王国から来られたみたいで、とても勉強熱心な人でしたよ。

でもコジリは「里の製鉄技術って 独自の技術だからこそ里の収入源になってるのに、大丈夫なのかニャ?」って。

僕は単純に、広く技術が伝わるのはいいことだって思ってましたけど、言われてみればそうですよね。

そういう視点は全然なかったんですよね。やっぱりコジリはすごいなぁ。

(旅立ち前 ナカゴ)

 

ハンターを守るための加工技術の発展について考えるナカゴと、カムラの里の皆の生活について考えるコジリ。どちらの考えていることもよくわかりますし、いずれも重要な視点です。こういう難しい問題に対して、各々が違った角度からものを考えることができて、かつ互いの意見にも敬意を払えるというのは本当に理想的なコンビなんだよね。

 

彼らが考えていることについてすぐに解答を出すことはできませんが、ロンディーネとミネーレならきっと、このどちらの立場も納得できるような――つまり、カムラの里から伝授された加工技術を王国でさらに活用しつつも、その提供元であるカムラの里の独自性や存在価値が失われることがなく、むしろ里にとっても有益となるような今後の関係性を模索していってくれるに違いないと思います。

 

 

2.ミハバ

 

続いては、ヒノエさん一筋の加工屋見習いことミハバさん。彼はまだ修行の身でありますが、師匠であるハモンがライズ時代は百竜夜行のための仕事で忙しく、そしてサンブレイク序盤では喫緊の用事としてミネーレに加工技術の伝授をする必要があり、ミハバの修行までなかなか手が回らない状態になっていました。致し方のないことではあるとはいえ、ハモンもそのことを申し訳なく思っていたようです。

 

おぬしがエルガドへ行く際、ワシも一緒に来てくれないかとミネーレから連絡があった。もちろん断ったが。
技術はミネーレにすべて伝えた。あえてワシが行く必要もあるまい。まさか、おぬしに付き添いもいらんだろう。

だいたい、ミネーレよりこっちの弟子のほうがよほど心配だ。特にミハバの修行は 百竜夜行で止めてしまっているからな。

そこへ王国からの依頼があって ミネーレの修行が割り込み… あやつには、悪いことをした。

しかし、これからはいくらでも時間が取れる。存分に、しごいてやるとしよう。

(マスター★2 ハモン)

 

で、そのミネーレがハモンに加工技術を習うところをミハバも見ていたようで、物凄いスピードでハモンの技術を吸収していく光景に彼は舌を巻いていました。

 

じつは、少し前にさ…ハモン師匠に「王国へ技術を教えに来てほしい」って 王国からの打診があったらしいぜ。
当然、師匠は里を離れられないからって  断ったんだけどさ、そのあと王国からキレイな女性が修行に来て…

あっ! という間に技術を身につけて 帰っていったんだ。

あっれぇ? 俺の修行止まってるのに!? いやそりゃ俺はあの速度で師匠の技術は身につけられないけどさあ!!!

ま、これも王国との技術協力… しゃーねーか! にしても、あの女の人 すごかったぜ…俺もがんばらないとな。

(旅立ち前 ミハバ)

 

今時こういう表現をするのもアレかもしれませんが、たとえミネーレがどれだけ美人でも、ミハバはヒノエ以外にはピクリとも反応しないんですね。相変わらず一途です。ということで、ようやく再開した修行に打ち込みつつも、サンブレイクでもヒノエさんへの推し活(?)を片時も忘れることがないミハバの紹介をしていきましょう。

 

ヒノエさんは今日もキレイだなあ…。きっと、明日も明後日も明々後日もその次の日もずっとずっと美しいんだぜ…!
だって、昨日も一昨日もその前もその前もずーっと美しかったんだからな…!

それから、ヒノエさんは明日も明後日も明々後日もその次の日もずっとずっと優しいんだぜ…!

だって、昨日も一昨日もその前もその前もずーっと優しかったし…… はぁ……いつまででも見ていられるぜ…!

(マスター★2 ミハバ)

 

久々に里帰りをしてミハバの修行の様子でも聞こうと思っていたのに、口を開くやいなやこれですよ。ちゃんと修行してる…? まあ、ミハバはヒノエのことになるとこうなってしまうだけで、加工に関しては非常に勉強熱心な人ですから大丈夫だと思うのですが、どうしてもヒノエの眩しい姿を目で追いかけてしまうのは平常運転でした。ヒノエさんよ永遠なれ。

 

聞いてくれよ、○○…。ヒノエさんが…。ヒノエさんが…!
あのカラコロと鈴を転がすような美しい声で「おはようございます」って…! 「おはようございます」、って……!!!

もちろん元気よく返事をしたぜ、イカリは! …俺? 俺はここで見てただけだもん。挨拶されるのも、したのも俺じゃないもん。

ああ、俺もヒノエさんに挨拶されたいぜ…! さりげなく前を通ったり…いや、まさかヒノエさんの視界を遮るなんてそんな…!

(マスター★4 ミハバ)

 

この話、「お、もしかしてとうとうヒノエと会話が成立したのか…!?」となぜかワクワクしながら読み進めていたのですが、蓋を開けてみればヒノエとイカリが挨拶を交わしていたという話でした。この台詞を読んだプレイヤーはたぶん例外なく「いやお前ちゃうんかい!」とツッコんだことでしょう。ライズ時代のミハバはヒノエに話しかけるのも達成できずじまいでしたから、今回こそは一言でも会話できたのかと進展を期待していたのですが、そういうワケではなかったようです。

 

それにしても、ヒノエが好きすぎてヒノエの前を通ることすら躊躇ってしまうという気持ち……やはりヒノエに対するミハバの感情は単純に恋愛的なものというよりは、「推し」みたいな部分もあるんだろうなと筆者は思うんですよね。推しが幸せであることが至上の喜びであって、そこに自分もいられたら尚嬉しいという恋愛的な面もありつつも、本質的にはそこに自分が登場するかどうかにこだわりがなく、むしろ自分は邪魔をしない方がよいとすら思えてしまう……たぶんミハバの内面はこんな感じなのかな~と。

 

ゆうべな、ヒノエさんがミノトさんのところに行っててさ、オテマエさんやマイドさんたちとおしゃべりしてたんだよ。
俺はそれを眺めながらずっと飲んでた。ハナモリさんに付き合ってもらってな。そりゃもう、進む進む。いくらでも入る。

まあ、おかげでこのありさまだけどな…。いや、これもヒノエさんがくれた痛み…! 俺は、しかと味わう、噛み締める…!

(マスター★5 ミハバ)

 

お次は二日酔いになってしまったミハバさん。ヒノエさんたちのガールズトークを眺めながら飲んでいたらずいぶんと深酒をしてしまったようで、案の定翌日に響いてしまったみたいです。カムラの加工屋の人から二日酔いの話を聞くのはこれで2回目……まあ、1人目のハモンが二日酔いをしたのは淵源ナルハタタヒメ討伐後の宴会でつい嬉しい気持ちが昂ってしまったがゆえのものですから、その感慨は大いに共感できるのですが、ミハバの場合はなんかこう……って感じですよね。

 

というか、ハナモリさんも止めてあげてください……。とはいえまあ、ミハバのことですから、おそらく「ヒノエさんを見ていれば無限に飲めるから俺は全然大丈夫~」みたいな感じで、ハナモリが制止していたのに聞かなかったという話のような気がしますが。それにしても、本来なら非常にしんどいはずの二日酔いの頭痛すらも、ヒノエが絡めば一種の喜びに変換されてしまうというのは、ヒノエに対する彼の愛もいよいよ少し心配な方向に行っているような気がしないでもありません。

 

ガイアデルム討伐後の彼との会話でも再び、そうはならんやろ系の台詞を聞くことができます。

 

よう、○○! おかえり!
オマエが里にいないと、ヒノエさんが少しさびしそうに見えるぜ。くっ…ヒノエさんにそんな風に思ってもらえるなんて……!

まあ、俺だってオマエが里にいないとちょっとさびしいもんな。ずっと、いるのが当たり前だったわけだし。

はっ…!? も、もしや… 俺は今、ヒノエさんたちと同じ気持ちを味わっている、のか…!?

おお…感動だ……! これも、オマエが里の外へ行ってくれたおかげだぜ…。

ありがとう、○○。これからも、里の内外問わず存分に活躍してくれ。応援してるぞ。

(マスター★6 ミハバ)

 

「ヒノエさんに寂しがってもらえるなんて羨ましい」という話から、「俺はヒノエさんと同じ気持ちを味わっている! ありがとう!」に急展開するこの発想の飛躍っぷり。主人公がいないと寂しいとミハバにも思ってもらえているのは素直に嬉しいことですが、それはそれとして「ヒノエさんと同じ気持ちを味わえる」とかいう理由で応援されるのはこちらも若干困惑します。というか、自分とヒノエとの接点をあらゆるところに見い出せるその豊かな思考回路はむしろこちらが羨ましいくらいなのですが……。

 

しかしながら、主人公のことが羨ましいという気持ちはありつつも、ネガティブな「嫉妬」という感情にはまったく縁がないというのはネタ抜きで真面目に凄いことだと思うんですよね。あくまでも「俺もがんばろう!」という自分自身の原動力に変換できるというのは、やっぱりミハバは心根が綺麗な人物だなぁと思います。これからも加工屋の修行を頑張って、ヒノエに堂々と話しかけられる一人前の男になれるといいですね。

 

3.フクラ

 

最後はオトモ加工屋のフクラ。ここまでナカゴ、ミハバというクセのあるメンツが多かったですが、最後のフクラは貴重な癒し枠になります。

 

少し前に、王国から女の人が来てたニャ。ハモン師匠に弟子入りしたニャ。
もう、ほんとに、すぐに! 師匠の技を覚えちゃったニャ! オイラ、びっくりしたニャ!

すぐに帰っちゃったんニャけど… すごく元気な人だったニャ。オイラも、なかよしになったのニャ!

また遊びにくるって言ってたけど お手紙、書く約束したのニャ! もう書いたニャ。出したニャ。

お返事、来るかニャ? 来るといいニャ! 楽しみだニャ!

(旅立ち前 フクラ)

 

フクラといえば、ハモンの元に修行に来ていたミネーレとメル友(死語)になっていましたね。手紙というと、さすがに飛脚のセンリでも海を越えるのは大変でしょうから、おそらくカムラとエルガドの連絡船か何かで運んでいるのでしょう。船乗りのフィーノも「船の貨物には手紙もたくさんある」と言っていますし、モンハン世界では船が一般的なのかな。

 

聞いてニャ、聞いてニャ! ミネーレさんから お手紙のお返事が届いたニャ!
ミネーレさん、○○さんと同じところで働いてるのニャね! びっくりしたニャ!

王国の拠点の武器を任されてるなんて… ほんとーにすごい人だったのニャね…!

でも、そのミネーレさんはハモン師匠のこと「神!」って言ってたにゃ。…加工の神様くらいすごいってことニャ?

エヘヘ、師匠はほんとーにすごいのニャ! うれしいニャ、うれしいニャ! ミネーレさんにもまたお手紙を書くニャ!

(マスター★4 フクラ)

 

「神!」という都会の言葉(?)に一瞬困惑するフクラ。師匠のハモンがミネーレにも慕われていることをとても嬉しそうにしています。かわいい。2人の今後の文通も楽しみですね。

 

この間、コミツちゃんに りんご飴作りに使ってるお鍋のお手入れを頼まれたのニャ。
ハモン師匠が「おぬしに任せる」って言ってくれたニャ! だから、オイラがんばったニャ!

コミツちゃん、とっても喜んでくれて お礼にって、加工屋といっしょに りんご飴をくれたのニャ!

オイラ、コミツちゃんの りんご飴大好きニャ! オヤツの時間になったら食べるのニャ。

オヤツの時間、まだかニャ? あとちょっとニャ? ニャ~、待ちきれないニャ。

(マスター★5 フクラ)

 

コミツちゃんにりんご飴の鍋の手入れを頼まれた、という日常的な内容なのですが、このフクラの台詞は結構重要で、おそらく作中ではここで初めて「加工屋が武器だけではなく金物の家具なども取り扱っている」ことが示されているんですよね。確かに、これだけ優秀な職人がいる加工屋であれば、武具のみならず家具なんかもとても質の良い製品がつくれるはず。ホバシラによれば、カムラの里の交易における輸出高はたたら製鉄が1位ということでしたが、この鉄やら鉄製品やらとは別に全てが武具用というわけでもなく、カムラ製の金物や調理器具、というのも大いに含まれているのかもしれませんね。

 

ハモンさんが料理の腕も一流というエピソードもライズ時代にスズカリから聞くことができましたが、ハモンさんの自宅の調理器具なんかも自分で加工したものなのかも? 一流の武具職人が作る包丁なんてとても扱いやすそうですよね。……まあ、彼の弟子のナカゴが研いだ包丁はまな板や調理台まで真っ二つにしたらしいですが。いや、そうはならんやろ……。

 

師匠であるハモンに「任せる」と言ってもらえるのは、弟子としては腕を認められているということで、これ以上に嬉しいことはありませんね。それに、フゲン辺りの様子を見るに、恐らくハモンもハンターに現役復帰するか、盟勇として参戦するかしそうな感じはありますから、自分がいなくても加工屋が回るように……ということで、後進を育てていこうという方向により強く意識が向いている感じなのかな~とも思ったり。百竜夜行との因縁に決着がついたことで、どこかハモンさんには心の余裕ができたような雰囲気があります。

 

ちなみに、フクラはカムラの里におけるフゲン、ヒノエに続く第3のフードファイター枠として私は密かに注目しておりまして。と言ってもまあ、フクラはシンプルな大食いというよりは、ここのりんご飴の台詞のように、代謝が良いのか何なのかわかりませんがすぐにお腹が空いてしまうというタイプのようです。

 

同時に彼は無類のうさ団子好きでもあり、エルガドで主人公が何を食べているのかが少し心配だったらしく、向こうにも茶屋があるという話を聞いて安心(?)したという話が聞けます。

 

そうそう、王国の拠点にも うさ団子屋さんがあるって聞いたニャ。
○○さんは、向こうでもうさ団子を食べてるのニャね。よかったニャ。

だって、うさ団子がないと おなかすいたときに何を食べていいか わからないニャ。困るニャ。

…うさ団子の話をしてたら、おなかすいてきたニャ。○○さん、一緒にうさ団子食べに行くニャ?

(マスター★4 フクラ)

 

そして食べ物の話をするとすぐお腹が空いてしまうフクラ。かわいい。彼は主人公の里帰りを非常に嬉しそうに迎えてくれる人物でして、実際に作中で一緒にうさ団子を食べるということができないのが残念な限りです(わがまま)。せっかく茶屋にはいくつか席があるんだし、「里やエルガドの人を食事に誘う」というコマンドを実装していただけませんか……(わがままその2)。

 

 

 

最後にちょっとしたおまけ。

 

○○さん! 重ね着装備について、ひとつお知らせだよ。
なんと! 今まで防具だけだった重ね着が、武器でも可能になりました~!

防具の重ね着は、カムラの里のナカゴさんの発想だよね。私もそれを見習って、がんばってみたってわけ。

装束チケットGをプレゼントするから、ぜひぜひ試してみてね!

(Ver.12アプデ後 ミネーレ)

 

9月末アプデで実装された武器重ね着システム、これはエルガドのミネーレから告知されるのですが、なんとついにミネーレの口から「ナカゴ」という単語が発せられました。ナカゴファンの皆さんおめでとうございます(?)。まあ、重ね着といえばナカゴなので何となく予想していた展開ではありましたが、いずれにしてもミネーレとカムラの職人たちの交流が深まっていくのは嬉しいことですね。

 

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ということで、今回の記事はこの辺りで〆としたいと思います。本当はこの記事はアプデ前にギリギリねじ込んで投稿する予定でしたが、ミネーレが武器重ね着でナカゴの話をするのではないかと期待していた関係で10月の投稿になりました。

 

次回辺りでそろそろストーリーが進むアプデも来そうな気もしますので、ガレアス、チッチェ姫、タドリとオボロ辺りの記事はその前に出しておきたいですね。動画投稿のモチベも高くなってしまったのでなかなか手一杯な状況ではありますが、ブログの更新も怠らないように勧めていきたいと思いますので、引き続き応援していただけると嬉しいです。

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!