【芸術の都】カムラの里のアートな人たち その3

※注意事項※

・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・筆者は2021年12月17日発売の『モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録』を未読の状態で執筆しております。
 現在または今後公開される公式設定が、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)ことがある可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。

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「アートな人たち」シリーズ第3弾。今回は主人公ハンターの師匠にしてライズの人気キャラクターの1人、ウツシ教官と、勲章「歩き疲れない下駄」が取れない原因の一角を占めていることでよく知られている、集会所の太鼓奏者ドン・ドコの3人を紹介していきます

 

ーーーもくじーーーー

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1.ウツシの自作のお面

早速ですが、記事の冒頭の写真にあるモンスターのお面、皆さんご存知でしょうか。集会所の茶屋の右隣、案内人のハナモリさんが座っている椅子の真後ろに並べられておりまして、気になって一度は見てみたことがあるプレイヤーも多くいらっしゃることと思います。実はこのたくさんのお面、じつは全てウツシ教官の作品なんです。

 

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やあ、愛弟子。集会所で売っているモンスターのお面、じつは俺の手作りなんだ。知ってた?
まあ、正直あまり売れてはないね…。子どもたちからは、「ちょっと怖い」って避けられてる感じで…。

じゃあモンスター以外のお面を作ればって話なんだけど、俺、モンスター以外は描けないしなぁ。

[後略]

(集会所☆2 ウツシ)

 

 

陳列されている彼のお面はどうやら売り物のようなのですが、あまり売れ行きがよろしくない様子。モンスターをかたどったグッズとなると、ゴコクの絵のように可愛らしくデフォルメされている感じのものが人気が出ると思うのですが、ウツシのお面はやたらとリアル寄りで、かなり好みが分かれそうな作風という印象を受けます。

 

そんな中で、集会所案内人のハナモリは、ウツシのセンスを割と気にいっている様子。

 

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後ろのお面……気になるか? これは、ウツシ教官が作ったモンスターのお面さ。

これがさー、よく出来てるんだよ。さすが教官、細かいところまでよく見てるっていうか。

ただなぁ……いかんせん個性が強すぎるっていうか…。

…まあ、万人受けする感じじゃないよな。俺はわりと好きなんだけど… 実のところ、同意を得られたことはないな。

○○さんはどう思う? ……あ、せっかくだし1個買っていかないか?

(集会所☆2 ハナモリ)

 

ウツシのお面の精巧な作りに感心するハナモリさん。彼の言うように、ウツシのお面は細部に至るまでの実物の再現度が高いという所がウリのようで、おそらくウツシは日頃からのモンスターへの観察眼が的確で精密なあまり、お面にしてもかなり本物のモンスターに近い雰囲気になってしまうのでしょう。

 

加えて、お面のモンスターの顔つきがまた独特で、タマミツネの方は凛々しいというか険しい目つきで凄みがあり、能楽などで使われているタイプのザ・狐面という感じ。いっぽうでヨツミワドウやブンブジナ(?)の方は、ギョロ目という程ではないにしても、目を大きく開いていてどこか妖しげなほほえみを湛えており、可愛いといえば​可愛いのかもしれませんが、家に飾ったら夜中に勝手に動き出してそうな印象を受けないでもありません。

 

そんなわけで、カムラの里内ではどうもウケが悪そうだということで、ホバシラの提案で、ウツシ自作のお面を外の地域に売り出してみないか、という話になったようです。先ほどの☆2の台詞の続き。

 

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[前略]

そんな話をしていたら、船着場のホバシラさんから「輸出してみます?」って言われたんだけど…どうかなぁ。

モンスターのお面とか、遠くに住んでいる街や村の人が興味を持つのかなぁ。

(集会所☆2 ウツシ)

 

ウツシ本人は「どうかなぁ」とあまり大きな期待は抱いていない様子ですが、里外に需要があるならそれに越したことはありませんし、もしかしたらウツシのセンスが好まれるような地域もあるかもしれません。なんやかんやでホバシラはお面を輸出することに決めたようですが、果たしてお面の売れ行きはどうなったかといいますと……。

 

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○○さん、集会所に売られているウツシ教官のお面は、ご覧になりましたか?

何といいますか…… とても、独特な感性をお持ちですよね。里ではあまり…好評とは言い難いのですが。

先日、外の商人の方にお見せしたところ、非常に興味を持たれたようでして… 試しに、少し外に卸してみたんですよ。

そうしたら、とある遠方の地域で爆発的な人気を博したらしく…。それはもう、飛ぶように売れるそうですよ。

様々な文化があるというか… 本当に、外の世界は広いのですね。

(集会所☆5 ホバシラ)

 

おお! かなり大きな反響を呼んでいる様子です。「飛ぶように売れる」というくらいですから相当なもの。どこの地域で売れているのか非常に気になるところですが、ウツシの力作ですから人気が出てくれるのは嬉しい限り。ひょっとすると、このままカムラの里の新たな名物の一つになるでしょうか。

 

そして、ウツシのお面はその「遠方の地域」の人たちのみならず、実は結構身近なところにも熱狂的な買い手が見つかることになります。そしてやはりというべきか、その人物はカムラの里の出身ではありません。ウツシのお面にハートを掴まれた人物とはずばり、オトモ広場に交易に来ているロンディーネさんです。

 

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貴殿、聞いてくれ! この間、集会所で運命の出会いがあったんだ!
ウツシ教官さ! 貴殿、ハンターならば知っているだろう!? 私はもう、すっかり魅了されてしまったよ!

彼が作った、モンスターのお面…! あれを見た瞬間、私は心を射抜かれたような衝撃を受けた…!

まさしく新境地、他の国にはない感性だ…! 商品の域を超え、芸術になり得る。きっと、とんでもない価値がつくぞ!

(集会所☆4 ロンディーネ)

 

いつも凛とした立ち振る舞いのロンディーネが、ウツシのお面を見てここまで興奮するとは意外。しかも「運命の出会い」とまで言い切っています。追々別の記事でお話する通り、元は遠い国でハンター(女王直属のそれは「騎士」と呼ばれている)を務めており、カムラの里には正体を隠して「交易商」という名目で訪れている彼女ですが、仮の身分ではあっても交易商の仕事で様々な国の文化や感性を知る中で、ウツシのセンスには一段と目を引くものがあったのでしょう。

 

「他の国にはない」「芸術品として高い価値がつく」と評価して的確な予想を立てているあたり、交易商としての彼女の識見と商才も実はかなり優れているのかもしれません。……というか、ホバシラがウツシのお面を輸出することを前向きに考え出したのには、実は当のロンディーネが関係しているようでして。

 

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ウツシ教官のお面、あれは芸術の領域だ。できれば私の船で扱いたかったが、仕事が立て込んでいてね…。
それで、この里の船着場にいる方々に輸出をお勧めしたよ。

怪訝な顔をしていたが、「外の商人と話をしてみます」と言っていたから、商談は進めてくれたはずだ。

フフ、無事に売り出されていたら、今頃、飛ぶように売れているに違いない。

(集会所☆5 ロンディーネ)

 

ホバシラから「ウツシのお面売り出してみた」の台詞を聞けるのも同時期の集会所☆5ですから、ホバシラがウツシのお面を輸出することにしたのはまさにロンディーネの勧めによるものだった、ということになります。怪訝な顔をされたという様子を見るに、ホバシラも輸出するかどうか迷っていたのでしょうね。そこにロンディーネの後押しがあり、他の商人の人にも見せてみたら予想以上の食いつきがあり、ウツシに再度相談してついに売り出してみることにした…! という感じなのでしょう。

 

当のウツシの方も、ロンディーネにお面のセンスを絶賛され、ホバシラに勧められるままに輸出をしたらまさかの大ヒットという流れるような急展開に、かなり驚いた反応を見せています。

 

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聞いてくれ、愛弟子よ。

集会所で売っている俺の自作のお面、里じゃイマイチ売れないから、船着場のホバシラさんに勧められて輸出したんだ。

そうしたら最近、遠方の街や村で話題になっているらしく、飛ぶように売れているそうで…。

交易窓口のロンディーネさんも、「貴殿の"せんす"はすばらしい!」…って、大絶賛してくれたし…。

何がどういう風に評価されるか、なかなか読めないもんだね。

(集会所☆5 ウツシ)

 

ウツシも手放しで喜んでいるというよりは、里ではめっぽう不人気な自分のお面がまさか他では爆売れするなんて意外だ…という気持ちが勝っているようで、唖然としているというか、なんともいえないテンションになっています。まあいずれにしても、自分の作品を評価してくれる人がいるというのは良い事ですし、ウツシの今後の創作のモチベーションになることは間違いないでしょう。ひょっとすると、エルガドでもアンテナショップ的なお店でウツシのお面が売られている光景を見られるかもしれませんね。

 

それにしても、ロンディーネは他の仕事が立て込んでいて自分の船で扱う余裕がない、と残念がっていますが、交易商としての利益追求という点のみを考えれば、「自分以外は目を付けていないが売りに出せば絶対にヒットすると確信している品物」を見つけたのならば、後日自分が取り扱うタイミングが来るまでは誰にも教えないようにする、という手もあるはずです。商売人としては、むしろその方がより徹底していると言えるでしょう。

 

それにも関わらず、ロンディーネはあっさりとホバシラに輸出を勧めているところを見るに、彼女はとにかく何が何でもウツシのお面の芸術性を他の国の人たちに知ってほしいという気持ちで行動していたのでしょう。もしくは彼女の誠実な性格からしても、そういうやり方では何となくカムラの里への(ウツシへの)礼節を欠くような気がする、と内心に思ったのかもしれません。

 

先述の通り、こうした思考は商売人の論理に合致するとは言えないのですが、あるいはその点も含めて、彼女の本来の職は交易商ではないということの証左なのかもしれません。いずれにせよ、ここまでウッキウキなロンディーネの姿は貴重ですね。

 

で、ロンディーネがウツシのお面を購入したことは当然集会所の面々の間でも話題になっていまして、ハナモリが驚いた様子でそのことを教えてくれます。里の中ではあまり売れてないお面、まさかロンディーネさんが買っていくとはなぁ、と改めて感嘆させられたところでオチがつく……はずだったのですが、ここでハナモリからちょっと衝撃の一言を聞くことに。

 

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この間、久しぶりにウツシ教官のお面が売れたんだよ! 誰が買っていったと思う?

ロンディーネさん。あの、オトモ広場にいる。意外な趣味だな。うん。

…で、だよ。それを見てたオテマエさんがなんて言ったと思う? 「あれ、売り物だったんニャね」だって。

そもそも売り物として認識されてなかったとは…。売れる売れない以前の問題だったわけだ…。

(集会所☆4 ハナモリ)

 

まさかのお面が売り物だと思われていなかったというオチ。確かにまあ、お面は綺麗に陳列されていて売り物の体をなしてはいるのですが、見たところ棚のどこかに値札がついている感じでもなさそうですし、集会所の装飾だと思われていても致し方ないところはあります。そのオテマエからもこんなコメントが。

 

ハナモリのうしろにあるお面、見たニャ? あの、ちょっと変わったお面ニャ。

実はあたし、最近までアレが売り物だって知らなかったニャ。買っていく人を見たことがなかったからニャ…。

この間、ロンディーネさんが買っていくのを見て知ったのニャ。気がついてみればそりゃ、売るために並べてあるのよニャ…。

まあ、よく出来たお面だとは思うけど… あたしは、わざわざモンスターのお面を買って家に飾ろうとは思わないニャ…。

ロンディーネさん…… 不思議な人だとは思ってたけど、やっぱり不思議な人だったニャ。

(集会所☆4 オテマエ)

 

モンスターのお面たちが並んでいるのが里の人たちにはすっかり馴染みの光景になってしまっていたせいで、もはや「売り物」という概念が薄れてしまっていたのでしょうか。逆にロンディーネにとってはカムラの里は新しく訪れた場所であり、色々なものに純粋な目線で興味を持てるからこそ「これは売り物なのかな?」と気がつく発想があった、ということなのでしょう。そのおかげで里の人たちにも「あのお面はどうやら売り物らしい」という新発見(?)があったわけですから、彼女は結果的にかなりのファインプレーをしたことになります。

 

まあ、ウツシのお面が売り物だと思われていなかったことに関しては、その陳列棚の前に長椅子を出してハナモリが座っているために、お面が背景と化してしまっているのも遠因の一つではないのか? というのはちょっと思わなくもないのですが……。集会所もあまり広い空間ではありませんから、その点は仕方のないところでしょう。何にせよ、これで改めて売り物として認識されたのですから結果オーライですね。

 

2.ウツシのモンスターのモノマネ

 

さて、お面の話はこの辺りといたしまして、ウツシ教官にはそのモンスターのお面と並んで、彼のモンスターへの精密な観察眼がよく活かされている特技があります。ご存知の方にとってはおなじみ、モンスターのモノマネですね。

 

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聞いてくれ、我が愛弟子。近頃は忙しいから、モノマネの練習をする時間がなくってね。
もちろんご存じ、モンスターのモノマネさ。狩猟の模擬訓練ってことで、よくやって見せてただろう?

里長やゴコク様も大絶賛のジンオウガのモノマネだけは、質を落としたくないんだけれど…

あれのモノマネは遠吠えが欠かせない。百竜夜行も来ている今、みんなを驚かせてしまうから、やっぱり控えないとね。

(集会所☆1 ウツシ)

 

ジンオウガや他のモンスターたちとも相まみえたことがあるであろうフゲン達からもお墨付きがあり、里の人たちも本物のモンスターが来たのだと聞き間違えてしまうくらい似ているということですから、そのクオリティは相当なものでしょう。有料DLCでウツシのボイスを設定しているプレイヤーであれば、ジンオウガの遠吠えの迫真のモノマネを何度も聞いたことがあるのではないでしょうか(当の私は14番信者なので、実物を聞いたことはほとんどないのですが…)。一種のネタといえばネタなのですが、実際かなり似てると思います。

 

遠吠えが欠かせない(遠吠えだけではなく他にも要素がある)という言い方や、ハンター修行のための模擬訓練にもその技術を使っているということからして、彼のモノマネは単なる声マネではなく、モンスターの動きも込みでのモノマネなのでしょう。彼のもとで現在ハンター修行に励んでいるタイシくんからも、ウツシのモノマネに対しての絶賛のコメントを聞くことができます。

 

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センパイ! センパイは、ウツシ教官のモノマネ、見せてもらったことあるッスか!?

ウツシ教官がやるモンスターのモノマネは、もはや名人芸ッス! 特にジンオウガのモノマネは、本物と見間違える勢いっス!

ときどき、ウツシ教官がモノマネするモンスターで、狩猟の模擬訓練をやってるッス! とても勉強になるッス!

(集会所☆2 タイシ)

 

ウツシがモンスターのモノマネをしてそれを相手に訓練するというのは、端から見るとなかなかシュールな光景ではあるのですが、本人たちはいたって真面目に取り組んでいるわけですから軽視してはいけません。……それどころか、そうしたウツシの訓練が結果的に里を百竜夜行から救うハンターを誕生させるという形で実を結んでいるわけですから、ウツシのモノマネのなりきり度は実際とんでもないレベルなのでは!? と思わざるを得ませんね。細かすぎて伝わらないモノマネでも優勝できるかもしれない。

 

それとは別に、タイシがどうやら本物のジンオウガを知っているらしいというのも気になるところですが……まあ、訓練でウツシと大社跡に出かけていてたまたま発見した、みたいな経験があるのかもしれませんし、あるいは実物を知らない人にも実物を十分想像させ得るほど、ウツシのモノマネが本物に迫っているということなのかもしれません。

 

そして、ウツシのモノマネはハンターの訓練だけではなく、オトモ広場で修行をしているオトモたちの訓練にもぞんぶんに生かされています。

 

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○○さんは、ウツシさんのモノマネ、見たことある?

ウツシさんは、モンスターのモノマネがすごく上手なんだよ。鳴き声とか動きとか ホンモノそっくり。

オトモたちの訓練のとき、ウツシさんにモンスター役をやってもらうと とても上達が早いんだ。

似すぎているせいか、ときどき、怖くなって逃げちゃうオトモもいるくらいだから、すごいよね。

(集会所☆2 イオリ)

 

イオリは里守として武器を取ることもあり、実物のモンスターを目にしたことも何度もあるでしょうが、そんな彼からもこの絶賛ぶり。こんな感じで各所でハイクオリティモノマネを届けているウツシですが、一度オトモ広場でジンオウガのモノマネをしたことがきっかけで、少し困り事が出来てしまったようで……。

 

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やあ、愛弟子。俺は、フクズクに嫌われてるようなんだが、キミはどう思う?

偵察で里を狙っていると、とんでもない形相で襲いかかってくるんだ。完全に俺を敵と認識しているみたいで…。

……え? 心当たりはあるかって? ……うーん、なんだろう。

一度、得意なジンオウガのモノマネを、オトモ広場でやったことがあるんだ。

そこってフクズクの巣の近くだったんだけど… 心当たりって言えば、それくらいかなぁ。

……え? 俺、フクズクたちにジンオウガって認識されてるの?

(集会所☆4 ウツシ)

 

……おそらく、十中八九それが原因な気がします。ウツシにしてみればなんだかお気の毒な話ですが、このお話、フクズクの生物的な特徴を知る上ではかなり有力情報でもあります。記事の本筋からは脱線しますが、少しここで考察をしておきましょう。

 

フクズクから見たジンオウガは、フクズク側が飛行能力を持っているという有利さを差し引いても、基本的には圧倒的に格上の生物です。もしフクズクがウツシをジンオウガだと思っているのであれば、彼らは自分たちを脅かす敵と認めた相手に対して臆さずに襲いかかるという、非常に勇敢な性格を秘めていることになります。

 

「ウツシをジンオウガと認識する」というのは若干無理があるのではないかという話もあるものの、私たちの世界の生物学においても、ネコは人間を大きいネコだと思っているらしいという話もありますし、自分の目の前にいる生物を何の生物だと認識するかという認知機能に関しては、必ずしも対象の見た目のみがその判断材料になるわけではない、ということは言えるでしょう。

 

私はこの手の話にはあまり詳しくはありませんが、ネコにせよフクズクにせよ、知能の高い動物であっても―—あるいはむしろ、知能が高い動物だからこそ、と言えるのかもしれませんが、単純な外見の情報からのみではない、より複雑な認知機能を持っているのかもしれません。

 

更に一歩進んで、フクズクはジンオウガの捕食対象なのか? という話ですが、こちらについては私は「否」であると考えています。フクズクの種族は、MHXシリーズに登場するホロロホルルと同じ並びなのであれば鳥竜種に属することになり、この種族にはジンオウガが好んで捕食対象とするガーグァも含まれていますが、ガーグァは私たちの世界でいうダチョウやエミュー等のようないわゆる「飛べない鳥」だからこそ陸上生物のジンオウガの捕食対象たり得ている、という一面があると思います。

 

一方のフクズクは、パワーの差こそ歴然といえども飛行能力がある点でジンオウガからすれば捕まえづらく、しかもフクズクは小柄なため、苦労して捕まえたところで大したエネルギー源にならず、リターンよりもコストが上回ってしまいます。

 

また、ジンオウガと共生関係にある雷光虫は、クチバシが絶縁体であるガーグァを天敵としており、ジンオウガがその天敵から守ってくれるというのが彼らの共生の理由の一つとなっている訳ですが(ジンオウガ的にも、雷光虫が発電能力を補佐してくれるという利点があり両者は互恵関係にある)、フクズクが同じく絶縁体のクチバシを持っていて雷光虫を捕食する、という話も聞きません。

 

細かい部位判定を持つ鳥竜種の大型モンスターのクチバシ(頭部)の雷属性肉質などを見ても、絶縁体のクチバシは鳥竜種共通の特徴ではなく、ガーグァなど一部の生物のみが持っている強みであるように思われますし、フクズクの巣を調べると魚やら携帯食料やらが出てくるのを見ると、彼らの食性は雑食~肉食の間のあたりで、少なくともとくべつ雷光虫を捕食対象にしている訳ではないと思われます。

 

そもそもジンオウガは雷光虫のためにガーグァを捕食している訳ではなく、ジンオウガの食性と雷光虫の天敵が偶然噛み合っているというのがこの理想的な共存関係な訳ですから、同じように雷光虫の天敵だからといって、ジンオウガが自身の捕食対象ではないフクズクをわざわざ襲うことはないでしょう(もちろん、仮にフクズクが雷光虫を食べる生態を持っていて、フクズクがジンオウガの捕食対象であるかどうかに関わらず、雷光虫がジンオウガの身体にくっついていること自体が既に抑止力になっている、という可能性は僅かながらも否定できませんが)。

 

ということで、ジンオウガが捕食対象とするのは基本的にはあくまでも陸上の生物であり、フクズクは捕食の対象にはならないと言えるでしょう。もちろん、食べられはしないからといって、ジンオウガに近くで暴れられればフクズクは巣諸共ひとたまりもありませんから、彼らがジンオウガに敵意を向けること自体は至極まっとうであるということは言えるでしょう。

 

フクズクはハンターの狩猟においても、上空からの偵察によってモンスターの居場所を常にハンターに教えてくれるという極めて重要な役割を果たしてくれますが、そうした協力関係が可能なのは、フクズクが人間に対して友好的な種であり、知能が高く訓練をすれば色々な事を指示出来るからという理由だけではなく、自分よりも大きなモンスターを見ても驚いて勝手に逃げたりしないという肝の据わった性格を持っているから、と言えるのかもしれません。

 

さて、フクズクの話はひとまずそのくらいと致しまして、ウツシの話に戻ります。百竜夜行が来て以来、皆を驚かせないようにモノマネの練習は自重しているというウツシですが、それでもやはりクオリティを維持・向上し続けなければ教官としての仕事(模擬訓練)にも影響が出てしまいますから、彼は皆に聞こえないところで練習を続けているようです。

 

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最近、ウツシ教官がモンスターのモノマネの練習にここを使ってるニャ。

「百竜夜行が来てるときに、モンスターのモノマネとかしたらみんな驚くから、ここを使わせて!」って…。

本来の修練場の使い方とは違うけど、まあ、これはこれでいいニャ。見ていて楽しいしニャ。

(集会所☆2 セキエイ)

 

皆に迷惑をかけないように気を配りつつ、それでもモノマネの練習は欠かさない。他人にはあまり見えないけれどひたむきに努力を重ねていく姿、かっこいいじゃありませんか。多少抜けているところがあったりするウツシですが、そういうまっすぐなところが私は大好きですよ。

 

しかしまあ、彼も教官やらモンスターの調査員やらを兼務しながら空き時間に修練場を訪れる、という生活は中々大変なところもあるせいなのか、モノマネの練習をしたい欲求を抑えられなかったことがついに1回だけあったようでして、集会所のハナモリからその時の様子を聞くことができます。

 

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この間、新しいお面を並べてたら急に後ろからモンスターの声がしてさ!

そりゃビビったのなんの! ついに百竜夜行がここまで来たか!? って。

慌てて振り返ったら、ウツシ教官が立ってたよ。アレだよ、モノマネ。ジンオウガの。

「腕がなまるといけないから、練習を…。今、ちょうどハナモリさんしかいなかったし」

……そっかー。俺しかいなかったしね。うんうん。

……って、イヤイヤ、俺ならいいのかよ! 割とひどくない? 俺の扱い。

ま、せっかくだから、いろんなモンスターのモノマネを見せてもらっちゃったよ。さすが、すごい洞察力だよな~。

(集会所☆3 ハナモリ)

 

以前のハナモリの記事でも紹介しましたが、ハナモリ渾身のノリツッコミが冴え渡っているこちらの台詞。いくらカムラの里の人たちが里守の訓練をしているとは言えども、突如として里内にジンオウガが侵入してくるなど恐怖以外の何物でもありません。

 

ハナモリもさぞ驚いたでしょうし、本当ならウツシにキレても全然おかしくはない場面ではありますが、ハナモリも大らかで寛容な性格の持ち主ですから、最終的に「せっかくだから色々見せてもらっちゃった」とむしろ楽しそうにしています。

 

ここでの台詞にある通り、ハナモリはウツシのお面を預かって陳列していたり、また先ほど見たようにそのお面の売れ行きを見守っていたり、ウツシのお面のセンスを彼自身は気に入っていたりという感じですから、この2人は何かとフィーリングが合う仲なのかもしれませんね。だからこそウツシも「ハナモリさんならええやろ」ということで彼の前ではモノマネをしたのでしょう。まあ、ウツシも近くにいたとはいえ、せめて一言ことわってからでもよさそうな気はしますが……ハナモリはそういうちょっとしたイタズラ心(?)も受け止めてくれる相手、ということなのかもしれませんね。

 

さて、ウツシ編の〆の前にちょっとした余談ですが、ウツシのジンオウガ推しはモノマネだけに留まらないようで、彼の左腕の防具がジンオウガだったり、彼の武器である双剣にも「疾風」「迅雷」という名前がついているのはわりと有名な話ですが、その他にも彼は自身のオトモのアイルーとガルクにも、デンコウライゴウという雷系の名前を付けています。

 

 

デンコウは文字通り電光、ライゴウは雷が轟くと書いて雷轟、この辺りが名前の由来でしょうか。里ストーリーの初め、およびライズ体験版で受注できるウツシ教官のチュートリアルエストで、彼らにお世話になった記憶がある方も多いかと思います。共にウツシの大切な相棒として活躍するデンコウとライゴウですが、彼らがどういうきっかけでウツシと出会ったのか、ということについて、ライズ公式Twitterで次のようなエピソードが語られています。

 

 

野生の状態でアイルーとガルクが一緒に行動している、というのは可能性としてはあまり高くなさそうですから、カムラの里や近隣の地域で暮らしていた子たちがたまたま狩り場に迷い込んでしまい、モンスターと遭遇してしまった、みたいな状況でしょうか。それにしても、ウツシが助けに来てくれて本当に良かった……。彼のネーミングセンスに関しては相変わらずブレないなぁという感じですが、3人の素敵な出会いのお話でした。

 

3.太鼓奏者のドン・ドコ兄弟

 

さて続いては、太鼓奏者のドン・ドコの紹介です。全く意図したわけではないのですが、今回の記事はなんだか熱い暑苦しいメンツになっていますね……。2人は集会所のデフォルトの音楽『勇まし狩人』の伴奏として太鼓を叩いているという設定になっており、ルームサービスに頼んで集会所BGMをこの曲以外に変えているときには、叩くモーションを止めて休憩状態になるという特徴があります。

 

これが微妙に厄介なムーブでして、ドン・ドコの台詞はいずれも太鼓を叩く際の掛け声になっている関係で、BGMが勇まし狩人以外の時にはそもそも会話をすることができない(近づいても会話可能サインのキャラ名が表示されない)ため、勲章集めを始める前に集会所のBGMを自分好みに変えてしまっていたプレイヤーは、一度BGMを戻さないと二人に話しかけることができず勲章「歩き疲れない下駄」を取得できないという意外な落とし穴に引っかかってしまうことになります。

 

そもそも2人にも話しかけられることに気がつかないでプレイしていた、という方もいらっしゃるでしょうし、ある意味ではレアキャラとも言えるドンとドコ。そんな彼らの台詞を見ていきたいと思います。

 

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(集会所☆1 ドン)

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(集会所☆1 ドコ)

ご覧いただいているように、ドンとドコの会話はすべての場合において2人でワンセットの内容となっています。ですので本記事の以降の内容でも、基本的には同時期の2人の会話内容をペアで並べて紹介する感じで行きたいと思います。

 

さて内容の方に入りますと、里の太鼓奏者は代々受け継がれている役職のようで、それに伴って「ドン」「ドコ」という名前もまた後任に引き継がれていくもののようです。したがってドン・ドコは彼らの本名というよりは、太鼓奏者の先代が元々名乗っていたもので、それを彼らが襲名するという仕方で付けた名前なのでしょう。日本の伝統芸能などにもある一種の制度ですね。

 

どれくらい続く伝統なのかといいますと、現在のドン・ドコは12代目であるということが本人たちの口から語られます。

 

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(集会所☆3 ドン)

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(集会所☆3 ドコ)

彼らの1つ前の世代にあたる11代目はおそらく既に引退しているでしょうから、ライズ作中に登場することはないのですが、それにしても12というのはかなりの長さになります。年数に換算するとどのくらいになるでしょうか。

一般にアイルーの生涯というのがどれくらいの長さなのかは存じ上げないのですが、一つの参考として、オトモ隠密隊窓口にしてアイルー頭領であるコガラシは50年前に里長フゲン達と共に狩りに行き、今もなお健在というキャラクターです。またモンハン世界において、アイルー族が人間族と共に一つの社会を形成することができているという事実からしても、アイルーの寿命が人間のそれに対して大幅に低い(~30年程度)場合には恐らくそうした社会は成り立たないような気もしますから、少なくとも人間より少し短いか、人間と同程度か、あるいは人間よりも長いか、それくらいの長さはあることになります。

仮に人間と同程度―—すなわち80年程度として考えてみましょう。1人の太鼓奏者の道のりが、先代の指導のもとで修業し、一人前になったらドン・ドコの名を襲名して太鼓奏者としての仕事を始め、体力的にそろそろという所で後継者に名前を譲って引退する、というステップだとして、太鼓奏者として勤め上げる期間がだいたい私たちの労働年数と同じくらい、すなわち40年くらいだとすると、太鼓の伝統は40年×11代で440年くらいという計算になります。

 

太鼓奏者は必ずしも家系で受け継いでいるわけではないでしょうし、実際には上記のような綺麗な計算になることはなくもう少し増減があるでしょうが、それでも400年前くらいから続いていると考えればかなり長い伝統です(この推測が合っていればの話ではありますが)。カムラの里の芸術の中ではおそらくぶっちぎりで一番の歴史があることになりますね。こっちの世界の400年前は関ヶ原の戦いとかだからな……。

 

集会所案内人のハナモリからも、もれなく彼らについての紹介があります。

 

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出入り口で太鼓を叩いているアイルーたちは、兄弟でね。里においてドンとドコの名を継ぐ由緒ある太鼓奏者なんだ。…知ってた?

太鼓って、バチを当てたら音が鳴るから誰でもできそうな気がしちゃうけど、全然そんなことないんだよな~。

あいつらの演奏を聞いてると、地の底から音が響いてくる感じでさ。血が騒ぐっていうか、沸くっていうかな。

まあ、熱くなってきたところで、俺が狩りにいくわけじゃないんだけどな。アハハ。

(集会所☆6 ハナモリ)

 

ハナモリの口ぶりから察するに、彼らが集会所で太鼓を叩いているのは、集会所を盛り上げ、そしてここから狩猟に向かうハンターの壮行という意味があるのでしょう。彼らが伴奏している曲も「勇まし狩人」ですから間違いないと思います。……一応、ツッコミどころとしては、カムラの里の集会所の空間はけっこう狭いスペースのため、彼らが全力で太鼓を叩くと、気分を盛り上げるというのを通り越して流石にちょっと音圧がすごいのではないかという疑問はありますが……。

 

まあ、腕が疲れることを考えれば彼らもずっと叩いているわけではないでしょうし、恐らくは集会所にハンターが訪れているときに叩くのが中心でしょうから、実際のところはさほど問題はないと思います。それに、集会所も完全な屋内ではなく、開放的なテラスがあったりして半分屋外みたいな場所ですから、音が内部に反響しまくるということもなく、音量の面もセーフという感じにはなりそうです。常に太鼓の近くにいるマイド、ゴコク、テッカちゃんあたりがどう感じているのかは気になりますが。

 

それはさておき、先ほどハナモリが言っていたように、太鼓を叩くというのは決して誰にでも出来るようなものではなく、きちんと美しく迫力ある音を鳴らすためには相応の厳しい練習が必要となるものです。先代ドン・ドコのもとで彼らが修行した際にも、その指導はかなりスパルタだったという話を聞くことができます。

 

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(集会所☆5 ドン)

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(集会所☆5 ドコ)

…というわけで、今ご自身のデータの集会所BGMを『勇まし狩人」以外に設定しているプレイヤーの皆さん、お好きなBGMをかけるのも良いですが、ドン・ドコの2人が大変な修行を乗りこえて鍛え上げた太鼓の腕前を披露する機会がない、というのはなかなか心苦しい話ですから、たまにはBGMをデフォルトに戻して、彼らに太鼓を叩かせてあげてください。

 

さて、集会所におけるドンとドコの太鼓演奏はおそらくハンターを送り出すためのものだ、という話を致しましたが、その話の通り、ストーリー上の重要な戦いの前後では彼らの台詞の内容も変化し、狩猟対象のモンスターのことを表現したものや、主人公ハンターを応援してくれるようなものとなります。あまり台詞量がないキャラクターですので、ここでぜひ色々なシーンの台詞を見ていきましょう(共通の掛け声部分は省略)。

 

まずは、集会所☆4緊急のヌシアオアシラ百竜夜行に挑む直前のもの。

 

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(集会所☆4緊急前 ドン&ドコ)

次に、イブシマキヒコ百竜夜行の前後。

 

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(集会所☆6百竜前 ドン&ドコ)

ヌシアシラ前とマキヒコ前の台詞は、いずれも七・五調の詩のリズムで整えられています。シイカの詩もそうですが、細かいところまできちんと日本風を徹底するスタイルが好きです。ちなみに詩の内容で言えば、シイカよりもドン・ドコの方がはるかにまともな感性を持っていると思います。シイカは正道の詩とは少し次元が違うというか、天才ゆえにぶっとびすぎていて私は付いていけません。

 

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(集会所☆6百竜後 ドン&ドコ)

次に、ナルハタタヒメが初めて出現した時の台詞。

 

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(集会所☆7 ドン&ドコ)

ドコの方の「目覚めし乙女」は、マキヒコに呼応してナルハタタヒメが動き出したことを詠っているのかと最初は思っていたのですが、よくよく考えてみるとこれは共鳴能力に目覚めたミノトの方を詠っている台詞のようですね。まあ確かに、ナルハタとミノトのどっちが「乙女」と呼ばれるに相応しいかを考えれば自明の理でした…。

 

続いて、☆7ナルハタタヒメ討伐前後。

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(雷神討伐前 ドン&ドコ)

3行目の掛け声以外の部分を見ると、ドンの方は最後が字余りですが七七七五のいわゆる都々逸のリズムで、ドコの方は七五七七七で俳句のリズムです。決戦前なので作詞にも気合が入っているのでしょうか(?)。


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(雷神討伐後 ドン&ドコ)

そしてこれまた地味なところですが、Ver.1.0でドス古龍3人衆が出現している時期にも新しいセリフが追加されています。

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(ドス古龍討伐時 ドン&ドコ)

さすがにオオナズチ達とは関係がありませんが、里の伝統たる太鼓への尊敬の念を表するという内容の非常に熱い台詞です。

最後に、百竜の淵源討伐前後の台詞。

 

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(淵源討伐前 ドン&ドコ)

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(淵源討伐後 ドン&ドコ)

今後は主人公ハンターの活躍を題材にした掛け声も作られて、代々の太鼓奏者に受け継がれていくことになるのでしょうか。

ところで太鼓と言えば、ナルハタタヒメのモチーフの1つとなった雷神は、雷太鼓というものを背中に付けている絵が有名です(風神雷神図屏風著作権周りがわからないので、サイトのリンクだけ貼っときます)。

 

global.canon

 

ナルハタタヒメの素材から作成できる「なるかみ」シリーズの防具にもこの雷太鼓が背中に付いておりまして、性能が微妙すぎる防具本体や重ね着を一式作ったことがある方は見覚えがあるかと思います。

 

これを踏まえて、集会所の方に太鼓という要素をわざわざ置いてきているという設定は、ひょっとすると本作のラスボスである雷神龍ナルハタタヒメ(百竜ノ淵源ナルハタタヒメ)を暗示する要素の一つなのかもしれないな、というのは少し思っているんですよね。しかもよりによって、つがいの古龍のストーリーがあり、ナルハタと共鳴するミノトがいる集会所の方にそれがあるわけですから。

 

もちろん確たる証拠があるわけではなく、そもそも雷神との関係以前に太鼓は和楽器の代表格みたいな存在ですから、「集会所が盛り上がる楽器で日本的な雰囲気が出せるものを……ということで和太鼓に白羽の矢が立った」で済ませられる話でもあるのですが、いかんせん何かと丁寧な伏線を貼ってくる作品なだけに、太鼓というチョイスにもそういう意味があるのではないか、というのもあながち否定はできないような気がします。深読みが過ぎるといえばそうなんですけどね。

 

ここからおまけパート。ドンとドコは集会所のBGMが『勇まし狩人』以外のときは太鼓演奏をやめて休憩モードに入るという話をしましたが、その休憩中の動きはドンとドコとで結構違うんです。

 

ドンの方は、休憩中は右手に持っているバチを真上に放ってはそれをキャッチするという遊びをしていまして、時々高く飛ばしすぎてしまいギリギリのところでキャッチする、という可愛らしいモーションがあります。

 

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(あっ飛ばしすぎた……)

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(ナイスキャッチ!!)

一方でドコのほうはおっとりとしていまして、切り株のところに腰かけてのんびりと休んでいます。

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太鼓を叩いているときに話しかけると2人とも熱血な太鼓奏者という印象ですが、こうして休憩モードにしてみると、兄弟の性格の違いが見えてくるのも良いポイントですね。

 

そしてもう一つ、ウツシの記事のところで謎の盛り上がりを見せたフクズクついて、ウツシと全く関係ない話なのですがもう一つ気になることが。

 

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先述の通り、フクズクは食べ物や色々なアイテムを拾って帰ってきては巣にしまう(あろうことか爆薬なども入っていることがある)という習性があるのですが、ここで気になるのは「たまご」シリーズも巣の中に入っていることがあるということ。

 

この「たまご」シリーズアイテムの正体は謎であり、このアイテムは本当に生物の卵なのではなく卵のように丸い形をした貴金属のかたまりで、一部の鳥類がそうであるようにフクズクにも光り物を集めるという習性があり、これらを持ち帰ってきている、という解釈もできるのですが、ガーグァの金の卵というアイテムがあるように、これらの卵は実際にフクズクの卵であり、場合によって殻が金属光沢を持つことがある、とする解釈も可能です。

 

「卵」と「たまご」という表記の違いが性質の違いでもある(前者は「竜の卵」などのようにリアル卵で、後者は生物ではない卵型のアイテム)という見方や、フクズクが自分で産んだ卵にしては産卵周期が短すぎるということを考慮すると、金属たまごは本物の生き物の卵ではないのかな、という気もするのですが、一方でMHFには「金(銀)のゆでたまご」なるアイテムがあったようで、調理すれば食べられるということはやっぱり何らかの生物(鳥竜種?)の卵なのではないか、という説も全然捨てきれないんですよね。

 

mhf.gorillawiki.jp

 

本当に生き物の卵なのだという説を採用するとすれば、見つかる卵の数が多いという問題をゲーム上の都合として目を瞑れば、フクズク本人の産んだ卵か、光り物と間違えて持って帰ってきてしまった他の生物の卵というあたりになるのですが、それ以外の可能性を想像させるような、こちらの生物界の出来事がありまして。

 

www.excite.co.jp

 

記事によれば、カモは自分の遺伝子を残すために、別のカモの巣やカモに近い種の鳥の巣に托卵を行うことがあるようで、上の記事のケースではフクロウが托卵先として選ばれ、そしてフクロウはそのカモの子の卵を自分の卵と勘違いしたようで、そのまま自分の子同様に育てていた……ということらしいです(また、過去にもフクロウ種の鳥の巣にカモの卵が托卵されていたケースがあるとのこと)。フクロウが卵や雛を食べてしまう可能性はあったようですが、今回は無事に雛が育てられていたケースということになります。

 

まあ、これはどちらかというと「カモは他の鳥の巣に托卵をすることがある」というカモ側の性質の話なのですが、逆に言えば「フクロウはカモから托卵されることがあることがある」ということでもあります。また、カモのケース以外にも自然界では一部の鳥類を筆頭に色々な生物が托卵の生態を持っていて、托卵を行う種の数自体はそれほど多くはないにしても、印象としては「托卵はそんなに珍しいものでもない」というイメージ。

 

ですので、フクズクの巣に集まっている謎のたまごたちの中にも、ひょっとすると他の鳥たちが彼らの巣に托卵していったものがあるのではないか、という可能性はなくはなさそうですし、そういう事を想像してみると、モンハンの生物界の奥行きを感じられるようで、個人的には結構ワクワクします。まあフクズクの巣を調べたらハンターがたまご持って行っちゃうんですけど。

 

また、重ねておことわりしておきますが、筆者は生物学については何一つ専門知識と言えるものを持っていませんので、ここで書いている内容にもおそらく不正確なものが多いと思われます。筆者はライズのNPCの話であれば多少はお答えできますが、生物学の話やモンハン世界の生物の話に関しては、シロウトの私などよりもずっと詳しい知識がある方におたずね頂いた方が賢明かと思われますので、その点は何卒ご了承くださいませ。

 

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そんなわけで、今回はウツシ教官とドン・ドコの特集記事でございました。ウツシ教官のお面については、「遠方の地域で飛ぶように売れている」という情報、そしてウツシとロンディーネ、さらに彼女と深い関わりにあるらしい新キャラのフィオレーネと3人で登場している公式のイラストもあり、新拠点エルガドでもウツシのお面が人気を博し、彼の名が轟くことになるのではないか……とちょっと期待しています。既にカムラの里の関係の小ネタのようなものもたくさん出ていますから、ウツシのお面の伏線もいずれ回収されていくとよいですね。

 

それでは、ここまでお読み頂きありがとうございました! また別の記事でお会いしましょう!