カムラの里の甘酸っぱいお話 その2

※注意事項※

・本記事は「モンスターハンターライズ」全編のネタバレを含みますのでご注意ください。
・本記事でのキャラクターや人間関係、世界観の考察に関しては、作中で判明する設定を基にした筆者の推測を含む箇所が多くありますことをご了承ください。
・本記事は、2021年12月17日発売の「モンスターハンターライズ 公式設定資料集 百竜災禍秘録」発売前に執筆されたものです。
 したがって今後公開される公式設定は、本記事での考察内容と明確に異なる(=本記事での考察内容が誤りである)可能性がありますことをご了承ください。
・本記事の内容は、記事を改訂すべき点が発見された際には、予告なく加筆修正を致します。
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本記事は「カムラの里の甘酸っぱいお話」シリーズの続編記事となっております。前回の記事はこちら↓

 

mhrisecharacter.hatenadiary.jp

 

 

内容に連続性はありませんので、お好きな記事からお読み頂いて構いません。

 

さてさて、甘酸っぱいお話シリーズ第2弾は、米穀屋のセンナリ・スズカリ夫婦のおはなし。カムラの里が誇る(?)おしどり夫婦であり、作中の会話でも2人揃ってパートナーののろけ話をたくさん聞かせてくれるんです。いつごろ結婚したのかは定かではないものの、新婚、という感じでもないようなのですが、2人の雰囲気は未だに新婚のようにデレッデレなので、話を聞いていてこちらの方が照れてしまうほど。さっそく2人のラブラブぶりを覗いていきましょう。

 

ーーーもくじーーー

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①里一番のおしどり夫婦

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嫁のスズカリとは、幼なじみでね。昔から輝くように美しくて、性格も良くて、ずーっとホレてたんだよ。

それである日、決意して「一緒に俺の店で米を炊いてほしい!」って告白して、夫婦になったんだ。

ステキな嫁さんに来てもらえて、オレはカムラの里で一番の幸せ者だよ。

(里☆1 センナリ)

 

幼馴染同士で結婚、センナリの積年の恋が成就して……いいですねぇ~。なんとも胸キュン(死語)な展開です。プロポーズの言葉が「俺の店で一緒に米を炊いてほしい」だったり、「来てもらった」と言っているということは、元々はセンナリの方が米穀屋の生まれで、そこにスズカリが嫁いで一緒に店を経営している、という感じに推測できますね。

 

スズカリの方はそれまでセンナリのことをどう思っていたのか、というのが(今のところ)聞けないのがとてもザンネンなところ。じつは元から両片想い状態で、後はどっちが言い出すかという時間の問題、というくらいまで関係が深まっていたのか、それとも告白されて初めてセンナリのことを恋愛対象として意識するようになったのか……果たしてどんなストーリーがあったのでしょうか。

 

センナリが「お付き合いしてください」みたいな所から始めるんじゃなくて、最初から「俺の店で一緒に~」と結婚を申し込んでいるあたり、告白する前から距離感はかなり近かったのではないかと思うんですよね。スズカリもスズカリで夫を事あるごとにべた褒めしていますし、いきなり結婚のプロポーズをされてOKしているわけですから、元々恋愛対象として意識していたにせよいなかったにせよ、センナリにかなり好感を抱いていたのは間違いないはず。

 

自分たちは友達なのか、恋人なのか…という、深いけれど淡い感じの関係が続いていて、自他ともに自分たちは何となくこのままくっつくのではないか、という雰囲気もあったからこそ、「恋人になってください」と告白する段階に必要性を感じなかった、そもそもすっ飛んでしまったという事なのかなぁ~と。まあ、センナリがベタ惚れしすぎていたせいで端から結婚の話を切り出すという剛毅に至ってしまった、という可能性もなくはないのですが。

 

一方でスズカリの方も、隙あらば夫の好きなところの話をしてきます。

 

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○○さん、ちゃんとご飯は食べてるかしら?

ハンターは、体が資本。それを作る源は、やっぱりご飯よ。

もし疑わしいと言うのなら、私のステキな夫をご覧なさい。

夫の元気、優しさ、カッコよさ…。すべて、おいしいご飯がもたらしているものなのよ。

(里☆5 スズカリ)

 

いくら夫のことが好きだからといって、他人に向かって(しかも隣に夫がいる状態で)こんなに堂々と恥ずかしげもなく夫の良いところを言ってのけるというのもなかなか胆力がありますが、夫を慕う気持ちがあまりにも揺るぎないものであるため、もう人前でのろけ話をするのが恥ずかしいとかそういうのも無いのかもしれませんね。あるいは、自分たちがいかに仲が良いのかを見せつけたい、みたいな気持ちもあるのかもしれません。微笑ましいことです。

 

ちなみに、この台詞と同じタイミングでセンナリから聞ける会話がこちら。

 

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○○、ちゃんと米、食ってるか?

ハンターは体を動かすだろう? そのために必要な栄養は、米にたくさん入ってるんだ。

ウチの嫁さんがいつも元気健康で、輝くように美しいのも、米をいっぱい食べてるからさ。

強く、元気で、美しく! ハンターとして有名になるなら、嫁さんが持ってるこの3要素は抑えておきたいな!

(里☆5 センナリ)

 

あなたもですか…。というわけで、同時期に聞けるこの2つの台詞は会話の構造がまるっきり同じであり、米を食べるよう勧めるにしても、米を食べている自分のパートナーがどれだけ素敵なのかということを紹介してきます。ここまで息ぴったりだと、おしどり夫婦というかカップの様相を呈してきているような気がしますが……。誰もが認める里一番の仲良し夫婦にこんな風にお米を勧められてしまったら、お米を買うっきゃないです。

 

このタイミング以外にも、センナリは事あるごとに、自分の妻が美人であるという話を続けてきます。

 

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よう、○○。茶屋のうさ団子もいいけど、しっかり米も食べないとダメだぞ。

俺の嫁さんを見てみろ。毎日、ここの米をたくさん食べてるから、とんでもねぇベッピンさんだ。

もちろん、米を食わなくても俺の嫁さんはベッピンさんだけどな。米を食って、さらに輝きが増してるのさ。

……あれ。なんの話だったっけ? まあいいや。

(里☆1 センナリ)

 

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よう、○○。ちゃんと飯は食ってるか?

米、野菜、肉。いっぱい食べて、適度に運動をすれば、身も心も元気いっぱい。肌はつやつや。

俺の嫁さんを見てみろ。おいしい飯をたくさん食べてるから、いつも元気でそして輝くように美しい。

(里☆6 センナリ)

 

里☆1の台詞にもありましたが、センナリ的には「輝くように美しい」というのが非常に大事なんでしょうね。ただ美人であるというだけではスズカリの魅力を十分に言い表せいない、自分の妻は輝かしい存在なのだ、というのがセンナリがここで強調したいことであり、そういう言葉選びへのこだわりからも彼の愛情の深さが伝わってきますね。

 

まあそれにしても、いくら自分の妻が好きだからといって、このような話を何度も主人公にする(しかも妻の横で)というのもなかなか珍しい人ですが……。いつでも褒め言葉を欠かさない、というのが夫婦円満の秘訣なのかもしれませんね。

 

また、スズカリの方からは、センナリのちょっとかわいい性格を聞くことができたりします。

 

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ヨモギちゃんのうさ団子が 販売停止の危機になってたらしいわね。

モンスターに襲われてた行商人さんは、うさ団子の仕上げに使う材料を運ぶ人で、ウチの店とも仲良くさせてもらってるの。

百竜夜行で危ないっていうのに、ちゃんとお仕事をするんだから、立派な行商人さんよね。

…おっと、ほめすぎちゃったわ。夫が妬いちゃうから、このくらいにしないとね。

(里☆2 スズカリ)

 

いやかわいいかよ~。自分の妻が他の人を褒めているのを見て嫉妬してしまうという、何だか学生の恋愛みたいなメンタリティを発揮しています。しかも「夫が妬いちゃうから」という口ぶりを見るに、今回ばかりでなくこれまでも同じことがあったのでしょうね。いつまでも気持ちが若々しいのは良いことだと思いますが……身も蓋もないことを言えば、愛情が深すぎて逆にちょっとメンドクサい人みたいな感じに見えなくもありません。

 

まあ当のスズカリの方も、他人を褒めたことに対して夫がいちいち妬いてくるのを、「いや別に普通に人として褒めてるだけだから……」と面倒くさがるというよりは、むしろそうやって嫉妬を向けられることすらも、「わたし、夫に愛されてるなぁ~」という感じで受け取っちゃうタイプだと思いますから、「夫が妬いちゃうのよねー」と口では言いつつ、内心では本人が一番嬉しがっている可能性が高そうです。うーん、相性が良すぎる。どうぞ今後もお幸せに……。

 

さて、彼らの仕事の話もしていきましょう。米穀屋では穀物以外にも、お漬物や味噌などのご飯のお供的な食べ物も売っています。これらの製法は、センナリがハモンから習ったものだということなのですが、センナリはこのことで少し悩みがあるようで…。

 

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ウチは、味噌や漬け物もオススメだよ。ここら辺は、加工屋のハモンさんがいつも買っていってくれるね。

…まぁ、味噌も漬け物も、ハモンさんの指示に従って作ったものだから、そりゃ口に合うよな。

そして、里の中でも外でも、ハモンさんが考えた味噌と漬け物がいちばんよく売れるんだ…。く、悔しい。

(里☆4 センナリ)

 

この味噌やら漬け物やらというのは、ただご飯のお供だから売っているというわけではなく、製造方法の店で米穀と深いかかわりがある食べ物ですね。漬け物は米ぬかに野菜を漬けることで作るものですし、味噌は大豆(「米穀」は広義には豆なども含むらしい)を発酵させるものですから、漬け物を発酵させるための冷暗所があるならそこで一緒に作ることができます。

 

おそらくセンナリがそれを、料理上手なハモンに「どうしたらより美味しく作れるのか」と相談して、今の製法になったということなのでしょう。この辺りは年の功もあるので仕方がないところではあるのですが、センナリは自分の技術の未熟を少し悔しがっている様子。

 

この点について、スズカリは別の観点から夫を称賛しています。

 

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夫が奥の座敷にいるときは、新しい料理を考えているときなの。

それで、思いついたら作ってみて、ハモンさんに試食してもらうのね。

ハモンさんは料理の腕前も一流だから、自分の味覚よりも信用しているみたい。その柔軟性が、夫のステキなところだわ。

この店にある漬け物や味噌が人気なのは、ハモンさんの確かな味覚と、夫の柔軟性のおかげということね。

(里☆1 スズカリ)

 

スズカリによれば、センナリがハモンに味付けの相談をするのは自分よりもハモンの味覚を信頼しているからとのこと。自分の技術を過信するのではなく、自分よりも秀でている他者を尊重し教わる姿勢を忘れない、というのは、技術が高いか低いかということよりもはるかに重要であり、得がたい気質です。

 

センナリ自身は、向上心を持って料理に取り組んでいる分、ハモンのことを尊敬しつつも少し悔しいという気持ちがあるのでしょうが、スズカリの方はより本質的な部分で夫のことを称賛しています。料理の技術はまだ発展途上であること自体をいたずらに否定せず、むしろそのことは認めつつも別の角度から相手の美点を見いだすというこのスズカリの姿勢には、夫のセンナリに対する誠実さを感じるところですね。

 

②百竜夜行と里の日常

センナリもスズカリの性格を心から称賛していたように、スズカリは非常に芯のあるキャラクターでして、百竜夜行やモンスターにも動じない落ち着きのあるメンタルの持ち主、隠れた名言メーカーだったりします。ストーリー序盤、百竜夜行が50年ぶりに再来すると里中に告げられた直後の彼女の台詞がこちら。

 

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百竜夜行が来るからって、何か生活を変える必要はないわよね。

私たち米穀屋は、いつも通り食べ物を売って、みんなのお腹を満たすの。

○○さんもいるし、砦もあるし、みんな訓練してきたし、だいじょうぶに決まってるわ。

(里☆1 スズカリ)

 

百竜夜行という非常事態に対抗するにしても、自分たちの生活それ自体をまるごと変容させてしまう必要はない、というのが彼女の見解です。防衛のためにやることはやりつつも、一方で「いつものカムラの里の日常」を守り続けていくこと。普段と変わらない里の姿がそこにあり続けることが、苦境においても里の人たちの心の拠りどころ、「何があってもカムラの里は大丈夫だ」という安心の源になるのだ……ということですね。

 

里長フゲンを中心に、百竜夜行は「組織的に対抗することで防ぎうるもの」だという意識を共有し育んできたカムラの里の、精神的な強靭さをもっともよく象徴するのがスズカリのこの台詞であると言えます。スズカリのポジティブさが窺える会話は他にもあるので、続けて見てみましょう。

 

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里の平和が戻るまで、愛する夫と二人三脚でこの米穀屋を守っていくわ。

…と言っても、雰囲気はずっと平和よね。○○さんが頼りになるから、みんな安心してるのよ。

これからも、がんばって。あ、食事はどんなに忙しくても、きちんととるのよ?

(里☆6 スズカリ) 

 

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イブシマキヒコを撃退したのに、百竜夜行は収まらず…。

でもそのことより、ヒノエちゃんが元気になったことが嬉しいわ。里のみんな、きっと同じ気持ちだと思う。

百竜夜行は、来たらまた防衛すればいいの。イブシマキヒコの件で原因はわかったし、どうせ同じようなのが隠れてるんでしょ?

それを見つけ出して討伐すれば、今度こそおしまい! 問題は、どこに隠れているかよね…。

(集会所☆6百竜後 スズカリ)

 

百竜夜行を「来たらまた防衛すればいい」と言い切り、「主人公がいれば里は大丈夫」「ヒノエが元気になったのが一番」と、どんな時でも常に前向きな気持ちになれることに目を向けていこうとする姿勢。こういう人が主人公や里のみんなの戦いを見守ってくれているということは、カムラの里にとって本当に大きな宝だと思います。センナリも、そうした彼女のしたたかさに惚れ込んでいるのかもしれませんね。

 

それでも、イブシマキヒコが出てヒノエと共鳴してしまう事件があった後は、スズカリもかなり動揺をしていた様子。

 

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ヒノエちゃん、だいじょうぶかしら。まさか龍と共鳴するなんて…予想外ね。

早くその龍を見つけ出して退治しないと…。ヒノエちゃんより、妹のミノトちゃんが心配しすぎて倒れちゃうわ。

(集会所☆4 スズカリ)

 

スズカリは、ヌシアオアシラ百竜夜行の直前の台詞では、ヌシという新しい脅威はいるけれども、里の団結を信頼して、いつも通りなにごともなく終わるだろうと、まじないのように口にして防衛の成功を信じていました(下記参照)。思えばこれも期せずしてフラグになってしまったという事なのですが、だからこそ、まさか大型古龍まで出現するという異例の事態になってしまったとなれば、彼女ですらも多少ならず堪えるものがあったのでしょう。

 

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(集会所☆4緊急前 スズカリ)

もちろん、すぐに「じゃあマキヒコを探して倒そう」と切り替えられるあたりはさすがといったところですが、この時のスズカリの心境は、夫のセンナリが的確に代弁してくれています。


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龍と共鳴したヒノエさん、とてもつらそうで、見ているこっちも気が気じゃなかったよ。

いつも俺たちが用意した飯を笑顔でバクバク食べてくれてたのに、のどを通らない状態がしばらく続いて…。

当たり前だった日常が壊れることってこんなにもキツイんだな。

まあ、今はだいぶ回復したみたいで、いつもどおりの大食いに戻ってくれてホッとしてるけど…。

…ちくしょう。あんな思いは、二度とゴメンだよ。

(集会所☆4 センナリ)

 

「……こんなにもキツイんだな」という台詞を見るに、センナリも、いつも通りのカムラの里の生活を守っていきたいね、という話を普段からスズカリとしていた、というような雰囲気。古龍の影響でヒノエが体調を崩し、ミノトもショックを受けてしまい……という、普段の平和な空気が一時的に失われてしまった事態を目の当たりにして、スズカリが言っていたのはこういう事だったのだろう……と噛みしめている。そのような印象を受けます。

 

スズカリもこの「日常」を大切にしていたからこそ、集会所☆6でマキヒコを撃退したものの仕留め損ねてしまった時にも、まずヒノエが復活して元気になり、里のいつもの光景が戻ってきたことを何よりも喜んでいたのでしょう。

 

ちなみに、そのイブシマキヒコ撃退後の里のみんなの光景についても、センナリからその様子を聞くことができます。

 

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○○、おつかれさん。まだ油断はできないようだけど、大きな前進だよ。オマエのおかげだ。

ちなみび、砦に持っていった大量の食料は、やっぱり里長とヒノエさんによって食い尽くされたよ。

…まあ、それを見て笑えるだけの心の余裕が、まだみんなには残ってる。最強だよ、この里は。いろんな意味でね。

(集会所☆6百竜後 センナリ)

 

この状況、何がすごいってヒノエの食べるペースがすごいんですよね。この百竜夜行でのヒノエは、イブシマキヒコとの共鳴で元々体調が芳しくありません(マキヒコ百竜ではヒノエ&ミノトの召喚ができない)。

 

☆4ヌシアシラ百竜後の様子を見るに、彼女はいちおう共鳴していても、マキヒコとの距離が遠くて影響が少ない状態であれば食欲はふだん通りのようなのですが、遠征でまたマキヒコと接近するとなれば、食欲も確実に落ちているでしょう。更に第3ウェーブでマキヒコが降臨してきてからは、激しい共鳴で食事を取るどころの話ではありません。

 

このような事情を踏まえてセンナリの証言を考えると、おそらくイブシマキヒコ撃退終了後に「少し休憩してから里に帰ろう」的な休憩時間があり、ヒノエはおそらくその時に大食いに走ったものと思われるんですね。それまであまり食べていなかった分を取り返すように……いやそれにしても、いくらフゲンの方も大食いとはいえ、大量にあった食料を食べつくせるというのはあまりにも胃袋が大きすぎるという話なんですが。

 

まあ、センナリの言う通り、その様子を見て笑えるのがカムラの里の良いところなんですけどね。いずれにせよ、米穀屋として皆の毎日の食を支える立場だからこそ、この夫婦が人一倍「いつも通りのカムラの里」を大切にしているという、彼らの信念が伝わるエピソードだったと思います。

 

「いつもの生活をこそ大事に」のその姿勢は普段から一貫しているものでして、これまでのクリップにもありましたが、2人はしばしば里の皆や主人公の食事のことも心配してくれているんですよね。なんだかこう、学生寮とかの寮夫寮母さんみたいな雰囲気です。

 

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まだまだ、いろんなクエストが入ってきているみたいだな。百竜夜行もあるし、ハンターは大忙しだ。

でも忙しいからって、食事を疎かにするのだけはだめだぞ。

だいじょうぶだと思っていても、食事抜きでの狩猟は、思わぬ失敗を招く。急いでても、飯を食う余裕は残しておけよ。

(里☆5 センナリ)

 

狩猟をするにしても何をするにしても、生活の最も基礎的な部分である食事を忘れないで欲しい。物理的・精神的な余裕があるかどうかが最も顕著に出るのは、生活習慣の根幹が維持できているかどうかという部分だ、というのは私たちの生活にも通じる真理ですね。朝食や昼食は特に、忙しいと抜かしてしまいがちではありますが、意識的にでも食事を取って身体に活力を取り戻すほうが、かえって勉強や仕事の効率と確実さを高めることになります。

 

そして、いちおうこの台詞はゲーム的には、これは里クエストが終わって集会所に進もうとする(主にシリーズ初プレイの)ハンターに「狩猟の前にうさ団子を食べる」という習慣を付けさせるための補助線でもあったりします。私は未だにたまに忘れるので、ゲーム内の私の分身はセンナリにずいぶん心配をかけていることでしょう……。

 

百竜夜行の際には皆の食事の担当でもある米穀屋ですが、里守たちの食事を作るにしても彼らには確固たるポリシーがあるようで、スズカリからそれを聞くことができます。

 

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さて、百竜夜行ね。この米穀屋は、砦で食べる食事担当! 愛する夫と、食料を準備しているところよ。

こういうときの食事は お腹がふくれればそれでいい…とかいう話もあるけど、それは私の美学に反するわ。

こういうときだからこそ、おいしい食事! 栄養もしっかりとれるものじゃないと、やる気なんて出ないはずよ。

(里☆3百竜前 スズカリ)

 

スズカリのこの台詞、いいですよね。米穀屋としての強いこだわりを感じるシーンです。腹を満たせればいいと言えばそれまでですが、ご飯がおいしければ気分も上がりますし、激しい戦いの合間でも美味しい食事を楽しむという心の余裕も出てくる。

 

本当に切羽詰まっている状況というのも時にはあるので、もちろん「お腹を満たすためだけの簡易な食事」の方が必要とされる場合もあるのですが、世間では不味いと噂される携帯食料のように「味はガン無視でとにかく食べられればいい」だけの食事でさっと済ませてしまうというのは、悪い意味での緊急事態らしさ、息の詰まるような雰囲気を作ってしまいます。その点、食べるときの楽しみにもきちんと配慮した食事というのは、緊張感をほぐして平常心を取り戻させてくれるものでもあります。ライズの隠れ名言メーカーの本領発揮せり、という感じですね。

 

③神出鬼没の(?)米穀屋

さて、また少し話は変わりますが、スズカリ・センナリの2人の里内での大きな特徴として、たたら場前エリア内でけっこう色々なところに移動しがちというのがあるんですね。

 

私も2人の会話クリップを集めていたときは、「あれ? 今回は店先じゃなくてあっちで誰かと話してるなぁ」「あれれ? 今回は店先にいるなぁ」という感じで、ストーリーを進めるたびに、彼らが里のどこにいるのか探すということをやっていました。これぞ神出鬼没……というのは少し大げさでしょうか。

 

みんなに慕われている米穀屋ならではの交流の広さということなのか分かりませんが、たたら場前エリアを出入りしていると、米穀屋の軒先でどちらが片方が仕事をしていて、もう片方が他の誰かと話している様子を時々見かけます。2人で同時に休憩を取ってしまうと店に誰もいない状態ができてしまうので、時間をずらして交代で休憩を取っている、という感じなのでしょうかね。時々どちらも店を外していて店先が無人になっていることもありますが。

 

スズカリは米穀屋の店先にいないときは、傘屋のヒナミか詩人のイカと世間話に花を咲かせています。とくにヒナミの方からは、スズカリとセンナリの夫婦仲の良さを羨ましがる台詞を聞くこともできます。

 

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(里☆4 ヒナミ)

かく言うヒナミには弟がおりまして、弟とは何だかんだ助け合って生活している感じではあるのですが、お互いに我が強い性格だからなのか家ではケンカが絶えない(別記事参照)ということで、家族の仲が良いスズカリの家庭に少し憧れているようです。

 

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(↑ 2人の会話がどうしても聞こえてしまうタイシの心境やいかに)

イカの方も、いつもスズカリと何やら楽しそうに話しているのですが、シイカは今のところスズカリとセンナリの詩は作っていないんですよね。まあ、普段からよくしゃべる相手だからこそ詩の題材にするのは気恥ずかしいのかもしれませんし、あるいは夫婦の仲の良さについては、敢えて自分の詩を通して語るまでもあるまいと遠慮しているのかもしれません。サンブレイクでついに聴けるのではないかと、個人的には少し楽しみにしている所だったりします。

 

一方でセンナリの方は、店を外しているときは家の中で新しい料理を考えているか、飴屋のコミツのところでお喋りをしています。つまりスズカリ、センナリ共に、店先以外で複数の出没(?)ポイントがあるということですね。

 

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(↑ どれがいいかな~…と、コミツに聞きながら選んでいる様子。センナリはこの後じっさいに1本購入します)

2人の様子を見るに、センナリがコミツの所にりんご飴を買いに来ているという様子なのですが、この2人の組み合わせはかなり予想外だったんですよね。センナリはりんご飴が好きという設定がひょっとするとあるのかもしれませんが、コミツの会話にセンナリの名前が出ることは特にありませんし、その逆も同様という感じなので。

 

まあ、仲は良いけれど会話の台詞にお互いの名前が出ない、という点ではスズカリとシイカとかも同じなのですが、スズカリとシイカが話しているのは何となく井戸端会議的な感じかなぁ、と納得できるのに比べると、センナリとコミツはなんだか意外なコンビ(?)だなぁという印象です。

 

まあ、カムラの里は全体的にみんなの距離感が近く、年代に関わらず皆の仲が良いですし、プレイヤーが見えていない範囲でもさまざまな人間関係があり、各々が色々な人との絡みがあるでしょう。

 

したがって、ゲーム中ではセンナリの姿が確認できるというだけで、設定上は色々なキャラが飴屋に行き、りんご飴を買いつつコミツとお話しをしている、ということになっていると思いますから、あえてこの描写に取り立てて注目しなくてもいいといえばそうなのですが……(ゲーム的にも、各NPCにそんなに多くの行動を設定できるわけではないので)。

 

それでもなお、キャラ考察というのは「このキャラとこのキャラの組み合わせがわざわざ描かれているのには意味があるはずだ」と仮定することで、推測の域こそ出ないもののさらなる考察がはかどる、という側面もあるものでして。センナリがコミツに話しかけている描写がゲーム内にある、ということに何らかの意味があるとすればどのような意味があるのか、というのをここで少しばかり考えてみるのも一興です。

 

オーソドックスな解釈としては、一人で商売をしているコミツのことを気にかけて声をかけている、ということが考えられます。現状、コミツの親や保護者にあたる人物はゲーム内に登場しておらず、コミツ自身がそれらについて話すという機会もないため、実はコミツは私生活が謎であるキャラクターの一人。

 

ヨモギやイオリの年代でじゅうぶん一人前、という作中での扱いを考えると、この年頃でもカムラの里では大人~大人の一歩手前くらいの年代なのかもしれませんが、セイハクのところは母親のワカナも一緒に登場していることを考えると、コミツにも同じようなポジションの大人がいてもおかしな話ではないはず(ちなみに、ウツシに師事しているタイシもこの辺の描写はありません)。

 

プレイヤーの想像の余地ということで、こちらも推測にしかなりませんが、大まかに2つ仮説を立てることができます。1つ目は、作中で設定が明かされていないだけでコミツの両親はおり、たたら場前エリアではなく反対側の居住区エリアに家があるものの、りんご飴は人通りの多いところで売った方がいいので家から距離のある所で一人で商売をしている、という説。

 

米穀屋は飴屋が直接見える位置ではないにせよ、場所としてはかなり近いところありますから、近くで働いているコミツを気にかけて、センナリはりんご飴を買うがてら、仕事の時は親元を離れて一人で商売をしているコミツを気にかけており、何か困っていないかなど様子を見ることも兼ねて、度々おしゃべりをしに行っているという可能性は十分ありそう。「カムラの里は家族」とは、子どもをその家庭内だけではなく、里のみんなで育てて見守っていこうという意味でもある、ということになりますね。

 

2つ目は、自分でも考えすぎだとは思いますが、両親はいないという説。コミツに限った話ではありませんが、モンスターが強くて人がしばしば襲われることもある、というモンハンの世界観では、人の住む地域において、家族を亡くした子どもを大人が自分の家に養子のような形で引き取る、或いはそのような子ども達と保護者にあたる大人とで共同で生活する、といったことが当たり前のように行われていても、全然おかしな話ではないと思うんですよ(ゲーム内で描かれることはあまりないと思いますが)。

 

現に茶屋のヨモギだって、生まれたばかりの頃に竜人族のハンターによってカムラの里に連れられてここで保護された、という来歴の持ち主です。本人にその頃の記憶があるかどうかは微妙で、おそらく彼女は自分自身の出自についてはあまり知らないと思いますが、肉親にあたる人物はいない(亡くなったか行方不明なのかは分かりませんが)という境遇です。

 

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(里☆6 フカシギ)

サンブレイクのPVにあった、滅んだ西洋風の王国のような場所や、ハンターがヨモギを連れて来たという事情を見るに、恐らくモンスター絡みの災禍や災害にヨモギやそのハンターの故郷が襲われ、壊滅に巻き込まれるところを逃れてカムラの里に逃げることができた、という線が濃いでしょう。

 

そんなヨモギが今は幸せに、健康に暮らせているのは、「カムラの里はみな家族」という里の文化のおかげ。血縁のみを家族と定義せず、同じ里に生きる者同士で親密に助け合い支え合うというコミュニティの中で育つことができたのが彼女の幸運であり、彼女にとっての家族は何よりもまずカムラの里の皆です。

 

これと同じように、コミツも里の皆を家族として育ってきた境遇であり、店の場所が近いセンナリが一人で商売をしているコミツに声をかけて応援しているのを筆頭に、里の大人たちに支えられながら頑張って独り立ちをしようとしている、という描写としてこの2人がお喋りしている光景が作中にある、という可能性もあり得ると思います。

 

別の解釈としては、これまた特に明確な根拠はない推測ではあるのですが、センナリは子ども好きな性格だという設定があるのかもしれません。子どもが好きといっても別に変な意味ではなくて、センナリは穏やかで面倒見が良さそうですから、子どもに好かれそうですし本人も好きなのではないかなと。おにぎり屋をやりたいと言ったセイハクに米穀屋も協力している、という話を聞けるのも彼の方からですしね(前の記事を参照)。子どもが意欲を示したことにきちんと向き合うことができる、素敵な大人です。

 

センナリは何よりもまず奥様のスズカリと、そして2人で営んでいる米穀屋の仕事を大切にしている人物だという印象が強いものでして、センナリがコミツと楽しそうに話していたり、作中での描写はないもののセイハクのおにぎり屋を見守っていたりする様子というのは、いつもの彼とはまた違った一面であり、里の子ども達のことを自分たちの子どもさながらに大切にしている(※)という、微笑ましい1シーンでもありますね。

 

※誤解のないように言っておくと、これはたんなる比喩であり、センナリ・スズカリ夫婦の間に子どもがいるという話は作中ではありません。

 

夫婦が共に働き手で仕事をバリバリやるという感じだったり、家事は料理に関しては夫のセンナリの方が主に担当しているらしいという点だったり、家族というものの描写が非常に現代的ですよね。家族の形や家族内の関係についても多種多様であり、各家庭で何を大事にしているかもそれぞれ違う。そういう価値観をもとに色々な属性をゲーム内の各NPC達に割り当てつつ全体を明るく描いているので、今の時代のゲームらしい含蓄があるなぁとつくづく感心しています。

 

さて、後半になればなるほど当初の記事テーマから逸れていってる感がありましたが、甘酸っぱいお話シリーズ第2編、米穀屋のスズカリ・センナリのお話はここらで一区切りとしましょう。第1編のセイハクの話から趣向を変えて、今回は既に結婚しているラブラブな夫婦の様子をお届けしてまいりました。予定ではこの恋バナシリーズは次で最後になると思いますが、よろしければぜひそちらもお読みいただけますと幸いです。

 

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。また別の記事でお会いしましょう!