交易商になりきれてないロンディーネさんが可愛すぎる件

※注意事項※

・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売の『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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カムラの里のオトモ広場に交易商として訪れているロンディーネさん。よく知られているように、その正体は遠い異国の「騎士」――すなわち女王陛下に仕えるハンターであり、カムラの里の武具加工の技術を国に持ち帰るために、身分を隠してはるばるこの地を訪ねてきていたのです。

 

ロンディーネがその正体を自ら打ち明けてくれるのは物語の終盤の方であり、それまではあくまでも「交易商」という体裁で里の人たちとお話ししたり、主人公ハンターの狩りをサポートしてくれるのですが……どう考えても一介の交易商には見えない、凛としていて堂々とした彼女の立ち振る舞いからも既に察せられるように、ロンディーネは根が誠実すぎるあまり、交易商のフリをする芝居が壊滅的に下手であり、彼女が本当のことを伝えるよりもずっと前から、カムラの里の人たちは彼女の正体に気がついてしまうという始末。

 

今回の記事では、交易商ロンディーネの正体バレバレすぎる台詞集や彼女の人となり、そして彼女の従者であるチーニョとカナリーノについてもお話ししていこうと思います。

 

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1.正体をまるで隠せていないロンディーネさん

 

まずは、ロンディーネと初対面のときの会話から見て行きましょう。

 

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やあ! 貴殿、このカムラの里にお住まいのハンターとお見受けした!
いや、突然に失礼したね。私の名はロンディーネ。

見て分かるとおり、はるか西方の国より来た、大海原をゆく交易商だよ。

しばし、この美しき里の皆様と取引をさせて頂きたく、こうして停留しているのさ。

交易は浪漫だ。違う街や村に住まう者たちが、物品を通して心を通わせる。ああ、なんとすばらしい!

交易ができるようになるまでしばし時間をいただくかもしれないが、いつでも様子を見に来てくれて構わないぞ。

では、また会おう! いつでもこのロンディーネの元へ浪漫を感じに来てくれたまえ!

(里☆1 ロンディーネ)

 

この台詞、初見で見たときは普通に「ちょっとロマンチストだけど明朗快活な人」という印象をロンディーネに持った(実際その第一印象は外れてはいない)のですが、ロンディーネの正体を知った後になって見てみると、彼女の元来の性格を差し引いても何だか妙に芝居がかっているというか、交易商になりきろうとすごく張り切っていて、交易商っぽい台詞をと頑張って言っているようにも見えるんですよね。

 

ちなみに、ロンディーネの交易はストーリーを少し進めてから利用できるようになるため、↑のシーンは他の住民同様、話しかけても交易の窓口の画面にならず、そのまま普通に世間話になる数少ない機会だったりします。

 

で、最初こそ交易商という体裁を保っているロンディーネがどのあたりからボロを出し始めるかというと、なんと里ストーリーの序盤から早くもその正体が徐々に察せられるようになってきます。

 

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交易品に宿る、遠方の地の空気や人々の営み…。思いを馳せていると、心はみるみる浪漫に満たされる。
交易は浪漫だ。海という、途方もなく大きい広い障壁を、商品を通してつなぐのだからね。

フフ、この仕事…。思ったより楽しいではないか。

(里☆2 ロンディーネ)

 

仮の姿とはいえ交易商の仕事にやりがいを感じているのは良いことですが、「思ったより楽しい」という言葉は「交易商を始めてからそんなに日が経っていない」ということ、つまり「前は別の仕事をしていた」という含みがあるものですから、この台詞の時点ですでに「ん?」と疑問に思ったプレイヤーも多かったことでしょう。

 

さらに露骨なのが、里☆3で百竜夜行が来たときの台詞。

 

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おお、貴殿。百竜夜行が来るそうだね。

私も太刀の扱いには覚えがあるので 協力させていただこうと思ったのだが…

里長のフゲン殿に「お客人であるあなたにケガでもさせては申し訳が立たない」と、丁重にお断りされたよ。

チーニョやカナリーノにも止められたし、今回は待機しておくことにしよう。

(里☆3百竜前 ロンディーネ)

 

百竜夜行の迎撃に際して、ロンディーネ自ら協力したいとフゲンに申し出たものの断られてしまった、という話を聞くことができます。後述するように、ロンディーネはカムラの里に非常に協力的であり、交易の仕事もカムラの里を拠点として行うことで、主人公ハンターの狩猟や里の皆の役に立ちたいという意思を話してくれます。

 

商売の理屈からすれば、それもロンディーネたちの本当の目的のための方便だという見方もできるのかもしれませんが、これから紹介する他の台詞も見る限り、おそらく彼女は計算からではなく本心からカムラの里に協力したいと考えている、あるいは里を訪れて以来そのように考えが変化していったという印象を強く受けます。上の台詞もその一つの証左と言えるでしょう。

 

チーニョとカナリーノにも制止されたと言っていますが、2人の判断は至極もっともなものです。別の時期のものですが、防衛に参加しようとするロンディーネを引き止めた理由についてはカナリーノから聞くことができます。

 

百竜夜行…。なんとも恐ろしい災禍だニャ。

できることなら武器を手に力を貸したいが、異国から来た我らがいきなり割り込んで 里の連携を乱してはいけないニャ。

その代わり、交易商としてできることはやらせてもらうのニャ。どうか、お気をつけてニャ。

(集会所☆4緊急前 カナリーノ)

 

百竜夜行の防衛は単純に手数が多ければいいというわけでもなく、相互の連携と信頼によって成り立つもの。里守達の中での役割分担があるのにも関わらず、そこに自分たちが介入し、ましてや独断専行に走るようなことがあっては、里守達にも余計な気を遣わせてしまうことにもなりますし、全体としては却って里の防衛能力を弱体化させてしまうことになります。フゲンもロンディーネに面と向かってそのことは伝えられないにしても、懸念すべき点ではあったでしょう。

 

それに加えて、彼女らは元々交易商として来ているのですから、里の災禍のことはもちろん心配だけれども、うかつに武器を取るとハンター(騎士)であることがすぐにバレてしまうからやめたほうがいい、という事情もあるでしょう。根がまっすぐで善良ゆえにやや突っ走りがちなロンディーネを、カナリーノ達が色々な事情を考慮してきちんと引き止め、自分たちにできる最善の協力の仕方に徹する、という彼女らの信頼関係が垣間見える1コマですね。

 

ちなみに、ロンディーネの得物は太刀であるということがここで分かるわけですが、その腕前がいかほどのものかを知ることが出来る台詞がこちら。

 

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こたびの百竜夜行では、「ヌシ」と呼ばれるアオアシラが群れを率いているのだとか。

フム…。アオアシラであれば、数年前に下知を受け狩ったことがあるな。

あのときは、ほぼ一撃であっけなく倒せたが、ヌシというのは、そうもいかないのだろうか…。

……あ。

…い…いや。そ、そういう話を知り合いのハンターから聞いたという話さ。私はただの交易商。狩りなどできないよ。

(集会所☆4緊急前 ロンディーネ)

 

なんとアオアシラをほぼワンパンできるほどの実力の持ち主。こういう設定に突っ込むのも野暮ではありますが、里下位アオアシラですらHP2000強はあるようですから、それをワンパンするとなると、ゲーム内で再現するにしてもお団子火事場状態での睡眠水月でも倒しきれるかどうか怪しいラインです。

 

一応「ほぼ」と言っていますから、捕獲可能HPにギリギリ届けばいいということならワンチャンあるかもしれませんが、それにしてもロンディーネは特にそういう火力アップの下準備もなく普通に斬って倒しているでしょうから、その実力は計り知れません。「覚えがある」とかいうレベルじゃない。

 

百竜夜行で召喚できるフゲンは、今は現役のハンターではないにも関わらずプケプケ砦内のモンスターを一太刀で撃退に追い込めるほどの強さですから、アオアシラに一撃で数千ダメージを与えられるロンディーネも彼に次ぐ実力を持っていると言っても過言ではないでしょう。もしエルガドのMRクエストでも百竜夜行があるのだとしたら、フゲンの枠は確実にロンディーネになるでしょうね。

 

で、その後の里☆4ではあろうことか、自分の本来の身分どころかカムラの里に来た目的までうっかり口にしてしまいます。

 

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加工屋のハモン殿が、何やら「からくり」を造り上げたそうだね。
やはりハモン殿の鍛冶職人としての技術には恐れ入る。神技という表現も、決して大げさではない。

ぜひとも、彼の技術を我が国に…。

…おっと、失礼。今のは、聞かなかったことに。

(里☆4 ロンディーネ)

 

また、こうして自分たちの身分を漏らしそうになるのはロンディーネだけではありません。従者のチーニョとカナリーノの方も、危うく身バレしそうになりがちなロンディーネの行動をいさめる一方で、上司の性格の影響なのか何なのかあまり隠し事が得意な感じでもなく、たびたび自らの正体に関する事を口にしてしまいそうになっています。全部紹介することはさすがにしませんが、例えば先の太刀の件に関しては、カナリーノから次のような台詞が。

 

貴殿、ハンターとお見受けしたニャ。わたくしが見るに、なかなかの腕前を持っておられる様子…。
しかし、まだまだロンディーネ様には到底かなわぬであろうニャ。何せ、あの方の太刀さばきは…。

……あ、いや。

我らは、ただの交易商。武器の扱いなど無縁なのニャ。今の話は忘れていただきたいニャ。

(集会所☆1 カナリーノ)

 

カナリーノの方でも、割と最初の方から自分たちの目的をうっかり口にしてしまうような台詞が。

 

このカムラの里で造られた鉄を見せていただきましたニャ。いやはや、じつに美しいですニャ。

わたくし、ロンディーネ様と共に各地を回ってきましたが、ここまで良質な鉄は初めてみましたニャ。

この技術こそ、我が国に欲しい技術…。

……あ、いやいや。忘れてくださいニャ。我らはただの交易商ですからニャ。

(集会所☆1 チーニョ)

 

ロンディーネのみならず従者の2人にもきちんと話しかけているプレイヤーであれば、あろうことか集会所☆1の時点で彼女たちの目的にある程度察しがついてしまいます。

 

ロンディーネ本人のみならばともかく、3人揃ってそんなに交易商の芝居がヘタとなると、むしろ女王陛下がどうしてこの3人に交易商という体でのカムラの里との交渉を託そうと思ったのかという点に疑問を抱かないでもありませんが、裏を返せばそれだけ普段から人柄が良く陛下から信頼されているという証でもありますから何とも言えないところ。それに、里の技術の提供という大事な交渉であれば、相応の身分の者を使者として送るのは国家として通すべき筋でもありますしね。

 

ちなみに、チーニョは後に加工屋のハモンと非常に深く関わりを持つことになるキャラクターでして、そちらの話については本記事とは別に短めの記事を執筆したいと思っています。

 

さて、そんな感じでロンディーネはうっかり正体がバレそうな言動をしたり、立ち振る舞いにしても「騎士」の部分を封じ込めきれていないようで、里の人たちも徐々に彼女の本当の目的に感づいていくんですね。ホバシラ、ハモン、イオリ、カゲロウ辺りにロンディーネの正体に言及した台詞があります(多いな……)。

 

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ロンディーネさんにはお会いになりましたか? あの、オトモ広場にいらっしゃる方です。

聞くところによると、交易商人だそうで… それはもう、ずいぶん遠いところからいらしたそうですよ。

仕事柄、私は外の商人の方にお会いする機会が多いですが、彼女は…… あまり、それらしくはありませんね。

まあ、せっかく里にいらしてるんですから里のことを知っていただきたいですし、私も、もっと外のお話をお聞きしたいです。

(集会所☆3 ホバシラ)

 

ホバシラは後に、ウツシのお面のくだりでロンディーネと絡みがあります。それについてはウツシの記事でご紹介しております。続いてハモンとイオリ。

 

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オトモ広場にいる交易商人には会ったか? 遠い国からわざわざ、この里に商売に来たそうだ。

…まあ、あの立ち居振る舞いから察するに、ハンターであろうな。さらに、相当な身分を持つ者に仕えている…と見ている。

商売に来た、というのも嘘ではなかろうが、実際の目的は、カムラの里の職人や、その技術が欲しいのであろう。

しかし、案ずるな。あの娘は、里や職人に対してしっかりと敬意を持っている。無理に何かを持ちだすようなことはせん。

それに…里の衆のほとんどが彼女の真意に気付いているにも関わらず、本人はいまだに何一つ疑わず商人になりきっている。

…ということで、「正体を暴くのはかわいそうだ」となり静観することになった。商人として話を合わせてやれ。

(里☆2 ハモン)

 

この時点で、里の大人の大半はもうロンディーネの正体に感づいている様子。まだ里☆2ですよ。ロンディーネは他の街(バルバレ等)を訪れる際にも一応交易商で通しているでしょうから、カムラの里で初めて商人の芝居をするわけでもないと思うのですが、それにしてはあまりにも商人になりきれていなさすぎます。

 

ロンディーネの側が里の人たちに対して本当の身分を隠すどころか、里の住民たちの側は既に彼女の正体に気付いており、その上でそれを悟られないようにあくまで商人として接しているという何だか本末転倒な状況。これではどちらがどちらに隠し事をしているのか分かりません。ポンコツという言葉はあまり濫用したくはありませんが、こういうのをポンコツ属性というのでしょうか……。ロンディーネさん、芝居ができないだけで仕事はめっちゃできる人なんですけどね。

 

まあ、当のハモンはロンディーネの誠実な性格を好ましく思い、信用を置いている様子なのが不幸中の幸いというところでしょうか。この件については祖父と孫の間でも会話が交わされたようで、後日イオリからもロンディーネのことについて言及があります。

 

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広場に来ている交易窓口のロンディーネさん…。
おじいちゃんが言うには、「ただの交易商ではない」って…。たしかに、なんというか…強そうだよね。

でも、何回か話しているうちに、どういう立場で、どういう目的で来たのか、だいたい分かっちゃった。

とりあえず、悪い人じゃないから安心だね。カムラの里のこと、すごく気に入ってくれているみたいだし。

(集会所☆5 イオリ)

 

最後にカゲロウ。彼は2回台詞がありまして、いずれも特に何ら変哲のある会話ではないのですが、もしかしたらこの2人の間にも何らかの接点があることの伏線かもしれません。いつぞやの記事でも触れましたが、エルガドの調査にカゲロウの故郷のことも関わっているとかね。

 

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○○殿は、オトモ広場にいる交易商の女性とはお会いになりましたか…? たしか、「ろんでいぬ」とかいう名の…。

何やら遠い国から船に乗って来て、珍しい品々を売っているのだとか…。

ムム…? これは「商売ガタキ」の出現…でしょうか?

(里☆2 カゲロウ)

 

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そういえば、オトモ広場の交易商、ろんでいぬ殿とお話いたしましたよ。

商売ガタキかと警戒していましたが、あくまで交易が目的ということで、こちらとは融合しないようでひと安心です。

しかし、あの物腰…。ただの商人とは思えませんな。いったい、何者なのでしょう…?

(里☆4 カゲロウ)

 

横文字に弱いらしいカゲロウさん。彼の台詞につられて私も「ロンディーネ」だったか「ロンディーヌ」だったか分からなくなることが時々あります。

 

また彼らの台詞の他に、ロンディーネ本人からも、里の子ども達に正体がバレそうになったらしい話を聞くことができます。

 

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違う国の人は珍しいのかな? よく、里の子どもたちが私のところに遊びに来てくれるよ。
しかし、この間… 「おねーさん、商人に見えない」…と、言われてね。

ム、ムム…。おかしいな。完璧に商人に変装したつもりだったが…。

……あ、い、いや、違うのだよ。私は、海を渡るただの交易商だ。断じてハンターなどではないよ。はっはっは。

(集会所☆2 ロンディーネ)

 

「里の子どもに正体がバレそうになったという話をうっかり主人公の前で漏らしたせいで主人公にバレそうになってとっさに誤魔化す」という何だかややこしい構図になっていまが、それに輪をかけて面白いのは、そこで話を止めておけばあくまでも「商人ではない」ということしか分からないにも関わらず、自分で「ハンターなどではない」と余計な一言を足したせいでますます逆効果になってしまっているところ。ここまで隠し事がヘタな人もそうそう居ないでしょうが、そういう裏表のないところが里の子ども達にも慕われている理由かもしれません。

 

その様子を隣で見ていたカナリーノからもこんなコメントが。

 

よく、里のこどもたちがロンディーネ様を訪ねてくるのニャ。

しかしこの前、ロンディーネ様を「商人に見えない」という子がいたニャ。

ムム…なんというカンの鋭い…。

……あ。いや、違うのニャ。ほら、ロンディーネ様は美しいからニャ。商人に見えないのもムリはないニャって…。

(集会所☆2 カナリーノ)

 

やや苦しいフォローのような気もしますが……一応、まだギリギリ誤魔化せているラインです(本当か?)。

 

子ども達の中で「ロンディーネが商人に見えない」と言ったのが誰なのかは分かりませんが、作中の登場人物に限って言えば、「おねーさん」というイントネーションで喋りそうなのはコミツあたりでしょうか。とはいえコミツの場合はもう少しひらがなを多くすると思いますし、「商人」よりは「商人さん」の方が彼女の場合は自然ですからセイハクかもしれません。タイシも勘が鋭そうなのであり得ますが、彼の場合は年上には「ッス」という語尾がつきそうだし……。

 

まあ、それを主人公に話すにしてもロンディーネが彼女らの語尾を忠実に真似るとは限りませんし、あまり深くは追求しないことにしましょう。「"ッス"とはここの方言なのか?」 とか大真面目に聞いてくるロンディーネもちょっと見てみたい気はしますが。 

 

それから、そのコミツの話で言うと、彼女はヨモギと一緒にロンディーネにお菓子(りんご飴とうさ団子)を差し入れしたというほほえましいエピソードもあるんですよ。

 

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茶屋のヨモギ嬢と、飴屋のコミツ嬢が、私に売り物を持ってきてくれてね。うさ団子と、りんご飴という商品だそうだ。
交易で扱ってほしいのかと思ったら、ただ、遠い国からやってきた私に、里の味を知ってほしいという優しさからの行動で…。

なんでも仕事と結びつけるのはよくないね。私は深く、反省したよ。

うさ団子、りんご飴。どちらも絶品だ。私は、利益など度外視で、この味を各地に広めたいと思ったよ。

(集会所☆3 ロンディーネ)

 

ロンディーネも「商人らしく振る舞わなければ」と一生懸命になっていたせいか、かなり肩肘を張っていたようですが、2人のもてなしのおかげで結構緊張がほどけた様子。

 

こうした光景は彼女たちに限った話ではなく、ハモンもロンディーネの姿勢を高く評価していたように、カムラの里の住民たちは「本当に交易商なのか」と疑問に思うところはあっても、客人であるロンディーネたちのことをものすごく歓迎しています。それは、カムラの里の温かさのお陰でもあり、ロンディーネの誠実で丁寧な人柄のお陰でもあるでしょう。以前には集会所の人たちに誘われて、夜に一緒にお酒を楽しんだというエピソードも。

 

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貴殿、集会所には出入りしているかな? 仲間と狩りにいくハンターたちはあそこに集まるそうだね。
以前、集会所の皆さんに誘われて、夜半にあそこでお酒をごちそうになったんだが…。

得も言われぬ美酒と、川のせせらぎ、心地よい風に、優しい人々…。私はすっかり心地よくなってしまったよ。

フフ…。カムラの里は本当に素敵なところだね。仕事が終われば、ぜひ私的に訪れたいものだ。

(里☆6 ロンディーネ)

 

そのため、集会所のストーリーが進んで百竜夜行の核心に迫っていくにつれて、ロンディーネは騎士の身分を隠し通すことよりも、百竜夜行に立ち向かうカムラの里に対する深い感情移入や、カムラの里に少しでも協力できることがないかを模索することを優先した言動・行動が増えていくようになります。次の項でそれを紹介することとしましょう。

 

2.カムラの里のために奔走するロンディーネさん

 

ロンディーネは自身の本来の目的とは別に、カムラの里で起きている問題についても非常に協力的でして、百竜夜行の時期にちょうど訪れたということもあり、交易商として支援を惜しまない姿勢を示してくれます。

 

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百竜夜行…。この美しい里が、そのような災禍に見舞われていたとは。

…フム。こうして里に降り立ったのも何かの縁。しばらくはここを拠点に交易をおこなうことにしよう。

多数のモンスターに挑むというのであれば、私が扱う商品は、貴殿や里の方々のお役に立てるはずだ。

(里☆2 ロンディーネ)

 

そんなロンディーネの会話内容の一つの転機と言えるのは、やはり集会所☆4緊急でイブシマキヒコが初めて登場した直後。

 

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話は聞いた。ともあれ、ヒノエ嬢の状況が深刻なものではないと聞いて、安心したよ。
現れた青い龍…。我らの方でも調べたが、正体はわからなかった…。役に立てず申し訳ない。

しかし、百竜夜行ですべてのモンスターが狂騒している中、悠然と空を舞っていた… という事実は、着目すべき点だ。

古龍だからと結論づけてしまえばそれまでだが、出現した状況も踏まえると、何か異質なものを感じるね…。

(集会所☆4 ロンディーネ)

 

カムラの里が青い龍の捜索を開始するのと同時期に、ロンディーネも自分の国に戻ってその古龍のことを調べてくれていた様子。「ありがてぇ……」と思う一方で、いくらモンスターの存在がありふれた世界とはいえ、一介の交易商が大型古龍クラスのモンスターの情報に触れられる、例えば文献を調査したり、研究者などに聞いて回ったりするなどということは、普通に考えればまずあり得ない話でしょう。

 

百竜夜行のモンスターたちと青い龍との関係についても鋭い指摘をしており、本当に交易商なのかとますます怪しまれるような振る舞いをしているのですが、当のロンディーネは気にも留めていません。そんな感じで、彼女がカムラの里に気持ちを入れ込んでいくにつれて、自分の身分を隠すという方向に頭が回らなくなっていくのが集会所上位以降の彼女の台詞の傾向となっています。

 

そして、交易商と言いつつハンター資格を持っているらしいばかりか、古龍レベルのモンスターの情報にすら触れられるというのは一体何者なのか? という疑問についても、同時期のカナリーノの台詞を皮切りにヒントが得られるようになっていきます。

 

やはりロンディーネ様はすごいお方だニャ。伝聞でしか情報がない古龍について、かなり深く考察をしておられるニャ。

さすがは女王陛下直属の…。

……あ、いや。

ロンディーネ様は、交易商だけどモンスターに詳しいからニャ。そういうの考えるの得意なんだニャ。

(集会所☆4 カナリーノ)

 

結論を先取りしてしまうようですが、この「女王陛下直属の……」とは、もちろん彼女の本当の身分である「騎士」のこと。この騎士という身分は終盤で彼女が自ら正体を打ち明けるわけですが、それ以前の段階でも話の中に何度も登場してきます。集会所☆5、同☆6百竜前のものをまとめてここでご紹介しましょう。

 

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私の国では、モンスターが脅威となった際、ハンターで結成された女王直属の一団が対応することになっている。
女王直属ということもあってか、ハンターでありながら「騎士」なんてたいそうな呼ばれ方をしているよ。

その騎士の役割が、このカムラの里でいう「里守」ということになるね。

呼び名や立場に違いこそあれ、故郷を守りたいという想いは同じ。まことに尊い志だ…。胸が熱くなるよ。

(集会所☆5 ロンディーネ)

 

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私は立場上、母国では常に女王陛下の顔色を見ていてね。体調が良いのか悪いのか、そういったことには敏感なのだ。
その私から見たところ… ヒノエ嬢は明るく振る舞っているが、体調の方はあまりよろしくない。

彼女を救えるか否かは、イブシマキヒコと対峙する貴殿にかかっている。…どうか、ご無事で。

(集会所☆6百竜前 ロンディーネ)

 

自分の国では女王陛下に仕えるハンターは騎士と呼ばれている、という話をした後で、「自分はいつも女王陛下のおそばにいて顔色を窺っている」という話題を出すわけから、これはもう「自分は騎士です」と言っているも同然なのですが……。

 

まあ、深読みを擦れば、ロンディーネはいずれ自分の正体を主人公に打ち明ける気でいるわけですから、いきなりすべてを打ち明けるのではなく前々から遠回しに示唆をしておいて、あまり主人公をびっくりさせないように、という彼女なりの配慮なのかもしれません。いずれにしても、本人はいたって真剣にヒノエの身を案じていたり、里守たちに尊敬の念を示したりしてくれているのは嬉しい限りです。

 

更にロンディーネは、主人公が近々青い龍の狩猟に臨むことを聞いて、自分も主人公の狩りに協力したいと、彼女自ら女王陛下に直々に許可を求めに行くという事までしてくれていました。

 

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フム…。風神龍イブシマキヒコ。その古龍が、百竜夜行の元凶であった… と、いうことか。

貴殿が討伐に向かうと聞いて、「私も手を貸したい」と母国の女王陛下におうかがいを立てたのだが…

陛下は、わが身を案じてくださって、「どうか自重してください」とのご返答だった。

女王陛下に止められてしまっては、勝手な行動は出来ない。…役に立てず、まことにすまないね。

(集会所☆6 ロンディーネ)

 

交易商という仮の身分でカムラの里の技術を自国に持ち帰るために来たはずが、最終的に百竜夜行の原因たる強大な古龍との戦いに同行したいとまで思うようになるのですから、もはやその本来の目的がどうとかいう域を超えて、ロンディーネは純粋にカムラの里のことを想っての行動に出ていることが一層強く伝わってきます。

 

実際、主人公がマキヒコとの決戦に臨む直前のロンディーネは、本人は先の台詞のようにつとめて冷静に振る舞っているものの、内心は気が気でなかった様子。

 

ロンディーネ様…。わたくしがミスをしても気付かなかったのニャ。

これは珍しく、心ここに在らず…なご様子だニャ。きっと、イブシマキヒコが気になっているんだニャ。

ロンディーネ様もわたくしも、この里が救われることを祈っているニャ。気をつけて行ってくるのニャ。

(集会所☆6百竜前 カナリーノ)

 

もちろん、ロンディーネがそのように里を想ってくれる気持ちと同じくらい、ロンディーネに万が一のことがあったら困るという女王陛下の気持ちも分かりますから、いくら一つの里の運命をかけた狩猟とはいえども、討伐に同行する許可が下りなかったことは無理もないことでしょう。そして、仮に女王陛下の許可が下りたところで、以前と同様にフゲンは「気持ちは本当にありがたいけど客人を危険な目には遭わせられない」と、やはり彼女の申し入れを断った可能性が高いと思われます。

 

あるいはロンディーネはそのことも見越して、自国の女王陛下の許可が下りたことを口実に、フゲンにも納得してもらうつもりだったのかもしれません。その場合、そもそも彼女は自分がハンターであるということをまず話さなければなりませんが……イブシマキヒコを討ち、里が災禍から解放される可能性を少しでも上げることと引き換えに、自らの正体を打ち明けることも覚悟の上だったのでしょう。

 

この辺りの経緯については、更にカナリーノからも事情の説明があります。

 

ロンディーネ様は、このカムラの里に心から敬意を持っておられるニャ。

ゆえに、貴殿と共に古龍を討ちたいと母国の女王陛下に訴えたけど、却下されてしまったのニャ。

でも、陛下もカムラの里を見捨てるとか、そういう意味で却下したのではないのニャ。

あのお方は、ロンディーネ様のことをとても信頼しているから…心配なのニャ。どうか、わかって欲しいのニャ。

(集会所☆6 カナリーノ)

 

カムラの里の存亡のかかった戦いが迫っているという状況において、凄腕のハンターであるロンディーネが狩猟に同行するのを引き留めるというのは、カナリーノが言う通り、ともすると―—とりわけ歪んだレンズを持った者が見れば―—ロンディーネの国の女王陛下はカムラの里よりも自国の損失を出さないことを優先し、里の災禍のことをあまり重く受け止めていない、などと揶揄される可能性がぬぐえないものです。

 

むろん、実際にそのようにしてロンディーネの国の女王を非難する者は(少なくともカムラの里の中には)まずいないでしょうが、もしそのように宣伝されれば、ロンディーネ達とカムラの里の住民たちの交流において生まれつつある絆や、近い未来に実現し得るであろう両国の友好関係にもヒビを入れてしまうことになります。

 

また、これは古龍討伐に協力できないことを主人公に詫びるロンディーネについてのフォローでもあるのでしょう。ロンディーネはここでは事の経緯を簡潔に伝え、協力が叶わなかったことについて主人公に潔く頭を下げています。ロンディーネ自身は態度にこそ出しませんが、騎士の中でも自分は特に女王陛下に近い立場にありうかつに行動できないという責任と、敬愛するカムラの里を守る主人公の力になれない歯痒さとの間で彼女は苦しい思いをしていることでしょう。

 

しかしながら、ここで主人公に自分の立場のことを長々と話したり、場面で「里を想う気持ちは変わらないから…」などと安直に開き直るような態度をしたりしてしまうと、それは却って言い訳のようになってしまい、カムラの里に対して、また戦いに出向く主人公に対して礼を失することになってしまいますし、また自らの内にある里に対する敬愛の念が、薄っぺらい不誠実なものとして伝わってしまうことにもなりかねません。

 

ロンディーネはそのことを肌で感じ取れる人物だからこそ、自分自身のつらさや立場の難しさを主人公に吐露することはしなかったのでしょう。そしてそのことを察したカナリーノが、ロンディーネが自分では決して口にすることのなかった彼女の心の内を、彼女の代わりに主人公に、またプレイヤーに伝えてくれている……。

 

まあ、筆者の深読みが過ぎるというのはいつものことですが、先のカナリーノの台詞はその辺りを意図したものなのだと私は思っています。いずれにしても、自分たちは交易商のふりをしなければならないという任務を忘れるほど彼女たちがカムラの里に心を砕いてくれていることは確かであり、これもまた、里の住民たちに正体や目的がほとんどバレているにも関わらず、里の人々に歓迎され、友好関係を築き得ているゆえんなのかもしれませんね。

 

3.ついに正体を打ち明ける

ストーリーの終盤、イブシマキヒコのつがい、ナルハタタヒメとの決戦に臨むという時に、ロンディーネからも「帰ってきたら本当のことを打ち明けたい」と約束をされることに。

 

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貴殿、ナルハタタヒメの討伐へ出向くそうだね。
カムラの里を訪れたのは、「ある目的」があってのことだったが…風雲急を告げるこの事態に立ち会うことになろうとは…。

無事に戻ってきたら、私の目的について貴殿に告げよう。隠し事をするのが、いささか心苦しくなってきたのでね。

(雷神討伐前 ロンディーネ)

 

本人はいかにも「満を持して」感を醸し出しているあたり、おそらく自分の正体が今までの会話からほとんどバレていることに本気で気づいていないようなのですが……ここは「ロンディーネが自ら打ち明ける」ということが重要なのですから、「いや知ってます」というツッコミはさすがに野暮というもの。

 

で、雷神をクリアして帰って来た後には、約束の通り彼女たちの本来の目的について打ち明けてくれます。

 

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これは、貴殿にだけ打ち明ける話だが…。

じつは私が交易商というのは、仮の姿。本当は、とある王国より女王陛下の密命を帯びてカムラの里へ来た「騎士」なのだ。

「騎士」と言っても、陛下のおそば近くに仕えるハンターをそう呼んでいるだけで、特にえらいわけでもなんでもないのだがね。

そして密命というのは、「里の鍛冶職人を我が国に呼んで、技術を提供するよう交渉をするべし」…というものだった。

…しかし、この里の方々の優しさに触れ、自分を交易商と偽って交渉するなど 誠意に欠けると思いいたったのだ。

里の技術は、お許しが出れば、我らで学んで国に持ち帰ることにしたよ。それまでは、交易商として里のために尽くすつもりさ。

(雷神討伐後 ロンディーネ)

 

主人公ハンターにだけ伝えているということですから、この時点ではまだ里の住民に対して公表したわけではなかったみたいですね。当然ながら、里の技術を持ち帰りたいというのであれば里長のフゲンや加工屋のハモンに伝えるのが筋ですし、そして彼らに正式に申し入れをするのは百竜夜行が落ち着いたタイミングの方が良い、という判断なのでしょう。その上で、それでもやはり隠し事をしておくのも少し苦しいということで、主人公にだけは内密に打ち明けることにした、ということになります。

 

女王陛下としてはロンディーネにはあまり身分を明かさないでほしいというところでしょうが、そうした意向には多少沿わないことを承知で、里に対してきちんと自らの身分を明らかにした上で許可を貰う申し入れをしようとするところや、その時が来るまでは交易商として里の為に協力すると言ってくれるところなど、ロンディーネの人柄がよくわかる台詞。

 

まあ、これまでの交易商の演技の抜かりっぷりを見ても、女王陛下の勅命であり、国の事情からしても仕方のないことであるとはいえ、身分を偽って交渉ということ自体があまり彼女の性格的に向いていなかったのかもしれませんね。

 

イブシマキヒコを討つのに協力したいと女王陛下に申し入れした時といい、彼女が里に協力するのもあくまでも自身の判断(ほぼ独断)であり、何らかの利益や打算のためではなくカムラの里への個人的な入れ込みに基づくもの。颯爽としていて仕事もきっちりこなす(芝居が壊滅的に下手な点を除いて)優秀な騎士でありつつも、時には本来の目的を忘れそうになってしまうほど情に厚い性格でもある、というのは彼女のこれまでの印象からすると少し意外な一面でもあり、そのギャップがまた魅力的な人物ですね。

 

それから、騎士のことを「特にえらいわけでもなんでもない」とは言っているものの、彼女自身は技術提供の交渉という重要な仕事を任されている点からして、また以前には「女王陛下の顔色をつねに気にしている」と言っていたところからしても、おそらく騎士の中でもかなり重責を負う地位にあり、女王の側近オブ側近レベルの立場にあることは間違いありません。

 

それでも「特にえらくはない」と自分の立場をなるべく高く見せないようにしているのは、「本当は超偉い人だったんだ…」という衝撃で、カムラの里とのこれまでの親しい距離感が壊れてしまうかもしれないということを内心不安に感じていること、カムラの里の人たちとはこれからも対等の友人でありたいと思っていることの表れなのかもしれません。

 

 

淵源クリア後のエンディングでも、里の皆と一緒にたたら場前で主人公の帰りを待っていたりなど、ロンディーネはカムラの里のことを本当に気に入ってるんですよね。集会所ストーリーの終盤にかけて、彼女はカムラの里について色々語ってくれるので、ここでまとめて台詞を見ておきましょうか。

 

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貴殿、みごとな活躍だったね。百竜夜行はまだ続くようだが、解決へ向け前進したことは間違いない。

ヒノエ嬢も完全復活…といったところか。フフ、彼女が元気いっぱいだと、里も活気が増すね。

(集会所☆6百竜後 ロンディーネ)

 

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このカムラの里は、初めて訪れる者にも不思議と懐かしさを感じさせる何かがある。
雄大な自然と里の方々の優しさが、心身を包み込むようにして癒してくれるからかも知れないね。

私にとっても、大事な場所になった。災禍が完全に鎮まれば、ぜひ我が国の皆を連れてきたいね。

(集会所☆7 ロンディーネ 原文ママ

 

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貴殿の活躍によって、ついに百竜夜行が終焉へと近づき始めた。おみごとだね。

元々活気のある里だったが、これからはさらに人の往来も増えて、賑やかになっていくことだろう。

ここはもう、私にとっては第2の母国だ。愛しいこの里が元気になっていくこと、心の底から喜ばしく思うよ。

(淵源討伐後 ロンディーネ)

 

ロンディーネのみならず、他にもチーニョからもこんなコメントがあります。

 

カムラの里は、描きたいものがいっぱいありますニャ。

特に、里の皆様方。災禍に見舞われているというのに、いつも元気ハツラツとしていますニャ。

皆様方を絵に描いていると、なんだかこちらも力が湧いてきますニャ。

(集会所☆5 チーニョ)

 

チーニョは絵を趣味にしておりまして(別記事参照)、交易商として訪れる仕事先で様々なものを絵に描いているといいます。彼女の作品棚にはブンブジナやガルクの絵もあり、カムラの里に来てからもたくさん作品を残しているようなのですが、そんなチーニョにとっても、里の人たちを描くのはとても充実した時間であるとのこと。

 

それから、ロンディーネは本業の交易商ではないにしても、ウツシのお面が里外で人気が出ることを確信してホバシラに輸出を勧めるなど商才の片鱗を見せるようなシーンもあり、彼女自身もカムラの里の名産品を広めたいという意欲があるようで、本来の目的を果たした後も、交易商の仕事は続ける気があるという話をしています。

 

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やあ、貴殿か。百竜夜行が終焉へ近づいて、里もかなり賑やかになったように感じるよ。

…フム。私も交易商として、この里のさらなる発展に貢献する時かもしれないね。

なに、仮の姿とはいえ、商人の仕事も様になってきたところさ。任せておいてくれたまえ。

(淵源討伐後 ロンディーネ)

 

災禍の間は外の地域との交流が減少しがちだったこともあり、カムラの里としてはありがたい話ではありますが、それにしても騎士の方の仕事は大丈夫なのでしょうか。騎士と交易商の兼務はいくらなんでも激務すぎるでしょうし、カムラの里と他地域の間の交易に限定して、ということなのかもしれませんが……彼女がカムラの里に並々ならぬ熱意を抱いているのは確かのようです。

 

例のウツシのお面については、「自分の船で扱いたかったが、仕事が立て込んでいてキャパ的に無理だった」という話もしていたので、百竜夜行に続いてエルガドの調査の方もじきに落ち着いたら、彼女も交易商として本腰を入れられるかもしれませんね。

 

さて、ロンディーネ達のおかげで国際交流も広がりつつあるカムラの里ではありますが、カムラの里の外の世界という話と関連することとして、ロンディーネたちの台詞で非常に印象的だった台詞をこの項の最後に紹介しておきましょう。

 

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聞いた話によると、各地で、ハンターたちがナルハタタヒメを討つべく動き始めているそうだ。
新種の古龍…しかも災禍を起こす元凶だ。これを討伐すれば、ハンターとしての名声は確実に高まる。猛り立つのも無理はない。

発見されてクエストとして上がれば、受注が殺到することだろうね。

貴殿、手柄を横取りされぬように気をつけたまえ。

(集会所☆7 ロンディーネ)

 

ナルハタタヒメが見つかったら、当然、貴殿が討伐に行くべきだニャ。

イブシマキヒコを撃退したんだから、ナルハタタヒメも貴殿が倒すべきだニャ。手柄を譲ってはいかんのニャ。

(集会所☆7 カナリーノ)

 

筆者はこの「手柄を横取りされないように」というのがとてもハッとさせられたというか、「カムラの里という箱庭の外」を意識させるような、国際性に富んだ台詞だなぁと思っておりまして。

 

というのも、ライズのストーリーは一貫して「カムラの里vs百竜夜行」ですから、主人公(プレイヤー)の中で「ハンター」という概念は「里の防衛」と強く結びついているものであり、そして百竜夜行の元凶である古龍たちも、主人公ハンターと里守たちでイブシマキヒコを撃退したのだから、対のナルハタタヒメの方も流れ的には当然主人公ハンターが狩猟しにいくものだと思っていた。百竜夜行にしてもつがいの古龍にしても、あくまで「カムラの里の問題」として認識されていました。

 

しかしながら、一つの里を長年苦しめてきた、そして人類や生態系にとって大きな脅威となる超大型古龍が発見されたという事態は、あらゆるハンターにとって大きな功績を立てられるチャンスであり、里外のハンターは主人公ハンターのことなど知る由もないのですから、この事態を静観しているわけがありません。

 

それは別に他のハンター達が卑しいとかそういうことではなく、古龍討伐という大事業に多くの実力あるハンターが志願することは、むしろハンターとして至極当然のことだと思います。でも、ナルハタタヒメはあくまで「カムラの里が倒すべき相手」と思っていたからこそ、筆者はロンディーネ達に言われるまで「他の誰かがナルハタタヒメ討伐の功を横取りする」などということは考えもしませんでした。

 

それに、ナルハタタヒメを狩るということは、「各々が自らの役割を果たすことで強固な連携を築いて災禍に立ち向かう」ことをモットーとするカムラの里において、ハンターとして担う役割、自分の使命だという認識を持っていると、そこにはそもそも「手柄」という概念もさほど無いのかもしれません。主人公ハンターにとって、ナルハタタヒメを討伐するのは何よりもまず自らの愛すべき故郷を守るためであり、ハンターとしての武勲はそれに結果として付随してくるものだと思っていました。

 

そのような感じで、住民の世間話も含めてストーリー全体が「カムラの里の内側からの視点」に傾斜しているからこそ、「他の地域のハンターもナルハタタヒメ討伐の功を立てようとしている」という里の外の世界の視点、「百竜夜行を終わらせる使命を持って生まれたカムラの里のハンター」ではなく純粋な「ハンターの社会」の視点に立った話をしてくれるロンディーネたちは、カムラの里の人たちの世間話の中でもひときわ異彩を放つものでもあり、生まれてこのかたカムラの里にいるために狭窄しがちな視野を広げてくれるものでもあるわけです。

 

それでいうと、ロンディーネは主人公を含めて数人に、里の外の世界を見てみないかと声をかけているんですよね。まず、里の外に出てみることを主人公に勧めてくれる時の台詞は以下の通り。

 

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貴殿は、この里の生まれ育ちだったね。違う街や村を訪ねたことは… どうやらないようだね。
いや、気を悪くしないでくれ。それがいけないということでは決してないんだ。

ただ、知らない土地を訪ねるというのは視野が広がる。自身の成長につながるよ。強制はしないが、お勧めはしておこう。

(集会所☆2 ロンディーネ)

 

これは恐らく彼女の本来の目的である人材収集などとは特に関係なく、本心から勧めているものでしょう。自分の生まれ育った大切な故郷でずっと過ごすのも悪いことではないけれども、やはり外の世界に出て異なる文化や価値観に触れてみるのも良い、と。「交易は浪漫だ」が彼女の口癖ですが、彼女自身も女王陛下の命を受けて交易商の仕事を続けてきた中で、色々と視野の広がる経験をしたからこそ主人公にも勧めているのかもしれません。

 

あるいは、主人公ハンターは里の防衛の要となっている存在ですが、それは敢えて悪く言えばカムラの里に自分のアイデンティティを結び付けすぎているあまり、カムラの里に拘泥し、自分の活躍の場を限定する形になってしまっているとも言えるため、外の世界のことをまったく知らないようでは主人公個人のハンターとしてのキャリアや資質に支障が出るかもしれない……と、同じハンターとしてロンディーネが密かに主人公のことを少し心配していたのかもしれない、とも思っています。

 

いずれにせよ、これは主人公がエルガドに旅立つことの伏線だったということにもなりますね。主人公も異国で色々な出会いがあるでしょうし、ロンディーネも結果として、当初の目的であったカムラの里の職人のみならず、里で屈指の実力を持つハンターにもエルガの調査に協力してもらえるということになったわけですから、お互いにウィンウィンの関係ということになるでしょうか。

 

ちなみに、別の時期にヒノエ・ミノト姉妹がロンディーネの話を聞きに来た際、2人にも外の世界を旅してみることをお勧めしたときの台詞がこちら。

 

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ヒノエ嬢とミノト嬢の姉妹が、私の国の話を聞きに来るんだ。里以外の地域に興味をお持ちらしい。
だから、「百竜夜行が片付きしだい、少し船で出てみませんか」と誘ってみたんだが、遠慮されてしまったよ。

ヒノエ嬢は「うさ団子が食べられなくなるから」。「ミノト嬢は「あまり外に出たくないから」だそうだ。

…うぅ~む。そこは勇気と根性を持って、一歩を踏み出してもらいたいところだが…。

(集会所☆6 ロンディーネ)

 

ものの見事に断られています。ロンディーネさん、意外と根性とか言うキャラだったんですね。

 

まあヒノエの方に関しては、エルガドにもうさ団子屋さんは出張してきてくれるみたいですから、もしかしたら彼女もエルガドまでふらっと(?)お出かけしてきてくれるかもしれません。里のうさ団子屋さんにしても、ヨモギの所とオテマエの所では少しずつ個性や味わいも違うという話ですから、「エルガドのうさ団子屋さんはどんな味かな?」と興味を持ってくれる可能性は十分アリ(その際にはぜひともそのフードファイターぶりをエルガドの面々に披露してほしいところです)。

 

ミノトの方はこれまた難儀な理由ですが、ヤツは外出が好きではないと言っている割りには、ヒノエ姉さまに一緒に温泉に行こうと誘われた時はついていく(公式Twitter情報)というシスコンであるため、優先順位は「姉 >>>>>>>>>> 外出したくない」ということで、ヒノエが外出するならたぶんどこへなりとついてくるでしょう

 

したがって、ロンディーネはヒノエさえ説得できれば実質ミノトも説得できたことになるわけですから、主人公をエルガドに招待して拠点を整えた暁には、エルガドのうさ団子屋さんの魅力をヒノエにガンガンPRしていくのが良いと思います。まあ、ロンディーネ自身も言っているように、これは特に強制するようなものでもないのですが、サンブレイクでもカムラの里のキャラとも絡みがあったらいいな~、という期待も込めて。

 

4.カナリーノとからくり蛙

 

ロンディーネの従者のひとり、カナリーノのエピソードも一つ。カナリーノはカムラの里を訪れて以来、オトモ広場のからくり蛙が気になっているようで、からくり蛙との絡み(?)について話してくれる台詞がいくつかあります。

 

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貴殿、この広場の中央にある、蛙のような機械はいったいなんなのか ごぞんじかニャ?

あ、いや。恥ずかしながら…少し怖いというか…。

モンスターならば怖いなどとは思わぬが、あのような機会に恐怖を覚えるとは…。わたくしとしても意外だニャ。

ウムム…。さすがは異国。ここに至って、克服すべき存在に出会うことになるとはニャ。

(集会所☆1 カナリーノ)

 

オトモ広場のからくり蛙はハモンのお手製でして、彼が修練場のからくり蛙を手掛けていた際に、オトモの特訓用のものも追加で作ってほしいと頼まれて作ったものなのだそうです。修練場のものとはかなり見た目が違っていますが、これは後からオトモたちが好き好きに色を塗ったりしたため(シルベ談)。このからくり蛙について、ハモンは次のようにコメントしています。

 

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修練場にある「からくり蛙」は、ワシが造った。百竜夜行に備えて、里の衆が鍛えられるようにな。

戦意が湧くように、できる限り恐ろしい見た目にしている。おぬしも最初は見たときはさぞ恐怖したことだろう。

若い頃から多くのモンスターを見てきたゆえ そういうものの造形は得意なのだ。我ながら、外見には自信ありだ。

子どもたちは「かわいい」などと言うが、強がっているのは見え見えだ。ほほ笑ましい限りよな。

(里☆4 ハモン)

 

他のプレイヤーの皆さんがどうお思いかは分かりませんが、たぶんあのからくり蛙は可愛い寄りのような気がします。ハモンがなぜからくり蛙の怖さをこうも自信満々に語っているか、という話なのですが、ハモン自身がどうも蛙を恐いと思っているらしい、というのが可能性としては高そうです。イオリの記事でも紹介したように、昔ハモンは野良のガルクに噛まれたのがきっかけでガルクを苦手としていたりもして、彼は大型の動物よりも小動物系を苦手になりやすいという感じがするんですよね。

 

それに、以前の記事でもご紹介したように、ハンター復帰するアヤメにボウガンを造ってあげたときにも、アヤメに「モンスターが逃げ出すくらい怖い見た目にしてほしい」というリクエストをされて、からくり蛙に似たデザインの図面を描いていたことをアヤメから聞くことができます(詳しくはアヤメの記事にて)。アヤメにしてもやはりからくり蛙を恐いと思うことはないようで、ハモンのチョイスは意外だという反応をしていました(とはいえ、自分の為にハモンが武器を特別に設計してくれることを彼女はとても喜んでいました)。

 

里の子ども達にしても、蛙が苦手な子が全くいないというわけではないにしても、おそらく「かわいい」という感想は大方は本心で言っているでしょうから、カナリーノは作中で唯一、「蛙が恐い」というハモンの感性と波長が合うキャラということになります。チーニョといいカナリーノといい、ロンディーネの従者の2人は何かとハモンに縁がありますね。

 

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またしても、仕事でミスをしてロンディーネ様に注意を受けてしまったニャ。

ウムム…。どうしても、広場の中央にある蛙の機械が気になってしまって…。

やはり、あれは見た目が怖いのニャ。視界に入らないようにしていると、どうしてもミスをしてしまうのニャ。

(集会所☆3 カナリーノ)

 

カナリーノはからくり蛙をずっと苦手にしているようで、オトモ広場の船着場での仕事にも少し支障が出てしまっている様子。しかしながら、カムラの里のオトモたちはそんなからくり蛙を相手に悠々と修行に励んているのを見て、カナリーノは「からくり蛙を克服したい!」と思い立つようになります。

 

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このカムラの里のオトモたちは、日々、あのからくり蛙を相手に修行を積んでいるニャ。

ウムム…。わたくしも、負けてはおれぬニャ。

からくり蛙…。見た目はどうしても怖いが、がんばって克服せねばならぬのニャ。

(集会所☆3 カナリーノ)

 

まあ、里のオトモたちに対抗心を燃やしていたり、先の台詞でも「モンスターなら怖くはないんだけど…」と言っていたり、この辺りもカナリーノたちが交易商ではないことのヒントになってしまっていたりもするのですが、兎にも角にもカナリーノは後日、ついにからくり蛙克服大作戦(?)を決行することに。結果はどうだったかといいますと……。

 

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からくり蛙の外観がかもしだす恐怖…。これに打ち勝つため、わたくしは昨夜、徹夜でヤツに向かい合うことにしたニャ。

しかし、気がつけばロンディーネ様のお膝の上…。どうやら、途中で気を失ってしまったようだニャ。

ロンディーネ様やチーニョ殿にはムリをせぬよう言われたが…からくり蛙を克服せずに、故郷には帰れぬのニャ!

(集会所☆4 カナリーノ)

 

ストーリー序盤の頃、カナリーノはまだ交易商の仕事に余り慣れていないと言っていたところを見るに、カナリーノは3人の中では一番新入りというポジションのようですから、たとえ仕事とは関係ないところでも、自分の苦手を克服して一皮むけたい、という気持ちがあるのかもしれません。それにしても、徹夜でからくり蛙に立ち向かったということですが、夜の暗闇の中だとなおさら不気味な姿に映ってしまうのでは? という疑問はないでもありません。まあ、だからこそ立ち向かい甲斐があるといえばそうなのですが、結果としてはまだからくり蛙には力及ばなかった様子。

 

その後、カナリーノの奮戦ぶりを見ていたからなのか、イオリやコガラシが機転を利かせてくれて、カナリーノはからくり蛙の操縦席に乗せてもらえることに。

 

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イオリ殿やコガラシ殿が、わたくしを、からくり蛙の操縦席に乗せてくださったのニャ。

すると、あら不思議。今までの恐怖感がウソのように消えていって 平気になったのニャ。

…ふむ。自分の意思で自在に動かせるとわかれば、機械として冷静に見られるのだニャ。

(集会所☆5 カナリーノ)

 

からくり蛙をきっかけに、カナリーノも里の人たちとの交流が広がっていきますね。ところで、話に出ているからくり蛙の操縦席というのは、蛙の頭と背中の間らへんにある赤くて四角い部分のことです。シルベにオトモの修行を依頼しているときに様子を見てみると、以下の画像の通り、操縦席にアイルーが座って蛙を操作しているのがわかります。

 

 

この乗っているアイルー、一瞬シルベなのかと思いましたが、オトモたちが修行をしている時にもシルベはオトモの訓練の窓口の仕事をしているので、会話できるNPCではない別の誰かということみたいですね。そんなわけで、イオリ達のサポートのお陰でようやくからくり蛙克服の光明も見えてきた……はずだったのですが、後日また話を聞いてみると、修行中に何やら予想外のアクシデントが発生したらしく……?

 

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やっぱり、からくり蛙は…怖いのニャ。この間、ヤツを相手に修行していたら… 突然、見たことも無い動きを始めたのニャ。

頭が目の前まで降りてきて… わたくし、恐怖のあまり気絶したのニャ。

からくり蛙…あんな動きもできるとはニャ。今しばらく、克服までは時間がかかりそうだニャ…。

(集会所☆7 カナリーノ)

 

そんな動きあったっけ? と確認のため、オトモたちが修行しているところにお邪魔してからくり蛙が動いているのを観察していると、やはり首が動く構造になっているのを確認できました。

 

 

からくり蛙の頭部が下に降りるのは、上の画像のように2種類モーションがありまして、一つ目のものは修練場でからくり蛙の頭の位置を「低」に設定しているときと同じ形、二つ目のものは麻痺などの状態異常にしたときと同じ形になっています。一つ目のものはからくり蛙の四股踏み攻撃の間に挟まれる「頭を降ろす攻撃」のようなモーションに使われている動きで、おそらくカナリーノが目にしたのはこちらの方だったのでしょう。自分の攻撃でダウンさせて頭が降りたのではなく、向こうから突然降りてきたのですから確かに軽くホラーかもしれません。

 

これ以来、カナリーノがからくり蛙を克服できたという話は聞きませんから、おそらく今もなお絶賛修行中というところでしょうか。ロンディーネは彼女の本来の目的を果たした後も、交易商としてカムラの里の交易の仕事は続けると言ってくれていますし、そうなればカナリーノも里に立ち寄る機会は今後もたくさんあるでしょうから、いつか嬉しい報告を聞ける日が来ると良いものです。

 

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最後になりますが、以前のサンブレイク考察記事で、「マスターランクの舞台であるエルガドに行けるのは☆7雷神クリア後」という発表に関して、「百龍ノ淵源の討伐」と「エルガドに旅立つ」のはどちらが時系列として先なのか? という疑問について考えました。筆者は当該記事では、ライズの「正史」としては、「百竜ノ淵源→エルガド」という順番としてよいと結論付けましたが、今回カナリーノの台詞を整理していて、それの裏付けとなる根拠を更に見つけることができましたので、ここでご紹介しておきたいと思います。

 

雷神討伐後~百竜ノ淵源緊急クエ出現前(ドス古龍討伐時)の間と、百竜ノ淵源討伐後のそれぞれの期間におけるカナリーノの台詞をご覧ください。

 

我が国でも、災禍から故郷を救い出した貴殿の名前は知られつつあるニャ。

ロンディーネ様も貴殿を認めているし、そのうち、女王陛下からお招きがあるかもしれないニャ。

(ドス古龍討伐時 カナリーノ)

 

百竜夜行を終焉へと導くとは… 貴殿、ロンディーネ様に匹敵する腕前かもしれないニャ…。

我が国の女王陛下の耳にも、貴殿の名前は届いているニャ。いつお招きがあってもいいように、マナーを勉強しておくニャ。

(淵源討伐後 カナリーノ)

 

…という感じで、カナリーノの台詞によれば、主人公の勇名は雷神龍ナルハタタヒメを撃退した時点でロンディーネの国の人々にも知られるようになっていて、そしてこの時期ではまだ「女王陛下からお招きがあるかもしれない」という程度に留まっています。その後、百竜ノ淵源ナルハタタヒメを討伐した後で女王陛下の耳にも主人公の名前が届いていて、そこで初めて「いつお招きがあってもいいように、マナーを勉強しておくニャ」と、主人公がロンディーネ達の国に招待されることが現実味を持って語られるようになるわけですね。

 

ロンディーネの国でも王域三公のことがあるとはいえ、百竜夜行の元凶が片付いていないにも関わらず主人公をカムラの里から呼び寄せる道理はない(これは、女王陛下がロンディーネにイブシマキヒコ討伐に同行する許可を出さなかったことと同じ理屈です)というのは以前の記事で申し上げた通りですが、ライズのストーリー内で言えば、雷神~百竜ノ淵源の間で少しずつロンディーネの国に主人公のことが伝わりつつあるという状況になっている以上、女王陛下が雷神討伐後にすぐさま主人公を自国に招くというのを「正史」としてしまうのは、カナリーノの発言と矛盾することになります。

 

したがって、ライズのストーリーに「正史」というものを立てるとするならば、当初の考察のとおり、あくまでも「百竜ノ淵源」が終わってから「エルガド」での新たなストーリーが始まるという認識でよく、雷神討伐後にエルガドに行けるようになるのは、テオクシャナズチや淵源ナルハタに上位装備でなかなか勝てないプレイヤーや、サンブレイク発売と同時にライズを買って1から進めていくプレイヤーへの一つの救済措置であると考えるのが妥当だろう、という辺りで筆者としては落ち着いております。

 

まあ、サンブレイク発売と前後してカナリーノの台詞に調整が入ったりすれば、この解釈も成立しなくなってしまうのですが、これだけNPCの世間話に力を入れている開発がNPCの台詞を無闇やたらに修正するとも考えづらいですから、当面はこの解釈で行こうと思っています。

 

いずれにしても、ロンディーネやカナリーノ、チーニョたちとは今後もエルガドで長い付き合いになりそうですし、エルガドで出会う新キャラ達との絡みも楽しみです。特に、フィオレーネはロンディーネの姉か妹なのだとすれば、意外と熱っぽく情に厚いロンディーネと、責任感が強くきまじめなフィオレーネとで対比の関係となり、ヒノエ・ミノトの2人に続いて、姉妹の性格の違いが一つのストーリーに発展していくというようなお話も見られるかもしれません。姉妹百合も期待しています。

 

また、ロンディーネがハンターであるということは、カナリーノとチーニョはおそらくオトモアイルーでしょうから(地味なところですが、カナリーノが被っている猫耳型のヘルムや、チーニョが着ているアーマーはアロイかインゴットのシリーズであるように思われます)、2人が狩り場で活躍しているところも機会があればぜひ拝見したいですね。

 

それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!