名物うさ団子の発信源、茶屋の魅力にせまる!

※注意事項※

・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売の『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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カムラの里の一番の名物であり、里のハンターならお世話にならない日はないと言っていいのが茶屋のうさ団子。たたら場前エリアではヨモギ、集会所エリアではオテマエがそれぞれ茶屋を取り仕切っていて、更にたたら場前エリアではもち米をついているシラタマキナコにも話しかけることができます。本記事ではうさ団子作りの天才少女ヨモギちゃんと、彼女の師匠であるオテマエさんのお話を中心に、茶屋の仲間たちのことを紹介していきたいと思います。

 

ーーーー目次ーーーー

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1.努力と発想の天才、ヨモギちゃん

 

まずは茶屋の看板娘ことヨモギちゃんのお話から。ヨモギから度々依頼されるサブクエストの内容からもよく分かるように、彼女のうさ団子作りにおける発想力には並外れたものがあります。その天才ぶりの何たるかは、うさ団子ヘビーユーザーであるヒノエのよく知るところとなっています。

 

昔からお団子は皆の大好物だったのですが、そこに革命を起こしたのが、茶屋のヨモギちゃんなのはご存知ですよね?

うさ団子…! 見た目のみではなく、その作り方も味も、団子の概念を根底からくつがえしたのです…!

[後略]

(里☆1 ヒノエ)

 

具体的に何がどう革命なのかというのはヒノエにとっては今更言うまでもないようなことらしく、この台詞では詳しく教えてもらえないのですが、茶屋で食べることができる団子のラインナップにヒントがありそうです。

 

元々うさ団子というお菓子自体が、里のお米の他に野菜なども使っており、一般的なお団子とは製法が異なっている食べ物なのですが、ヨモギはそこにパイナップルミント山椒カカオといった、団子に入っているのをあまり見たことがないような材料を積極的に登用したり、米のつき方を工夫してみたりするなど、種類豊富なお団子を食べる楽しみや、栄養価の高さを大幅に拡大した、という感じでしょうか。

 

冒頭で「サイドクエストが…」と言いましたが、ここで、そうしたヨモギの底知れない新作うさ団子の発想力が窺える、彼女からのサイドクエスト依頼内容を(さすがに全部見るには多いですが)少し見ていきましょうか。

 

あ! ○○さん! 実はね、お願いしたいことがあるんだー!
この前ね、新作のうさ団子のことをうぬぬぬぬぬ、ってずと考えてたら、いつの間にか寝ちゃってたんだ。

最初は、あちゃ~って思ったんだけど、頭と体はとってもスッキリしてたんだ! それでね、ビビビっと閃いたの!

一度聞けば、グッスリ快眠ってウワサのイネムリ…イツモネ…ネムイミ…。じゃなくて、イソネミクニの歌!

あの歌を参考にすれば、頭と体がスッキリするようなうさ団子が、ババーンってできるように違いないよー!

だから、イソネミクニの捕獲、お願いしてもいい? ぜったい、スッゴイうさ団子、つくっちゃうから!

(里☆5サイドクエスト ヨモギ

 

あ! あのね。○○さんにしか話せない、ヒミツのご相談があるんだ。

実はね。もっと体にいいうさ団子を作ろうと思ってるの。里のみんなには、ずーっと元気でいて欲しいからね!

それでね、オテマエさんと「ヤッコウ」…お薬の効き目についての本を読んだりしてるんだけど…。

その勉強のためにね、ちょーっとキケンな匂いのする素材が欲しいの。フッフッフッ…。

○○さん、モンスターの素材にくわしいよね。何か分けてくれないかなぁ…?

(集会所☆6サイドクエスト ヨモギ

 

ねぇねぇ! ○○さん! ちょっと聞いて欲しいことがあるの!

マグマでじっくり炙った、新生うさ団子っ!!!

…どうどう? 気になるでしょ~? 実はね、うさ団子をもっと美味しくするのに、焼き方を変えてみようと思って!

でね、さっそく試したいんだけど、いま溶岩洞でマガイマガドとリオレウスが一触即発! って感じなんだって。

もし今、うさ団子を焼きに行ったら、2頭の鬼火と火の玉で、うさ団子もろともわたしもマックロ丸コゲ…。

○○さん! おいしくなる予感のする、新生うさ団子のためにも、協力してくれないかな?

(集会所☆7サイドクエスト ヨモギ

 

ヨモギのこうした斬新すぎるアイデアの数々には、うさ団子作りにおける彼女の師匠であるオテマエも一目置いています。

 

里や集会所のうさ団子のメニューは、ヨモギと一緒に考えてるのニャ。

元はあたしが教えたうさ団子作りだけど… 最近じゃ、アタシの方があの子の発想に驚かされることも多いニャ。

あの子はとびきりの努力家だからニャ。日々どんどん成長していくニャ。

フフ、あたしもうかうかしてられないニャ! 師匠として、まだまだ負けるわけにはいかないのニャ!

(集会所☆2 オテマエ)

 

師匠と弟子という関係でありながら、対等に意見を言い合える良き仕事仲間であり、互いに刺激し合って成長する良きライバルでもあるという関係性が非常に素敵。弟子の(時には奇想天外すぎる)柔軟な発想を彼女のオリジナリティとして高く評価し、積極的に新作お団子に取り入れていこうとするオテマエの懐の深さにも恐れ入ります。

 

新しい味を作るというのもなかなか大変なもので、新しく作るお団子の材料や製法のことを考えるのはもちろん、大元のコンセプト決めの段階においても、それを明確化することには中々の労力を必要とすることがヨモギの師匠のオテマエの台詞からも分かります。

 

うーん…○○は、どんな味付けが好みかニャ? 今、新しいうさ団子を考えてるのニャ。
同じ「甘い」にしても、いろいろあるニャ。甘さを控えめにして素材の味を活かすのもいいし、コクのある濃厚な甘さもいいニャ。

少し塩っけを足して甘さを引き立たせるのもいいし、甘酸っぱくて爽やかなのもいいニャ!

それに、硬さひとつとっても柔らかめのも、コシの強いのもどっちもそれぞれのよさがあるニャ。

新しいおいしさを考えるのは、とっても楽しいけど、とっても悩ましいニャ~。

(集会所☆6 オテマエ)

 

甘いお団子の「甘い」一つとってもこれだけの味わいのバリエーションがあるのですから、「甘いのがいい」「刺激があるのがいい」といったふんわりとしたイメージを具体的に詰めていき、製法に落とし込んでいくという工程だけでも非常に時間がかかりそうです。現在茶屋に並んでいるお団子たちも皆そうしたプロセスをくぐり抜けてきたということになると、主人公がハンターになってからストーリークリアまでに品目が優に2~3倍になり、また多くのお団子が改良を施されたということになりますから途轍もないことです。

 

むろん、これはモンスターとの戦いに赴くハンターや里守たちの為に、幅広くかつ効能の高いお団子を作る必要があったという事情もあるでしょうが、それだけに「狩猟はハンターだけでやるものではない」というテーゼの偉大さを思い知らされることになります。

 

そんな感じで多くの新作うさ団子のアイデアを試行し実現させてきたヨモギではありますが、むろんそうした彼女のアイデアはつねに百発百中というわけではなく(うさ団子に限らず、どんな発明においてもそうですが)、むしろ失敗の方が多いくらいが普通というもの。ヨモギの行きつけであり、彼女の研究熱心さをよく知っている米穀屋のスズカリは、その研究の様子を次のように語っています。

 

茶屋のヨモギちゃん、よくここに来て、いろいろな品物を買っていくの。
それで、新しいうさ団子に使えないか毎日のように試作してるのよ。本当に研究熱心よね。

たまに大失敗してるのを見かけると、別にウチが悪いわけじゃないんだけど、なんだか申し訳ない気持ちになるわ。

(里☆3 スズカリ)

 

普段茶屋で頂いているうさ団子の美味しさとは裏腹に、研究段階では大失敗レベルのアイデアも少なからず生み出されている様子。うさ団子に革命をもたらした天才といっても、先見の明があり常に最適解を編み出していくタイプの天才というよりは、先のクリップでオテマエも評価していたように、ヨモギは数多くの失敗を糧にして最終的に至高の逸品に辿り着くことができる、努力型の天才というタイプの人物なのでしょう。

 

そしてヨモギ自身、かつては新作うさ団子の研究が失敗に終わってしまうことを恐れる気持ちがあったようなのですが、ある時長老のゴコクから貰った一つのアドバイスをきっかけに、大きく考え方が変わったといいます。

 

いつも、新しいうさ団子の作り方を思いついて、作ってみるけど… 失敗ばかりしちゃうんだよね~。
むかし、それで落ち込んでたら、ゴコク様が「一発で成功したら、それは成功ではなく "まぐれ" でゲコ」って教えてくれたの。

「失敗を重ねてこそ、己の成長につながる成功が得られるのでゲコよ」って…。さすが里の長老様、かっちょいいよね~。

それ以来、成功して成長するために、恐れずバンバン失敗してるよ! それでたまに成功すると、すっごく嬉しいんだ!

(里☆6 ヨモギ

 

ゴコク様、ナイスなアドバイスです。最初から成功するのはまぐれであり、初めは何でも失敗して当然。このアドバイスのおかげで、思い付いたアイデアを何でも試し、失敗を厭わずに研究に打ち込むという今のヨモギのスタイルが確立されたと言えます。失敗はただ上手くいかなかったということではなく、このやり方ではうまくいかないことが分かったという一つの学びである、的な感じの言葉がどこかの偉人の名言にあったような気がしますが(うろ覚え)、ゴコクの言葉はまさにその正鵠を射たものであると言えるでしょう。

 

ゴコク様といえば、彼はカムラの里の中で、幼い頃のヨモギの来歴を知る数少ない人物の一人でもあります。

 

耳を澄ませると、茶屋からヨモギの元気な声が聞こえるでゲコ。
あの子はまあ、いろいろあったからね。いつも笑顔でいてくれることは嬉しい限りでゲコ。

(集会所☆6 ゴコク)

 

詳しくは以前投稿したカゲロウの記事に譲りますが、情報屋フカシギの話によれば、ヨモギは元々はカムラの里の出身ではなく、彼女がまだ赤ん坊の頃に竜人族のハンター(おそらくカゲロウのことであろうと推測されている)によってカムラの里に連れられて保護された子です。この情報はカムラの里内でもトップシークレットであり、ゴコクを始めとして里のごく一部の人しか知らない情報だということですが、詳細の事情を伝えられていない住民たちにも、ヨモギは他の地域から引き取った孤児である、というくらいの説明はおそらくなされていたでしょう。

 

そんな子が、カムラの里ですくすくと成長し、「家族」の一員として幸せな暮らしを送り、そして「茶屋でうさ団子を作りたい」という自分のやりたいこと、情熱を注ぐことができるものを発見した。そういう十数年間の過程を、ゴコクや、彼女の師匠のオテマエも見守ってきたわけですからね。ヨモギが自分の道を明るく前向きに歩めるよう、里の大人たちが彼女の努力を応援するのには、そういう背景もきっとあることでしょう。

 

また、お団子とは少し別の話ですが、ヨモギの努力家としての一面が窺えるエピソードが他にも彼女の台詞の中にあったりします。

 

いや~、おっかなかったね! マガマド…マガマガ…マイマガ…。まあいいや! 難しい名前、ニガテ!
それはそうと…里長が言ってた「"里を守る" とは、狩るのみにあらず」…って、どうしても答えがわかんなくって。

だってさ、里を襲うのはモンスターだから、それを狩らないと里は守れないでしょ?

やっぱ、狩猟せずに里を守るとか、できっこないよ~。わかんないよ、里長~。

(里☆3百竜後 ヨモギ

 

ヨモギは「モンスターの長くてややこしい名前」を覚えることが苦手のようで、先程のイソネミクニや上記のマガイマガドを筆頭に、オロミドロ、ジュラトドス、イブシマキヒコ、ナルハタタヒメといった、なんだか舌を噛みそうな名前をした(彼らが自発的に名乗っているわけではないのですが)面々が彼女を毎度毎度悩ませています。ヨモギファンの私としては、麗しのヨモギ様に名前を覚えようとしてもらえるだけでも光栄に思いたまえという感じではあるのですが、ヨモギ本人はちゃんとモンスターの名前を言えるようになりたいと努力しているようで、主人公との会話の中にも日々の成長の跡がうかがえます。

 

結局、大社跡のユーレイ騒ぎって、マガイなんとかのせいだったんだね。
そりゃあ、あの見た目だし、なんかヒトダマみたいなのも出てるし、間違われちゃうよね。

でも、ユーレイよりもずっと怖いよ…。みんな食べられちゃうところだったもん。おっかなかった~。

(里☆3百竜後 ヨモギ) 

 

マガイマガドは発見後しばらくはマガイなんとか呼ばわりをされていますが、ヨモギの中では「主人公が狩りに行くまでには名前をちゃんと言えるようになりたい」と思っていたようなのか、まさにマガイマガドの緊急クエにこれから挑むというタイミングで、マガイマガドの名前を完ぺきに覚えたことを主人公に教えてくれます。

 

○○さん! いよいよ、マガイマガドだね!

マ・ガ・イ・マ・ガ・ド。うん! もう名前も言えるようになったよ!

百竜夜行は私たち里守に任せて、○○さんはマガイマガドをバチコーンとやっつけちゃって!

さぁて! 里のみんながお腹いっぱいで里守をできるように、うさ団子を作りまくらなきゃ!

(里☆5緊急前 ヨモギ

 

自分も主人公も共に大一番の狩猟に臨むというのに、その狩猟対象の名前も覚えていないようでは何だか面目が立たない、ということもあるのかもしれませんが、こうして小さなことでも努力して出来るようになったことをヨモギが教えてくれたことで、主人公も「自分もきっとマガイマガドに勝てるだろう」と、背中を後押しされるような気分になったのではないでしょうか。

 

お次はサイドクエストのジュラトドス。

 

あ…○○さん~。ちょっと聞いてよ~。

つい最近、水没林までお魚を釣りに行ったんだ。うさ団子をもっとおいしくする材料を採ろうと思って!

そしたらね、ナルガクルガが森の中をザザザーって音を立てて走り抜けて! お魚がビックリして逃げちゃったの…。

それだけじゃないよ! 違う場所でお魚釣りを再開しようとしたら、突然その、ジュバ…ギュラ……あれ…?

……ジュラトドス! それだ! その子がね、急に飛び出してきて、泥んこをバババーって飛ばして!!

お魚さんは逃げるし、泥んこまみれだし、釣りどころじゃなかったの! もう泣いちゃいそうだったよ~。

○○さん、あのやんちゃな子たちを、コラー!ってお灸をすえてあげてくれないかな?

(集会所☆6 ヨモギ

 

マガイマガドとジュラトドスは苦手なのにナルガクルガは普通に言える、という彼女の基準がなかなか謎めいてはいますが、ここでは主人公にヒントを貰ってすぐに思い出したみたいです。

 

続いてイブシマキヒコ。この指宿みたいな名前のモンスターが、またもやヨモギを悩ませることになります。

 

えーっと…。あの青い龍の名前がイ…イブス…イブキ…イシブキ…。……な、なんだっけ。

もう! モンスターの名前って難しいのばっかりー! あ、思い出した! 「イブシマキヒコ」だ!

イブシマキヒコが「ガオーッ」ってなって、モンスターたちが「ひえーっ」って逃げて、それが百竜夜行の正体だったんだよね。

うわぁ、めっちゃ迷惑な古龍だね…。百竜夜行の原因だった上に、ヒノエさんまで苦しめて…。

こりゃもう、許せないね! カムラの里のみんなでお仕置きだー!

(集会所☆6 ヨモギ

 

イブシマキヒコは最近新しく命名されたモンスターですから、まだ定着していないことが覚えづらい要因になっていそうです。古龍すらも害虫みたいな扱いをしている肝の据わったヨモギちゃんはさておき、マキヒコの名はこの時は「えーっと……」と一呼吸置いてから思い出す感じでしたが、マキヒコ百竜夜行前後の時点では、もうスラスラと名前を言えるようになっています。

 

イブシマキヒコは逃げちゃったけど、もう悪いことしに来られないくらい遠くまで行ったらしいし、これで安心かな?

でも、百竜夜行については油断しちゃダメだって、里長が。

でも、ヒノエさんがもうイブシマキヒコと共鳴しちゃう心配はなくなったし、そこは、すっごくホッとした! 嬉しい!

○○さんのおかげだね! すごい! えらい! かっちょいい!

(集会所☆6百竜後 ヨモギ

 

ヨモギちゃんに褒めてもらえる幸せを噛みしめる主人公氏。それにしても、「かっちょいい」「バチコーン」など、ヨモギ語録はこうした独特の言葉遣いに事欠きません。「かっちょいい」は何となく昭和のかほりを感じなくもありませんが(もしくはバチコーン共々、どこかの方言とかなんでしょうか?)、逆にカムラの里ではこれが今風の言葉遣いなのでしょうか。ヨモギは里の子どもたちにもお姉さんポジションとして慕われていますし、これから里の子ども達の間でバチコーンが流行るかもしれませんね。

 

そして、イブシマキヒコを克服したヨモギちゃんの元に現れたのは、更なる刺客(?)ナルハタタヒメ。ハタタってやっぱり言いづらいよね北斗の拳みたい

 

神龍の次は、雷神龍…。なんかすごいね。どんどん出てくるんだね。
その名も…ナルタタ……違う。ハルナタタ…ハルナナ…。

……待って、○○さん。私は、やればできる子なの。答えを言わないで。

ナル…ハ…タ…! ナルハタタヒメ! はい、言えた! ヨモギちゃん、言えました!

…で、その雷神龍のナルハタタヒメさえやっつけちゃえば、今度こそ百竜夜行は終わるんだよね!?

○○さんは、イブシマキヒコを追い払ったんだから、ナルハタタヒメだってバチコーン! だよ!

(集会所☆7 ヨモギ

 

どうしても自分で思い出して言いたいので、答えを言いかけた主人公を制止するヨモギ。「やればできる子」というのはヨモギを象徴するような言葉ですね。最初はうまくいかなくても、時間をかければ必ず前よりもうまくできるようになる、というのは、ヨモギのお団子研究のポリシーそのものだと思います。学習塾のCMでYDKってあったな……。

 

ちなみに、「そういえばオロミドロは?」と引っかかっている方もいらっしゃるかもしれませんが、なんとオロミドロだけは唯一、ヨモギにちゃんと名前を覚えてもらえている描写がないモンスターとなっています。里☆6の緊急前で、彼女がオロミドロに言及する台詞がこちら。

 

山奥から、珍しいモンスターが出てきちゃったらしいね! オド…オロ…オミドロ…ドロミドロ?
まあいいや! 難しい名前、ニガテ! うさ団子をしっかり食べて、がんばって狩猟してね!

(里☆6緊急前 ヨモギ

 

まさかの「まあいいや!」扱いをされてからそれっきりとなります。オロミドロファンクラブの方は泣いていい。まあ、逆にオロミドロに散々苦しめられてきた(特に剣士の)ハンターたちからすれば、この扱いは当然の報いという感じでしょうか。

 

可哀想なオロミドロのことはしっかりと供養してあげるとして、ヨモギの話に戻りますと、これまで見てきたようにとびきりの努力家であり、「皆をうさ団子で元気にしたい!」と一生懸命仕事に取り組むヨモギは、若年ながらも里の精神的な支柱の一人であると言っても過言ではないような存在。ご飯を食べに茶屋を訪れる里の住民が、彼女に自分の近況を話すようなシーンもあったりします。

 

百竜夜行が来ちゃったもんで、大変だね。加工屋のハモンとか、みんなの武具の手入れで、休むヒマもないみたい。
でも○○さんもいるし、みんなこの日のために鍛えてきたし、なんとかなる! …って感じだよ!

一致団結すれば百竜夜行なんてヘッチャラ! なんたって、このカムラの里の団結力は地上最強だからね!

(里☆1 ヨモギ

 

意外なのはそれがハモンだということなんですよね。彼は仕事のことになると堅物な人ですから、「仕事が立て込んでいてな…」みたいなことを余り他人に話す感じではなさそうに見えるのですが、茶屋に休憩に来ると少し気も楽になるのか、あるいはそういう何か溜め込んでいることをついつい少し零したくなるようなオーラがヨモギにはあるということなのでしょうか。まあ、ハモンの性格的には、彼本人ではなくその弟子から聞いた話という可能性もありますが、いずれにしても皆が色々なことをヨモギに話しているみたいですね。

 

それからハモン関連でいうと、ヒノエは以前ハモンに「うさ団子を大量生産できるからくりを作れないか」と頼み込んで渋い顔をされたというエピソードがありまして、ヒノエからその時のハモンの反応を聞くことができます。

 

「からくり」を作らせたら、加工屋のハモンさんの右に出る者はありません。

修練場にある「からくり蛙」も、ハモンさんの作品だそうで…。まこと…すごい技術をお持ちですよね。
ですが、あの方は狩猟に関わらないものは造る気が起こらないようでして…。

以前、うさ団子を大量生産するためのからくりをお願いしたのですが、「ヨモギに努力させろ」と断られてしまいました…。

(里☆4 ヒノエ)

 

ハモンも元ハンターであるだけに、「狩猟に関わらないものには興味がない」ということ自体は本当ではあるのでしょうが、ハモンがヒノエの頼みを断ったより根本的な理由は、彼自身が大切にしているところの考え方によるものであるように思われます。すなわち、うさ団子を作るというのはヨモギの領分であって、自分がそれを侵すべきではない、という風に考えたのでしょう。

 

以前の記事でも話したように、ハモンはカムラの里の重要な組織理念である「役割」を、誰よりも率先して実践している人物。一人ひとりが自分の得意分野を生かして里を守る、という考え方の元に、各々がやりがいとプライドを持って自分の役目を果たしているわけですから、自分よりもっと適任がいるであろう仕事まで自分が引き受けるような真似をすれば、それは他の誰かの存在意義を失わせてしまうこと、誰かの居場所を奪うことになるとハモンは考えるだろうと思います。

 

そしてハモン自身としても、本来自分の領分ではない仕事に踏み込めば、その分だけ自分の役割を果たすための時間と労力を割くことになるわけで、やはり里の連帯として良い形になるとはいえません。また、ハモンはやろうと思えばうさ団子大量生産のからくりを作ることは十分できるでしょうし、彼の技術力を以てすれば一級品のクオリティも保証されると思いますが、うさ団子に対する熱意やアイデア力、創意工夫という点では、ヨモギや茶屋の皆に勝る者はいないことを彼自身承知しているでしょう。

 

そのような考えに基づいてこそ、ヨモギの領分であるものはあくまでもまずヨモギに頼む(ヨモギ達が中心となって自分も協力するという形なら、ハモンも了解するでしょうが)べきである、とハモンはヒノエに返答したのではないでしょうか。また、これは間接的に、カムラの里の中で「ヨモギだからこそできること」というのがきちんと確立されている(勿論ヨモギに限らず、里の一人ひとりがそうなのですが)という話をハモンがしていることになるわけですから、ヨモギとしても誇らしいのではないかな。

 

うさ団子大量生産機というヒノエの夢は今のところ叶わずじまいなわけですが、彼女がそうまでして願うのもヨモギ達の作るうさ団子が大好きだからなのであって、その気持ちは分からんでもありません。というか、器用富豪なヒノエのことですから、そのうち茶屋の従業員に転職したあげく、自分が中心となってお団子作り機を造ります! とかやり始めかねないな……。まあ、それもまた良いのではないでしょうか。

 

それから、ヨモギやイオリの年代は、「大人世代の中で一番若い」ないし「若年層世代の中で一番年上」くらいのポジションになるらしく、もっと若い子どもたちから「お姉さん、お兄さん」的な存在として慕われているようです。茶屋の隣で飴屋を開いているコミツも、商売のやり方はヨモギが色々教えてくれたと話しています。

 

ヨモギおねえちゃんは、よくここに来て、おしごとのしかたとか教えてくれるんだよ。

コミツはね、いつか、ヨモギおねえちゃんみたいな、みんなを元気にする看板娘になりたいの。

(里☆2 コミツ)

 

何だかほんわかしますねー。ヨモギ自身はうさ団子作りをオテマエから、商売のイロハを行商のカゲロウからそれぞれ習っているのですが、今後はそれを更に年下の世代に受け継いでいく……ということになるわけです。教えられる立場から教える立場になるのは、大人の実感の一つですね。

 

ヨモギの台詞でも、コミツがヨモギを見習って仕事に励んでいる様子を聞くことができます。

 

(集会所☆4サイドクエスト ヨモギ

日々新しいうさ団子を生み出していくヨモギの背中を見て、コミツも新作りんご飴を作っているようです。そんなコミツのことを気にかけて、お店の宣伝に協力してあげるヨモギお姉ちゃんも素敵! 惜しむらくは、その新作りんご飴をゲーム内ではコミツから購入することができないこと……。アプデで買えるようにしてくれませんか……!

 

しかしながら、ヨモギはなまじ子ども達への影響力が強いぶん、自分が何か噂話をすると一気に広がってしまうという側面もあるようで、里クエのオサイズチの一件のあと、大社跡に幽霊がいるとかいないとかいう話が子ども達の間に浸透してしまったことに、ヨモギは責任を感じていた様子。

 

メンボクないよぉ~。メンボクないよぉ~。
私が「大社跡にユーレイがいるかも」とか騒いじゃったせいで、里の子どもたちが怖がっちゃってるよぉ~。

ここは私が責任をもって調べてくる…! …って言ったんだけど、ゴコク様にこわ~い顔で止められちゃって…。

でも、百竜夜行とは関係なしで大社跡が騒がしいって、結局どうしてなんだろ? やっぱり、何かいるのかなぁ…。

(里☆3 ヨモギ

 

まあ、この手のオカルト話はつきものといえばつきものですし、じっさい幽霊のほうがまだマシみたいなレベルの奴(マガマガくん)がその正体だったわけですから、ヨモギももっと気を楽にしてよいと思いますが、これも彼女がしっかり者たるゆえんということでしょう。

 

さて、ヨモギの話はここいらで一旦〆るといたしまして、次の項ではそんな彼女のお師匠さんであるオテマエの台詞をメインに見ていきます。

 

2.集会所の敏腕店主、オテマエさん

 

○○、いらっしゃいニャ! 集会所の茶屋はあたし、オテマエが仕切らせてもらってるニャ。
品はヨモギが出してるものと同じニャ。そりゃそうニャ。ヨモギに団子の作り方を教えたのは、正真正銘このあたしニャ。

ま、作り手が違えば、たとえ品が同じでも味は変わるニャ。うさ団子作りの奥の深いところニャね。

だから○○、こっちにもチョイチョイ、うさ団子を食べに来ておくれニャ!

(集会所☆1 オテマエ)

 

オテマエはヨモギにうさ団子作りを伝授した師匠、そしてキナコとシラタマの師匠でもあり、同時に集会所の茶屋を経営し、茶屋全体を取り仕切る重役でもあります。集会所の茶屋は、回転率が高いぶん毎日の業務は多忙を極めており、茶屋の従業員たちをまとめ、その仕事量をきちんと回しているその手腕は相当なもの。オテマエからは、茶屋の全体を統率するリーダーらしく、茶屋がどのようにして運営されているか、という話を色々と聞くことができます。

 

あたしの仕事は、毎日盛りだくさんニャ。……え? どれだけ仕事をしてるのかって?

みんながここで食べるうさ団子を作って、みんなの意見を聞きながら、ヨモギと新しいうさ団子を考えて…

里の外に卸す分のうさ団子を作って、ホバシラから意見をもらいながらヨモギと改良をすすめて…

センナリとスズカリとワカナと材料の仕入れの相談をして、もちろんヨモギやホバシラともニャ。

あと、掃除もしなきゃいけないニャ。茶屋も調理場も、常にキレイにしておかないとニャ。

あとは…… え? もういいニャ? まだまだ仕事はあるニャよ?

(集会所☆5 オテマエ)

 

オテマエさんの仕事は上の通り。こんだけ挙げて「まだまだある」と言っているのですから、これでよく毎日回っているなぁと感心するばかりです。集会所のホールやキッチンの仕事に限らず、材料の仕入れや新商品の開発、お団子の輸出など茶屋全体のことについて受け持っているようですから、茶屋という組織全体のリーダーがオテマエということになるのでしょう。その上で、各店舗の店主の役割についてはヨモギとオテマエ自身とで分担している、というのがおそらく茶屋の人事体系ということになります。

 

百竜夜行の影響で里への人の出入りは減っているとはいえども、やはり集会所である以上は近隣地域の多くのハンターがここを訪れるわけですから、なかなか休むヒマもありません。それに、マイドの記事でも紹介したように、現在集会所の雑貨屋を経営しているマイドは元は茶屋の会計担当でして、集会所の人手が足りなくなったから、ということでオテマエから雑貨屋の仕事をしてもらうように頼まれたという経緯があります。マイドにとっても、オテマエは商売のイロハを教えてくれた師匠であり、茶屋時代はオテマエの右腕としてバリバリ仕事をこなしていました。

 

マイドは新しく任された雑貨屋の仕事もやりがいを持ってやっているようで、オテマエも新作団子のキャッチコピーの考案を依頼していたりと今も良い繋がりがあるようですが、一方でやはりマイドが茶屋にいたらいたで、オテマエも仕入れ方面の業務などでかなり楽が出来たでしょう。現在はそのマイドの担当だった分もオテマエや他の従業員で手分けしてやっている、ということになりますから、仕事量は輪をかけて増しているということになります。

 

茶屋はただでさえ猫の手も借りたい……という表現はここで使うと何か色々とややこしいですが、とにかく一人でも多く人手が欲しいようなお店ですからね。そんな状況下でも、滞りなく完璧に営業出来ているのはやはりオテマエの器量のおかげであると言えるでしょう。オテマエの仕事ぶりは、茶屋のお得意先である米穀屋のスズカリもよく知っています。

 

集会所はハンターさんが団体で来るから、茶屋も大忙しみたいね。

それでもカンペキに切り盛りできてるのは、茶屋を仕切ってるオテマエさんの腕前があればこそ。

でも肝っ玉が太いから、怒らせたら怖いわよ…。気をつけてね。

(集会所☆2 スズカリ)

 

「肝っ玉が太い」というスズカリ評。確かによく考えてみると、茶屋のメンバーで話しかけられるのは本記事で取り上げるヨモギ、オテマエ、シラタマ、キナコの4人ですが、集会所のカウンターの奥には、話しかけられないキャラではあるもののうさ団子を作っているアイルーたちも数名おり、里内で2店舗あるという点からしても、茶屋はカムラの里内ではかなり大きい方の組織なんですよね。そのたくさんの従業員たちを指導し統率するというのは、相応の度胸がなければ務まらない立場だと思います。

 

あとは、たたら場前エリアと集会所との客層の違いということもあるでしょうか。ヨモギが取り仕切っているたたら場前店は、里の住民や一般の観光客がメインになりそうなのと比べて、集会所はハンターの客が多く団体での利用もあり、かつお酒を飲めるということもありますから、お客さんの間でのトラブルが多そうなのは集会所の方だと思います。それを諫める対応をしなければならない時もあることを考えれば、いざというときに圧を発揮できるかどうか(?)は確かに重要かもしれません。

 

まあとはいえ、これを言う方のスズカリもスズカリで、彼女もまた百竜夜行を前に少々のことでは動じない鋼のメンタルの持ち主ですから、この2人は結構波長が合う仲なのかもしれませんね。

 

ところで、先の台詞に「里の外に出荷する分」という話がありましたが、カムラの里のうさ団子は里内の茶屋だけでなく、ホバシラの取り仕切る船着場から各地に出荷して、さまざまな地域で食べられている品のようです。

 

うさ団子はウチの里の名物だニャ。実は、船着場のホバシラに頼まれて里の外にもうさ団子を卸してるのニャ。

ヨモギたちと一緒に、時間が経ってもおいしいうさ団子を考案したニャよ。

里だけじゃなくって、もっともっとたくさんの人にうさ団子を食べてもらいたいからニャ。

今でもたくさんの人に喜んでもらえてるみたいニャけど…まだまだ、うさ団子のおいしさはこんなもんじゃないニャ!

今日も仕込みが終わったら、ヨモギと一緒に改良を進めるのニャ! うさ団子は一日にしてならず、ニャ!

(集会所☆1 オテマエ)

 

ホバシラとも相談して、オテマエ達は里の外の地域の人たちにもうさ団子を美味しく食べてもらえるよう、時間が経っても美味しいうさ団子を特別に開発しているようです。和菓子というのも一般的にはあまり長持ちするというイメージはありませんし、ましてや「保存料」「酸化防止剤」みたいなのが一般的な世界であるとも思えませんから、品質維持のための工夫の余地はそれほど幅広くはないようにも見えるのですが、それでもフィードバックを元に毎日のように改良を進めているという具合ですから、茶屋の人たちの知識量は大したもの。

 

食品を長持ちさせるといえば、古くにはやはり塩や砂糖を使って水分量を調整するということが良く知られていますが、ひょっとするとモンハン世界には、あるいはカムラの里には、そうした技法に加えて、天然由来の食品添加物に関する含蓄も実は相当存在しているということなのでしょうか。モンハン世界の「狩猟に関すること以外の技術レベル」というのもなかなか興味深いトピックです。

 

そうして里の外に卸されているうさ団子は他地域でも当然好評を呼んでおり、里の輸出方面においてもかなりの影響力があるということをホバシラから聞くことができます。

 

うさ団子は、この里の名物ですからね。鉄に次いで、里の貴重な収入源なんです。
茶屋のみなさんに、時間が経ってもおいしく食べられるものを特別に作っていただいてるんですよ。

ただ、これももちろんおいしいのですが… やはり、できたてのおいしさにはかなうべくもありません。

百竜夜行がおさまり、もっと人が気軽に行き来できるようになったら…

ぜひ、大勢の人に里を訪れてもらって、できたてのうさ団子を味わっていただきたいものですね。

(里☆2 ホバシラ)

 

ホバシラの言葉を額面通り受け取るならば、輸出におけるうさ団子の利益の額は、なんと鉄に次いで2位という高順位を占めるものとなっているようです。里のたたら製鉄で生み出される超高純度の鉄が1位であるということは得心がいくとしても、次点がうさ団子というのはなかなかすごいバランスです。「穀物」「野菜」「魚介類」のような食材それ自体ならまだしも、「うさ団子」という単一の品だけでそれだけの額にのぼるということですから。

 

まあ、うさ団子はいちおう「団子」という名前は付いてはいるものの、里で採れた栄養価の高い穀物や野菜などもふんだんに使っており、里の住民からも「今日のお昼ご飯はうさ団子」という会話を度々聞けたりするところを見るに、単なるお菓子の概念を超えて完全に主食の域に達している食品なんですよね。

 

米穀屋のお米や、ワカナの八百屋の野菜など、カムラの里の自然の恵みが行食されていますから、カムラの里の顔を飾るにふさわしい品ですし、ハンターの狩猟前の食事としても、広く主食・栄養食としても価値が高いということで、名実ともにカムラの里の名産品ということになります。

 

それに、茶屋の一回の食事代金は200ゼニーですから、これはおおよそ雑貨屋で買える回復薬3個分ということになります(回復薬は1個66ゼニー)。価格設定には利益分と材料費以外も含まれているにせよ、串に刺さっているあのお団子1個1個が回復薬1個ぶんと同じくらいの価値ということになるわけですから、それをたくさん売り出しているとなれば、貿易においてたたら製鉄に次いで2位という順位を占めているのも納得です。

 

まあそれにしても、鉄に次いで2位の売り上げになるからにはやはり里外に輸出する用にも相当量のうさ団子を作っているでしょうから、どう考えても楽な仕事ではありません。具体的な輸出量は不明ではあるものの、ホバシラからも「貴重な収入源である」という話が聞けることを考えると、やはり1日でカムラの里で消費される量(ヒノエの50本セットを除く)の半分~ほぼ同量は毎回輸出されている、くらいにはなるのでしょうか?

 

船着場やロンディーネ達を見る限りでは物資の輸送は小型~中型船が主流のようですから、そもそも1位の鉄にせよ2位のうさ団子にせよ、私たちの世界ほどそんなにたくさんの量を貿易でやり取りしているわけではないであろうにしても、茶屋の人たちの努力には頭が上がりません。

 

ちなみに、うさ団子を輸出するとはいえさすがに全種類を卸しているわけではないらしく、ヨモギがオリジナルで作ったバリエーション豊かなお団子たちに関しては、今のところは里内限定となっているようです。その辺りの事情に関してはヒノエがよく知っています(以下は冒頭で紹介したセリフの続きです)。

 

[前略]

里の外に売り出せば人気になるでしょうに、ヨモギちゃんは「里のみんなが喜んでくれればいい」と、その気はないようで…。
ああ、そんな健気なことを言われては…! ヒノエはまた、50本セットを買いに走ってしまいます!

(里☆1 ヒノエ)

 

ヨモギの新作お団子研究のモチベーションは、あくまでも「里の皆に喜んでほしい」という一心によるもの。うう……泣かせる話じゃありませんか。

 

里の外に輸出しているのはおそらく、ヒノエやコミツ、タイシあたりがよく食べているのを見かける、あの白いお団子であると思われます。実はあのお団子、一般向けでハンターはゲーム中で買う機会がないのかと思いきや、茶屋のメニューを見てみますとそれらしきお団子があるんですよね。採取ツアーのカムラポイント周回をする方は御用達の、「名物・かむらだんご」です。

 

 

あんこがかかっていますが、このあんこを外して考えるとちょうど白い団子になっています。上のスクショの通り、このお団子はヨモギのコメントにも「私も昔から食べている」とあるように、里の伝統的な味の一つであり、うさ団子の中でも代表的なもの、「"カムラの里の名物のうさ団子" といえばまずはこの味!」みたいな立ち位置のものであることが窺えます。このお団子はヨモギが新開発したものではないため先のヒノエの話とも合致しますし、味付けや製法の点でも里のうさ団子を代表する逸品ですから、おそらく里外に卸されているのはこのお団子で間違いないでしょう。

 

ちなみに、他のお団子もフレーバーテキストを見ていくと、それが里の伝統的な味付けの系列なのか、先のパイナップル入りやミント入りのように、ヨモギ達が新しく考案したナウい(死語)お団子の系列なのかというのが何となくわかるようになっています(最終的には大半が後者になりますが)。里の伝統的な味の系列でいえば、例えばこれまた採取ツアー御用達の「ヨジノぼたもち」が挙げられます。

 

 

こちらも里の団子屋に代々伝わる材料と製法ということらしく、かむらだんご同様に長年愛されてきた一品です。伝統の味であるこのお団子の効能が「足腰が強くなる」というのは、山あいに集落を構えているため、ハンターでもそうでない者でも丈夫な体幹が生活や仕事に欠かせないという、カムラの里の地理的条件を象徴するものでもありますね。

 

そんな感じで、何だか色々と脱線もありましたが、茶屋の取りまとめ役であるオテマエの台詞をもとに、オテマエや茶屋の皆の偉大なる仕事ぶりについて色々と考察して参りました。お次は餅つき担当のシラタマ&キナコと、集会所茶屋の従業員のアイルーたちをご紹介。

 

3.シラタマ&キナコと、集会所の茶屋のアイルーたち

 

百竜夜行に挑む里のみんなにおいしいうさ団子を振る舞って、英気を養ってもらうのニャ!
そのためにお餅をついて、ついて、つきまくるニャ~!

(里☆3百竜前 シラタマ

 

○○さん、出発前にうさ団子は食べたかニャ?
うさ団子を食べれば元気モリモリ、マガイマガドだって怖くないのニャ!

(里☆5緊急前 キナコ)

 

たたら場前エリアの茶屋の前でいつも餅つきをしているのがシラタマとキナコ。この2人はあまり台詞が多いキャラではないのですが、里マップで2人の餅つきを観察していると「超高速餅つき(その後もにょもにょするお餅)」「振り上げた杵にもちが全部くっついてしまって2人で見上げる」などの特殊モーションを見ることができ、そちらの方で非常に存在感が大きいキャラクターです。

 

この2人は同期というわけではなく、キナコの方が先輩、シラタマの方が後輩という関係になっています。

 

いつもお餅をついてくれてるのは、キナコさんとシラタマさん!

キナコさんが餅つきのベテランさんで、シラタマさんは、新人さんなんだよ。

キナコさんは厳しいけど、シラタマさんの成長を願ってのこと! シラタマさんも、それに応えようとがんばってるんだ!

お仕事が終わったら いつも仲良くご飯食べてるし、すっごくステキな関係だよね!

(里☆2 ヨモギ

 

シラタマにとっても、先輩のキナコは偉大な存在のようで、教えてもらった餅つきの技術を会得できるよう、必死に練習を重ねているようです。

 

キナコさんの餅つきは 腰の入れ方が違うニャ。

コツは教えてもらったけど キナコさんのようにはいかないニャ。センパイは偉大だニャ。

よいしょ! こらしょ! ぺったんニャ!

(里☆2 シラタマ

 

一方でキナコのほうも、自分の方が年数が多いからどうということもなく、むしろ後輩に良いところを見せたい! と、これまた張り切って仕事をしています。

 

シラタマ、いつも元気にがんばってるニャ。センパイのワタシも負けてられないのニャ。

店に来たのはワタシの方が少し先だから ワタシの方がちょっとセンパイなのニャ。いいとこ見せないとニャ!

うんしょ! こらしょ! ぺったんニャ!

(里☆2 キナコ)

 

キナコは名実共にベテランですから、「ちょっとだけ先輩」というのは本人の謙遜なのでしょう。オテマエとヨモギにしても、キナコとシラタマにしても、茶屋のエピソードでは師弟や先輩後輩の関係の良さが光るものが多いですね。元は教える-教えられるの関係でありながら、良き仕事仲間として、また互いに切磋琢磨する良きライバルとしての距離感があってこそ、カムラの里のうさ団子は日々向上を続けられているのかもしれません。

 

ちなみに、集会所には餅つきをしているアイルーはいないのかな? と思って探してみましたが、少なくとも私の歩き回った限りでは餅つきの様子が見られるのはたたら場前茶屋のみでした。まあ、集会所は狭いですし、そもそもあちらにはドンどドコがいますからね。あんな限られたスペースの中で、太鼓叩いてる反対側で餅までついていたらそれはなんかもうカオスもいいところですから、致し方ないところではあるでしょう。

 

お店の前で餅をついているのは、外の地域から里を訪れた人向けの一つの演目というか、パフォーマンスという面もあるでしょうしね。いずれにしてもシラタマとキナコは、「里の住民一人ひとりに細かい動きがあって活き活きとしている」という、本作の魅力を代表するようなキャラクターであると思います。

 

それでいうと、集会所のカウンターの奥にいる話しかけられない2人のアイルー、およびテーブルの真ん中でお団子を並べているアイルーも、観察していると色々な動きをしているんですよ。

 

 

「美味団子」の看板のあるところで店頭に立っているアイルーは、左の桶に入っているつき終わった餅を丸めて団子の形にするという動きをしています。シラタマとキナコがやっているお餅をつく工程だけではなく、この成型の工程もかなり大変そうです。

 

このアイルーと、集会所中央の桜の幹の中でお団子を作っているアイルーは、お団子を丸めるときになんだかリズミカルな動きをするのですが、ひょっとするとうさ団子の歌を脳内再生しているのでしょうか。オテマエとマイドも、お団子をこねているシーンはないものの軽く踊るような動きをみせることがあり、茶屋勤めの皆さんはうさ団子の歌のリズムが身体に染みついているのかもしれません。

 

 

こちらはカウンターの子の後ろで火をあおっているアイルー。この火の上にはせいろのようなものがあり、そこから蒸気が出ています。おそらくうさ団子の餅をつくためのもち米を炊いているのでしょう。

 

ふぅー、ふぅーっと一生懸命息を吹き込んでいますが、たまに火の勢いが強くなりすぎることがあり、その時は以下のように、

 

 

ぶわっ、と噴き出す火の粉を素早い身のこなしで回避しています。かわいい。

 

続いて、集会所のテーブルの中央でお団子を作っているアイルー。集会所の桜の幹の中が一部空洞になっていて、そこでお団子を作っているというのは最初に見たとき驚かされました。この子もお団子を成型しつつ串に刺し、テーブルの前に並べていく工程を担当しており、しかも「お団子を3つ丸めるごとに串に刺すモーションが入る」というなかなか凝った動きをするのですが、そのさいになかなか大道芸的なことを見せてくれます。

 

 

写真だと微妙にわかりづらいのですが、お団子を直接指していくのではなく、お団子3つを空中に放り投げてそれを串で一閃するという仕方でお団子を作っているんですね。せっかく作ったお団子を無駄にしないためにも、串の一突きはとうぜん百発百中。ヨモギトリプル串投げ芸といい、茶屋の中ではいかに芸術的に串を刺すかというのが一つの伝統芸能になっているのでしょうか。彼女たちの実力の底が知れません……。

 

4.小ネタ集

最後に、記事に関するいくつかの小ネタをご紹介。

 

①たたら場前と集会所でお団子の味が違う

 

ヒノエ姉さまは、ヨモギちゃんの茶屋でうさ団子を買っておられますが、こちら集会所のうさ団子もオススメいたします。
茶屋のオテマエさんのうさ団子は、どこか大人の味わいと言いますか… ベテランが作る渋めの風味を感じます。

わたくしはそのときの気分で決めますが、○○さんは、どちらのうさ団子がお好きですか?

(集会所☆3 ミノト)

 

同じメニューでも作り手によって味わいが違うのがうさ団子の妙、というのはオテマエも言っていましたが、里の住民たちも2人のお店の食べ比べを楽しんでいるようです。特にオテマエの店のものは「大人の味わい」という評であり、さすがベテランの作り手といったところ。

 

集会所の茶屋、ヨモギちゃんのところと品揃えは一緒だけど、ちょっと味わいが大人向けな感じなのよね。

材料は同じものを渡してるんだけど… 食べる場所の雰囲気とか関係あるのかしら?

(集会所☆1 スズカリ)

 

集会所はお酒も飲めるということですし、味付けも客層に合わせて大人向けにしているのかもしれませんね。あとは、オテマエさんの熟練の味わいと、スズカリの言うように集会所の落ち着いた雰囲気も関係がありそう。個人的に、集会所はなんとなく木の香りがしそうというイメージがありますから、それがうさ団子にも移っているのかもしれません。逆にヨモギの方は、里の人から具体的に話は聞けませんが、個人的な想像でいえば優しい甘さで親しみやすい味付け、というイメージがあります。

 

里の人たちにも各々の好みの味があるようでして、ハナモリはとてつもない甘党だったり、逆にマイドは甘さ控えめが好みだったりという話をオテマエから聞くこともできます。

 

ヨモギちゃん、よく集会所の茶屋にも来て オテマエさんと一緒に、新しいうさ団子のメニューを考えてるニャ。

私も呼ばれて味見したりするニャけど、ヨモギちゃん、どんどん腕を上げてるニャ。オテマエさんもいつも感心してるニャよ。

私、いつもオテマエさんのうさ団子を食べてるけど…。たまにはヨモギちゃんのところで食べようかニャ!

(集会所☆3 オテマエ)

 

マイドは集会所で仕事をしていることもあり、またおそらく味付けの好みという点でもオテマエのお団子を食べているようですが、元々茶屋勤めだった縁もあってヨモギに味見を頼まれることもあるようで、そのたびに彼女の実力の向上に驚いているといいます。ヨモギがオテマエの技術を受け継いで今やうさ団子作りの双璧とも言えるポジションになったことで、ただでさえ元から人気だったうさ団子がさらに食べ比べという楽しみ方が増えたということですから、里の内外でも今後ますます人気を増していくこと疑いありませんね。

 

②雷神前のヨモギちゃんの台詞

 

…うん、いよいよだね。○○さんの大勝負。

言いたいことは、さっき伝えたから大丈夫。他に伝えときたいって思ってたことも、里のみんなが言ってくれたから、大丈夫。

今ね、オテマエさんや茶屋のみんなで、いろんなお料理を考えてるんだ。

○○さんが帰ってきたときのお祝いのお料理。あれを作ろう、これを作ろうって。

ほらほら、早く行かないと、お料理、作り始めちゃうよ!

おいしいうちに、みんなで食べるんだから! 冷めちゃう前に、パッとやっつけてきてね! それじゃ、待ってるよ!

(雷神討伐前 ヨモギ

 

雷神に挑む前のイベントムービーで、主人公に「やられちゃったら、承知しないんだから!」と言った後のヨモギちゃんです。この台詞、最初聞いたときは、ヨモギちゃんにしては案外淡泊な台詞だなぁと思っていたのですよね。

 

が、ここでのヨモギちゃんの心境を「本当は今にも泣きだしてしまいそうなのを我慢してこらえている」のだと解釈してこの台詞を見てみると、一転してなんかすごく切ないというか胸キュン(死語)な気持ちになるんですよ。

 

「言いたいことはもうないから大丈夫」というのは、自分の気持ちを言葉にしようとすればするほど感情に歯止めが効かなくなってしまう気がするから、「早く行かないとお料理できちゃうよ」と主人公を妙に急かすのも、主人公の顔を見ているとどうしても「帰ってこなかったらどうしよう」という不安で胸が張り裂けそうになるから……。そんな自分のぐしゃぐしゃな心境を露わにしてしまわないように、ヨモギはここで敢えて言葉を抑えて、「お料理が待ってるからパッと行ってパッと倒して帰ってきてね!」とつとめて平静に、気丈に振る舞っているのでしょう。

 

ああ、なんと可愛らしい……。これがメインヒロイン(?)の風格というやつなのか……。

 

稲川淳二みたいになるヨモギちゃん

 

○○さん。ちょっと怖い話…聞いてくれる?
ついこの前ね。おだんごの素材を遠くの地域まで買いに行ったんだけど、帰りが遅くなって…夜になったの。

おっかないな~おっかないな~って、思いながらも、暗~い溶岩洞を一人で歩いてたんだけど…。

グギャアアア! バギャアアア! って叫び声みたいなのが聞こえて! ほんとにビックリしちゃって!

もう怖くて怖くて、大慌てで逃げてきた拍子に、荷物を落としてきちゃいました…。ううう…。おっかないよぉ…。

お願い! 落とした場所は覚えてるから、代わりに荷物探してきてくれないかな? 新しいうさ団子、作って待ってるから!

(里☆4サイドクエスト ヨモギ

 

ヨモギちゃんからの依頼クエストである、溶岩洞で落とし物を探す里クエスト「恐怖の落とし物探し」。このクエストを頼まれるときのヨモギの台詞が上の通りなのですが、なんかこう、「おっかないな~」×2の部分が非常に稲川淳二があるんですよね。

 

ちなみにこの「グギャアアア」という鳴き声の正体ですが、何度かこのクエストに出入りしたところ、このクエストの野良出現モンスは「ラングロトラ」「バサルモス」で固定となっているようで、ラングロトラは咆哮はありませんから恐らくバサルモスのものと思われます。確かにバサルの咆哮はよく聴いてみると結構おどろおどろしい感じですから、これが溶岩洞の中でどこからともなく響いて来たらかなりびっくりするでしょう。ヨモギも一応武器は使えるとはいえ、無事に帰って来られてよかったというものです。

 

④ハンターになりたい?

 

ヨモギちゃんの得意武器は、皆さんご存知のとおりへビィボウガン。百竜夜行ではヌシモンスターの真正面で速射砲をぶっ放すという荒業をやってのける胆力の持ち主であり、里守にしておくにはもったいないくらいの実力者なのですが、じっさいのところヨモギ自身も、ハンターになってみてもいいかも? という願望があるらしいです。

 

マガイマガドが出たときは、里を守るために 私も○○さんと一緒に狩猟しなきゃって思ったけど…
私は○○さんみたいに強くないし、そもそもハンターじゃないし、やる気の出し方、間違ってたんだよね。

だから今は、こうしてみんなにおいしいうさ団子を食べてもらうの! そうしたら、みんな笑顔! 里が元気!

これが私の里の守り方! …でも、もう少し強くなったらハンターを目指しちゃうのもありかな…? なんてね!

(里☆6 ヨモギ

 

当面は茶屋の看板娘としてうさ団子作りで里を支えていく! と張り切っている彼女ですが、「もう少し強くなったらハンターも…?」ということもこの台詞では仄めかしています。冗談で言っているように見えて、彼女はしばしば狩り場まで新作うさ団子の材料を果敢に採りに行ったりしていますから、狩り場に足を運んでいる頻度は恐らく里内でもトップクラスに高く(なんならハネナガとかよりも全然多い)、ハンターに対する憧れがあるというのは結構合点がいく話なんですよね。

 

それに、お団子を作るさいに団子に向かって串を投げるときや、百竜夜行で召喚したときのあの驚異のエイム力。

 

ヨモギがうさ団子を作っとるところ、見たことあるかニャ?

アヤツ、団子に向かって串を投げて通しておるんじゃが、これが見事に団子の中心を通っておるニャ。

ただごとではない動体視力だニャ。茶屋で働かせておくにはちょいともったいない気もするが…

ま、本人は茶屋で働くのが一番楽しそうだしニャ。にょほほ。

皆、楽しく働くのが一番だニャ。まあ、ワシは極力働きたくないがニャ…。ふぁ~あ。

(里☆2 ゼンチ)

 

ゼンチも「茶屋にしておくにはもったいない」との評価。いつか肩を並べて一緒に狩りに出かける日もそう遠くないかもしれません。彼女の将来が楽しみですね。

 

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そんなわけで、この辺りで本記事は〆としたいと思います。サンブレイクではエルガドにもうさ団子屋が出張してきてくれるようで、ヨモギちゃんか、オテマエさんか、はたまた新しく登場するキャラクターか、いずれにしてもカムラの里の仲間が同行してくれるのは心強い限り。エルガドの人たちにも、ぜひうさ団子を食べて感想を聞かせてほしいものです。

 

そしてゲーム的な所でいうと、ガンナー専の筆者としては、MRでは「おだんご体術」「お団子暴れ撃ち」の発動率が食券込みで100%になるよう、お団子のさらなるグレードアップを期待しているところだったりします。その辺りも非常に楽しみですね。

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!